モーセとミディアン人。
モーセは、20歳ころにエジプトで殺人を犯し逃亡。紅海を隔ててシナイ半島の向かい側にある、ミディアン人の国に落ち着いた。その地で結婚し、子供も生まれた。シナイ山で神と出会い、ユダヤ人救出のためにエジプトに戻った時、モーセは80歳になっていた ( 出エジプト記2~7 )。
ミディアン人の妻に救われた話は、前回書いた。他にも、ミディアン人にまつわるエピソードがある。
エジプトを出てカナン地方を目指すモーセのところに、しゅうとのエトロがモーセの妻と二人の息子を連れて来た。エトロは、モーセがユダヤ人たちの些細なもめ事までひとりで裁いているのを見て、信頼できる人を千人隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長に選んで、小さな事件は彼らに裁かせるように、とアドバイスして帰った ( 出エジプト記18 )。
モーセは、義兄のホバブに、一緒に約束の地へ行こうと誘う。ホバブが故郷に帰ると言うと、モーセは 「 どうかわたしたちを見捨てないでください。あなたは荒れ野のどこに天幕を張ればよいか、よくご存じです。わたしたちの目となってください 」、と懇願する ( 民数記10 )。・・・神が案内するんじゃないのか。
このように、モーセはミディアン人から多大な恩恵を受けていた。にもかかわらず・・・( つづく )。