
ビリー・ホリディの伝記映画ということになるのだろうが、焦点は「奇妙な果実」を歌うことに対してのFBIの抑え込みの映画になる。
ホリディの大変な人生に焦点を合わせるのも大変だが、それにFBIの活動が噛んできて、結構大変と借りるのを躊躇していた作品。
まあ、ビリー・ホリデイのことだからと借りたけれど結構つらい作品だった。
とにかくホリデイへの身体的、精神的虐待の場面がおおい。同じ黒人でなぜここまで抑圧するのかというと時代だから。虐げられていながら、ある信念で行動するホリデイをえがくが、薬物の依存に抗しきれず、その歴史でもある。
監督は「プレシャス」「大統領の執事の涙」のリー・ダニエルズ監督だそうだが知らないか。
学生のころビリー・ホリデイの自伝「奇妙な果実」(油井正一・大橋巨泉訳)を読んでいるら、これはいちおうみようと借りてみた。
思ったとおりつらい内容の映画でだったけれど、改めて「奇妙な果実」を聞き直すのも良いかとおもった。
2021年アメリカ映画
ツタヤ 採点 3.25 採点 3,2

ビリー・ホリデイのアルバム57年前に買ったのが1枚がある。初期にコモドアに録音したものを録音順に集めた日本企画アルバム。1曲目が「奇妙な果実」で2曲目は「イエスタディズ」そのつながりが良いと言われる。確かにこの「イエスタデイ」はしっかり心に入っていてこのうたはホリディの声が思い浮かぶ。
せっかくだから「奇妙な果実」の歌詞の訳も載せておこうか。今になった知らない人も多くなったのかもしれない。
「奇妙な果実」
南部の木々に奇妙な実がなる
葉っぱには血が根にも赤い血が滴れる
南部の風に揺れている黒い身体
ポプラの木からぶら下がっている奇妙な果実
雄大で美しい南部の田園風景
飛び出た眼に苦痛でよじれた口
モクレンの甘く爽やかな香り
そこに突然漂う焼け焦げる肉の臭い
ここにも一つ
カラスの餌となる実がある
雨に叩かれ風にあそばれ
太陽に朽ち木から落ちる実
ここにも一つ
奇妙でひどく苦い実がある
(日本語訳:東エミ)