「菊の国」のバレエ

暖かいハロウィーン、島岡美延です。
新国立劇場の2011/2012シーズン開幕、新作バレエ『パゴダの王子』の初日を鑑賞、まだ誰も見たことのない舞台を堪能しました。
今回の主役は、とかげに姿を変えられてしまった王子と妹のさくら姫。「菊の国」は、浮世絵からインスピレーションを受けたという着物をまとう人々のイメージ。芸術監督デヴィッド・ビントレーの頭の中にある魔法の世界が、新国立劇場始まって以来の「和テイストのバレエ」になりました。
さくら姫の小野絢子は、今シーズンからプリンシパル。どんな役でも自分のものにしてしまう彼女でこの作品を見られてよかったです。実は魔女の継母、女王エピーヌもプリンシパルの湯川麻美子。この「対決」は、可憐さVS妖艶さという見ごたえ。
王子は今後さらに主演が期待される福岡雄大。スピード感にあふれ、名前どおり大きく空間を切り裂いていく姿がステキでした。
「もののけ」が出てきたり、振付にコミカル要素も。ピーター・ラビットの国イギリスは、「被り物」バレエが得意です。

ついに劇場版（笑）って

プロ野球CSが始まりました、島岡美延です。勢いか、底力か、短期決戦ならではの面白い展開になりそうです。
新戦力と潜在能力（？）で、業界万年5位からの脱却を目指すビール会社を舞台に、あの番組が映画になりました。『サラリーマンNEO劇場（笑）（11月3日公開）』をご紹介します。
社長（伊東四朗）の命令で、シェアNo.1を目指すことになったNEOビール。中西課長（生瀬勝久）率いる営業一課の企画会議で、新入社員の新城（小池徹平）がその場しのぎでつぶやいた○○ビール。なんとそれに向かって全社一丸に！？
そもそもNHKの異色のコント番組。ビール会社の物語が大きな軸になっているものの、おなじみのコントはもちろん健在。また、ダメな先輩の川上（沢村一樹）、老けている新人（平泉成）など、名物キャラが会社に溶け込んでいたり・・・。
以前『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』に主演した小池クン、とんでもない職場が似合いすぎ。
「一発逆転」の奇跡は、いつだってコミュニケーションから！

着物がラクチンだった時代

人々の服装に様々な季節感、島岡美延です。今日は暖かさが少し戻って、昼間は上着もいらなそう。
NHKの連続テレビ小説は、世界的デザイナー、コシノ3姉妹の母、小篠綾子さんをモデルにした小原糸子が主人公。昭和の初め、まだ洋服が珍しかった時代の物語です。
呉服屋の娘である糸子が、初めて洋服を着て町を歩くというエピソードがありました。洋裁を教えてくれる先生が「作る前に着る人の気持ちを知る」ことを教える場面。
まず「堂々と歩きなさい」とアドバイスされます。さらに「つねに立ち振る舞いに気をつける」とも。ものめずらしい目で見られるし、どうしてもモジモジしてしまう糸子。はきなれない靴のせいもあって、着物に着替えてようやくホッとする・・・。
時は流れ、洋服は動きやすさという機能だけでなく、自己表現のためにもどんどん洗練されてきました。今や生地に性能を持たせ、より快適な着心地が求められています。
ただ、ちょっとラクしすぎでは。ファッションが中性化する中でも「女性ならではの立ち振る舞い」をもう一度思い出してほしいです。

正々堂々の番狂わせ

派手さは少なかったけど、醍醐味のあったドラフト、島岡美延です。
少しずつルールは変わっているとはいえ、「就活世代」の若者が「プロの指名を待つ」運命の日であることは確かです。
会場がどよめき、拍手も起こった「番狂わせ」。それは、東海大学の菅野投手の交渉権が日本ハムに決まった瞬間。3年生の時から巨人が指名を宣言、原監督の甥という特殊な事情もあって、この「相思相愛」に割って入るものはないと思われていた・・・。
日本ハムはまたも強運を発揮したということになるでしょうか。昨年の斎藤祐樹選手を引き当てたのも印象的でしたが、今年の「挑戦」にちょっと感動しました。菅野投手がどんな決断に至るかわかりません。それでも正々堂々、「交際を申し込んでみる」勇気、いいではありませんか！
日本ハムといえば、なんと7位で指名したのが、早大ソフトボール部の大嶋捕手。身体能力を買ったとのこと。この「育てよう」の姿勢が北海道で根付いたチーム力のなせるわざかも。
「手を上げる権利」を堂々と行使する。すべてはそこから、です。

別れさせ屋の実力は？

夏日翌日の木枯らし一号にびっくり、島岡美延です。冷え込んだ朝の空気が気持ちいいです。
昨日は、実体験の失恋が世紀を越えて読み継がれるベストセラーとなったゲーテの映画をご紹介しました。今日は「恋を終わらせる」のが仕事という男の物語『ハートブレイカー（29日公開）』をご紹介します。フランス・モナコ合作、ゴージャス感たっぷりのロマンチック・コメディです。
魅力的な笑顔の持ち主、「別れさせ屋」のアレックス（ロマン・デュリス）は、一瞬にして女性の心を虜にする。彼のビジネス上のルールは「ターゲットとは恋に落ちない」こと。ある男から娘ジュリエット（ヴァネッサ・パラディ）の結婚を阻止してほしいという依頼が入る。結婚式まであと10日！
つけ入る隙がまったくなく、さすがのアレックスにも焦りの色が。あれこれ策を練るうち、ルールを破ってしまいそうに？
モナコを舞台に、スリリングな展開をお楽しみ下さい。
現実ではどうかしら。別れさせるつもりはなくても、彼氏がいる人まで吸い寄せてしまうほどのイケメン、会ってみたい気も！？

若きウェルテルの悩みは

昨日からずいぶん気温が下がった朝、島岡美延です。
大滝秀治さんが文化功労者に選ばれました。若い時から老け顔で声も悪いから、役者は諦めろと言われた逸話は有名。彼がやめなかったからこそ、「声」は最大の武器になりました。
自分の命をかけた恋に破れた時、人はどうするのか。映画『ゲーテの恋　～君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」（29日公開）』をご紹介します。
詩人になることを夢見ながら才能が認められず、田舎町の裁判所で働いていたゲーテ。美しいシャルロッテに恋をし、彼女は彼の文才の最初の発見者でもあった。二人に燃え上がる想い、しかし彼女には、父親が決めた結婚話が進んでいた。
恋に破れた若きゲーテは、その痛みから小説を書き上げる。それこそが彼を一夜にして有名にしたベストセラー「若きウェルテルの悩み」・・・！
あの失恋で彼が命を絶ってしまっていたら、詩人・小説家・劇作家・科学者・哲学者・政治家・法律家のゲーテを私たちは知らなかったわけです。
それにしても、メールにスマホの時代、命懸けの恋って成立しにくい？

受動喫煙をなくそう

また服装に戸惑う夏日の予想、島岡美延です。夜は寒くなりそうだし・・・、体調管理に気をつけたいですね。
先日、小さな記事が目にとまりました。事業所や工場に全面禁煙か分煙を義務付ける労働安全衛生法改正案がこの臨時国会に提出されるというのです。
私自身は、禁煙席のない店で食事をすることはないので、「歩きタバコ」の人とすれ違う時が、生活の中で最も「接近せざるをえない」場面です。
事業所などで対策をとっているのは64%といいますから、職場で受動喫煙にさらされている人はまだ多いですね。
家庭ではどうでしょう。妻や子どもにどんなに言われても禁煙できなかったのに、孫の誕生をきっかけにやめた人も少なくないようです。
タバコの値上がりが嫌で禁煙に挑戦という方、応援しますよ。
自分の血管を傷めて、様々な病気を引き起こすだけでなく、周りの人の健康を脅かす・・・。
ごく身近な人から、初期の肺がんが見つかったと聞かされました。本人はまったく吸わず、家族に喫煙者。今は、無事に手術が終わることを祈るばかりです。

客観的に見るきっかけ

すっきりした秋晴れが恋しい、島岡美延です。
昨日、あるバレエの発表会へ。開演前にアナウンスがあり、東日本大震災の犠牲者に「起立して1分間の黙祷」をささげました。今年も様々な公演に出かけていますが、初めての体験です。
トルコでまた大きな地震がありました。少しでも被害が小さくなるよう、日本の体験が生かされることを祈ります。
発表会の舞台を見に行くといつも思うのは「自分はどうなのか」ということ。自分が踊っている姿を見ることは不可能だからこそ、ほかの人の踊るのを見て、我が身を反省・・・、ずっとその繰り返しです。
客観的に自分を見つめるきっかけが「自分からの言葉」だったとしたら？　映画『マーガレットと素敵な何か（29日公開）』をご紹介します。
結婚間近のマーガレット（ソフィー・マルソー）だったが、彼より仕事に夢中？　そんな40歳の誕生日に公証人と名乗る見知らぬおじいさんがやってきて手紙を渡される。差出人は「7歳の自分」だった・・・。
封印した過去と向き合ったとき、新しい自分が見えてきそう！

その短所、長所かも

雨は上がって、気温も上がりそうな日曜日、島岡美延です。本当に着るものに迷う日々ですね。
楽天の田中将大投手、みごと3冠に輝きました。これが野球の不思議なところ。そんなピッチャーがいてもCSには進めないし、優勝して「もう結構」といわれる監督もいる・・・。
大阪は、知事、市長のダブル選挙に向かって走りだしました。
ものごとが決まらなければ「優柔不断」、次々さばいていくと「リーダーシップを発揮」、それが鼻についてくると「独断がすぎる」などと評されるトップの存在。
ところで「色々な人の話をよく聞く」って、長所でしょうか、短所でしょうか。
リーダーならば、その判断がうまくいっているときは「懐が深く、信頼できる」と評され、そうでないときは「誰にでもいい顔をしたいだけ」などと言われるかも。
ある行動、性格が、見る人、立場によって、実はどうとでもとらえられるもの。「自分は短所ばかり」と思っている人、それって「実は長所」ということも。
影、と思っている自分の一面に、ちょっと光を当ててみましょう！

「東京」のふところ

雨が本降りの朝、島岡美延です。蒸し暑い日になりそう。
独裁者、カリスマ、人気者・・・、リーダーはどうあるべき？　40年余りの独裁政治終焉に踊って喜ぶ人々。4年の任期途中で、市長選に立候補するため辞表を出す知事。　
昨日は釜山を舞台にしたオムニバス映画を取り上げました。『東京オアシス（本日公開）』も3つの物語。こちらはある女性が3人の登場人物と「遭遇」する様子を二人の女性監督が描いています。
深夜のコンビニの前で、トウコ（小林聡美）はナガノ（加瀬亮）の車に乗せてくれるよう頼む。突然の申し出に戸惑いつつ、高速道路を走るナガノ。女優だという彼女は、何かから逃れてきたのか・・・。
最終上映が終わった映画館。客席で寝ているトウコを起こしにきたキクチ（原田知世）。かつて脚本家を目指していた彼女、トウコとは旧知の仲だった。
昼間の動物園。アルバイトの面接に来ていたヤスコ（黒木華）とあるオリの前で出会うトウコ。自信をなくしている彼女に語り始める・・・。
東京という街と、どんなふうにつきあっていますか？