ショップで欲しいものを探してもなかなかそれはないものです。
そんな時、幾つかは持ち帰りたく選んでしまいます。
まるで知らない人ですが、あまりにジャケットが美しい。メンバーを見るとマーク・ジョンソンとあるし、何かクラシックな雰囲気を持ったアルバムということで拾ってきました。
ピアニストはミルトン・ヒントンと一緒に演奏暦のある方だそうですからまあいいお年なのでしょう。
幾度かおとずれたイタリアへの訪問のときに作った曲ですが、このダミコが敬愛しているショパンの楽曲がベースになっているようです。
クラシックをベースに弾くこれまでのアルバムと比較して少し違うように感じます。
今までクラシックをJAZZで演奏するスタイルは、J・ルーシェにしろ、O・キケロにしろクラシックの曲をジャズ的タイム感にいかに乗せるかが焦点みたいな演奏でした。
クラシックの演奏する人がJAZZを演奏するのも、A・プレヴィンやグールドでもそれはJAZZを演奏しますということで成り立っていました。
このアルバム曲目を見るとなんとクラシックの曲が並んでいるようです。
まるで知らないアルバムで、クラシックの演奏のバリエーションかな(その思いが一番強かった)と思って聞きはじめましたが、不思議といえば不思議、すんなりといえばすんなりな、不思議なアルバムです。
1曲目クラシカルなピアノがジャジーにムードに転換します。マーク・ジョンソンのベースワークとドラムスもが小気味良く、しゃれたジャズ・アイテムが最初の印象です。
2曲目、題名も“Theme in Bb Minor”でクラシックな感じではじまりますが、リズムはすぐにラテン、ではクラシック風の曲をjazz風に弾いているのかと言うと、このアルバム別なものを感じます。
3曲目マーク・ジョンソンの正確なアルコをダミコが望んだみたいですが、その意味クラシカルな響きに正確なベースとドラムスはぴたっりです。
4曲目もは”Fuga”は重厚に始まるかというとそうではない、意外とJAZZの小品のように初めてそのメロディを重ねる程度ですが、いやみないさわやかさです。
5曲目“Improvviso”は題名からして、一番自由にインプロする演奏でしょうか、アップテンポの4ビートをさしはさむことでjazz的な色合いを強くしています。
6曲目“Nocturne”軽くJAZZフレーズが流れて、素材のクラシックとjazzの連なりという感じではこの一枚今までのものとは一つ違う雰囲気です。
その違いがうまく表現できません。
7曲目“Sonata Mvt.1”を聞くと、ジョン・ルイスが近い感じですが、新しい一面を感じます。
この人の演奏、どの演奏もタイムのとり方が正確でそこにとても安定した感じを受けます。
もうひとつピアノタッチが柔らかいことがアルバムを通じて変わらないので、そこも安心して(逆につまらないという人もいるかも)聞けるのです。
さてこの2点クラシックを素材にしたものでは、今までなかったような雰囲気でちょっと驚いています。
私女性でないので、解りませんが、ちょっと出会った服が革命的ではないのにとても斬新、新しいデザインがそこにあるのを見つけた感じです。
このアルバム、ダミコが作った新しいデザインを感じて驚きました。
トスカーナプレリュードとあるくらい、イタリアもしくはヨーロッパ音楽
Tuscan Prelude / Jay D'Amico
Jay D'Amico(p)
Marc Johnson(b)
Ronnie Zito(ds)
1 Tuscan Prelude
2 Theme in Bb Minor
3 G Minor Ballade
4 Fuga
5 Improvviso
6 Nocturne
7 Sonata Mvt. 1
8 Mvt. 2
9 Mvt. 3
10 Prelude in A Minor
11 Aria in D