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ハムレット

2012年11月25日 | こんな映画見ました~(クラシック)
『ハムレット』
---HAMLET---
1948年(イギリス)

監督:ローレンス・オリヴィエ 
出演:ローレンス・オリヴィエ   ジーン・シモンズ   

「ヘンリィ五世」の成功に続いてL・オリヴィエが作り上げたシェークスピア映画の2作目。
カラー撮影で歴史絵巻の様な華麗さを持っていた前作に対し、今回はモノクロによる銅板画のような渋みを持った撮影で、ハムレットの悲劇を真正面から描いている。
ロジャー・ファーズによるエルシノア城のセットが見事で、オフィーリアの水死する小川の畔を除く全てのシーンが、この城内で撮影された。
その巨大で薄暗い空間がハムレットの心象世界を浮き彫りにし、映画のムードを盛り上げるのに一役買っている。
カメラワークも華麗で特に“生か死か”の場面でのめまいを起こしているかの様なパンがハムレットの動揺を表すのに大きな効果を上げている。
又、オフィーリア役のJ・シモンズの初々しい演技も印象的で、彼女はこの役によりヴェネチア映画祭で女優賞を獲得した。
(allcinemaより)

 

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クラシック映画を鑑賞しました。ローレンス・オリヴィエの作品は機会があれば見たいと思っているところです。
彼のシェークスピアものは、舞台のような演出です。

かなり前でしが、メル・ギブソンのハムレットをビデオで見ました。
エンタメとしては、メルの方が楽しめたと記憶しています。
何しろ、オリヴィエ作品は、ちょっと緊張しちゃうので・・・(笑)。

オフィーリアの水死のシーンは印象的です。
画家ミレイの「オフィーリア」が来たときに見ましたが、あの美しさを思い出しながら映画を見ました。
でも、絵の方が綺麗だったですヨ。。。

余談ですが、このオフィーリアを演じたジーン・シモンズは「青い珊瑚礁」でも名をあげているとの事ですが、ブルック・シールズの「青い珊瑚礁」はそのリメイクだったんですって。。。

 

へえ~、でした。それもちょっと見たい気がします。

 


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2 コメント

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「ハムレット」について (mirage)
2023-02-28 17:59:16
「レベッカ」をご紹介されている時に書かれていた、「昔、オリビエに惹かれて出演作品をビデオリリースされてる限り鑑賞しました。クラシック映画のスターは本当に魅力的です。」

本当にクラシック映画のスターは、魅力的ですよね。
特にこの「ハムレット」でのローレンス・オリヴィエは、シェイクスピア劇で鍛えられた、本物の芸の真髄を披露していて、実に見事でしたよね。

英国の俳優達は、ローレンス・オリヴィエを筆頭に、いずれも舞台で、それもシェイクスピア劇で鍛えられた演技で、本当に素晴らしいですね。

「ベケット」「1000日のアン」のリチャード・バートン、「アラビアのロレンス」「冬のライオン」のピーター・オトゥール、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「ドレッサー」のアルバート・フィニィ、「長距離ランナーの孤独」「銃殺」のトム・コートネイ、「フィクサー」「恋」のアラン・ベイツ、「羊たちの沈黙」「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスと、いづれも芸達者な役者達だと思います。

ここで紹介されている、ローレンス・オリヴィエの映画での代表作「ハムレット」について、コメントしたいと思います。

この映画「ハムレット」は、イギリスを代表するシェイクスピア役者の名優ローレンス・オリヴィエが、製作・監督・主演をし、自身アカデミー主演男優賞も受賞したハムレット映画の決定版だと思います。

そして、このウィリアム・シェイクスピアの代表的な舞台劇の映画化にあたり、当時、彼が主催する名門オールド・ヴィク座から多数の舞台役者を招聘し、重厚で見応えのある作品に仕上げていると思います。

暗い画面の中に渦巻く霧が割れて、遥か下方に、陰鬱そのものの様なエルノシア城の望楼が、黒々と浮かび上がってくる。
これが、この映画「ハムレット」の全てを象徴しているように思います。

デンマークの王子ハムレットは、亡き父王の亡霊に出会い、父が暗殺されたことを知り、殺害者で、現国王のクローディアスに復讐を誓います。
そのため、ハムレットは狂気を装うが、誤ってオフィーリアの父ポローニアを殺してしまいます。

そして、旅芸人一座に暗殺劇を上演させて、クローディアスの犯罪を突き止めたハムレットは、クローディアスに唆されたレアティーズと試合をするが-------。

この映画化作品は、確かに舞台そのものを模倣しているところがあり、アブストラクトな装置やスモーク、ワンショットが非常に長く、カット数も少ないため、まるで舞台そのものを観ているような気になり、映画を観ていることを忘れさせてくれます。

しかし、ここには、オールド・ヴィク座の舞台での歴史的な成功とはまた違う、オリヴィエの映画的欲望といったものが、もう凄まじいまでの重厚さで埋め込まれていると思います。

例えば、亡き父の亡霊に復讐を誓った後、カメラは亡霊の目になって、事の真相を知らされて絶句するハムレットを見つめながら階段を昇って行きます。

また、母親ガートルードとのいさかいの場面に、ハムレットを諫るため自ら登場した亡霊は、その後、またしても、もがき苦しむハムレットを見つめながら、部屋の階段を昇って行きます。

どちらも、ハムレットを一人残して亡霊、つまりカメラが階段を後ろ向きに引いて行くショットとなっています。
つまり、ここでは観ている側の我々の視点と亡霊の視点が一体化しているんですね。

そのため、亡霊の目で、この復讐劇全体を眺めるという、稀有な「ハムレット」体験を可能にしてくれていると思います。

そして、この後ろに引いて行くショットは、もう一箇所出てきます。
オフィーリアに「尼寺へ行け!」と暴言を吐いた後、舞台劇ではもっと後の場所なのですが、この映画では、そのまま城の上まで一気に昇って、この劇で最も有名な「生きるべきか死ぬべきか」のモノローグになります。

それはあたかも、亡霊に呼び寄せられたかのように、城の上に出て行く印象を与えていますね。
つまり、ハムレットは、ここで亡霊と一体化するんですね。
そのため「生きるべきか死ぬべきか」というセリフが口をついて出てくるのです。

まさに、生死をさまようハムレットが、この映画的手法によって表現されているのだと思います。

その他にも、黒と白との息詰まるコントラストや、ナレーションによる独白などで、復讐に焦点を絞った、明晰で、理性的なハムレット像を創ったオリヴィエは、ここでは、舞台ではなく、まさしく"映画のハムレット"を生み出しているのだと思います。
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mirageさんへ! (小米花)
2023-03-01 17:19:27
私の拙いブログに深いコメントをありがとうございます。

オリヴィエのハムレットは、舞台劇を見ることのない私でも、圧倒されました。
オリヴィエがカメラワークを駆使して作り上げた映画のハムレットだったんですね。。。
重厚なお話をありがとうございます。
そんなに深いところまで届くような感想は私にはとてもないのですが、お話はとても興味深く伺わせて頂きました。
お名前を上げて頂いたクラシック映画の俳優の作品、未見なものが多くありますので徐々に鑑賞してみたいと思いました。
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