おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

ヒジャに行こう!!

2006-06-08 21:44:13 | ブログ

夏休み前のこの時期(5月後半)はピクニックにもよい晴天に恵まれ、バスや道でリュックを背負った人をよく見かけます。実はブルガリア人は遠足みたいなこと(エクスクルジアと呼んでいます)が大好き!「エクスクルジアですか?」とリュックを背負った一団に聞くと「ダー」とうれしそうに答えます。

山には美しいライラックも咲いています。コデマリも、キンポウゲもとてもきれい。しかもつみ放題です。シュタフェルやコプリバといった食べられる草(山菜とは呼びづらいなあ・・・)も、もうボウボウ生えていて好きなだけ取れます。また薬効のあるハーブ類(ビルキ)もあちこちにいろんな種類があります。ブルガリアではそこら辺に生えているものも、人の家に生えているらしいもの(もちろん、庭のものはダメですよ!)も、結構とっても怒られたりしません。

Hijaslatki  さて、友人たちみんなでピクニックに行くことになりました。「ヒジャに行こう!すごくきれいでいいわよ」 地元民はこの「ヒジャ」という言葉を「山荘、市民の森」といった意味で使います。ただきれいなところというよりも、ピクニックのために設備が整っていて便利なところという意味です。で、ラドミルからボコボコ道を車で20分ほど登ったところ、ぱっと広いところに出ました。そこには日本でいう「あずまや」やバーベキューの施設、ブランコ、すべり台などの遊具、もし冬で雪があったらスキーもできるよう簡単なリフトもあります。それらを管理するレストランもあって食事もそこでとれます。が、施設はすべて早いモン勝ちで、予約を入れて使用するという取り決めはないようです。私たちは一番乗りでバーベキュー施設のついた屋根のあるところをとれました。その後もどんどん友人たち、その友人たちが集まり、ドワッと40人くらいに!!! みんなバーニッツァやパウンドケーキ、持ってきたキョフテや野菜、チーズを切ってならべ、パーティーになりました。(ちなみに7割は甘いもの!!)

 私は家からガスコンロと中華なべ、ご飯、切ったねぎ、にんにく、卵、家で調理しておいたドライカレーなどを持参。みんなの前でチャーハンを作ってふるまいました。はじめてみる中華料理を作るところ・・・中華レストランはペルニックにもあるんですけどね・・・(といっても日本人の私が作るものですから本格中華ではありません) 

 ブルガリア人はチャーハンが大好きなのでその作り方を見て「ねえ!どうやってこの白いオリスは作るの?」とまず、ご飯の炊き方に興味津々。塩も油も入れずに米の約1.5倍の水で炊く、というのはブルガリア人にとっては新しいことのようです。ちなみにブルガリアでは、米は3倍の水で調理するそうで、おじややリゾットに近い仕上がりになるようです。これもおいしいけどね。

 食事の後はみんなでゲーム、散歩などを楽しみました。オジさん参加者たちは木陰でずーっとチェス!! 好きですねー。

 また来ようね!! と約束してみんなと別れたのでした。

Hija


車の墓場は宝の山? ③

2006-06-05 01:15:28 | ブログ

ラーダ、トラバントのほかにも、モスコビッチや東ドイツ時代のシュコーダなどなど、見るからにすごく古そうな車がいっぱい走っているここ田舎町ペルニック。現役バリバリ(ピッカピカによく整備されているものから、「こんなのでよく走ってるな、止まりそう・・・」というものまで状態はさまざま・・・)のものも、部品取りのものも道端によく見かけます。

若い人も車は大好き! そして修理は自分でするのがあたり前という環境のせいか、少ないお金で自分だけの車を手に入れています。 ソフィアに住む大学生、イヴァン(わたしの友人にイヴァンは少なくとも5人はいる)は1000レバ(7万円)でエンジンを載せ変えたチューンアップ・ラーダを手に入れました。外見はただの古いラーダ(後ろになんかすごいウイングがついていますが・・・)ですが、そのエンジンはカリカリ・チューン! マフラーも自分で溶接してつけたそうです! 先日ソフィアから30Kmあまり離れたペルニックに遊びに来てくれましたが、ズブトい排気音を響かせてやって来ました。ホホ~、やるじゃ~ん! 塗装屋も、こんな田舎町にも何件もあって、好みの色にできます。(自分で塗ってる人もよく見ますが・・・)

NomaltrabiSupertrabi  近所のアフトセルビズ(自動車整備工場)の前にはブルーメタリックのトラビ(トラバント)がありました。でも、右の写真の(こちらはコンビ、つまりバンですが・・・)普通のトラビとなんかちがう! よく見ると、太いマフラーが真ん中からニョッキと出ていて、タイヤも太め!! 何と、エンジンをフィアットのものに載せ変えたスーパー!?トラビなのでした。こうなるとまさに別モノ!! 逆にプレミアが付きそう。

ちなみに、乗用車だけでなくトラック、バン、バスもメッチャクチャ古い!! 最近、日本から送ってもらった宮崎監督の「紅の豚」を見ていたら、「あれっ!?」と思ってしまいました。ポルコ・ロッソがフィオといっしょに尾行をまいたときに乗っていたトレーラー。よく似た感じのボンネットのあるトラックが近所を走っているゾ!! この映画は第一次世界大戦と大j二次世界大戦の間、という設定のはずだから・・・(汗) 何10年もモデルチェーンジをしなかった共産圏ならでは、ですね。(ちなみに「紅の豚」の中のトレーラーはフィアット、もちろんイタリア製です) さらにびっくりなのは、先回の写真に載っていた廃車のパトカーのラーダ、これと同じモデルの車は2006年の今でも作られていて、ちゃんとカタログにも載って販売されているんですよ! 

もう誰も乗らなくなった古い車を組み合わせ、自分だけのオリジナルにしてしまう・・・そしてそれを乗り回すとは!! この国全体が「車の墓場」みたいなものだからこそできる技ですね。 でも、やっぱり若い人は新しい車のほうがいいようで、アウディやBMWに乗り換えてますけどね。来年からEUにオブザーバー参加するといわれているこのブルガリア、EUに入ってしまったらこういうのってできなくなるのかなァ・・・。 トラビだけを集めたレースとかないかなァ・・・ないか。危なすぎるもんネ。 車の知識のない私にとってはびっくりですが、車いじりの好きな人、ラーダ、トラビなどの日本では珍しい車の好きな人にはウレシイ(!?)国ですね。ブルガリアは。


日勤、夜勤、二日休み!!

2006-06-02 17:29:58 | ブログ

一応、「工業都市」ペルニックです。ここの主な産業は鉄鋼業!! 昔この辺で取れた石炭を燃料に大規模に行っていたそうです。今では工場の跡地や鉱山のあとが「ツワモノどもが夢のあと」とでも言うように横たわっていますが、それでも、現在でも「ストマナ」という会社が操業しています。

ソフィアから来ると、手前にペルニック、そして10kmほど先にラドミルという町があります。実はこの町も工業都市だったそうです。現在、この町にある大~きな工場が超~小規模に操業しているそうです。

地元のディアド(おじいちゃん)たちに聞くと、その昔、このラドミルのほうが街でペルニックはただの「セロ」(田舎、もしくは集落)だったそうです。今でも国鉄ラドミル駅には「ブルガリア共和国発祥の地」なる銘文があって、歴史の古さを感じさせます。そのせいかペルニックの人々に比べてラドミルの人々のほうが誇り高い!町の中心にいくつもの政党事務所があります。「マケドニア解放戦線」などなど・・・ あんまりオダヤカな政党名ではないですね~。

Pera  「ああ~、だからかァ~」と合点のいくことがひとつ。とにかくペルニックの人々は全然センレンされていない!! ソフィアの人にくらべるとあんまり外見も気にしないみたいだし、大きな工場の横の川沿いでヤギが大行列を作っていたり、街の中心の高速道路沿いで牛や羊が草をはんでいたりするのどかさです。人々の行動も基本的に素朴そのもの。木と木の間にワイヤーを通して洗濯物を干しています。すぐ横の工場の高~い煙突から煙がモクモク。風向きでこちらにも届きそうなのにね。マギストラーラ(高速道路)沿いもふと見るとその辺で用を足すおばさんが・・・ワッ、もう少し木の間に入ったところでしてくれ~!!

 基本的にブルガリアは土日が休み。ですが、この町では多くの人が夜勤があります。だいたい、デンナ・ラボタ(日勤)、ノシュナ・ラボタ(夜勤)、そしてドヴァ・プチヴニ・ドニ(二日休み)の繰り返しです。日本だったら日勤、夜勤、一日休みかもしれませんが、共産体制化では少ない給料でたくさんの人に仕事を支給するほうが大事だったそうです。職種によりバラつきもあるようですが、昔は月800レバくらいもらえたとか。でも今では400レバくらい。1レバ=70円と考えるとずいぶん安い!! 学齢期の子供がいたら、月400レバでは苦しいでしょう・・・500~600レバは生活していくのに必要ですね・・・・ 

Highwayside  でも、そんな工場の横を今日も、瞳がマイナス(!)なヤギや羊たちが飼い主のおじいさんに導かれて通っていきます。「メエ~! メエ~!」 こういう素朴な田舎と工場団地が共存してるって、不思議ですね。


車の墓場は宝の山? ②

2006-06-02 16:11:32 | ブログ

Junkyard1  ペルニックの町はずれにこの「お墓」はありました。もう「おシャカ」になった車がボコボコ置いてあるのです。が、決して捨ててあるわけではなく、みんな商品なのです! サビサビの車や、最近事故ってダメになった車、人気があってもういろいろな部品が取られてしまった「ガイコツ」車、はたまた廃車になったラーダのパトカーまでいろいろです。でも、残念ながらボルボ340の部品は見つかりませんでした。

 ちなみに、友人のマエストル(この場合は整備士)のイヴァンのところにこのボルボ340を修理に持っていったとき、そこにいたほかの客はこの車を見て「おお~、マニアック!」と言っていました。ブルガリア人も「マニアック」という言葉を使うのもびっくりしましたが、かなりの「マニアック」というか「物好き」でないと選ばない車を選んでしまったことに軽いショックを受けたのでした・・・(いかにこの車が「マニアック」かは、このサイト(英語とフランス語ですが)を参照)

Junkyard2  ソフィアに住んでいたとき、通りで事故っている車や事故の瞬間をちょくちょく見かけましたが、事故によくからむ車のベスト(?)3は、アウディ、ベンツ、BMWでした。やはり気持ちよくアクセルを踏んでしまえる車だからでしょうか?かくいうわたしが昨年事故ったのもアウディでした。日本だったら廃車のらく印が押されても、ブルガリアなら部品取り用に「商品」として取っておかれるのです。

 この国で部品が手に入りやすい(外国)車ナンバーワンは(VW)ゴルフだそうです。ポロ、パサートなどもよく走っています。廃車からも部品が手に入りますが、「盗品」もあるそうです。つまり、よく盗まれる車でもあるとか。次はルノー。昔ルノーはブルガリアでもライセンス生産されていたそうで、そのつながりからか部品が結構出回っているそうです。ちなみにそのライセンス契約はブルガリアが契約違反をして国内販売用の車をソ連に横流ししちゃったために打ち切られちゃったんだって!! (あ~あ、でも、さもあらん、かな。シュウェップスのライセンスも品質を変え過ぎちゃって切られちゃったっていうし・・・さすが、我が道を行く!!!ブルガリア人!) でも、いまでもルノー19、21などの車をよく見かけます。

昔、「ボルボは、5台積み重ねてもつぶれません!」なんて宣伝してたので(まるで、「象が踏んでもつぶれません!ふでばこ」みたい・・・)丈夫で壊れないいい車だと思っていたんだけど・・・ここブルガリアでは扱うのは結構むずかしいなあ・・・車は丈夫なだけでなく、部品が手に入れやすくないとね~。

部品っていうか、もう車そのものが手に入れやすいのが前にも書いたラーダやトラバントです。そのせいで、ブルガリアではすごいものも見られます・・・ (その③に続く)


車の墓場は宝の山? ①

2006-06-01 14:54:01 | ブログ

Volvo3403  「もうあんなバアさんはやめろ!!」 別にこれは離婚の話でもおばすて山の話でもありません。車のことです。ブルガリア語で車を意味する語「コラ」は女性形。それで車のことを女性にたとえるのです。俗に新しい車は若い女性、そしてうちの車のような古い車は「バアさん」なのです。

 やっとの思いで手に入れたうちの「ボルボ340」ですが、売り手にだまされたのか、それとも売り手も知らなかったのか1987年式と思ったものが本当は1982年式でした。だから24年前の車!!! です。今、日本で82年式の車って見かけることあります? (ないよね~・・・)

 買ったとたんにたくさん修理をしなければならなくなりました。スピラチキ(ブレーキ)、スコロストメル(スピードメーター)のジロ(ケーブル)、アクムラトル(バッテリ)そしてスレダーテル(クラッチ)などなど・・・そしてガルネ(マフラー)は穴だらけでただぶら下がっている状態。でも、憎らしいほどドビガーテル(エンジン)は元気です。

そして、この「ボルボ340」の最大の特徴、そして最大の欠点、カルダン(プロペラシャフト)が壊れてしまいました。このカルダン、普通の車とまったくちがって、アルミのパイプの両端に貼り付けてある(?)ゴムの部品で車の前のほうにあるエンジンと後ろのほうにあるミッション(これもまたこの車の特徴!!)を連結しているそうです。一度、運転中に、このゴムの部品が破れて空回りを始めたせいで(多分、老朽化のせい・・・)、「ギギギギギー」と、それこそ本当に断末魔の叫びを上げて道路の真ん中で停まってしまいました。しかも、田舎町ペルニックの中心の交差点、スゴイ音をたてたのと、こげた金属のにおい、そしてこんなオンボロ車から日本人が出てきたのでたちまち通行人の注目の的に・・・ ハ、ハズカシイ~。

停まっていたタクシーの運転手たちが助けてくれて車を歩道に寄せ(感謝、感謝!!)、それから友人のステフチョの車で牽引してもらって家の前まで持ってきましたが、これからどうしたらいいのか・・・・

ブルガリアでは結構見かけるボルボ。でもこのユニークなつくりの340は希少なタイプのようです。しかも24年前の型・・・いろいろなアフトチャスティ(部品屋)をまわりましたが、なかなか見つかりません。

そんな時、別の友人ロザンが言うのです。「そうだ!! グロビシュテに行こう!」

グロビシュテ?!? つまりお墓??? 何しに? (つづく)