まだ新しい長靴が庭先に並べて干されている。句の焦点は
「照り」。長靴がうっすらと放つ春の照り返しを、眩しくも
美しいと感じている。作者は、洗い終えたばかりの長靴から
遠くなく近くない距離にいる。美しい照りを演出するこの適
度な距離が審美眼に訴え、心理的な心地よさをも醸し出して
いる。冬の間、雪との闘いで酷使したであろう長靴へのいた
わりの感情も自然とわき出る。(石母田星人)
「照り」。長靴がうっすらと放つ春の照り返しを、眩しくも
美しいと感じている。作者は、洗い終えたばかりの長靴から
遠くなく近くない距離にいる。美しい照りを演出するこの適
度な距離が審美眼に訴え、心理的な心地よさをも醸し出して
いる。冬の間、雪との闘いで酷使したであろう長靴へのいた
わりの感情も自然とわき出る。(石母田星人)