JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

オリジナリティの確信 PHOEMIX / LAKECIA BENJAMIN

2024-08-04 14:31:23 | 聞いてますCDおすすめ


サブスクのおかげで知らないミュージシャンを簡単に聴くことが出来る。
多くの新しいサック奏者が登場するけれど、残念ながら、驚くことは少ない。
どっかで見て面白いかもと聞いたら、久しぶりに驚いた。
以前驚いたMette Henrietteの時に似ている。
こんどのアルバムの奏者はアルトで驚くほどのオリジナリティを持っている。
ネットで聞いて良いので、せっかくだから、一番新しいのをと買ったのがこちら。
2023年1月にリリースされているから今年の10枚には入れずらいか。
マンハッタンで生まれ育ったレイクシア・ベンジャミンはコルトレーンの音楽をリスペクトするプロジェクトで素晴らしい音楽を創造しているが、その中2021年9月、クリーブランドでのライヴを終え、車で自宅に戻る途中の大きな交通事故にあう。そこから復帰して作ったのがこのアルバム。それだからタイトルが「フェニックス」
彼女の音楽のオリジナリティを絶賛するTerri Lyne Carringtonがプロデュース、Georgia Anne Muldrow、Dianne Reevesらがゲスト参加、ウエイン・ショーターの話声などが入れられている。いかに多くのミュージシャンが彼女を認めているかが理解できる。

1曲目、サイレンの音と銃で始まるのは、2年前の突然訪れる混沌、身の回りに起こる不可解を表現する。
2曲目”New Mornings”はそんな混沌の中の新しい朝、ある石で半かは起きるという彼女の強い意思、Josh Evansのペットと続くレイクシアのアルト、そして二人のユニゾンに強く表現される。
そしてそれが”Phoenix”へと続く。彼女のアルトは再生への強い咆哮となる。
4曲目はダイアン・リーヴスが歌う”Mercy”そこにある平安を諭すように、これもリクシアの曲、曲にもそれぞれの主張を強く感じる。
こうやって主張は進むけど6曲目のSonia Sanchezという女性が語る詩は残念ながら解らない。
7曲目バックを務めるベーシスト、Ivan TaylorとドラマーのEJ Strickland 、ピアノのVictor Gould、がかなり良い、まさにマンハッタンの今のミュージシャンだろう。ちなみにどあまーはテナーのマーカス・ストリックランドの双子の兄弟。
10曲目”Trane”はコルトレーンに捧げられた曲、前作「Persuance The Coltranes」も素晴らしい作品で、グラミー賞にも3部門ノミネートされた。持ってても
良いような気がしてきた。
11曲目、ちょっとオ―ネット・コールマンを思わせるフレージング、ただこの人ソウル系のバンドでスタートしているので、底流にあるものが理解しやすいよううに感じる。
ちょっと古いアルバムだし、知っている人には何をいまさらとは思う。ネットで聞く聞き方がふれたので、こういう発見ができるようになったのだろう。
自己の主張をはっきりとすることのできる素晴らしい才能が出たと思う。

PHOEMIX / LAKECIA BENJAMIN

Lakecia Benjamin – saxophone, vocals, synths, sound design
Victor Gould – piano, organ, Rhodes
EJ Strickland – drums
Ivan Taylor – double bass, electric bass
Josh Evans – trumpet (1, 2, 3, 8, 12, 13)
Wallace Roney Jr – trumpet (7)
Anastassiya Petrova – Rhodes, organ (5)
Orange Rodriguez – synths (1, 3)
Nêgah Santos – percussion (5)
Jahmal Nichols – double bass (2)
Josée Klein, Laura Epling – violin (4)
Nicole Neely – viola (4)
Cremaine Booker – cello (4)

Special Guests :
Georgia Anne Muldrow – vocals, synths (3)
Patrice Rushen – piano (5)
Dianne Reeves – vocals (4)
Sonia Sanchez – poet (6, 7)
Angela Davis – spoken word (1, 13)
Wayne Shorter – spoken word (11)
2023年作品

1. Amerikkan Skin
2. New Mornings
3. Phoenix
4. Mercy
5. Jubilation
6. Peace Is a Haiku song
7. Blast
8. Moods
9. Rebirth
10. Trane
11. Supernova
12. Basquiat
13. Amerikkan Skin Radio Edit


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20年後の日の目 Sepember Night / Tomaz Stanko Quartet

2024-08-02 21:14:49 | 聞いてますCDおすすめ


パリに行った時のことなどを続けて書いていたけど、行く前から新しいアルバムを買ってないわけではない。これはと思うアルバムを買うから、大体誰かが記事にしている。いまさらだけれど、これからしばらく書いていこう。
まずはECMからのトマス・スタンコのアルバム。
スタン子は2018年になくなっていて、今回のアルバムは2004年にミュンヘンで録音されたライブの模様だから20年も前の演奏。
マルチン・ボシレフスキのピアノ・トリオ。
Ⅰ曲目、スタンコのバラッド・プレーをメインにして始まる。2曲目もマルチンのピアノで初めて、っスタンコのバラッド。
3曲目、ストイックなベース・ラインとドラムスをバックに緊張感が増していくステージ、ピアノのソロがとても美しい。
4曲目、ファンタジックなスタンコのフレーズから始まる曲はタイトルも”エレガント・ピース”。
6曲目でインリズムになて軽やかな色彩が強まる。
ただ全体的に、グループのバラッド演奏がメインになったアルバムになった。
なぜ20年たってこの録音がリリースされたか、これは想像になるけれど。
スタンコとボシレフスキはECMの「ソウル・オブ・シングス」というアルバムで2002年に共演したのが最初で以後いくつかのアルバムを作っている。スタンコがボシレフスキのピアノを気に入ったというのが理由だろう。
Kん回のアルバムは2003年録音の「Suspended Night」の月の録音ということになる。



その後、ボシレフスキはアイヒャーにいとめられ、2005年「Trio」を皮切りにECMからアルバム5枚をだす、ECMのピアノの顔になった感がいる。

だからこん回は逆にボシレフスキの売れにのって、ここの録音から選択されたのだろうと想像して納得した次第。
だけど、多くの人が今回アルバムを手にしたように、良いものは出てよしだし、売る方も考えていると思う。

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