前作を聞いて強い印象が残ったピアニストが新しいアルバムを出しているので買ってみた。
これはゆっくりと聞いておくべきアルバムと思ったので、出張の帰りがひとりだからノート片手に新幹線で聴いてみた。
Naoko Sakataは澤野工房のを聞いて、1曲1曲がまるでタロット・カードのような予言に満ちたミステリーを感じた。
相当の個性と魅力を感じたけど、澤野以外のレーベルではどうでしょう。
1曲目、オリジナル“Rain”でのメロディの作り方、感覚だけれど、菊池プーさんを思い浮かべた。
2曲目、TVの旅番組で在住のイエティボリを見たことがあるけれど、“januari”という季節を澄んだ心で表現しているのだと思う。
3曲目“Blue”ブルーをタイトルにもりこんだ曲はたくさんご存じだとおもうけど、それがどう表現されているかある意味たのしみ。イエティボリの早朝、カモメの鳴き声もある海と空、そして自分の心も少しずつ色彩を変えたブルーなのです。
4曲目はベースの人の曲でベース・ソロから、硬質な詩歌を聞いて、貴殿はどう感じるかなどと、このピアニスト聞く側の返答を要求するような演奏です。
5曲目Sakataのソロから、もう一度プーさんを思い浮かべたことにもどるけど、地にある日本的な間合いとか束縛とか、それに西洋の和声がとても素直に受け入れるとこうなるというような感じでプーさんのソロを思い浮かべたのです。
これって日本人にとって大切なピアニストで、現役100人に参加してほしいですね。
6曲目からはSakataの7曲目をはさんでドラマーの曲。グループのベースの人は変わったけれどドラマーは前作のひと、ピアノの演奏を立てると言う意味で形がとても美しい、力で押し切ってしまうことなしの整ったピアノ・トリオです。
7曲目、アブストラクトなリズムの曲は一番フリー、こういう演奏もありだと思う。
9曲目、後半扇動的な部分もあるけれど、基本はこのピアニスト、メロディーをハモニィーとリズムの中から探し出す人、日本人のピアニストとしてとても貴重な人。ということで今年の夏休みの課題が出来ました。
Dreaming tree / Naoko Sakata
坂田尚子 piano
Alfred Lorinius bass
Johan Birgenius ds
Johannes Lundberg (rec)
1. Rain (Naoko Sakata)
2. januari (Naoko Sakata)
3. Blue (Naoko Sakata)
4. Ljung (Alfred Lorinius)
5. Dreaming tree (Naoko Sakata)
6. Zlin (Johan Birgenius)
7. Ingenting (Naoko Sakata)
8. Mahon (Johan Birgenius)
9. Intersection (Johan Birgenius)