akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

霧笛楼パリ祭記念『嵐の孤児』

2009-07-05 | 活弁
横浜元町のフランス料亭霧笛楼で「第8回季節のコース料理と佐々木亜希子の活弁シネマライブ」を開催いただきました。
今回は、パリ祭特別企画ということで、フランス革命前後のパリを舞台した、グリフィス監督の大作『嵐の孤児』。リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュの姉妹が、激動の時代を生きた孤児の姉妹を演じています。彼女たちは、最初は、王侯貴族らの圧政に虐げられ、その王制が革命で崩壊した後は、ロベスピエールらの恐怖政治に苦しめられます。今の日本も、政治経済ともに揺れ動き、改革が叫ばれておりますが、フランス革命において流された血は半端なものではありません。大衆は一つの方向に流れれば歴史を変える大きなうねりとなりますが、間違った先導者に従って流れだけに乗ってしまうことは非常に危険で、たくさんの悲劇を生みます。

今回も永田雅代さんのピアノと活弁でお送りしました。2時間以上の長編で上演後は私も全身汗びっしょりでしたが、いつも御贔屓にして下さるお客様も、今回が初めてというお客様も、皆様笑顔で「全然長いと感じなかった。非常に面白かった」とお声をかけて下さり、たいへん嬉しく思いました。

グリフィス監督の作品は、『散りゆく花』などは弁士がつかなくともとてもわかりやすいですが、ほとんどが、シーンが細かく展開も早く、歴史大作でありながら人間ドラマというもので、多分弁士付きでご覧いただいたほうが楽しめます。『嵐の孤児』は、莫大な製作費をかけたわりにあまりヒットしなかったということですが、アメリカでは当時弁士もなかったわけで、他国フランスのしかも18世紀後半を舞台にした作品をああした手法で見せられても、作品世界の面白さや豊かさが伝わりにくかったのだ思います。重厚な素晴らしい作品ですので、またこうした機会がありましたらぜひご覧いただきたいと思います。

霧笛楼での公演も今回で8回目を数えました。霧笛楼の皆様、いらして下さるお客様、本当にありがとうございます。次回は10月25日(日)、喜劇作品の予定です。休日の午後、ゆったりと映画とお食事をお楽しみいただける人気のイベント。どうぞ今後とも御贔屓のほど、宜しくお願いいたします。

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