1960年代の終わりごろ、ニュージャズというものがあって聴いていたのですが、MPSというレーベルからヨーロッパのものが発売されだして、ニュージャズの先鋭みたいに現れたのがこのアルバムです。
アレキサンダー・フォン・シュリペンバッハという人が率いるグローヴ・ユニティ・オーケストラのアルバムです。
私の持っていたアルバムでもかなり最先鋭、ジャケもかっこよかったし、どうだこんなのも聴いているのだぞ的なアルバムでした。
ひさしびりにターンテーブルに置くとニュージャズという分野は思い出しますが、それよりかミュージシャンの一人一人の個性に耳が行きます。
マンフレッド・ショーフとかクロード・デロンびペットが聴いたインプロはどうなのでしょう、あの混沌の時代を過ぎてしまったいま、凄く驚くということはありません。もっと先鋭は矛先を変えて今も生きています。
ビック・バンドの奏者全員でフリーに吹くということをやりたい、聴きたいと当時思ったことがありますが、このアルバムがそのフリー精神には一番近い感じです。
ただ1面1曲「グローブ・ユニティー」もとても指揮者のコントロールがあることをかんじます。
2面、とても静寂を横に置いたような演奏です。“フリージャズと現代音楽の手法を、もっとも見事に融合した、おそらく始めての前衛ジャズ”といわれましたが、ドン・チェリーなどのエモーションをぐしゃぐしゃに丸めたようなJAZZと違った、これはどこから関係を持つの的な不明感がありました。
当時状況を表現されたように“フリージャズ手法をオーケストラに適用する各種の試みがO・コールマンやJ・コルトレーン以来続けられてきたが、このアルバムはその頂点をなすもの”といわれました。
確かに難解という点と、アメリカ的情緒で流されない構造的な強さは今も聞いていると感じます。
久しぶりに会って、それでも想像どおり、またターンテーブルに乗ることはウン十年先、ということはもう私は聴かないのかも知れません。
だからといって決してひどい(悪いとか、評価に値しないとか言う)アルバムではありません。
秋の芸術祭参加、特別作品観たいに置いておく作品のようです。
Globe Unity / Alexander von Schlippenbach
Alexander von Schlippenbach(conductor, piano, tam-tam, gong,etc)
Manfred Schoof(cornet, trumpet)
Claude Deron(trumpet)
Willi Lietzmann(tuba,maracas)
Peter Broezmann(alto saxophone)
Gerd Dudek(tenor saxophone)
Kris Wanders(baritone saxophone)
Willem Breuker(baritone saxophone, soprano saxophone)
Gunter Hampel(bass clarinet, flute)
Karlhanns Berger(vibraphone)
Buschi Niebergall(bass)
Peter Kowald(bass)
Jackie Liebezelt(drums,etc)
Manl Neumeler(drums,etc)
1 Globe Unity
2 Sun