「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

土佐犬の紅白の綱草萌ゆる 服部きみ子 「滝」6月号<滝集>

2013-06-30 05:11:19 | 日記
 化粧まわしをした土佐犬の横綱姿ですね。紅白の綱は引き
綱で、左右で人が握っています。土俵入りは、その大会時に
横綱になった犬を披露するためのものですから、化粧回しの
下は咬み傷だらけなのかもしれません。闘犬に虐待に近いよ
うなイメージを持っていましたが、土佐闘犬は、闘うことの
好きな犬であり、皆尾を振りながら闘技をしているそうです。
きちんとしたルールがあり、犬のダメージが深くならないよ
うに配慮され、獣医師が治療にあたるそうですから、私はボ
クシングと似ている気がしました。「草萌ゆる」という「下
萌」の傍題は、若い草の芽吹く勢いをより強調しているよう
な趣があり、明るい躍動感が感じられ、戦いを制した土佐犬
の晴れがましさに良く合っていますね。(H)