マカバイ記 二。セレウコス朝シリアの迫害に負けず、ユダヤ人はギリシア化を拒否し、自分たちの信仰(モーセを通して神から授けられた律法)を守ろうとする。
七人の兄弟とその母親のエピソード。アンティオコス王の命により、彼らは次々と拷問にかけられるが、決して屈しない。「神は律法のために死ぬ我々を、永遠の新しい命へとよみがえらせてくださるのだ」。母親も言う。「神は霊と命を再びお前たちに与えてくださる。お前たちが律法のためには命をも惜しまないからだ」(7)。
だが、実は「死後の永遠の命」という考え方は、本来のユダヤ教にはないものだ。ユダヤ教では、こう説かれている。「すべては塵から成った。すべては塵に返る」(コへレトの言葉3、20)。それだけなのだ。
この点から、マカバイ記 二は、キリスト教が成立した後に書かれた作品だということがわかる。
さらに細かく見ていくと、この作品を書いた人物は、実はかなりギリシア文化の影響を受けていることがわかる。ギリシア系のセレウコス朝を悪役にしているにも関わらず、だ。
ユダヤ人はエルサレムの神殿を奪還し、清めの儀式を行う。その時、彼らはテュルソスをかざして神に賛美歌をささげた(10、7)。
テュルソスとは何か。ディオニュソス神の信徒が持つ、先端に松ぼっくりがついた杖。おそらく、男性器を暗示している。
ここで、脱力してしまうのにゃ。