インカコーヒー、ってご存知ですか?
ヨーロッパでは結構一般的で「オルゾコーヒー」(オルゾとはイタリア語で大麦らしい・・・)とも言われる、穀物由来のコーヒー風飲料なのですが、カフェインが入っていなくて、ミネラル、食物繊維が豊富な健康飲料なんだそうです。マクロビオテック的には、もともとコーヒーは暑いところ原産の飲み物なので体を冷やすらしく、これなら妊婦さんや冷え性の人でも気にせずに飲めるらしい・・・ まっ、小さいころにはだれしも麦茶に牛乳を混ぜて「コーヒー」なんて言ったものでしたが。(松谷みよ子さんの「ふたりのイーダ」にもそんなシーンがありましたね)
このインカコーヒー、ワタシがブルガリアに来たはじめのころから地元おばあちゃんたちから名前は聞いて知っていました。カフェインが入っていないから午後から飲んでも眠れる・・・ って。でも、コーヒー好きのワタシとしては、「カフェインが入ってないものを飲んでもね~・・・」ということで見向きもしなかったワケです。
何でもこの穀物コーヒー、第二次大戦中コーヒー豆が手に入らなくなったドイツで、タンポポコーヒーやチコリコーヒーとともによく飲まれた「代用コーヒー」らしい!! だからなのか、それが今もポーランドで作られ続け(確かに通販で見つけるインカコーヒーはポーランド製!!)、東欧つながりでこのブルガリアでも広く知られた飲み物、なのでしょうか?
そんなインカコーヒー、なぜ急に探し出したのか、って? それには理由が・・・
先日、思いがけず日本から友人夫婦がヨーロッパ旅行の途中にソフィアに立ち寄ってくれました。奥さんはポーランド人!! 彼女にとっては東欧はどちらかというと自分のフィールドでこちらに住むワタシを気遣って、
「こっちにきて何が一番恋しい? 日本のもので何が手に入りにくい?」と尋ねてくれました。その日はちょうどとっても暑い日で、ふと何気なく浮かんだのが・・・ 「麦茶かなぁ~。日本ではどこでも手に入って、どのお家に行っても冷蔵庫に入ってる気軽な飲み物だったけど。こっちでは見ないなぁ・・・」と答えてしまいました。 するとここで彼女が、
「それならインカコーヒーを薄めて飲めばいいのよ!!」 あっ!! そうか!! 原料が同じだし!! これは海外生活あるあるの情報逆輸入だっ!! で、早速スーパーに行って探してみたのですが・・・
以前にはどこでも売られていた「インカコーヒー」と書かれたものは見つからず・・・ その代わりブルガリア製で原料名を書かれた小箱、それも一箱数十円の世界です!! 原料は大麦と・・・レブレビア、何じゃこりゃ?! と思って辞書で調べると・・・ なんと!! ヒヨコマメ!! でした。少し粉っぽくてそのままお湯に溶かすとモサモサするのでティーバックに入れて・・・ これじゃほんとに麦茶だー、って言うか、最初っからコーヒーとして飲んでないし(笑)。とにかく、こんなに安くて簡単に海外で麦茶が飲めて「インカ帝国」!? (これって昔のカラムーチョの宣伝だ。古っ)
今日も猛暑の続く庶民の町、リューリン・・・ と、そこへ一本の電話が!! ヴェリコ・タルノヴォに住む友人のカップル、エルマールとマリフェからです。
「マリフェが盲腸って言われたんだけど、ちょっとおかしいからソフィアで診てもらいたいんだ。トクダ・ボーニッツァに行こうと思って・・・」 アレッ?普通どこの病院でも盲腸くらい間違わないのでは? でも、どうしても、ということでヴェリコ・タルノヴォからはるばるタクシーをとばして「トクダ」つまり徳洲会の救急センターにやってきました。
数時間検査にかかってわかったのは・・・ 盲腸じゃなかった!! ええ~っ!? そんなことってあるの? 当のマリフェはあきれたのと怒りで、「もう~・・・
・・・本当にヴェリコの病院ってダメねっ!! 前にも『あなたは失明する』って眼科で言われたけど、故郷のスペインに帰ったときにあちらの眼科で診てもらったら目薬だけですぐよくなったし、今回だってそうよ~!! もォ~(怒)!!」とカンカンです。
このマリフェに限らず、最近結構友人、知人たちの間でよく聞く、ブルガリア地方都市の医療の現状・・・ 首都ソフィアとの格差はかなりのものになってきているようです。医者に払われる報酬は少ない、新しい医療機器を買うゆとりがない、それどころか病院のトイレすらも修理する余裕さえない・・・ などなど・・・
ソフィアには徳洲会のほかにも結構大きな病院があります。まずは軍関係の「ボエンナ・ボーニッツァ」、その近所には「アレクサンドロフスカ」や「スヴェタ・エカテリーナ」、そして産婦人科、小児科の「マイチェン・ドム」などがソフィア中心部にあります。ムラドスト地区には「オクラジュナ・ボーニッツァ」(県病院?)の「スヴェタ・アンナ」、また番号で呼ばれている「トレタ・グラツカ(市立第三)」や「ペタ・グラツカ(市立第五)」などには友人たちがよく入院しますが、まあまあきれいかなあ・・・ さらには私立では亡くなる前に大家のエンカおばあちゃんの付き添いでよく行った「ドヴェリエ」病院や「シティ・クリニック」なども評判がいいようです。
でも、外国人、特に日本人のワタシには「トクダ・ボーニッツァ」が最後の頼りの綱、になるんでしょうネ・・・ ブルガリア人にとってもこの病院の施設が本当に整っているのはよく知られているようですし、お見舞いに行ったりするといつもよく他国のナンバーの車、アラブ系、アジア系の患者さんやお見舞いできた人をよく見かけます。
保険制度がある国日本から来ると信じられないブルガリアの医療とお金の事情・・・ 日本円と日本の医療費に換算すると無保険で治療を受けても安く感じられるのですが、ブルガリア人からすれば年収分、もしくは年収の何年分にもなってしまう・・・ だからもうあきらめるしかない・・・ と、特にお年寄りたちはため息まじりに言うのですが・・・ それってせつないです・・・
このアヅーイ時に少し涼しくなるお話しを・・・(笑)
日本人なのでやはり恋しい和食・・・ となるといつもご飯を炊いて♪ となります。1kgのお米を一度に炊いて、炊き立てを少し食べた後は冷凍庫に小分けして入れています。で、いつも気をつけているつもりだったのですが、こういうまだ少し温かい状態のものを入れていたせいなのか、気が付いてみたら冷凍庫の中が霜シモ~!! もうスゴイことになってしまいました。で、一念発起し、この霜・・・ っつーかもう氷の塊になってしまっていた部分を取り除く作業に取りかかる事に!!
最初はお玉で始めたのですが、まったく歯が立たず・・・ ついにハンマーを持ち出して氷の壁をガンガンッ!! 冷蔵庫の外壁がかなり高温になり始め、約2時間かかって取れたは取れた!! 取れた氷は何と!! 大きなタライ一杯分!! この容量を見る限り冷凍庫の半分の容積を占めていたと思われます・・・ お恥ずかしい・・・ でも、このスロベニア製の冷蔵庫、何でこんなに冷凍庫に霜が付くんだろー?? 日本の冷蔵庫もそうだったかな?ふつー霜取り機能って、あるよね?
そして氷の中からは、存在を忘れていたモノたちが!! 「何だったっけ、コレ?!」
解凍して見てみるとこれまた冷汗!! なんだか思い出せないビン入りのスープのようなもの・・・ 試しに食べてお腹をこわすのもイヤなので・・・ ポイっ!! (あァ~、「もったいないお化け」が出てきそ~) スキスキに空いた冷凍庫に(懲りずに)気分をよくしてまたストック用のお肉や冷食を買ってきました!! ムフフ~
ただ、この掃除のあと、ナゼか妙に冷蔵庫の下のほうに水が出てくるようになっちゃって・・・ まァ1日に一回見ればいい程度の水量なのですが、氷を取り除いた際に何かブッ壊しちゃったのかなァ・・・ よく冷えてはいるのでまだまだ使えそうですが・・・
タライ一杯の氷・・・ 一日お風呂場に放置しましたが、融けるのにずいぶんかかりました、この暑い夏なのに・・・ ああ、ウチの冷蔵庫、チョーがんばっていたのネ・・・ ゴメンネ~、詰め込みすぎてー!!
暑いですネ~ あぁ~アツイアツイーって言うと暑くなるからいわないようにしよ~っと思っても言っちゃう・・・ アヅイヨ~
そういうわけでちょっとプールに行きたいゾ!! でも、ただの水道水のじゃなくて温泉地のプールがいい!! というと・・・ そうだ!! ソフィアからギリシャ方面に行ったところのサパレヴァ・バーニャはどうだろう!? あっち方面のドゥプニッツァまで近いうちに高速道路が伸びるっていうし・・・ じゃあその開通日にあわせて行ってみよう!!
ソフィア市西側のワタシの住むリューリン区から始まるこの高速道路。これがかなり整備されることでギリシャ方面はえらく近くなる感じがします。特に日曜日の夕方、週末にギリシャに遊びに行ってたり、セロ(田舎)に行って畑仕事をしてきたソフィヤンツィ(ソフィアっ子)の帰宅ラッシュで、このドゥプニッツァあたりから大渋滞!! 20~30kmダラダラと車が続いてホントに大変でした。最近の経済危機のせいでブルガリア人の間で「ギリシャのビーチも最近は安いゾ!!」と言う話もあり、また逆に、「ブルガリアのほうが物価も地代も安い!!」というギリシャ人も増えているそうで、この導線は車も人も増加しそう・・・
開通初日の午前中に、下道でサパレヴァ・バーニャに向かいました。ラドミルからの道とこれまでの高速道路の終点が交わるところで開通式典があって、ちょうど後片付けと一般開放の準備をしているみたい・・・ 今までの緩やかなカーブとアップダウン、そして小さな町を抜ける道でドゥプニッツァ方面へ。そしてギリシャ方面へ向かう道から分かれてしばらく行くとサパレヴァ・バーニャです。プール(ちょうど人肌くらいの温度・・・)と温泉に入り、少し涼をとってから帰りは高速へ!!
アレっ?! ドゥプニッツァよりもかなりソフィア寄りのところまでしかできてないなァー。ソフィアまでの距離はちょうど60km! ブルガリアの高速道路の最高速度で走れば30分以下でソフィアに着けることになります。 おおっ、前を走る「マツダ」は仮ナンバーをつけてますね~。ドゥプニッツァは車屋さんで有名・・・ と言っても車をつくる工場の直売店(?)があるわけではなく、ヨーロッパ中からの中古車を販売するディーラーがたくさん集まっていて、そこにたくさんの人が買いに来る、と言うわけです。
できたばかりのマッサラな道路!! 新しいものがけっこうスキなブルガリア人たちはすでにいーっぱい走り初め(笑)
ただ、旧道だと、道端でけっこう商売していた人たちがいたのです。街道沿いのメハナ(食堂)やカフェ、おみやげ物やさんなどなど・・・ でも高速道路では商売はできないので、どうなるかなァ~・・・ やっと開通したてなのでまだ道沿いにガソリンスタンドもないし・・・ もちろんサービスエリアもパーキングエリアもありません。そんな施設ができても地元にとってはどうかなァ? 「ウチでとれたトマト、さくらんぼ、じゃがいもよ~っ!!」と車で売りに来ていたおじちゃん、おばちゃんたち・・・ このあたりはさくらんぼやじゃがいもが有名なので、ここを通る時にはワタシもけっこうここで買えることを期待して通ったものですが・・・ ちょっとワタシのアイデアですが、こういう高速道路にパーキングエリアをつくって、そういう地元産野菜を売るのを奨励すればどうかな? ソフィアに住む人には重宝するし、地元にお金をおとして行くのは悪くないと思うんだけど・・・ ついでに飲み物や食べ物を売ってくれて、キレイなトイレがあるとなおウレシイ・・・んだけど。