四、五年前、句友七、八人で大河原の花見に行った時の
ことである。生憎のドシャ降りに、花びらにまみれて、びし
ょ濡れの靴のまま、傘を飛ばされないよう両手で必死に持ち、
それでも大河原から船岡まで歩き通した。句会は清子さん宅
で濡れた咬み洋服をストーブの周りで乾かし、お弁当を食べ
た後行われた。その時のお弁当についたお土産が婦人部の人
達の手作りの蓬餅だった。摘みたての蓬の色と香りに、本当
の蓬餅を食べた気がした。どんな俳句を作ったのかは忘れた
が、清子さんの靴下を借りて帰ったことだけは覚えている。
出羽のやさしの風をたたみ込んだ掲句の蓬餅も、さぞかし
美味だったのでは・・・。(遠藤玲子)
ことである。生憎のドシャ降りに、花びらにまみれて、びし
ょ濡れの靴のまま、傘を飛ばされないよう両手で必死に持ち、
それでも大河原から船岡まで歩き通した。句会は清子さん宅
で濡れた咬み洋服をストーブの周りで乾かし、お弁当を食べ
た後行われた。その時のお弁当についたお土産が婦人部の人
達の手作りの蓬餅だった。摘みたての蓬の色と香りに、本当
の蓬餅を食べた気がした。どんな俳句を作ったのかは忘れた
が、清子さんの靴下を借りて帰ったことだけは覚えている。
出羽のやさしの風をたたみ込んだ掲句の蓬餅も、さぞかし
美味だったのでは・・・。(遠藤玲子)