akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

「大地に根をはって」

2006-02-17 | Weblog
で思い出しました。
「大木は風当たりが強し しっかりと根をはれ」

弟が、父にもらって小学校時代から座右の銘にし、「父より」と大きく書いて部屋に貼っていた言葉です(本人も忘れているかもしれませんが)。
寅年、獅子座、「質実剛健」が名前の由来となった弟は、この言葉をとても大事にしていました。
私も大好きな言葉ですが、子年、魚座の私は、水の気質のまま、現在に至っております。
もちろんそれが嫌なわけではなく、昔も今も、水のように、海のように生きれたらと思っていますが。

20年も前の弟の部屋が蘇り、いろいろなものが懐かしく思い出されます。
書いて貼っていた言葉の中で上記の二つ以外に、武田信玄のスローガン、孫子の「風林火山」がありました。
「疾(はや)きこと風の如く 徐(しず)かなること林の如く 侵(おかし)掠(かす)めること火の如く 動かざること山の如し」(「侵(おか)し掠(かす)めること」の部分は、「攻めること」になっていたと思いますが)

勝つための要諦でしょう。
うちは「文武両道」の大好きな一家でしたし(私は脱落しました)、勝負に勝つためには、術だけではだめで智恵と精神が大事だということを叩き込んでいた気がします。
ただ、心身を鍛えながら、勝ち続けられるうちはいいかもしれませんが、どの世界にも上には上がいて、おそらく、だんだんと人は、本当の勝負の相手は自分自身なんだと思うようになってきます。

何かの土俵で、誰かに勝つ事に全ての価値がある訳ではありません。
相手に勝つことだけに目標や価値を置いていると、負けた時には何も残らず、勝負することすら価値のないことになっていきます。トップを目指しながら、自分自身の限界と闘っているアスリートたちの姿には感動しますが、それは本当の勝負の価値を知っているからなんだと思います。

「あれになろう、これに成ろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ」
往年の名弁士、徳川夢声のラジオ朗読などで現在も人気の小説「宮本武蔵」(吉川英治著)の一節が、最近とても心に染みました。易しいことではありませんが、本当の勝負ってそういうものかもしれません。

そういえば、ずいぶん前に行きましたが、吉川英治記念館も、閑静で、彼の人間への温かく厳しいまなざしを感じる、とても素敵な場所でした。
人間の尊厳や価値、本当の平和、戦うことの意味、などについて、筆を持って、大衆文学で世に問い続けた彼の生きざまや、その作品に触れられ、彼の書斎で思いを馳せることができます。お薦めです。
連想ゲームのように、とりとめのない文になってしまいました。

コメント (2)
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