JAZZ最中

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学術調査隊の真剣な語らい Rios / Dino Saluzzi

2009-08-08 22:35:02 | 聞いてますCDおすすめ


バンドネオン病みたいに続けざまに選んでしまうことも、どうやらこのアルバムで落ち着きそうです。
Deno SalizziはECMからかなりのアルバムが出ていますが、ティエリー・ラングとジョルジュ・グルンツの2台のピアノとトリオで演奏したアルバム“Trio Tage”もなかなか素晴らしいアルバムでした。
ただ、今度の相手はAnthony Cox とDavid Friedmanでフライドマンは聴いたことないし、コックスもほとんど付き合いがなくというかあまり近寄らない人なのでちょっと心配です。
サルージ、コックス、フライドマンの名前が並べられたグループで、そろごれが独立したポジションでゆっくりと、インタープレーを始めます。
2曲目、バンドネオンがリズムを取るとアコベースをバックにマリンバがエキゾチックに語り始めます。そこにすぐにバンドネオンが語り返すプレーやり取りはこの3人がアルバムの意図をしっかり把握した一団になっています。
3曲目、パリ風タンゴ調で始まりますが、マリンバがエキゾチックこの組み合わせがなんとも気持ちが良い。
わたしマリンバという楽器が良いと思ったことがありませんでした。鍵盤を叩く打点音と余韻との兼ね合いがあまり好きではありませんがこの楽器組み合わせと曲調はとてもいいです。
4曲目ベースがエレベに持ち替えて、バンドネオンとマンドリンがゆっくりとメロディーをたどっていくと、それには3者が真剣に語っているのが伝わってきます。
ところがそれは静かに、落ち着いていて、思いを交換しているように、流れる音楽を聴きながら想像すれば、ある学術調査隊の研究者が、ギリシャ近くの古代遺跡のなかから新しい抗生物質などの調査を行っているような、静かでありながら真剣な日々を聞いているようであります。
パッションを内に秘めながら、互いの言動に注意を払いながら、テーマを作っていく学術的な香りまでします。
5曲目は少しお休みの日が出来たようなやさしい時間です。
6曲目も情熱の勢いでインプロはしないのに、静かな語らいの中に強い思索が交差している感じです。
7曲目はサルージのソロから始まり、エレベとパーカションをバックに、それこそ探求者が独白のように自己表現している素晴らしい演奏です。
ドラムレスで4ビートの取りませんので、静かな絡みと落ち着いた雰囲気で統一されていて、それでいてしっかりしたインタープレーが展開されいて、そこに築くととても真摯なアルバムだと思います。


Rios / Dino Saluzzi

Dino Saluzzi bandneon,voice,percussion
Anthony Cox acoustic,electric bass
David Frridman marimba,vibraphone,percussion

1. Them
2. Minguito
3. Fulano de Tal...
4. Sketch #1
5. And He Loved His Brother Til the End...
6. Penta y Uno
7. Jad
8. Lunch With Pancho Villa
9. My One and Only Love
10. Rios
コメント
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