JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

静かに暮れる Short Stories For Dreamers/Jesper Bodilsen

2010-12-31 17:56:00 | 聞いてますCDおすすめ


本年も晦日を向かえ一年を振り返って、という気持ちにあまりなりません。
毎年最後の一枚には、長年JAZZを聞いていての、思い深いアルバムをえらんできました。
今年はどれにしようかと思いましたが、つい最近買ったアルバムにしました。
このアルバムが発売された後ぐらいから、怒涛のような生活が始まり、どうにか年末にたどり着いた感じ、その間には立ち竦むようなこともありました。
もちろん、それの見合うほどのうれしいこともありました。
そんな中でこのアルバムを聴いていたい、今年の暮れはこれにします。

1曲目、ナイロン弦のこのやさしさは、聴く人を立ち止まらせ、自分の今を素直に語らせ始めるような、ギターソロの後ベースソロに移るのが実に自然です。
2曲目、今年はペットとリズムの組み合わせのアルバムが多く聴きましたが、呼び寄せたようでととても面白い。
3曲目、ベースが重くラインを作りながら、バイブとギターがフレーズを作っていくこと安定した流れです。
5曲目“Moon River”と意外な選曲ですが、ワケニスの弦がぴたりなのには驚きました。知られすぎたメロディも演奏で飽きないものです。
6曲目はカントリーソングのようなギターのリズムから、ロードムービーを見ているような感じの曲。
7曲目はお馴染み“Estate ”皆さんが進めるトランペットPeter Asplundは、実は初めてですが、この人の“Estate ”もいいです。
8曲目もワケニスのナイロン弦のメロディがとても落ち着いて、とても安心を届けてくれているようです。
て最後の曲は“A New Day”。今年最後の曲が“A New Day”とは、選んだわけでありませんが、なんか嬉しい。
明日には新しい年を迎えるわけで、崩れたものや失ったものは在るけれど、その上に新しい日を造れば良いのです。

本年一年、お付き合いいただいた上、暖かい励ましのコメントなどたくさんいただき、ありがとうございました。
皆様が幸多い年を迎えられ、また新しい日を見つけることをお祈りして、今年を締めることといたします。

来年もよろしくお願い致します。  monaka


Short Stories For Dreamers / Jesper Bodilsen

Jesper Bodilsen (b)
Ulf Wakenius (g)
Peter Asplund (tp,flh)
Severi Pyysalo (vib,melodica)

1. Caetano
2. One Of A Kind
3. Song For Her Being Here
4. Barcelona
5. Moon River
6. Marie
7. Estate
8. Pigen Der Floj (The Girl That Used To Fly)
9. A New Day

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ハクエイ・キム トライソニーク2010 ファイナル アット JB Brat

2010-12-30 16:56:47 | サポート中、ライブ
炊いた黒豆をオクサンの友達○チャンに届けながら、ハクエイ・キムのトライソニーク2010年ファイナルに出かけました。



年の瀬なのでがソールド・アウト、ユニバーサルの斉藤嘉久ジャズ・グループ・マネージャーが「スタイリッシュなイメージを打ち出して女性客と取り込む」と言うように再び女性のお客さんでいっぱいです。
開演前に会ったハクエイに「今日は甘く、哀愁たっぷりね。」と言ったら「熱くです。」と言い返されました。7時38分スタート

1st

1スバイラル・ダンス
ピアノの低音、連続したリズムからベースのメロディ、ピアノがテーマで乗っかってきて新鮮な始まりです。
杉本さんのベースソロは最初から突っ込んでいる感じ、逆にカルタさんのソロは抑えた感じです。

2ホワイト・フォレスト
ピアノソロは落ち着いた雰囲気からファンタジカルな展開、“サム・デイ・マイ・プリンス”を一瞬思い出しました。
トライソニークの激しい演奏の多くなった中、このような曲ではとてもよく歌わせてメリハリが出ています。

3 ドライ・ダンス
久しぶりのこの選曲はうれしい、デビュー時より抑えたピアノ、制御されたピアノはいつ爆発するのか、緊張感をはらんだまま持続するリズム、そのリズムに導かれて熱を帯びフレーズが自由に踊ります。

4 ブルードブ
スペインのトラディションだそうで、知りませんでした。
やわらかいハーモニーがとてもシンプルで美しい、ハクエイの曲のような部分もあり、レパートリーになると良いように思います。

5 テイク・ファイブ
今日のお客さんは少しおとなしい、最前列の方は一生懸命聴いているのでしょうが、おとなしいちょっといつもと違う、これもメジャーデビューだからしょうがないのでしょうか、いつもより後ろの席になっているのでカルタさんの姿は体をずらさないと見えないし、こちらの集中力が足りないのかも知れません。なんだかバリアがひとつあるような、ピアノソロもドラムスのソロも平坦に届いてきます。ウーンとうなりながら1st終了です。

トイレでカルタさんにあったのでもっとグチャグチャで良いですと言いました。

2nd

1 ディレイド・レゾリューション
静かなピアノから始まって、途中からドラムス、べースとピアノのバランスがずっとよくなりました。ドラムスがはっきりとした位置をしめて、ベースがラインを作ります。これでハクエイのピアノの変化が活きてくるのです。

2 バーアドフード
杉本さんのロングソロからオーネット・コールマンのメロディこれが、先日ピット・イン
のライブでも感じたのですが、乗るのです。
ハクエイのピアノフレーズも自由に飛び交いだして、ほっとしました。ライブのこの演奏とおなじようなら、今度のアルバムすばらしいでしょうね。(予想するにカルタさんがしたクリスマス・ファン・ミーティングでのエピソードこの曲じゃないでしょうか。)

3 クアラルン・プール
ピアノのシングルトーンのリズムからカルタさん今日はサンバに聞こえます。そして杉本さんのやわらかいアルコのメロディ、バラエティに富むなかピアノが走ります。

4 ジ・アーキオロジスト
この曲も安定した曲になりました。杉本さんのベースとの掛け合いがとても美しい、ライブはこうでなくっちゃ、そのときのハッとする喜びが一番です。
それが共通の喜びとなり会場を支配し、その中で聴衆はいろいろな思いに耽るのです。

5 トライソニーク
このグループのテーマ・ソングになった曲は来春TVのエンディング曲にも決まったそうで、有機的なピアノのメロディとドラムのリズム、ベースの発音がグルーヴを作って生きます。
そしてこのピアノ・ソロに身をまかせて、今年も付き合ってきて良かったと、そして今年の発展に心からお祝いを言たく思うファイナルでした。

ハクエイがここまできたのです。

アンコール
ニュータウンかと思って聴き始めました。



もうだいぶいただいてきたし、カルタさん命名の“未知との遭遇”(ラムにパイン、レモン、ジンジャーやいろんなものが入った危ないカクテル、命名が一番危ない)なんかもいただいているので、うとうとしてしまいました。
あの曲はいったいなんだったんでしょう。




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好きな人は好き SUCRE SALE / Marc Dechamps

2010-12-29 15:09:29 | 聞いたけどCDどちらでも


ショップに行ってまるで知らないけれどしゃれたタイトルで久しぶりのフランスピアニストなので拾ってみました。
神戸のセレクトCDショップ「ディスク・デシネ」というところが発売したようです。
ライナーでは代表者の方が絶賛しています。
これほど素晴らしいと感じるのですから、同じような方多いと思います。
少し曲がっている私は残念ながら反対の感覚を持ってしまいました。
悪いことではないのですが、ピアノの音は明るく、軽やか、とてもライトです。
ベースもドラムスもいるのですがこちらはサポートに集中です。
テンポは大体同じ感じで曲調も似ています。ですから好きになったらたまらないのか知れません。
ほとんど譜面があるのではないでしょうか、インプロめいた部分は希薄です。
ジャズという分類にしないといいかもしれません。

そして今日は大好きな人の、今年最後のライブに出かけきます。

SUCRE SALE / Marc Dechamps

MARC DESCHMPSB piano
PIERRE GUILLEMANT basse,doublebass
VINCENT CORDELETTE drums

1 Baladadidou
2 Valse a 3 T.
3 Crepuscule
4 Rosalie
5 Fete Galante
6 Sucre Sale
7 Robin’s Waltz
8 Tiare Tahiti
9 Adeus Melancolie
10 Mere
11 Tenue De Soiree
12 Week-End
13 Crement
14 Benji’s Theme
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今年記事にしたフェバリット10枚

2010-12-27 22:47:08 | 聞いてますCDおすすめ
今年記事にしたフェバリット10枚

記事にした中からフェバリットを10枚ぐらい選んでいます。
今年の購入は170枚ぐらい、随分とダウンしてしまいました。
CDはまだ箱の中で、状態も不明なのですが、記事を振り返って選んで見ました。記事にした日と題、それにアルバムタイトル、奏者です。

まずは、相当驚いた3枚がこれ。



2010/ 5/13 槍が飛ぶ理論は    original Pimpant / emil parisien
2010/ 9/ 4 一汁一菜のやさしさ  Wish/大石学
2010/ 5/ 5 休みの色が変わった golden Slumberes / Steve Dobrogosz

そして引き続いて唸った5枚



2010/12/ 7 大スパイラル MIRROR / CHARLES LLoyd
2010/ 6 22 神が与える手 MY PIANO INSIDE ME / MICHELE DI TORO
2010/ 5/12 一つ一つを話そう Jasmine / Keith Jarrett Charlie Haden
2010/ 2/ 1 自信に満ちて  LONGIN' / Luca Mannutza
2010/ 1/9 新しいカードが開かれる Danise / Vincenzo Danise

後の2枚もほとんど変わらないけど6枚の中から選んだ2枚です。



2010/ 6/ 5 キースから解き放たれて Ballads / Eric Legnini
2010/ 4/19 スベンソンの都市 Difficult to see you / CHAT NOIR

変わらないのに10枚に入らなかったのはMisha Piatigorskyさん、Daniel Szaboさん、Jaun-Pierre Masさん、Dave Peckさんでした。


特別賞として秋口本当に良く聴いたです賞を
2010/11/12 グラスを保つ  Everything Happens To Me Lasse Tornqvist Jan Lundgren



に贈ります。

来年のCD購入事情は資金の問題がすべてで、ある収納に関しては当分解消です。
その報告はまた別に。
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誰からの挑戦状  EXIT FOR THREE / DARIO CARNOVALE

2010-12-25 23:17:54 | 聞いてますCDおすすめ


1979年うまれのシチリア出身のピアニストのアルバムが豊田さんのアルボーレ・ジャズより発売になりました。なんと初回1,000円という価格、この会社でこの値段迷い無いです。
2010年バルカ・ジャズほか各地のコンテストで優勝を重ねと解説にありますが、豊田さんさん発見という感じでしょうか。
ピアニストは知りませんがベースシストのほうは大好きなミケーレ・ディ・トロのアルバム
でも素晴らしいユーリ・ゴロウベフです。ドラムスは知りません。

1曲目、ベースのアルコとピアノでデュオでプロローグ風の1分、ベーシストへの敬意でしょうか、控えめなスタートです。
2曲目ピアノの静かなメロディからはいるアルバム第一印象は音が良い、ピンと張ったベースの弦音やピアノのタッチがはっきりと伝わってきます。
ピアノのフレーズが展開していくところやベースソロが聴き所になります。
3曲目も静かなリリカルな曲、ここら辺の曲のつなげ方は最近のイタリア・ピアノ・トリオのアルバムとは一寸違った、ある意味、気の張った挑戦です。
4曲目はクラシカルなピアノソロ。
5曲目がタイトル曲で、リズム度を高めた変拍子、疾走感のある演奏です。
6曲目やわらかなアルコとそこに加わる高音でのミステリアスなピアノフレーズ、このピアニスト感性が伝わります。
7曲目はフリーインプロの曲調、このアルバム2曲がベーシスト、残り11曲はピアニストの曲で、オリジナルが多くなっているのが最近の傾向でしょう。
8きょくめは静かな展開で、ピアニストが思いを綴ると、それを聞きながらベーシストがそれを聞きながら上手く合わせていく感じで、ここら辺がこのベーシストの人気なのでしょう。
9曲目はコンチェルトのように始まるピアノソロから引き続い静かなメロディの10曲目、黎明の中にいるようなピアノメロディにベースのソロが入る形がアルバムにおおいのですが、ベースのピッチも音も良い感じです。
11曲目も黎明の中にいるように始まりますが、ピアノのフレーズをきいているとこのピアニスト只者ではないように感じます。
同じような曲調のところがありますが、ピアニストが提示したいのがこのスタイルなのでしょう。
世界デヴューだそうで、ピアニストからの挑戦状でしょうか。
ただ一寸アレッと思うのは、録音日が2008年、世界デヴューまで時間が掛かったといえばそれまでですが、優勝を続けた今が聴きたかった。
題にした「誰からの挑戦状」って、実はピアニストの挑戦と感じたわけではありません。

最近のイタリア・ピアノ・トリオみたいな派手さが無くて、聞き込まないと一連のしっとりピアニストでくくられてしまいそうな、このアルバムを、この値段でだすこと。
アルボーレ・ジャズの豊田さんが日本JAZZファンに出した挑戦状みたいに思えてなりません。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20100316
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/e/af916d20f9bc83b9db3340e03bf87496

EXIT FOR THREE / DARIO CARNOVALE

DARIO CARNOVALE (p)
YURI GOLOUBEV (b)
LUCA COLUSSI (ds)
Recorded at Artesuono, Cavalicco (Udine) Italy, on April 29 - 30, 2008

1. GERICO
2. FLORES
3. NO, IT ISN’T
4. AFORISMA
5. EXIT FOR THREE
6. CAFARNAO
7. PRKFV
8. TONY
9. PRAGA SUD
10. PRAGA NORD
11. NAVI
12. EVENTUAL THOUGHT
13. FLORES Rivisted
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突然キタ~ monakaのお掃除日記

2010-12-24 21:10:03 | その他
家のリフォームも段々と進んでいて、それは当たり前なのですが、それと、しなければいけない片付けが頭の中で整理できません。
年を取ったら1フロアーで生活出来るようにと地下にあった浴室を1階に上げました。
そのバスを昨日使ってみました。洗い場の広さが半減しましたが、1階のフロアーで脱衣場も暖かく、
一昨日までのお風呂とは洗い場の広さが半分になりましたが、脱衣の場所が暖かい、民宿みたいな寒さはなくなりました。
そんなゆったりとした翌日突然来ました、monakaのお掃除日記年内収めましょう。

新しい食器棚は、棚が1つしか付いていないので、ホームセンターにいって化粧版をきってもらい、止め穴を加工して棚を5つ追加しました。まるで大工さんみたいです。2階に運び上げていた食器の入ったダンボールがもどって来ました。



あけたダンボール箱が25箱、良く使うものから並べていきますが、まだまだ箱が在って
どこに収めていいやら、悩んでいるとこんなのまで出てきてしまうのです。




年末の掃除は全く手をつけず、CDたちは何処で新年を迎えるのでしょう。

ボルネオとか、どこかのリゾートとか、私は何処にもいけません。




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第一行をどう書くか ユリイカ詩と批評

2010-12-23 20:39:55 | 


ガレージにおいていた本が水を被ってしまい、破棄するものと、残すものとを分けていたら、懐かしい雑誌が目に付いた。
青木社から出版されている「ユリイカ」という雑誌で当時は“詩と批評”という副題がついていました。
その1972年3月号、“「第一行をどう書くか」詩の成立をめぐって”というのが特集で、19人の詩人が特集に対して一文を載せています。
筆者を並べると、黒田善夫、渋沢孝輔、三木卓、田村隆一、石原吉郎、川崎洋、白石かずこ、石垣りん、吉増剛造、三好豊一郎、鈴木志郎康などなど凄いメンバー、加えて特集の内容が凄い、試作へのかまえが伝わってきます。

この雑誌が280円だったのですから随分たくさん売れていたのでしょうか。
当時は文章を公になどしておりませんでしたから気楽なものでした。今は恥ずかしながら拙いこのような記事を書いているので、読み返してみました。

何人かの詩人がここに寄せている文章の最初の数行を引用してみることにしました。
著作権は記事の内容のためとご容赦ください。
Blogを書いている人ならば、また文章に題など付けている人ならば、きっと興味深いと思います。

「April is the cruelest month」 鎰谷幸信
詩の第一行は神様、あるいは自然が授けてくれる。二行目ぁら詩人が努力で発見し、書く、といわれる。しかし天才といえどもまた天の配剤を待ち、偶然を頼み、ミューズの到来をひたすらじっと待っているのだ。

「第百行たち」 川崎洋
私の場合に即して云えば、「書く」というより、「生む」と表現したほうが、少しは正確であるような気がします。

「プアプアに始まる」 鈴木志郎康
私は詩を書く。とのときの詩の言葉が何処から出てくるか、ということについて余り考えたことがなかった。

「私の部屋には机がない」 石原吉郎
私にとって〈第一行〉とは、つねに〈訪れるもの〉である。訪れは、私の側の用意のあるなしにかかわらない。それはしばしば、完結した断定としてやってくる。

「霊感(ひらめき)について」 三好豊一郎
霊感―大仰すぎるならヒラメキでいい―は無為にいて、ふらっと宿るものではない。霊感は、霊感を強く求める意志によってのみとらえられる。

「イメージの廣野で」 三木卓
いったいどうやったら詩が書けるのか、今でも正直なところよくわからない。だからこの次に詩が書けるかどうか、わからない。いつでも、その意味では最初の詩を書きはじめる前と同じだ。

「王國ノート」 吉増剛造
「王國」の第一行はまだみえていない。
 死の王國を呼吸する
 死の王國を呼吸する
上のような無残な二行をくりかえし、約十日を過ごした。くりかえしてもくりかえしても詩行は生きてこない、しかし、ぼくはこの死語のように無惨な詩行に呪縛されはじめる。

「発端の詩」 渋沢孝輔
詩の成立の過程や根拠を具体的に語ること、端的にいって、自作について語ることは詩人にとっては紛れもなくひとつ危機を通ることである。おのれの仮面をみずからの手で引き剥がすこと。試作とは一種の詐術にほかならないと証明すること。

いかがでしょう、詩人たちが一行の前に佇む姿が見えてきます。
私は詩などかけませんし、誤字だらけの駄文ですから、一行をどのように書くかなどはなやみません。
ただ、その駄文に題をつけています。その題が訪れるのを待っているのです。その題がピッタリときた時はとても心が弾みます。

私の大好きな田村隆一の一文は最初だけでなく途中を端おって結論のところも書いてみます。駄文の題ではありますが、少しは通じるものがあるのです。

「冒頭の一行にもどる瞬間」 田村隆一
最初の一行は神が書き、二行目からは詩人が書く―
こういう意味のことを、フランスの詩人が云っていたのを、僕は少年の時、どこかで読んだ記憶がある。 (中略) むしろ、ぼくの場合は、ひたすら、最初の一行を発見するために、詩を書くと云っても、けっして過言ではない。
一遍の詩を読みおわって、冒頭の一行にもどる瞬間、その詩行が屹立し、全体の意味が鮮烈に問いなおされるような場合、ぼくはためらうことなく、それを「詩的経験」と呼ぶ。

少し感じが解っていただけたでしょうか。名文を並べた後に、文を続けるのはご勘弁ください。 

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天賦の塩梅 Repertoire / Jean-Pierre Como

2010-12-21 23:10:56 | 聞いてますCDおすすめ


ジャン・ピエール・コモの新譜が売り切れというので、待っていた人がたくさんいたのに驚きました。
再入荷したのでホットしましたが、それから随分時間が経ちます。
普段であれば即、記事にする人の作品なのに、戸惑っていたのです。
それが1曲目“The way you look tonigh”メロディが流れると、どうしんだろうと
戸惑ってしまいます。
ところがピアノのアドリブパートになればまさしくコモなのです。
戸惑いは選曲とゆったり感なのです。
3曲目、ゆっくりやさしげな“Alone together”この安定感、アルド・ロマーノのドラムスとベースのディエゴ・アンベールに支えられているからでしょう。
いつもは目立ち系のロマーノが完全にサポートです。
4曲目はフランス風味でコモのオリジナル。
5曲目もゆったりとした“When I fall in love”、甘くなりすぎず、それでいて充分な、しっとり感です。
7曲目はなんと“オーバー・ザ・レインボー”何でこの選曲、トリオでこの演奏、考えてしまいます。
このようにゆったりでなくて、切れ切れのフレーズの曲がいいとも思うのです。
こちらもここで、ゆっくりゆっくり考えると、あえてスタンダード、それもちょっとベタ選曲、アレンジもオーソドックス、リズム隊にはしっかりサポートを頼んで、コモ、実はこの曲たちが好きなんでしょう。それを素直に歌うのがこのアルバムでしょうか。
やろうと思えばいかようにもハードに出来るコモが、これ、塩梅を考えているとしか思えません。
8曲目“If I should lose you”これを不断なら超高速フレーズでするところ、抑えて高速で演奏、そこが塩梅なのでしょう。
最後はオリジナルのピアノ・ソロじっくりと聴きたい、落ち着いた曲、ここらへんの配置もコモの天賦の塩梅に思えてきます。
戸惑いから出発して、聴くほどにミュージシャンの采配が見えてきて、結構いいアルバムなのです。
コモを知らない人がこれを聴いて好きになったりして、それもおもしろい、でも次のアルバムは同じことはしないと思う。

Repertoire / Jean-Pierre Como

Jean Pierre Como (p)
Aldo Romano (ds)
Diego Imbert (b)

.The way you look tonight(J. Kern/D.Field)
2.Bewitched(R. Rodgers/L.Hart)
3.Alone together(A. Schwartz)
4.The sidney years(J.P.Como)
5.When I fall in love(V.Young/ E. Heyman)
6.Up jumped spring(F.Hubbard)
7.Over the rainbow
8.(R. Rainger)
9.Melodie d’amour (J.P.Como)
10.Baubles, bangles and beads(A.borodin/R.Wright/G.Forrest
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少しはやりますmonakaのお掃除日記

2010-12-19 22:48:05 | その他
今年はやらないと言っていたmonakaのお掃除日記ですが、全くやらないわけがありません。
年末の大掃除を、元気が出そうな音楽を横において乗り切ってきたお掃除日記です。
ずっとやってきたので、一度ぐらいやらないと、年末だという気が起こりません。



家の中はこんな状態で、床にはこのようなものが並んでいるのでどうも手が出ません。



食器もほとんど箱の中だし、どうなるのでしょうか。

ガスからエコキュートに変更して、場所も地下から1階に移す浴室、古いほうはそのまま物置状態にしようというのでカビとりなどをしました。
音楽は今回受けた事故でも無傷だったCDが時々見つかってそれをかけています。



The Guitar Trio: Paco de Lucia/ Al Dimeola/ John McLaughlin

Paco de Lucia
Al Dimeola
John McLaughlin g

Recorded in May/Jul 1996

1. La Estiba
2. Beyond The Mirage
3. Midsummer Night
4. Manha De Carnaval
5. Letter From India
6. Espiritu
7. Le Monastere Dans Les Montagnes
8. Azzura
9. Cardeosa

CDを一つ一つ見ていくので、おおお前は無事だったのか思いながら、久しぶりに聞くと、懐かしさもあってほんのり暖かくなります。
この3人の日本公演見にいったんです。

さて皆様にご心配をいただきました現場です。
工事の資材と廃材、そして再度箱に詰めた状態の本とCDが積まれています。



昨日のかわいそうなラピダルさんもきれいに洗って、きちんと聴くことができました。
ご安心あれ。



やれやれ




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爪あと

2010-12-18 22:07:18 | その他
家のリフォームの為にCDや本を箱に詰めてガレージに積んでおいたら、短期間の集中豪雨で(ガレージは少し下がっている)水をかぶってしまいました。
もう2週間以上たちましたが、いまだにケースの中はぐしょぐしょのものがありすが、工事中のため広げる場所もなくまた箱に詰めて積んでいます。
1ケース部屋においってあり、少しずつみているのですが、かなりのダメージです。

大好きなアラン・パスクァの紙ジャケはよれよれで、服がぼよぼよしてまあ、夏の昼寝後みたいになってしまいました。これでは、このお嬢さんお嫁にだせません。




という状況からは私のCDは中古屋さんに持っていけないでしょうね。
水につかった、すべてのアルバムをこれから守っていかなければなりません。
プラケースをあけると、紙がCDに張り付いてしまっています。
ラピダルさんにも申し訳ありません、心が痛みます。
別段ライナーを読むことは今後ないでしょうし、プレーヤーと曲名がわかればいいので、我慢しますが、1枚1枚確認しながら、CDを洗わなければならず、多分1年くらい掛かりそう。 



リフォームということでCDの収まる場所を地下の部屋の壁一面に作ろうとしていました。そこの収まるべきCDがこのような状態です。
うまく並べられる状態にするのも部屋ができてかですから、今は次がいい状態を祈っているような感じです。

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