[LP]
僅かな違いでその後が大きく変わってしまうのも人生ですが、私の判断の違いで大きくその後が変わってしまったものたちがいます。
ことは大事のようですが、それは私の持っていたLPの話です。
結婚を期に実家を出ましたが、それまでに買ったLPを全て持って出たわけではありません。その後7回の引越しをしましたが、もってでたアルバムは一緒の人生を歩んできました。
もちろん全てのLPと人生を分かち合って繰ればよかったのですが、所帯が大きくなりすぎなので、余裕が出来たら引き取りますみたいな別れがあったのです。
G・バートンのカーネギーホールやリベレーション・ミュージック・オーケストラ、マイルスやキース、トム・スコットなどはずっと一緒になりましたが、楽しかろう新婚生活
にはあまりなじまないものたちを置いて出てしまったわけです。
それから地方の転勤などを経てみると、実家にあるはずのLPが見当たらなくなりました。
LPをしまっていたキャビネットがなくなっているのです。クラシック好きの兄がおりますが、兄もその後結婚して家を出ています。
クラシック好きには、ソニー・マレーとかアルバート・アイラーなんて世に反逆を起こすものたちとおなじですから、きっと処分してしまったのでしょう。
かたや行動を共にしているLPたちは時にはターンテーブルに乗るようにもなり、ハクエイ・キムを通じて遠く海を渡って、そのアルバムのミュージシャン自身のもとまで出世したものまで出ました。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20060705
人生の小波を幾つか乗り越えた私は、別れ別れになったものたちが不憫で、たびたび思い出すのでした。
(アルバート・アイラーのラストが聴きたい!)
そんな行方知れずになって30年以上がすぎた今年、そのものたちの行方がわかりました。
なんと兄はLPを処分せずに持ち歩き、聞かなくなったLPを引越し荷物として姪のベッドの奥に仕舞いっぱなしだったそうです。
もっと早くそんなことは言え(でもありがたい。)
我が家をきれいにし、プレーヤーの針も新しく購入して(すでにつぶれてしまっているメーカーで部品も大変なのです。ベルトドライブですが、ベルト探して!)
苦労をかけたものたちを迎える準備が出来ました。
そして迎えにいってきました。20のLPが帰ってきました。
償いもかねてすべて聴いてあげることにしましたが、ちょっとつらいのもあるかも。
まずはこれは名演中の名演、聞きたかったのです。
1967年10月21日コルトレーンがなくなってわずか3ヶ月後ドイツ、ドナウエッシンゲン音楽蔡の模様、両面続けて44分のただ1曲目コルトレーンに捧げた演奏です。
LIVE AT THE ドナウエッシンゲンですがジャケはLIFE AT THE 、どちらにしようかと思いましたが、ジャケ通りにしました。
まずジミー・ギャリソンのベースソロ、懐かしいフレーズも聴かれる、トレーンが
なくなって間がないので、もの悲しく聴こえます。
そしてシェップが立ち上がりから咆哮すると、ロズウェル・ラッドとグレチャン・モンカーの2トロンボーンがグリュグリュという感じで絡みつきます。
ラッドとモンカーはそれぞれ個性的なので2トロンボーンでも混じることなく独立しています。
途中かrシェップの圧巻のソロ再びトロンボーンが戻って大変魅力的なテーマを奏でながら1面が終わります。
2面はそれを引き継いで、シェップの無伴奏、咆哮が一段UPして、リズミカルな部分を加えていくあたりの演奏になるとコルトレーンが近くいすに座っているのが見えるようです。
楽器が戻ってくると、シェップはテナーでリズムをとります。これも凄い。
後半咆哮が急に止むと、ゆったりと“シャドウ・オブ・ユア・スマイル”のテーマ、この演出も驚きましたが、早いリズムに戻っての演奏が盛り上がります。
実は私それまでシェップはあまり聴いていませんでした。
このアルバムには驚いて、そしてあまりに満足したのでこの後もシェップは聞かなくなりました。
さあ後はどのようなLPがあったのでしょう。1枚目で大体解ってしまいますね。
LIFE AT THE DONAUESCHINGEN MUSIC FESTIVAL / ARVHIE SHEPP
Archie Shepp tener saxphone
Roswell Rudd trombones
Grachan Moncur trombones
Jimmy Garrison bass
Beaver Harris drums
1 ONE FOR THE TRANE Pert1
2 ONE FOR THE TRANE Pert2