モメラスの「色は匂へど、」を観る。それにしても北品川は、ここって都内なの、と言いたくなるほど暗い町なのにゃ。明るいのは駅周辺だけにゃ。
劇は、現代と江戸時代が交錯する構成。現代がストイックな演出なのに対して、過去はノリノリのエンターテイメント路線。「月蝕メソッド」が炸裂しているのにゃ。それは、ついには現代を侵食したりもする。ワシの好みがどっちなのかは、言うまでもないにゃ。
森永理科のおいらんが、せりふといい所作といい、見事というか完璧だ。特に、せりふ。たとえ取るに足りない内容でも、彼女が発するとそれは、煌めきながら空間を漂い、優雅に消えていく。これは、劇場でしか体験できない。万有引力の高橋優太との相性も、ぴったりにゃ。
ラストは、二つの要素をうまくまとめたな、という印象。だが、次はどうする? 独自の表現を目指すのか、それとも、エンターテイメント路線(高取英が言うところの、芸能路線)で行くのか。まあ、キャスト次第で、また観るかもにゃ。