アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

2月文楽 国立劇場 曽根崎心中

2006年02月20日 | 文楽

第2部 『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』

噂通りの吉田玉男休演っっ!!
でも劇場は、ほぼ満席っっ!!水落潔・渡辺保の両批評家も発見!!
簑助のお相手は…!ええっ、玉女じゃないっっ。
「家の芸です」って、誰にも触らせない
歌舞伎版と180度違うゾイ!ビビビックリしたぞい!
簑助・勘十郎の師弟コンビでレッツゴ~。

生玉社前の段 
  
 √ 「初ぢやないか初、初」
   と呼ぶに
   お初は走り寄り
   「ナウ徳様か、どうしてぞ」
   と逢へば恨みも口の内、目に物云はずばかりなり
   徳兵衛編笠脱ぎ去つて
   「そなたは少しやつらたやうな、どうしたことの印か」

言われてみたいわ~、やつれてみたいわ~。
TVの前で”トリノ太り”更新中やし、そんな言葉とは縁ないわ~。

女は、「なんで手紙のひとつもくれへんのんっ」とすねる~。
男は、「余計な心配かけたらアカンと思って」と言い訳~。
「実はな…」
今まで会えなかった理由を語る徳兵衛。
さり気なく手を徳兵衛の膝に添えて、
下から見上げるように、必死に聞くお初~。
可愛い~。あんな事よ~せえへんわ~。
ほんで、泣くんやで~。

徳兵衛は大事な金を、「直ぐ返すさかい貸したれよ~」
言われて、友達の九平次に貸したわけ。
アホやな~。あんな悪顔(観た人だけ頷いてね)やねんで。
悪党に決まってるやん。

噂してると会うもんやね。やって来たで九平次が!
ところが「知らぬ存ぜぬ」ほ~ら見てみい。
果ては「ヤア洒落くさい、丁稚上がりめ」
こんな事まで言われて、何が兄弟同然やねん。
金は人に貸したらアカン!
って駆け出してって、言うてやりたいわ。ほんまっ!  

徳兵衛っ、九平次の手下にボッコボコにされてもた~!
ツメ人形2体っ!見せ場ですっ。張り切ってますっ。
お初は顔面蒼白や~!

 √ 拳を握り男泣き、髪も解かれ帯も解け、姿形も情けなや、
   破れ編笠拾い着て、顔も傾く日影さへ、
   無常を告ぐる暮れの鐘、夕ざれ町をとぼとぼと
   当て途(ど)も難波の

鶴澤寛治の三味線って、甘~くてフワフワ~綿菓子みたいぃぃ。
三味線に仕掛けがあるんとちゃうか?(んなあほな)
竹本津駒大夫の声も、ハートに響いちゃってぇ。

天満屋の段

人形遣いが皆、真っ黒!!ホントーに簑助&勘十郎かいなぁ(笑)

店に帰ったお初ちゃん。朋輩もちょっと持て余し気味…。
ふと表を見ると、徳様!
お初の心臓バクバク!!さり気なく外に出た。
2人でポロポロ泣いちゃうよ~。
でも、店の中に入るように言われたお初。

 √ 恋しい男を裲襠(うちかけ)の裾に忍ばせ隠し入れ、
   這ふ這ふ中戸の沓脱より、縁の下屋へそつと入れ、
   上がり口に腰掛け、煙草引き寄せ吸ひ付けて、
   そしらぬ顔して居たりけり

ウエッ!
縁の下に、左も足も主遣いも入ったら
ギュ~ギュ~折り重なってえらいこっちゃっ!
ア…左と足は引っ込んだわ。ハハハ。

また九平次が来たで~。
ペラペ~ラ徳兵衛の悪口言うてるわ。

竹本綱大夫&鶴澤清二郎
親子やねんな~、清二郎の顔キライやないな~。

   「この上は徳様も、死なねばならぬ品なるが、
   ハテ死ぬる覚悟が聞きたい」
 √ と独り言になぞらへて、足で問へば下には頷き、
    足首とつて喉笛撫で、『自害する』とぞ知らせける
   「ヲ、その筈ヽ、いつまで生きても同じこと、死んで恥を雪がいでは」

おお!徳兵衛、お初の足にスリスリ~。
フツー女の人形には”足がない”(幽霊みたい~)
いやいや、足遣いが拳(ジャンケンのグーやね)で、足を作ってるんやと。
この作品は、特別バージョン。
白~くて、細~い御御足がチラチラと…(せくすぅぃぃぃ)

 √ 縁の下には涙を流し、足を取つて押し戴き、
   息を殺して焦がれ泣き
   女も色に包みかね
   互ひに物は云はねども、肝と
   肝とに答へつゝ、しめりしめりて居たりける

九平次はお初を気味悪がって、帰っ…て…
♪とんでとんでとんで…♪
ハッッッ!!今のは円広志…いかん!いかん!

店の中は真~っ暗…『火の用心、ごよざ』…
♪回って回って…♪
き、来た!円広志~眠りの国へいざ!…
くっそ~あっち行けええええ~!

あっ!幕がゆっくり引かれて行く~。
裏では舞台転換。大道具の声が飛ぶっっ!

5列目の上手サイドブロック。
おかげで臨場感タッッップリ!!
人形を斜めから見たら、3人並んでだんご三兄弟!
足さばきのウォッチング、バッチリ!
前には前の、後ろには後ろの良さあり!やね。

天神森の段

ジャガジャン!大夫4名&三味線4名!
ボリュームアップっっ!!

 √ この世の名残、夜も名残。死にに往く身をたとふれば、
   あだしが原の道の霜。
   一足づつに消えて往く、夢の夢こそ哀れなれ

徳兵衛は、天神森への暗~い道すがら、
お初の手を引きながら何考えてるんやろう。
”後悔”って言葉がグルグル頭の中回ってるんとちゃうか。
それとも、
♪やめろと言われても 今では遅すぎる♪(by西城秀樹)
身体がポッポ燃えてんのかな。
夏の夜明け前…

  「アヽ怖。今のはなんの光ぞや」
  「ヲヽあれこそは人魂よ。哀れ悲しや今見しは、
  二つ連れ飛ぶ人魂よ。まさしうそなたとわしの魂(たま)」
  「そんならふたりの魂か。はやお互ひは死に身か。
  死んでもふたりは一緒ぞ」

でも、イザ脇差抜いたらビビル~徳兵衛。
お初は平然と
♪わたしは~、あなたに~、命を~、あずけた~♪ (by人形の家)
喉を突いた徳兵衛、お初の上に倒れこむ。
このスローモーション!勘十郎の若い色気、ありあり~。

フ~ッ…。
”歌舞伎”より”文楽”に、
マイッチングまちこ先生~!
人形の顔はいつもスッキリ。なのに濃いぃ世界がギュ~ッッッ!!
なのに、イマジネーションの翼は、
大夫&三味線に乗って、ドンドン広がるビッグバ~ン。
めっちゃ不思議ちゃん。

文楽人気につけこんで!チケット料金値上げッッッ!
♪貧しさに負けた~♪ん~にぁ!負けへんでぇぇ!!
お次は、第3部に突撃~!

こちらもどうぞ → 「その時歴史が動いた 曽根崎心中」   
           「
人形遣い 吉田玉勢
                            「ロック文楽・曽根崎心中


ルポレポはこちら  11日~26日 国立小劇場 

   第1部 「御所桜堀川夜討」 「関取千両幟」
   第2部 「小鍛冶」 「曽根崎心中」
   第3部 「天網島時雨炬燵」    
  
      

おすすめ本はこちら
文楽に連れてって
文楽ざんまい」」「文楽のこころを語る」 
舞台宇宙の住人たち


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6 コメント

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こんにちは☆ (Ren)
2006-02-21 07:15:39
曽根崎心中は好きなお話のひとつなのですが

どうにもダメ男と思い込み女にイライラします(笑

でもまた見ちゃうんですけど・・

文楽では見たことがありません。ぜひ見たいです。

宇崎竜童夫妻の曽根崎心中にはフラメンコ版もあります。

去年見てきたのでTBさせていただきました。
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文楽「曽根崎」 (喜の字)
2006-02-22 23:12:38
席が良かったせいもあるけれど、三回目の文楽で初めて寝なかった!歌舞伎の「曽根崎」、もういいや、文楽で見ても同じだろう、でもちょっと見てみるか、そんな気持ちで見たのに、これは、す、す、すごい!こんなにおもしろかったのか!文楽は!人形の愛らしさ、哀しさ、心にビシビシ伝わってきました。義太夫、三味線も歌舞伎と違って近くにいるからすごい迫力!すごいすごい!また見に行きます!
返信する
まいど遅いTBです… (ツチ子大夫)
2006-03-15 21:44:20
旬がすぎたお芝居ですが…TBさせていただきます。

お園記事のTBも何度も試みましたが…TBできず(泣)

原因わからずなのですみませ~ん。



天満屋の段まで、みなさんずーっと頭巾かぶったままだったので、

これはこれで意表つかれましたね~

いつか出遣いバージョンも観てみたいなぁ。



返信する
(ToT) (かしまし娘)
2006-03-16 10:46:46
ツチコ大夫様、まいど!

TBは摩訶不思議なり~(ToT)(ToT)

私もいつも苦労してます。昨日出来なかったのに、今日出来たり…。よければまたトライしてやって下さい~。



「曽根崎心中」をテレビで見ました。

黒衣だと「ホント~に本人か?」と疑ってみたりして…(笑)

足や左遣いの人の背格好で「○○さんだ」と判る人もいる様ですが、わたしゃ修業が足りなくて、じぇんじぇん判りましぇ~ん。



舞台裏探訪~!楽しかったです!

今度は大部屋に潜入して、隠しカメラで撮影して下さい!待ってます!(^_-)-☆
返信する
出遣い (戸浪)
2006-03-17 09:31:00
曽根崎、道行だけ「出遣い」でしたね。

某所で国立劇場文楽担当・阿部氏のお話を伺う機会がありましたので、参考まで。



今回の<道行だけ出遣い>は初演当初の演出だそうです。今公演は「先祖がえり」。



頭巾の中身はホントに簑助&勘十郎か?という疑惑(笑)は?

これはまちがいなくご両人だそうです!その証拠は

黒衣姿⇒出遣姿への『着替え時間』の為、場面転換に通常より2分程度要した・・。

以上です。



それ程長く文楽を見てはいないのですが、以前より

出遣いが増えたなぁ~というのが私の実感です。

ことに東京公演は・・・。



左・足遣いなどは「小分帳」という左・足遣いの「役」を書いた帳面に従ってお役を勤めておられるようです。

基本的には一門の師弟関係で左・足は固めるようですね。以前は玉男師匠が「小割」を決めていたとお聞き

しましたが、現在は玉女&勘十郎さんのお二人でなさっていると、うかがいました。



「小割表」も公表して欲しい・・という声もあったと

聞きましたが、一役の左・足も引っ込むと代わっている事も多く、また、日によっても代わる場合もあるとかで煩雑。実現は難しい~みたいです・・。



黒衣姿の人形遣いを見分けるのは至難ですが、数人ならば、わかりますよ。姿や頭巾の特徴があるので。

あと口上、2月は「新顔」の口上が登場しましたね。
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\(◎o◎)/ (かしまし娘)
2006-03-17 12:40:50
戸浪様、まいど!

本人である証拠ありがとうございました(笑)



「出遣い」が増えるのは、人気取りの為でしょうね。

イケメン系を出すと、若い人が来るのでは…という。

それが成功したかどうかは判りませんが、大阪も東京も若い人が増えた気がします。

歌舞伎に比べたら微々たるもんですけど。



「小割表」ですか!なるほど~。

歌舞伎でも「馬の足」は原則的に名前を筋書きに書かない。とイヤホンガイドで言ってました。

今月の国立劇場では、イヤホンでササッと名前を公表してくれたんです!メモする余裕もないほど素早く (*^_^*)



「黒衣」は頭巾でも見分けられるんですね~。スッゴイわ~\(◎o◎)/



「口上」は、人形部の人がやっているんですか?以前から不思議の1つです!
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