「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

春はあけぼの牛乳箱の蓋の音 菅原鬨也 「滝」4月号<飛沫抄>

2015-04-06 12:44:42 | 日記
 「あけぼの」は夜が明ける頃、東の空が「しののめ」にな
った後で、午前六時前である。昔は牛乳配達の自転車が前後
の荷台にいっぱい牛乳を積んでいた。配達される方は今日の
牛乳はまだかまだかと待っている。もうそろそろ届くころと
思うと寝てはいられない。新鮮で、味が濃い牛乳を考えると
なお待ち遠しくなる。家の牛乳箱は木箱で、牛乳を入れると
蓋の音がする。待っている家の中でもその音が聞こえる。主
宰のするどい感性に触れる思いがした。(八島 敏)