旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

不毛な喧嘩 其の参

2006-06-24 10:19:57 | マスメディア
■この4月24日に、広域暴力団の元最高幹部という人物に何かの取材で溝口さんは直接会って話を聞いたそうです。その別れ際に細木センセイの管理売春疑惑が渦巻く渋谷時代を知っている関係者を紹介して欲しいと頼んで別れたのだそうです。その後、溝口さんに電話が掛かって来て、その元大幹部は細木センセイに直接電話して事情を説明したところ、いろいろ頼まれて、連載中止か細木センセイ擁護の内容で書いてくれないか?とややこしい事を逆に頼まれてしまったそうです。更に別の広域暴力団の現役の最高幹部からも電話が来て至急会いたいと言うので会って見ると、ここでも連載中止を求められたというのですなあ。

……最高幹部は近くの喫茶店に私を誘い出し、その席で言い出した。「細木の記事をやめられないか。あんたがやめたといえば、それで終わりだろう」私は半ば彼の出方を予想していた。「いや、編集部の企画ですから、私がやめれば、編集部が別のライターを立てるまでです。やめるわけにはいきません」「そうか、やめることはできないか」と、最高幹部はしばし考えていた。そのとき背後に控えている若い人が「細木さんから電話です」と最高幹部に彼の携帯電話を差し出した。「ええ、やめられないみたいですよ。ええ、ええ」と、最高幹部は数分ほど細木とおぼしき人間と受け答えしていた。おそらく細木は最高幹部に連載の中止工作を依頼し、首尾がどうなったか気になって、直接電話してきたのだろう。……私がうなずいて立ち上がろうとしたとき、最高幹部はしっかり糊付けした封筒を無言で私の背広のポケットに押し込もうとした。かねて用意したものだろう。私は拒み……

■何だか出来の悪いお手軽サスペンス・ドラマに出て来そうな、都合の良い偶然が重なる出来すぎた筋立てみたいですが、連載開始直前に細木センセイが大いに慌てて手を打ったとすれば、こんな偶然が重なることも有るのでしょうなあ。


筆者は当方の立場を理解した上、「賄賂」を断念した彼に感謝し、敵意や害意はいっさい持っていないと明言する。だからこそ団体名も実名もここでは伏せたのだが、広域暴力団の現、元幹部に連載のストップを依頼した細木に対しては別の感想を持つ。仮にも電波メディアで発言する者が自分に不利益と勝手に予想する記事を暴力団に依頼して打ち止めにしようとしいうのだ。私は取材を通して、多少は暴力団の世界に通じている。彼らとの面談や電話に怯えたとは言わないが、彼らの名を聞いただけで恐れる者もいるのだ。筆者はこうした直接の体験から、細木数子の暴力団ルートがハンパなものでないことを痛感した。……細木数子にはメディアに登場する資格も、メディアを表現の手段とする資格もない。彼女の言説を検証なしに垂れ流すメディアも同罪といっておく。彼女は表現や言論の暴力的な圧殺者であり、メディアに抱き合い心中を迫る者である。……

■溝口さんは本気で怒ってしまったようですぞ!先の新聞記事によると、今年の1月に御長男が刺されているのですから、それから3ヵ月後に細木センセイが暴力団を動かして脅しを掛けて来たのを敢然と受けて立った溝口さんは大したものだと思いますなあ。勿論、溝口さん本人や御家族に刃(やいば)を向けたのは細木さんからの依頼とはまったく関係は無いのでしょうが、時期が悪かったですなあ。広域暴力団と仲良しだと分かってしまうと、テレビ商売がやり難くなるでしょうし、もしも襲撃事件と同じ根から連載中止の圧力が出ていたりしたら、細木先生は共犯になってしまうかも知れません。

■ゲイノー人やら時代遅れのアナウンサーなどが、「センセイ、センセイ」と細木数子さんの腰ぎんちゃくになってはしゃいでいるようですが、今の内に、どんな人がどんなテレビに出てはしゃいでいるのか、メモでもしておいた方が良いかも知れませんなあ。麻原彰晃さんととても仲が良かった人達が、一斉に過去を忘れ去って知らん振りしているのは醜態なのですが、その舞台となったテレビ局の体質は変わっていないのですから、いよいよ考えた方が良いでしょうなあ。

■オウム事件で「TBSは死んだ」のだそうですが、どこのテレビも五十歩百歩の商売をしていたのですから、TBSだけを責めても仕方が無いのでしょう。そう言えば、『週刊現代』6月24日号に、「本誌追求でついに放送中止『PRIDE』=暴力団を斬り捨てたフジが恐れる「問題社員」」と言う長い長いタイトルの特集記事も載っていましたぞ!「Aプロデューサー」という仮名で登場しているフジテレビの有名人を含めて、30頁にはTBSの「K-1 Dynamaite」、日本テレビ「イノキボンバイエ2003」、フジテレビ「PRIDE男祭り2003」を横に並べて、複数の暴力団を中心とする相関図が載っています。記事の中にも、榊原信行DSE社長・高田延彦PRIDE統括本部長・日枝久フジテレビ会長・川又誠矢ケイコンフェデンス社長・石井和義被告などの実名がぞろぞろと出て来ます。NHKの紅白歌合戦を潰そうと頑張っている民放テレビが見つけた「ぶん殴りあい番組」は大切なドル箱なのでしょうが、NHKの紅白歌合戦でも裏金やら脱税やらややこしい話が噴出して、今度は民放が暴力団と仲良しだった事がバレてしまいました。

■秋田の子殺し事件と村上ファンドの大騒ぎの中で、フジテレビがしれっと「PRIDE放送中止」を発表するというのは、やはり視聴者をバカにしているとしか思えませんなあ。細木センセイの番組も、同じように闇から闇に葬られて、番組が消え、町の本屋さんの平積みコーナーからも細木センセイの占い本が消える日が来るのでしょうか?

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