人間の考え、自然の力

この秋一番の冷え込みのところも多そう、島岡美延です。
昨日、某企業の正門横に「クールビズ実施中」という看板が。期限は本日「10月31日まで」。
環境に優しいことへのアピールでしょうが、10月末の体感温度としては「ウォームビズ」も欲しいくらい。確かに10月の上旬は、夏日もありましたけど。
人間が何をどう決めようと、自然の猛威の前には、収まるのを待つしかない、という無力感も。
ニューヨークではハリケーンの大きな被害で都市が停止状態です。
来るぞ、と構えて「避難」などの対策を取ったのに、50世帯もが全焼する「火事」が起きたり、変電施設の「爆発」で大停電になったり。
9月末の猛烈な台風で、首都圏の列車に大きな影響が出ましたが、翌日にはほぼ日常に戻りました。
一方、今回のニューヨーク、停電などの復旧に1週間かかり、経済損失200億ドルとも予測されています。
先日、イタリアでは、地震の「安全宣言」を出した学者が禁固刑を言い渡されました。
自然の前には、人間は謙虚になるしかありません。

吉永小百合と教え子たち

季節がまた進みそう、島岡美延です。
テレビか、映画か。あえて「映画組」と呼びたいキャストによる衝撃作、映画『北のカナリアたち（11月3日公開）』をご紹介します。
小学校教師、川島はる（吉永小百合）。赴任したのは北海道の離島、生徒6人の小さな分校だった。
彼女が指導した合唱の歌声は、島の人々をも優しく包み込んでいった。
そんなある日、衝撃的な事故が起きる。それにより、島を追われ、姿を消したはる。「先生に捨てられた」・・・、生徒たちもそれぞれ、心に深い傷を負う。
20年後。東京で暮らす彼女のもとに、生徒の一人が起こした事件のことで刑事がやってくる。真相を知りたいと、北へ向かうはる。
誰もが20年分の重みを抱えて、今を生きていた・・・！
元生徒は、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮おあい、小池栄子、松田龍平。
はるの夫は、柴田恭兵。父親に、里見浩太朗。ある事情を抱えた警官、仲村トオル。
原作・湊かなえ、監督・阪本順治、撮影・木村大作。
凍てつく大地で渾身の映画作り、その魂を感じて！

英国王に愛された女性

雨が上がって気温も上がりそうな月曜日、島岡美延です。
今朝の東京の日の出は、6時。夜が長い季節に、世紀の大恋愛の物語はいかが？
映画『ウォリスとエドワード　英国王冠をかけた恋（11月3日公開）』をご紹介します。
世界を敵に回して貫いた愛・・・、監督はマドンナ。
1998年ニューヨーク。不自由のない暮らしのウォリーだが、分析医の夫は妊娠に非協力的、仕事を理由に帰宅しない。
ある日、彼女は「王冠をかけた恋」で知られる英国王エドワード8世とその妻ウォリス・シンプソンの遺品オークション展覧会を訪れる。
すべてを手に入れたと思われていたウォリスにも、知られざる苦悩があった。
1936年12月11日、英国王エドワード8世は、ラジオを通して「退位声明」を発表した。
離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソン夫人との結婚を選んだのだ。
「王位を捨てさせた女性」の素顔とは、どんなものだったのか。
2つの時代の「愛」を描くマドンナの手法が見事！
徹底的な「美」へのこだわりも必見です。

リーダーは、でくのぼう？

ハロウィン仮装の人々を見かけますね、島岡美延です。
様々なリーダー像の中でも「立ち上がりそうにない」リーダーが奇跡を起こしたら・・・？
映画『のぼうの城（11月2日公開）』をご紹介します。この主役に「ハマった」のは、野村萬斎。その愛すべき奇才ぶりを見て下さい。
天下統一目前の豊臣秀吉（市村正親）は、唯一残された敵、北条軍を圧倒的軍勢で責めようとしていた。
周囲を湖で囲まれ「浮き城」の異名を持つ「忍城」もその一つ。
その不思議な人柄で農民たちから、「のぼう様（でくのぼうの意）」と親しまれる成田長親（萬斎）が城を治めることに。
「北条にも豊臣にもつかず、皆で今まで通り暮らせないかなあ」と呑気に言って、家臣たちをあきれさせる。
秀吉から預かった2万の兵を率いて、石田三成（上地雄輔）がそこまで迫っていた。
やむなく降伏を覚悟する忍城軍。
しかし、長親は突然言い放つ。「戦いまする」
たった500人で2万人に挑む戦いが、今、始まった！
豪華キャスト、巨大セット、日本映画の底力をぜひ。

「ニュアンス」を察知する

テレビの紅葉を見て、出かけたい気分、島岡美延です。
携帯電話のメールに「絵文字」を使いますか？　
若い世代では、気分を害している時に「あえて絵文字なし」にする傾向があるよう。
言葉は「怒って」いても、「許す」つもりがあれば、それなりの絵文字を使う・・・。
音声のない文面のみのメールで「ニュアンス」を伝える工夫でしょう。
先日、慶応大学のグループが「ブンチョウは、人間が話す驚きや疑念などの文のニュアンスを聞き分ける能力」があるとの研究結果を発表しました。
「そうですか！」という感嘆の抑揚と、「そうですか？」と疑念の抑揚を聞かせるグループに分けられたブンチョウ。どちらかの抑揚を聞かせた時だけ「エサを与える」という訓練をしました。
すると、文章を「あなたですか！」と「あなたですか？」に変えたとしても、その抑揚が、「感嘆」か「疑念」かを聞き分けて、ちゃんと餌場のある止まり木に移動した・・・、両方の集団の正解率は60～74%！
ところで、「抑揚」による違い、ちゃんと表現できていますか！？

リンカーンが、もしも

石原都知事、突然の辞職で国政へ、島岡美延です。
今まで任期途中で転身した政治家は、何を残してきたでしょう。
人々が信奉したリーダー、アメリカの大統領に、実は大きな秘密があった。
映画『リンカーン/秘密の書（11月1日公開）』をご紹介します。
斬新な発想でベストセラーになった原作をもとに、ティム・バートンが製作に乗り出した本作。
エイブラハム・リンカーン（ベンジャミン・ウォーカー）は、幼くして母を失った。
なんと、母を襲ったのはヴァンパイア。それを目撃した少年は、復讐を誓い、斧を手にする。
誰よりも優秀なヴァンパイア・ハンターとなった彼は、まったく違う方法で「闇の世界」と対決するため、政治家の道を志す。
昼は第16代合衆国大統領として国を動かし、夜は奴らを狩るために戦った・・・！
アメリカンヒーローの原点ともいえる男の物語。
彼がとった、あの政策の理由も明らかにされます。
その存在が長らく噂になっていた「リンカーンの秘密の日記」。新感覚の映像体験は、やはり大きなスクリーンで。

2人の心理学者とある女性

首元や上着が段階的に冬モード、島岡美延です。
専門的に勉強をしたことがなくても「心理学」という言葉は、興味をそそるもの。
そして、フロイトとユング、その名は誰もが聞いたことがあるでしょう。
映画『危険なメソッド（27日公開）』をご紹介します。
1904年、チューリッヒのブルクヘルツリ病院に勤める29歳の精神科医ユング（マイケル・ファスベンダー）は、精神分析学の大家フロイト（ヴィゴ・モーテンセン）が提唱する斬新なメソッド「談話療法」を試そうとする。
対象となったのは、新たな患者、ロシア系ユダヤ人のザビーナ（キーラ・ナイトレイ）。
まもなくユングは、ザビーナの幼少期の記憶をたどり、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止めることに成功。
しかし、二人は次第に医師と患者の一線を越え、お互いに愛情を抱き始める。
これではいけないと葛藤するユングだったが、フロイトとの師弟のような友情関係にも亀裂が生じ始めていた・・・。
史実に残る禁断のトライアングル。美しい映像で、内面まで深く描きます。

「つながりたくない」人々

しっかり冷え込んだ朝、島岡美延です。
昨日は「あっという間の豪雨」に驚きました。天気の急変を「つぶやいた」人も多かったでしょう。
みんな、何をのぞきこんでいるのかしら。
メール、ゲーム、読書、映画、ソーシャルメディア・・・。
昨日、電通関連グループが、SNSを利用する15～39歳の独身男女555人への調査結果を発表しました。
男女の出会いに「役に立つ」こともあるけど、彼氏・彼女と「SNSでもつながりたい」と積極的に考える人は20%にとどまり、交際関係を「維持する」には必要ないもの、という傾向が現れたよう。
遠い存在だった人と出会うきっかけになるのはいい、でも頻繁にチェックされるのは・・・、というところ？
就活で利用する場合、「簡単につぶやけない」学生も多いとか。友達より企業担当者の目が気になるのでしょう。
「友達申請を拒否する」ことに心理的負担を覚えて、苦痛になる人も。
対面や電話という「一対一」とは別次元の繋がり方。
その関係作り、あなたはコントロールできていますか？

「42年前」を旅してみたら

寒冷前線、低気圧にご注意を、島岡美延です。
「初恋」という響きはいつの時代も独特のトキメキをもたらします。
それが「文通欄」で始まった恋だったら・・・。
映画『旅の贈りもの　明日へ（27日公開）』をご紹介します。映画初主演の前川清、いい味です。
離婚後一人暮らしの仁科孝祐（前川）は、大阪の大手建設会社で定年を迎えた。
ある日、42年前にもらった初恋の人からの絵手紙を見つけ、思い出の地、福井へと向かう。
福井で暮らす秋山美月（酒井和歌子）は、高校時代に母が家出、大学進学をあきらめた。その後、年老いた母と再会し、介護をしながら出張美容師として充実した日々を送っている。
母子家庭で育ち、結婚目前の香川結花（山田優）。優しかった父との思い出を胸に、一人で福井へやってくる。
ヴァイオリニストとして活躍する久我晃（須磨和声）もまた、スランプに陥り、故郷の福井へ向かった。
携帯電話などなかった時代の恋、色々な想いを抱えて生きる人々、交差する運命。
何かを「信じて」みたくなります。

CIAが「映画製作」！？

今日まで秋晴れになりそう、島岡美延です。
アメリカ大統領選挙もいよいよ「つばぜり合い」終盤。どんな結末に？
CIAによる前代未聞の「人質救出作戦」。それが、映画『アルゴ（26日公開）』になりました。
1979年11月4日、イラン過激派がアメリカ大使館を占拠。混乱の中、6人が脱出し、カナダ大使私邸に逃げ込む。
残る52人の大使館員を人質に、過激派は癌治療で渡米したパーレビ前国王の引き渡しを要求。
万が一、6人の脱出がバレて捕まったら、公開処刑は間違いなし。
国務省はCIAに応援要請し、人質奪還のプロ、トニー・メンデス（ベン・アフレック）が呼ばれる。
彼の提案は、ウソの映画を企画し、6人を「ロケハンに来た映画クルー」に仕立てて出国させるというもの。
『猿の惑星』の特殊メイクの第一人者や、大物プロデューサーも参加。イランでの撮影にふさわしいSF映画『アルゴ』の製作発表が行われ、作戦は開始された！
監督もベン・アフレック。信じがたい実話から、とにかく面白い映画が出来ました！