「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

三叉路の風ぎくしゃくと二月果て 遠藤玲子 「滝」4月号<渓流集>

2015-04-12 05:40:14 | 日記
 城下町では戦略上意図的に町割りをしたので、三叉路はよ
く見られる。攻める兵士はここで二手に分かれる。勢力の分
断で、片方は必ず袋小路になっている。風の場合はどうなる
のか、兵と同じで二手に分かれるのだろうか。春になって時
々南の風はここで渦を巻く。風が渦巻く前の一瞬を「ぎくし
ゃく」と作者はとらえている。「ぎくしゃくと」が工夫され
た言葉で、新鮮な感覚が伝わってきました。また、三叉路の
三に対して二月の二との対比も工夫が見られ、工夫に工夫さ
れた句。おおいに句作りの参考となると思います。(八島 敏)