旅限無(りょげむ)

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やっと辞めます菅総理 其の壱

2011-08-14 16:21:17 | 政治
■あれこれと一般大衆受けを狙った政策を食い散らかした揚句、すべての後始末を後継内閣に丸投げすることになりそうなのに、妙にさばさばした表情になった菅アルイミ首相は、何とかの一つ覚えで「(無力の)全力」「(無意味な)責任」を最後の最後まで連発して与野党すべてに包囲されていよいよ首相官邸から引越しすることになった由。2010年(平成22年)6月4日に第94代内閣総理大臣に指名され6月8日に就任してから1年2箇月余、この人は何をしたのでしょう?ただ総理大臣の椅子に座っていただけのような空疎な印象しか残せない、実に奇妙な時間だったような気がしますなあ。

■クラッシャー小沢と争った代表選挙の時には「クリーンでオープンな党運営」や雇用政策の重視を訴えていた菅アルイミ首相でしたが、副総理兼国家戦略担当大臣だった時期に河本某という在日韓国人から104万円の違法献金を受け取っていたり、石岡亨・松木薫を欧州から北朝鮮に拉致した結婚目的誘拐容疑で国際手配を受けている森順子容疑者の長男森大志が所属する政治団体「市民の党」(東京、酒井剛代表)から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」に計6250万円の政治献金を行っていたことがバレてしまったからには、「クリーンな党運営」など最初から無理だったことが分かります。「オープンな党運営」は親小沢議員を苛め抜くことだったのもバレてしまいましたなあ。

■さてさて、2010年の6月から菅アルイミ首相の「業績」を少し振り返ってみましょう。
6月11日に亀井静香国民新党代表が郵政改革法案の通常国会提出見送りに激怒して金融担当大臣・郵政改革担当大臣を辞任したのも懐かしい話で、亀井代表が最後まで菅アルイミ首相を支持する立場だったのは皮肉でもありましたが、首相を辞する直前に郵政見直し法案を国会に提出して見せたのは形ばかりの恩返しだったのかも?

■7月11日の第22回参議院議員通常選挙で菅アルイミ首相が唐突に「消費税引き上げ!」と喚き始めて与党が過半数を割り、誰も惨敗の責任を取らないままネジレた国会が民主党を悩ませ、被災地の皆さんを苦しませ、国民全体から希望を奪った行きました。
8月10日には韓国併合100年目だというので韓国への謝罪を盛り込んだ談話を閣議決定。翌8月11日には15年ぶりとなる1ドル84円台に突入して、1年後の菅アルイミ首相の退陣確実となってみたら76円台!結局、円高に対して無力な内閣だったわけであります。財務大臣経験者が首相になっていたのに残念なことでありました。まあ、「乗数効果」も「消費性向」も知らない無能な素人大臣だったことはバレていたのですが……。

■9月7日、尖閣諸島近海で海上保安庁の巡視艇と中国の漁船が衝突!酒乱船長がが故意に巡視艇にぶつかったと判断して船長を逮捕して船も拿捕したものの、9月24日に船長を丁重に釈放してチャーター機で帰ってしまいましたなあ。今年の年7月21日に那覇検察審査会が公務執行妨害罪、外国人漁業規制法違反、建造物損壊罪で起訴議決をしたものの、同じ審査会がクラッシャー小沢に強制起訴を決めた時とはまったく違う他人事みたいな反応を見せた菅アルイミ首相でありました。

■9月17日、惨敗した参院選の反省もなく内閣改造が行なわれまして、参院選で落選していた千葉景子法相は68日という留任居座り新記録を作ってやっと辞任。留任中の7月28日には「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属しているのに突如として死刑執行命令を出して見せたのは「適任者だから」と留任を正当化してくれた菅アルイミ首相への恩返しに内閣支持率を少しでも上げたいと思ったからか?何でも改造内閣は「412人内閣」「有言実行内閣」だそうでしたが、前の内閣は「奇兵隊内閣」とか何とか言っていた記憶があります。

■9月24日、国連総会の一般討論演説で総額85億ドルの途上国支援策と温室効果ガスの25%削減目標を表明。勿論、再生可能エネルギーの話ではなく原発新設、輸出もどんどん、という話でありました。同日、国内ではこんにゃくゼリーの「形と硬さ」の基準を決めるプロジェクトチーム「こんにゃく入りゼリー等の物性・形状等改善に関する研究会」が発足。市民運動家出身の首相には、こういう仕事の方が向いていたのでしょうなあ。

■10月4日にブリュッセルで開催されたASEM首脳会議の場で、拝み倒して温家宝首相と約25分間の「懇談」をしたとて大喜び。

■10月15日、代表選で公約した「国家公務員の総人件費2割削減」をあっさりと撤回!
11月16日には韓国政府に対して旧朝鮮総督府経由で日本に渡った朝鮮王室儀軌など計1205冊の図書の「引き渡し」について国会承認を求める閣議決定。同月19日には永住外国人への地方参政権(選挙権)付与について「憲法上の国民主権の原理と必ずしも矛盾するものではない」とする答弁書を閣議決定!この種の問題には異様に熱心な菅アルイミ内閣でありました。
12月25日のクリスマス、菅アルイミ首相は「たちあがれ日本」に連立政権への参加を打診したもののプレゼントは拒否回答でしたが、年明けの内閣改造では与謝野馨が抜け駆けして入閣。

■11月13日の夕方、横浜で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)でロシアのメドベージェフ大統領との会談開始を15分遅らせて北方領土訪問強行の引き金を引いて?までして頼み込んでチャイナの胡錦濤国家主席とわずか22分間の日中首脳会談を実現!全世界に俯いてメモをぼそぼそ読む菅アルイミ首相を睥睨する胡錦濤国家主席の堂々たる姿を大宣伝してあげました。

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2 コメント

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irresponsible (noga)
2011-08-14 16:43:04
国民が首相そのものを信頼していない。そうである以上は何をやっても政治空白。いままでもそうであった。これからもそうである。この国の歴史から学べ。一刻も早く首相の座そのものを廃止すべきだ。今の政治形態は、国民にとって最悪の精神状態を作っている。どこに信頼に足る日本人がいるというのだ。県知事ならば我が国でも10年ぐらいはもつかもしれない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
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nogaさんへ (旅限無)
2011-08-21 16:45:19
いらっしゃいませ。ご返事が遅くなり失礼しました。確かに菅アルイミ首相は何のしなかった方がよかったかも知れませんし、鳩山サセテイタダク首相はずっと黙っていたら史上最低の総理などと言われて名門?鳩山の家名を汚さずに済んだかも知れません。確かに国会議員から県知事になるのではなく、有能な知事が国政に出て大きな仕事をする方が日本の政治を復活させる早道かも知れませんね。
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