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24糸の綾もよう Travel Guide / Ralph Towner

2013-09-30 22:44:19 | 聞いてますCDおすすめ


ラルフ・タウナーの新しいアルバムを見つけ、Paolo Fresuとのデュオ「Chiaroscuro」いらい、今度はギター3本の組み合わせ、なかなか面白そうなんて思っていたら、この3人2008年Matrtial Recordsから「from a dream」というアルバムを出していました。そちらは聞いていないのでどんな演奏だか解りません。

ギター3本と言えば、マクラフリン、コリエル、デルシアとかアル・デメオラの演奏が真っ先に思い浮かぶけれど、そちらは超技巧見せ合い大会の感がありますが、タウナーのアルバムは担当ギターに個性を持って、ECMらしいアレンジを聞かせたアルバムなのだろうと想像つきます。
アルバムはギタリスト3名の名前が並びますから3名のグループ対等バンドとみるべきでしょうが、ECMからだからどうしてもタウナーを中心に思ってしまいます。

1曲目エレキとクラシック・ギターのユニゾンにもう一本のガット・ギターがリズムを作って、とてもゆったりと進む、貴賓をただよわせる中世の小道を進むよう、もちろんジャケ写真の影響です。
2曲目も大きく変わることのない曲調でゆっくりと、時折ムースピールの幻想的なフレーズが入ります。
3曲目、12弦ギターのタウナーがタウナー節ですからタウナーの比率がこのアルバム一寸高い、多くの人がタウナーのアルバムとして認識するだろうじっくりタウナーを聞かせる曲です。
4曲目はメセニーのようなフレージングで始まってクラシックギターが絡み合う演奏。メセニーの“ミズリーの空高く”をECMに持ってきたようにも感じます。
5曲目ここではカザフスタン生まれ、オーストラリア育ちのスラヴァ・グリゴリアンという人がソロをとっているようです。ネットで見ると技巧のきっちりしたクラシック(一寸スパニシュがひっているような)の若い人のようです。ムースピールがヴォイスを入れて、これがラース・ダニエルソン的なサウンドになっています。
7曲目ちょっよダークが加わったブルース調の曲。
8曲目こちらも、アルバム出だしの強調とは違ってモダンが入ったアップ・テンポな曲、7,8とムースピールの提供曲、タウナーとムースピールが5曲づつのアルバムですからそこらへんこのチームまだまだ奥が深くなりそうです。
9曲目は短い出だしの雰囲気に帰っていくようなタウナーのソロ。
10曲目、再びしじまに入っていくように終わります。

12弦にエレとクラシックの6弦、6弦、その弦が織りなす清楚な雰囲気、微妙な変化も合わせて24本以上の糸でできた風合いを作り出しているのです。
素地の大きなタペストリーのような感じも、空に漂うシルクのような感じも、一瞬のポリエステルのような化学的な驚きも盛り込んで編まれたようなアルバム。

タウナーによる(いや3人による)24糸の綾もようなのです。

Travel Guide / Ralph Towner Wolfgang Muthspiel Slava Grigoryan

Ralph Towner classical and 12-strings guitars
Wolfgang Muthspiel electric guitar
Slava Grigoryan classical and baritone guitars

Recorded August 25-27, 2012 at Auditorium RSI, Lugano

1. The Henrysons 
2. Father Time 
3. Windsong 
4. Duende 
5. Amarone Trio 
6. Travel Guide 
7. Die Blaue Stunde 
8. Nico und Mithra 
9. Tarry 
10. Museum of Light

コメント (6)
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