「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

川の音まで蝶々をつれあるく 石母田星人 「滝」4月号<瀬音集>

2015-04-08 05:04:48 | 日記
 蝶は川原の岸辺や水たまりによく集まる。それは人間と同
じに水分を必要としている。「物好や匂わぬ草にとまる蝶 
芭蕉」これは葉に残された水分を吸っていたと思われる。昭
和になって、水の水酸化ナトリュウムが飛ぶためのエネルギ
ーになることが分かってきた。また、蝶は複眼なので遠くは
見えない。白や黄色を見つけて飛び、止まってから密を吸う
行動をすることも分かってきた。蝶々を追いかけるのが普通
だが、先の見えない蝶の句は先の見えない私たちを作者が先
頭に立って導びく決心かもしれない。(八島 敏)