結婚もしたいし、子どももほしい。1人きりの老後は寂しいですから。でも、20歳後半から金融関係の仕事が面白くなってきたし、交際していた女性も仕事を大切にしていたので、結婚する勢いやきっかけがなくなった。周囲の初婚年齢が上がり、焦りも感じなかった。……「人は財産」と考えて経済的支援をするなら、子どもがいる家庭に大幅な税金控除をするぐらいの決断をしないと。そのための増税ならやむを得ません。公的なお見合いパーティーの話も聞くけど、ありえない。……(東京の独身男性会社員 35歳)
■仕事に追われながら、日本の労働者はしっかりものを考えているのです。それに比べて厚生労働省のお役人やら、国会議員やら、専門の職責を担っている人達がものを考えていないのが問題ですなあ。人口動態の予測値を曲解悪用した悪質な犯罪については後述しましょう。
「自分が壊れる」。首都圏に住む専業主婦(41)は、1人息子が生まれて数箇月のころ、何度もそんな感覚に捕らわれた。自宅で、泣き続ける子どもと2人きり。IT企業に勤める夫(42)は、毎晩10時ごろにならないと帰ってこない。息子を抱っこして腱鞘炎やぎっくり腰に。夜泣きも頻繁で、日中は疲れ果て、御飯を炊く気力も無い。……気分転換に茶道教室に通おうと効率保育園で一時保育を頼んだが、「仕事でもないのに」と断られた。
「毎晩10時」の帰宅と聞いて、恵まれているなあ、と羨(うらや)んだ読者も多かったのではないでしょうか?この41歳の新米ママさんは、近くに頼りになる先輩ママさんが居ないようです。そうなると、無責任な育児雑誌に掲載されたヨタ話やテレビなどの「平均的」情報に振り回されて追い詰められる危険も高いでしょうなあ。
■「腱鞘炎やぎっくり腰」は可哀想ですが、昔ながらの「おんぶ紐」を使わない家事と子育ては大変です。一体、何処の誰がこんなすごい発明品を駆逐してのでしょう?おっぱいの格好が悪くなるから、という俗説も有るようですが、ベビー・カーだの前抱き袋だの、昔の母ちゃん達が電化製品の無い過酷な家事をしながら子育てを成功させたのは、おんぶ紐という便利な道具で両手を自由にして腰を傷めない工夫をしたからでした。ガキンチョは猿の仲間ですから、母の体温を腹とほっぺに感じていれば、腹が膨れている限りグーグー眠るもののようです。猿山で猿母ちゃんを観察した方が、山のような思いつき育児書を読んで、相反する「アドバイス」に悩むこともないはずなのですが、何よりも頼りになるのは成功体験を持っている同性の先輩の存在ですなあ。
■特集では育児ノイローゼ直前の体験が並んでいるのですが、無人島に漂着したわけでもないのに、何でも1人で背負って解決しようとしても無理に決っているのになあ…と読んでいて気が重くなります。少なくとも夫が協力してくれるのが最低限度の救済策であるのは確かなようですぞ。
国立社会保障・人口問題研究所の5年ごとの調査では、結婚5年ごとの調査では、結婚5年以上の専業主婦の子どもの数が、共働き場合より少ない傾向が90年代から続いている。自由で気ままな独身生活を長く楽しんだ後の結婚、出産。外出もままならなぬ育児で感じる閉塞感が、2人目、3人目を躊躇させているといわれる。……専業主婦への育児支援が手薄だったとされるため、……今年度、育児疲れなどに対応する一時保育や地域子育て支援センターの増設などに約90億円の予算を計上した。
拙速だった「介護保険制度」のように、途中で資金がちょろまかされないように90億円を大切に使って欲しいものですが、何だか得意のハコモノをちまちまと作って御仕舞いになりそうですなあ。きっと何の効果も無かったなあ、という結果になるでしょう。
花王の東京研究所で商品開発研究に携わる桜井尚枝さん(40)は9歳、5歳、1歳の息子がいる。夫(43)とは社内結婚だ。毎朝6時半に起床、夫と協力して3人を小学校と保育園へ送り出し、仕事をして、遅くとも延長保育が終る午後7時15分までには迎えに行く。夕飯を作り、宿題も見て、子どもが寝た後は仕事の資料を点検する。時間に追われ、その日その日が綱渡り。……長男の塾送りは、子どもの面倒を近所の家族でみてくれるファミリー・サポート・センターを利用する。保育料や塾代、サポート代など出費は3人で月に約8万円。……
■こんなに恵まれている子育て環境でも、子どもが母親の険しい表情に敏感に反応するのだそうです。午後7時15分に保育園に辿り着けない母親は仕事を辞めるか、子どもを諦めるかどちらかの選択が迫られるわけです。結局は、子どもや子持ちの従業員を邪魔扱いする企業がごろごろ有る限りは、少子化は止まらないということのようです。この桜井さん夫婦の場合は、夫の協力も地味ながら大きな意味を持っているようです。しかし、朝の送り出し以外にどんな協力をしているのか、証言の中では夫の影がとても薄いのが気になります。変なところで儒教風の亭主関白・ぐーたら亭主・企業戦士がない混ぜになった戦後の日本男児の姿が浮かび上がって来るようです。
■仕事に追われながら、日本の労働者はしっかりものを考えているのです。それに比べて厚生労働省のお役人やら、国会議員やら、専門の職責を担っている人達がものを考えていないのが問題ですなあ。人口動態の予測値を曲解悪用した悪質な犯罪については後述しましょう。
「自分が壊れる」。首都圏に住む専業主婦(41)は、1人息子が生まれて数箇月のころ、何度もそんな感覚に捕らわれた。自宅で、泣き続ける子どもと2人きり。IT企業に勤める夫(42)は、毎晩10時ごろにならないと帰ってこない。息子を抱っこして腱鞘炎やぎっくり腰に。夜泣きも頻繁で、日中は疲れ果て、御飯を炊く気力も無い。……気分転換に茶道教室に通おうと効率保育園で一時保育を頼んだが、「仕事でもないのに」と断られた。
「毎晩10時」の帰宅と聞いて、恵まれているなあ、と羨(うらや)んだ読者も多かったのではないでしょうか?この41歳の新米ママさんは、近くに頼りになる先輩ママさんが居ないようです。そうなると、無責任な育児雑誌に掲載されたヨタ話やテレビなどの「平均的」情報に振り回されて追い詰められる危険も高いでしょうなあ。
■「腱鞘炎やぎっくり腰」は可哀想ですが、昔ながらの「おんぶ紐」を使わない家事と子育ては大変です。一体、何処の誰がこんなすごい発明品を駆逐してのでしょう?おっぱいの格好が悪くなるから、という俗説も有るようですが、ベビー・カーだの前抱き袋だの、昔の母ちゃん達が電化製品の無い過酷な家事をしながら子育てを成功させたのは、おんぶ紐という便利な道具で両手を自由にして腰を傷めない工夫をしたからでした。ガキンチョは猿の仲間ですから、母の体温を腹とほっぺに感じていれば、腹が膨れている限りグーグー眠るもののようです。猿山で猿母ちゃんを観察した方が、山のような思いつき育児書を読んで、相反する「アドバイス」に悩むこともないはずなのですが、何よりも頼りになるのは成功体験を持っている同性の先輩の存在ですなあ。
■特集では育児ノイローゼ直前の体験が並んでいるのですが、無人島に漂着したわけでもないのに、何でも1人で背負って解決しようとしても無理に決っているのになあ…と読んでいて気が重くなります。少なくとも夫が協力してくれるのが最低限度の救済策であるのは確かなようですぞ。
国立社会保障・人口問題研究所の5年ごとの調査では、結婚5年ごとの調査では、結婚5年以上の専業主婦の子どもの数が、共働き場合より少ない傾向が90年代から続いている。自由で気ままな独身生活を長く楽しんだ後の結婚、出産。外出もままならなぬ育児で感じる閉塞感が、2人目、3人目を躊躇させているといわれる。……専業主婦への育児支援が手薄だったとされるため、……今年度、育児疲れなどに対応する一時保育や地域子育て支援センターの増設などに約90億円の予算を計上した。
拙速だった「介護保険制度」のように、途中で資金がちょろまかされないように90億円を大切に使って欲しいものですが、何だか得意のハコモノをちまちまと作って御仕舞いになりそうですなあ。きっと何の効果も無かったなあ、という結果になるでしょう。
花王の東京研究所で商品開発研究に携わる桜井尚枝さん(40)は9歳、5歳、1歳の息子がいる。夫(43)とは社内結婚だ。毎朝6時半に起床、夫と協力して3人を小学校と保育園へ送り出し、仕事をして、遅くとも延長保育が終る午後7時15分までには迎えに行く。夕飯を作り、宿題も見て、子どもが寝た後は仕事の資料を点検する。時間に追われ、その日その日が綱渡り。……長男の塾送りは、子どもの面倒を近所の家族でみてくれるファミリー・サポート・センターを利用する。保育料や塾代、サポート代など出費は3人で月に約8万円。……
■こんなに恵まれている子育て環境でも、子どもが母親の険しい表情に敏感に反応するのだそうです。午後7時15分に保育園に辿り着けない母親は仕事を辞めるか、子どもを諦めるかどちらかの選択が迫られるわけです。結局は、子どもや子持ちの従業員を邪魔扱いする企業がごろごろ有る限りは、少子化は止まらないということのようです。この桜井さん夫婦の場合は、夫の協力も地味ながら大きな意味を持っているようです。しかし、朝の送り出し以外にどんな協力をしているのか、証言の中では夫の影がとても薄いのが気になります。変なところで儒教風の亭主関白・ぐーたら亭主・企業戦士がない混ぜになった戦後の日本男児の姿が浮かび上がって来るようです。