いつもの庶民の町、アカ抜けない、だから外出する時服装を気にしなくても良い! ソフィア市リューリン区・・・ ウチの周りはずいぶん「フラニーテルニ・ストキ」つまり食料品を専門に扱うお店が増えました。ワタシがブルガリアに来た最初のころには、買い物といえばみんなこんなお店で対面販売でしたが・・・ 大型スーパーマーケットが何軒もできた今日この頃でも、このタイプの「近所のよろずやさん」はとても貴重です。こんなお店、外国に出稼ぎに行き、小金を貯めて出店費用にした・・・ということかな? とにかく、どこでも開店・・・ そしてキチンと良い商品と自分の店の個性を打ち出せない店はトットと閉店・・・ と言う下克上状態になっています。
ウチの近所の「スピルカ」(=バス、トラム、トロリーバスなどの停留所)を降りてから帰るまで徒歩5分の間にもいくつもの「選択肢」が出店してしまいました(笑)。
以前にも書いた、恐らくリューリン区ナンバーワン(評価byワタシ)の肉屋とその並びのお店・・・ 野菜を売る店員の、恐らくワタシと同じ年齢くらいであろう女性はとーっても親切で、それだけで通いたくなります。でもここの品揃えは限られていて、朝イチで行かないといい商品はなくなってしまいます。
もう一軒、ワタシの中で別名「黒猫ショップ」と呼ぶお店。ここは店員はほとんどが女性!! 1~2人男性が常駐していますが警備と力仕事要員で、商品のラインアップは女性好み!! スィーツが他店にはない充実ぶり!!(笑)
なぜこのお店が「黒猫ショップ」か?というと、この店の周りで何とな~く養われている猫たちがいるのですが、賢いママ黒猫がいて、産まれてくるのはいつもクロちゃん!! 決して黒猫を売っているわけではありませんが、あまりにかわいくて「プスプス・・・ おいでおいで!」といって呼んでみたり、おやつを持っていったりしてると、「もっていけば?」と言われちゃいます。現時点では
ママ、
子①、
子②の計3匹の黒猫ファミリー!! 店舗の横に大きな木があって、木登り上手な猫たちは、この野良犬の多いリューリン地区で木登り、屋根逃げの技で生き延びています。その上、この店のおじさんや顔なじみの客、それに納品に来るおにいさんたち、と、おっかない大人の男性がウロウロしているので犬たちは寄り付きにくくおかげで猫たちはのーんびり!!
そしてもう一軒、「イヴォ」という店。ここは上記とは逆で店を仕切るのはムサい感じ(ゴメン!)のおにいさんたち!! 商品も、ビールが他の店より安かったり、一本9レバもする葉巻を仕入れていたり・・・ と、何かヘン!!(笑) 近所に住む地元を良く知る友人によると、ここは商品の盗難を防ぐため店にいるのは全員親戚縁者なんだとか!! その横の八百屋さんの品は結構新鮮でいいですね~。
こんなに店をどこもかしこも出しても、みんなけっこうやっていけてるみたい・・・ 日本みたいなコンビニはないけど、コンビニばりの使い方で、「バス停を降りてすぐに買える物で今夜の食事を!」という大都市型の生活スタイルが定着しつつあるのでしょうか・・・
最近頻出の、ウチの近所のドイツ系スーパー「リドル」。ヨーロッパからいろいろなおいしいものを提供するのが最近のリドルのウリ!! でも、ヨーロッパに留まらず・・・ 今度は「アジア・ウィーク」!! お店のポスターでこの写真が出て、「おっ!!」と思ったのと同時に「ぎょっ」としましたが、待ってましたっ!! ウチの郵便受けにも広告が入りました。
そして、このアジア系のネタがでてくると・・・ やっぱりきました!!(笑) 日本大好きブルガリア国鉄職員おじさんトシュコ!! この宣伝を切り抜いてきて(爆) ニコニコしながら、「ほらほら、見てみろ!! ヤポンカだぞ!! オリスは”コメ”って言うんだろー!!」 う~む、来るとは思いましたが・・・ ちょっとメンドクサっ・・・ それにしてもこの着物の女性の写真、ツッコミどころ満載だと思いませんか?
そしてアジア・ウィークの中身もなかなか・・・ 日本のものというよりほとんどが中国、東南アジア系のもの。まあそうでしょうけどね。
でも、今回のアジア・ウィークのチラシにはワタシの心をくすぐるいくつかの目玉商品!! 食べ物よりも何よりも、この二つの家電ががっちりとワタシの目線を捉えました。それは・・・
ホットプレート、その名も「鉄板焼き」!! でもキリル文字で書いてあるから「テパニャキ」って読んじゃいそう(笑) 説明はほぼ正しく、「卓上の熱い板の上で調理する日本の料理」となっています。でも、付属してくる6枚の「へら」・・・ テフロンを傷つけないよう木製なのはいいとして、この写真の使い方は何? もんじゃ焼きのハガシにしては口に大きそうだし・・・
そしてお次は!! 炊飯器!!! ブルガリアではじめて見た!! 日本で海外用220Vの炊飯器を買うととんでもなく高いじゃないですか。それにこちらのお米のパックは1kgなので1リットル炊きと最初から銘打たれてると便利そう!! シンプル・イズ・ベストですが保温ジャーとしての機能もありますネ~。値段もリーズナブル!! う~む、これは欲しいかなぁー。
あと、蒸し器とか、アジア的な料理をするのに使いそうな調理器具・・・ でも、お店に行ってみると、すでにありませんでした・・・ たぶん、「どうせそんなに買わないだろうヨ」とタカをくくられて最初からほとんど在庫を置かなかったのではないでしょうか? それで、今回のアジア・ウィークの買い物は・・・
以前、「中国ウィーク」の時に買いそびれた「タケノコの水煮」と、基本どのスーパーにもある「もやしの水煮」、どちらもビン詰め。今回こちらはけっこうストックを入れたようなので、アジアウィークが終わっても売れ残ったのが買えるかも。このビン詰めたち、何に活躍してもらいましょう? もやしはさっそくロシア食材店のペルメニと一緒に「浜松餃子」もどきに変身!! でも、何だかフシギな組み合わせですよネ!!
ニュースサイトにこんな記事が!!! 大手旅行サイト「トリップアドバイザー」の調査で、旅行者がおトクに滞在して楽しめる街としてブルガリアの首都ソフィアが栄えある(?)第一位に輝きました!!
でもつい先日、「外国人旅行者に優しくない国ワースト10」に入ったばかり・・・ これってつまりは「安くってサービスが悪い」って、超分かりやすいですネ~。
そういえば友人のミミはワタシによく言います。 「ダメよ~!! もっとぶっきらぼう(ブルガリア語でグルーヴォ)にならないと~!! 日本人は丁寧すぎて、いくらブルガリア語で正確に話しても通じないわヨ!!」 え~っ!? でもワタシ、日本人にしてはかなりぶっきらぼうな方ですよー。これ以上粗野になれってかっ!! なれてもなりたくないっス・・・ まァ、特にソフィアンツィ(ソフィアっ子たち)はワタシによく上記のようなことを言いますネ~。つまりソフィアでレストランやタクシーを使うと、そのような対応をされる、って事ですヨ(笑)。
そして、ホテルからレストランまでのタクシー代!! 実際に乗った値段ではなく、距離数とインターネットで調べた基本料金からの算出だそうです。確かにソフィア、タクシー代は安い!! けど・・・ ホテルしだいでは外国人と見てボるタクシーに当たる可能性も。第一、ソフィアの街はそんなに大きくないから、町の中心部に泊まっていればそぞろ歩きでおいしいレストランに当たりますよ!!
それにしてもこの調査結果の金額、まだまだ高級!! もっと庶民的なリーズナブルさを味わうことができます!!
この調査の中で、食事は、副菜+メイン+ハウスワインのボトルを、地元人気料理を出すようなレストランで二人分オーダーした場合の平均なんだそうです。それで日本円3964円はスゴーく高級!! な気がしちゃうけど。だって50~60レバってことでしょう? まっ、ソフィア中心部の、中をのぞくともう白いテーブルクロスの上にワイングラスが並べてあるようなレストランなら、そんな値段になるかな? 調査で行ったレストラン・・・ もしかしたらこんな店? もしこのレストランなら・・・ ソフィア中心部のНДК(エンデカ=国民文化宮殿)の後ろ、
「マルカタ・エンデカ」と呼ばれる建物の中にある「正統的ブルガリアレストラン」、ちなみにフォルクロアショー付き!!
でも、ワタシが行くようなお店ではこの値段で家族がたらふく食べられちゃう!! ・・・ でもそういうところは地元民は入ってないし、ワタシはコワいから入ったことないヨ~(涙。もうネ、アラフォーになるとそういうところで勇気は使いたくないの。笑)
そしてカクテルを2杯注文しているのですが、これは「ドライ・マティーニ」!! う~む、ブルガリアだったらベルモットを使うところを、「同じようなもんだから」とビャル・ペリン(薬草の入った白ワイン。「ペリン」とはブルガリア語で「にがよもぎ」、つまりベルモットの語源と同じ!!)を使いそう。となると、原価は・・・(笑)
この写真の組み合わせなら約10レバ!! この調査のドライマティーニ1杯分以下・・・ 標準的なドライ・マティーニのレシピなら、このジンのビンで15杯できるから・・・・ 二人でも飲み尽くせないよ(笑) あ、でもこの調査では5つ星ホテルのバーの話なのでちゃんと「マティーニ」を使うかなぁ?
とにかく・・・ もうちょっとランクを落とした旅行プランでも十分以上、とっても楽しめちゃう、おサイフにはやさしいソフィアにいつか「来てみんちゃい!!」(笑)
頻出のカメリア。トルコ系ブルガリア人で腕の立つ料理人です。彼女の手際のよさと、作り出すブルガリア伝統料理のすばらしさは天下一品! と日本人のワタシも思っております。だからこれまで彼女はどんな「クリザタ(=経済危機)」の時も食いっぱぐれたことはありませんでした。しかもずーっと高給取り(比較的)だったのですが・・・ とうとう失業してしまいました。しかもとても深刻・・・ 家賃を払いながら仕事のあるソフィアにいても今まで困ったことがなかったのに、失業するとたちまち家賃が重~くのしかかります。
身近にいる本職の「ゴトバチ」(=調理師や料理人)たちが今どんどんと失業していて大変です。カメリアは経験も技術もありますが、そうでないタイプの人はもっと大変!! 別の友人で「スラドカール」つまりフランス語で言うところのパティシエの資格があるフリスティーナですが、ギムナジア(職業訓練校、もしくは実業高校)卒業と同時に「失業キャリア」(?)に入ってしまいました。また、オールマイティーに仕事のできない、日本のファミレスでいうところの「パーラー&サラダバー」のような簡単なことしかできない、オーブンやグリルを十分に扱えないバイトを十分に扱えない人たちはさらに大変!! さらに別の友人ラトカは60代で今まで今まで息子のスタンチョがやっていた惣菜チェーン「ケナル」のフランチャイズ店で使ってもらっていましたが、彼が仕事を変えたので失職してしまいました。
さすがにブルガリアのここのところの不景気は長引いており、みんなのやるかたない憤懣の行き場になるはずだった選挙も何だか先がますます見えない結果になりました。あんなに「やめろコール」されていたボリソフの政党が最高の得票率・・・ どうなっとんじゃ?
とうとうカメリアはトルコの親戚を頼って向こうへ引っ越すことになりました。でもトルコもご存知の通り政治的な混乱&隣はイラクやシリアといった、「安定・平和」とは程遠い状態・・・ 何の保証もないんだけどネ。それに加えて、聞くとカメリアのその親戚関係、ちょっとトルコの有名な昼メロシリーズ(?)「シェヘラザード」的です。 大きな家があって住むところはあるようですが・・・ 離婚、再婚などなどによりその家に住む人たちの関係はフクザツそう・・・
カメリアが作ってくれたブルガリア伝統のスイーツ、甘いマカロニ!! 彼女のはハチミツを使っていてオイシイ!! ある日ご馳走してくれたコース・・・ 前菜=リゾット、メイン=じゃがいものムサカ、そしてデザートがこのマカロニ・・・ って、全部炭水化物!! (笑) 例のスタンチョの以前の職場「ケナル」で久しぶりに売っていたマカロニ、買って食べてみました。おいしいけど・・・
やっぱりカメリアの手作りが一番おいしかった!! いつかまた彼女のマカロニ、食べれるのかなァ・・・
今日も庶民の町、ソフィア市リューリン・・・ 新しくなったヴホッド(出入口)の郵便受けは個別に広告を入れやすくなったのでそれこそ週末には山のように・・・ その中に近所のピザ屋やケーブルテレビ局、さらには子供に人気のクマちゃんのグミキャンディーの会社など、いろいろな会社のロゴが書いてある小さな広告が。なんだろう?と思って見てみると・・・
リューリン4丁目の野外ステージで6月1日から6日まで「小劇団フェスティバル」を開催します
でも今日はもう5日・・・ あと1日しかない。「3匹の子豚」とか、「メチョ・プフ(くまのぷーさん)」とか子供にもワタシにも分かりやすそうなお題は終わっちゃったんだ・・・ 残り一日、どんな題目をやるのかな?お題は「ココシュカ・ス・ブロシュカ」訳すと「ブローチをつけた雌鶏」ってとこかなァ・・・ まっ、近所で何か文化的なこと(?)をするんだし、おもしろそうだから散歩がてら行ってみよ~っと。
ソフィアでもブルガリアのほかの町でもけっこう街中に「オープンステージ」があります。場所にもよりますが、キャンプ場の「キャンプファイヤー」をする場所みたいだったり、もっとしっかりした「野外音楽堂」みたいだったり。共産体制時代には何かに使われていたのでしょうか?ウチからパザールに行く途中、学校の隣の整備された公園にそんなステージがあり、普段は買い物で疲れたお年寄りや学校帰りの若者たちの一服(?)の場所なのですが、今回初めて本来の目的にホントに使われるのを見ました!!
開演時間にはもういっぱいの子供たちや親子連れ!! テレビカメラも来てましたネ~。観客の一番後ろに着いたころにちょうど始まったようです。お話の内容は・・・
ニワトリのお母さんが卵を産んだのですが、一つ産み落としてもう一つ・・・ でも産まれてきたのは卵ではなく大きなボンボニ(飴)!! これはどうしたことか!! かわいいヒヨコたちではなく、甘~い砂糖のヒヨコが生まれちゃう!! とビックリして、その産まれたボンボニをブローチのように着けて友人のアヒルさんの所に行ったのですが・・・
彼女は何と白鳥の湖を踊りだして飛んで行き・・・
それではお医者さんに診察してもらおうと行ってみると、なんともいい加減な診察をされ・・・
王様のところに陳情にいくと王様は何も答えてくれない・・・
どうしたらいいの・・・ と指を空にかざして口に運んでみると・・・ 甘~い!! そうよ!! 空が甘くったっていいじゃない!! 甘~いヒヨコたちが生まれてきたっていいじゃない!! ニワトリがボンボニを産んだっていいじゃない!! だってみんな一人一人違うんだもんッ!!! じゃあ、がんばってもう一つ産んでみよう!! と巣箱(?)に戻ってがんばってみると・・・
もう一つホントに飴玉の詰まったボンボニが生まれたのでそれをみんなに配っちゃった!! 観客の子供たちに大ウケ!! 思わぬプレゼントに大はしゃぎです!! ただうれしすぎて(?)なかなかステージから降りてくれない! 女優さんが続けらんないジャン(笑)!!
なんとも手作り感のある衣装や小道具にインディーズ感がにじみ出ていますが、雌鶏のコミカルな動きや観客を巻き込むところなんかはさすがです。でも、その日は風が結構強かったし、
鳩やワンコがステージに入ってきそうになったり、飴を取りに来たちびっ子たちが思ったようにステージを下りてくれなかったり、演じている女優さんはけっこう大変そうでした。
でも、なによりもこのご時勢、インディーズで劇団をするのがもっと大変でしょう。この劇団、 調べてみると、ブルガリアはロドピ山脈の山の中、スモーリャンの劇団で、この演目で世界中を回ったそうですよ。 日本にも来たのかな? 演目が終わってステージ上で少しのインタビューとあいさつがあった後、たくさんの子供たちが女優さんのところに集まってサインをもらっていました。こんなきっかけで演劇を目指す子供たちが、この小さな観客たちの中から出るんでしょうかね?