1月末、日本に帰る前に髪を切りに行こうと、友人のフリジョールカ(美容師)のディーディーのところへ行ったら・・・ いない。 というのも「グリップ」らしい・・・。
今だにイマイチよく分からない「グリップ」という病気の意味。ワタシ的にはヒドイ風邪を引き込んでしまうようなときに「グリップ」と言っているような気がします。何年も前にお医者さんに、「あなた、プリモニア(肺炎)よ!!」 と言われたときのほうが、今思うとインフルエンザの症状だった気がするのですが・・・
この冬のような雪の少ない暖冬は、この「グリップ」が大流行します。ブルガリア人たちの説によると、マイナス10度よりも寒くなるとウイルスが活動できないのですが、そこまで気温が下がらない、温度的に日本の真冬くらいで、さらにこちら特有の乾燥した冬の空気の中ではウイルスが元気に活動しちゃうんだとか。 暖冬とはいってもやはり冬なので、2~3日毎にすっごく寒くなったり、反対にポカポカとした陽気になったり、と体調を整えるのがけっこう大変!! そんな時期に日本からこちらに帰ってきたわけですが、モスクワに着いたころから、こちら特有の後頭部に鈍痛を感じるようなキーンとした寒さを感じました。日本と違って近所に海がなく、内陸特有の乾いた冷えが、直接首筋や呼吸器を襲ってきます。あ~、こっちに帰ってきたな~。
逆に3月に入ってからというもの寒くて暗い日が多く、1日暖かく晴れ間が出る日があっても冷たい雨が、それも時々どしゃぶりになる日が何日も続き、友人たちもみんな、「気候の変化が体にくるワよね~。調子悪いワー」と言っていて、ホントに春なの?と言いたくなる毎日・・・ もうすぐ夏時間に変わろうというのに・・・
やはり風邪をひいたら、まずブルガリアでは、「チャイを飲め!!」と言われます。こっちに帰ってきてからすぐに、パザールのいつものおじさんのところでハチミツを買い、風邪によいとされるハーブティー、「マシュテルカ(=タイム)」に入れていただきます。フーフー、鼻水をたらしながらすするのが一番いいですネ!!
さらに最近ブルガリアでも「ジンジーフィル」、つまり生姜が手に入りやすくなりました。それでワタシはレモンの皮をむいてざく切りにし、生姜もざくざく切ってビンにはちみつ漬けにし、それをお茶と一緒に楽しんだりして!! 甘くてあったまるぅ~!ハチミツがおいしいからいいよねっ、ブルガリアって!! そういえばこれからいろいろなところでハチミツフェアーみたいなのやるねー。先日はフランス系スーパー「カルフール」の地下の吹き抜けのところを特設会場にしてやってました!! そのときはヴィディン、モンタナ方面の養蜂家が来てましたねー。
昨年の厳冬の折、一度「グリップ」にやられてこちらの市販の風邪薬を飲んだら、おなかの中の善玉菌まで全部殺しちゃったのか逆に体調が悪くなっちゃった経験を踏まえ、風邪はひきこまないのが大事!! と言うことが分かりました。本当に、「かかったかな?」と思ったら1日休み!! と言う風にしています。でも、これって日本人としては休みすぎになるのかなァ・・・
CNNのネットニュースに「外国人旅行者に優しい国ランキング、最も優しくない国は?」と言うニュースが!! 日本は・・・ と言うと優しい国ベスト10には入りませんでしたネ~。 円安になりつつある今、外国人観光客の増加を狙って観光に力を入れようとしているみたいですが・・・ やっぱり先日、日本に帰ったときに感じた不便!! 多くの日本人と同じようにパックツアーで外国を訪れることの多いアジアのお金持ちの皆さんは別として、個人で来る人はまァ~大変ですっ!!
どんなにスカイライナーや成田エクスプレスが便利になっても、やっぱり成田は遠い・・・ 今回京成もJRも利用しましたが、個人で来る人たちは特急料金の要るヤツにはあんまり乗りたくない、と思っているんじゃないかなあ~。だって欧州なんかはLCCがかなり強い!! つまりみんなはあの不便を我慢してでも安く上げたいと思ってるんだもん。 同じくお金を使うなら、電車代を少しでも安く上げても、浅草に出て観光を、と考えるんじゃないかなァ~。ほら、特に軽い服装でナイロンのバックパックみたいなので来る人たち!! あーいうタイプの旅行者は、日本人が「イタリア、フランスに行ったらブランド物買いあさる」、「高級レストラン、もちろん三ツ星のところでディナー」と言うのとはぜんぜん違う!! 食べ物は自国にもあるマックやサブウェイで節約しても日本ならではのやってみたいことがあるんじゃないかな~。 そのために日本に来たんだし。
そしてワースト10には・・・ ガーン!!! ブルガリアがランクイン!! EU加盟国ではあと2カ国入ってましたけどネ。日本人のワタシにとって、アフリカの国や、旧ユーゴのボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアが「優しい国ベスト10」に入っていたのはけっこう意外でした。ブルガリアはモンゴルと同ポイント!!
何でだろう、と考察してみましたが・・・ ブルガリアの場合の問題は・・・ システムが優しくない、というか・・・ まずは、共産体制から続く、外国人旅行者を警察に届け出るシステム!! 今だに!! ですよ・・・ ホテルならフロントがやってくれるけど。友達の家に泊めてもらった場合、ドマキン(ホスト)が警察に5日以内に届けなければなりません。
ソフィア国際空港、フラッグキャリアなどで日本から来た場合到着する第二ターミナル、入国審査をぬけて預け荷物をコンベアから降ろし、税関の審査(時々ある)をぬけて出てきて最初に見る風景・・・ でも、空港から市内中心部にどのように出るかはたった1枚のポスターを除いて案内ナシ!! そしてそれも到着して出てきた人たちからは見えにくく置いてある・・・ LCC用の第一ターミナルにはあるチケットの自販機も第二ターミナルにはない・・・
バスに乗ったとしても・・・ よくブルガリアに旅行に来た日本人旅行者のブログに出てくるのが「検札」!! 特に「大きなトランクを載せる場合、人間だけでなくスーツケースも1枚チケットが必要」という細かい注意事項を知らなかった、またはチケットをどこで買うか分からず乗ってしまった時に限ってインスペクターに見つかって、すぐに下車させられて罰金!! (現在は20レバ) まるで、狙ってるかのような・・・
さらにタクシーっ!! とんでもない高額を平気でふっかける!! ソフィアの真反対に位置するリューリンから空港まで深夜でも15レバ(チップ込み)で行けたのが、空港からタクシーに乗ろうとするとどんなに交渉しても20レバ、運転手によっては「市内中心のホテルまで80ユーロ」と言ってきた輩もいるそうです。(ちなみにこのケース、「あまりに高い」と言うと、「じゃあ半分で40ユーロ」と言われたそうで・・・ それでも80レバ・・・ この国の最低年金の半分以上!!) あと、最初交渉で決めた金額を、着いたところで「あと10レバくれ!!」とか・・・ この現象、地方ではなく特にソフィアの空港、中央駅、またソフィア以外でも大きい都市の中心部で多く見られます。
今だに多くの人たちの深層心理で「外国、外国人からいじめられている」という被害妄想が強いのか、「盗られる前に盗る!!」、もしくは「外国から旅行に来るんだからお金持ちなんでしょ? じゃ、もっともらってもいいよね」と考えている人が残念ながらいるようです。まっ、でもそういう人がいたとしてもホンの一部だと言うこともわかってますけどネ。 ほとんどの人は素朴で親切!! ただブルガリア人にはブルガリア語で話さないとその親切の恩恵にあずかれないことも多い。どんなに英語を話せる人が増えてきたと言っても・・・ あと何年か後にはもっと外国人旅行者に優しい国になってほしいんだけどな~、ホントにいいところなんだから!!
今日も庶民の街リューリン・・・ 8丁目、地下鉄出口の前のスーパー「ビラ」の駐車場の空きスペースになにやら建てています。表示によると、近々ここにKFCがオープンするとか!!
KFC・・・ つまりケンタ!! 確かにこの「ビラ」の併設されていたカフェがなくなってちょっと寂しかったから、一休みできるファストフードができるのはウレシイぞ!! 外にテーブルやベンチもいっぱいつくって・・・ これからの季節外カフェはいいよネ~
と、待てよ・・・ リューリンには7丁目にも大きなKFCがあるじゃん!! あそこをつぶして8丁目に建てるのか? それはイヤだな~。だって7丁目のKFCにはダンキンドーナツがついてて、ワタシ結構ヘビーユーザーなのに~!!
そう言ってるうちに7丁目店は何か改装工事に入ってしまいました。どうなるんだろう・・・ と心配していたら、何と!! 7丁目店は店舗が広がって、ダンキンを隣に独立させる形にして新装オープン!! ヤッタ~!! 無くならなかった!!
日本でKFCというと、「コッテリしてて・・・ 行っても1ヶ月に一度かな~」というイメージだったんだけど、こっちでは結構がんばってるんですヨ!! 1レバ(今の相場では約60円強の価値しかないけど、1レバは日本人の100円玉感覚ってところかなぁ)くらいからのお手軽メニューがけっこういっぱいあって、「小腹がすいてるけど甘いのはちょっと・・・」という時はポテトとクリスピー・チキンのセットやラップサンドがいいかも!!
近頃は外食はもうソフィア市内は高いので、こういう外資系ファストフードもあんまり高く感じなくなっています。見ているとデリバリーの車やバイクも頻繁に出入りしてますねー。まァ、やっぱりこっちの人々は日本人よりも揚げ物コッテリ系が好きなのかも。
先日もオーストリア人のマリアンヌと話していて、「リューリンのおいしい外食は?」という話になったとき、彼女は
「KFCはおいしいワよネ~。そのKFCよりも上のところって、ある?」・・・ つまり、マリアンヌの”おいしい基準”はKFCより上かどうか、なんだな~。 そういえば、ヨーロッパ中どこに行ってもあるもんネ、KFC。
リューリンでも2店舗!! しかも大型だ!! さらに市内のどこのショッピングモールにも入ってるKFC。さらには日本人にもおなじみ、ホテル・リオン(リオンとはライオンのこと)やホ(ス)テル・エドナのある「ロヴォフ・モスト(=ライオン橋)」のところにもKFCとダンキンの合併店舗。どんなに街中のスタンドでポニチキ(ブルガリア語でドーナツのこと)を売っていても、マックカフェでドーナツを売り出しても食べたくなってしまう、アメリカンなドーナツ。ミスドやクリスピークリームがないブルガリアではここがよりどころ!! っていう日本人も多いみたいですヨ。ブルガリアではケンタのほうがマックよりも身近なのかも・・・!!
急に寒さが戻ってきた3月も半ばの日曜日、ボテフグラッドという、ソフィアから50Kmくらいのところに行きました。その町に住む友人たちが誘ってくれたのです。で、ウチのムルティプラちゃんでGO!! ソフィアも海抜500メートルくらいありますが、このボテフグラッドに行くにも車はかなり上を目指します。途中、耳がツーン!! トンネルもいくつも!!
バルカン山脈の美しい雪景色(写真はちょっと方向が違っちゃったかな?)がバックの「プラベッツ」という町がその隣にあります。ここはあのブルガリア共産体制の指導者だった「バイ・トーショ」ことトドル・ジフコフの出身地で、設備の整った大きなホテルやゴルフクラブがあります。ボテフグラッドやプラベッツは今までも何度も来た所。だってソフィアからルーマニア方面、そして海辺のリゾート、ヴァルナ方面に行こうと思ったら必ず利用する高速道路の沿線だから。日曜日ということもあって沿線のガソリンスタンドにはかなりクレイジーな運転をするソフィアナンバーの車がいっぱい!!
でも今回はそこから少し別の方向に足を伸ばしてみました。それは高速道路からプラベッツで下りて、峠道を越えて15分くらいのエトロポレという街。なんでも交通の要衝で、鉱物資源も豊かだったことから、ローマ時代、そしてトルコの支配下でも重要な街だったそうです。特に銅が有名だったんだとか。それにほかにもいろいろ採れたらしく、聞くところによるとウラン鉱山もあったんだって。羊がのんびり草を食む山間の田舎にしてはけっこう住居棟がたくさんあるのはそのせい?
いつもボテフグラッドでお世話になっているゲオルギエヴィ家。パパ、ママ、そして二人の息子たち、みんな優しくって!! 今回はちょうど彼らもエトロポレに用事があるということだったので、少し無理を言って案内してもらっちゃいました。ちょっとランチしようと町の中心部を通ると・・・ ただでさえ風が吹き抜けていくメインストリートは工事中・・・ でも、寒くても久しぶりの晴れ間を楽しむように若者たちはカフェで楽しそう。
「今工事しているこの通りがほぼすべてなのよね・・・ 町の中心から警察署があってムゼイがあって、それから時計台。でも、この時計台、時計はないのよ。ボテフグラッドの同じような塔には時計があるんだけど。」 とママ。ブルガリア観光のサイトにも出てた時計台、有名なものらしいのですが・・・
工事をよけてメインストリートからひとつ裏に入るとのんびりとした民家が立ち並びます。そしてまだまだ現役のトラバント!! 何でも最近、ベリコ・タルノヴォという街でブルガリアのトラビ・ミーティングがあったんだって!! 確かに最近見る機会が少なくなっちゃった、ダンボールでできた車!! いとしのトラバンチェ(=トラビちゃん。笑)
工事中のメインストリートに戻ると「ムゼイ」が。ムゼイ、つまりミュージアム、美術館というか博物館というか。プロヴディフやコプリフシュティッツァで見るようなブルガリアの民族調の建物です。パパが「いつも前をとおるばかりで入ったことないから、入ってみようか?日曜日はやってるかな?」と見てみると15時まで開いている、ということなので入ってみることに。中には地元の伝統の民族衣装や装飾品、アクセサリー、そしてこの町の歴史を語る品々、そしてやはりこの感じの建物の博物館にはつきもの(?)の、トルコからの独立にかかわったブルガリア民族のゲロイ(英雄)であるヴァシル・レフスキやフリスト・ボテフのお話が・・・
と、昔の写真コーナーに「プラズニック・ナ・ゼチョヴェテ」というのが!! ゼチョヴェ?! これは聞くと、つまりはブルガリア語の「ゼット」の複数形のことです。あんまりこの言葉を不特定複数で言及することがないもんで、初めて聞きました。日本語にすると、「ムコさん」のことです!! 何でもこのエトロポレという街、3軒に1軒の割合でお嫁さんの実家にお婿さんが同居するタイプの家族構成なんだって!! これはブルガリアでも珍しいらしく、共産体制時代からも2年に一度、街をあげて「おムコさんたちの祭」が開催されるんだそうです。「若い婿たち宣言」なるものもあるらしい。 ふ~ん、日本で言うとあの日曜日の夜の有名なアニメ!! あの感じなのかな?
ムゼイの人によると、この街のある井戸の水を飲むと必ずこの街に帰ってきてこの街にずーっといられる、という願いがかなうんだそうで、この祭りのメインイベントで、この街のおムコさんたちが一人一人その水を飲んでいくのよ」・・・ その井戸から飲んだ人たちがこの街でお嫁さんを見つけて「女房の実家に同居」・・・ なんかユニーク!! 2年に一度ということですが、そのお祭り、カメラを持って見に来てみたいですね~!!
地面から、春を告げるカワイイ花、「コキチェ」が顔を出す庶民の街、今日もアカぬけないリューリン地区・・・ 地下鉄でソフィア市中心部を通過するたびに、「あ~、本当はブルガリアも、ファッションやスマホなどの電子機器についてどんどん進んできてるんだな~~。」と思わされております。 ちょーっとリューリンは遅れてるのかなぁ~。市内中心部でのデモ騒ぎもあまり関係ないようにさえ見えるし・・・
最近、そういうソフィア市中心部に行くとよく見る、「道を歩きながらブツブツ話している人」、よーっく見てみると耳に何かつけています。あっ!! ブルートゥースのハンズフリー・ヘッドセット!! つまり道を歩きながら電話しているわけです。(ちなみにブルガリア語ではth音がないので「ブルートゥートゥ」と発音されています。) でも一瞬ビビります。 「えっ!? この人、何で一人で一生懸命、それも手ぶりつきで独り言を言ってるの?」
ワタシも結構独り言を言うほうですが、(でも、ブルガリアでは日本語で独り言を言ってもだれもわかんないからいいよネっ) タダでさえ独り言を言っている人が多く、さらに情感豊かなブルガリア人が、それもハンズフリーのヘッドセットで電話でケンカしてるのを見るとハッキリ言って超ビビります!! ヒョエ~っ!!
「何だと!? 払わないって!? よーし、お前がその気ならこっちにも考えがある!!」
「だから言ったでしょ!? お母さん!! もう法的手続きは済んでて、これ以上何もできないって!!」
「お前、俺が誰だか知ってるのか?! ボリソフはオレの友人だゾ!! 警察だって掌握してるんだゾ!! 元КГБ(KGB)だからなっ!!」
もォ~っ(怒)!! そういう会話は道端でするもんじゃないでしょーがっ!!
今までは大体そういう「テフニカ」(=最新技術?)なものを使っているのはアラフォーのワタシ以下の世代だったのですが、先日は明らかに60代のおばちゃんが道を歩きながら会話!! 耳には例のヤツ!!
「今から行くから!! 何を買ってったらいい?」
そんなある日、リューリン5丁目行きのボロバス310番に乗ってたら、80代くらいのおばあちゃんが一人でブツブツ、そして怒り出しました!! アレッ?! このおばあちゃんもブルートゥース?!・・・ と思ったら、タダの独り言でした(笑)。 怒りの矛先はバス停にいっぱい立っていたロマの人たち・・・ それを見てこのおばーちゃん爆発!! 特定の理由もなく。 ちなみにそのロマの人たちはやっぱりスマホやブルートゥースのヘッドセットを使いこなしています。馬車で廃物集めをしている彼らの手にはスマホ!! 指でスッスッ!!
ワタシも一番安くて一番小さいのを買ってみましたが・・・ さすがにまだ街で歩きながら使う気にはなれません・・・ 新しいものに慣れるのは大変だ!! ・・・人によっては・・・