海老蔵にしかできない利休

昨日から手袋、島岡美延です。
この冬、「日本の美」に浸ってみませんか。
時の権力者を魅了し、最後には切腹という運命を辿った茶人、千利休。
映画『利休にたずねよ（12月7日公開）』をご紹介します。
直木賞を受賞した山本兼一氏の原作で「利休はパッションの人」との視点が新鮮です。
利休（市川海老蔵）と妻・宗恩（中谷美紀）が雷鳴轟く中、静かに切腹の準備をしている。
「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは・・・」、妻の言葉に、利休は胸中に秘めた遠い記憶を手繰り寄せていく。
利休の感覚を愛し、惚れ込む織田信長（伊勢谷友介）。
利休への愛憎をあらわにする豊臣秀吉（大森南朋）。
若き日、ある女性への想いを相談をしたのが、利休の師・武野紹鷗（市川團十郎）。
團十郎との最初で最後の「映画での親子共演」です。
画面に登場する茶碗は、今まで撮影が許可されることがなかった貴重な「お宝」ばかり。
自身が茶をたしなむ海老蔵の所作の美しいこと！　彼が演じきった利休の生涯をぜひ。

白雪姫は闘牛士？

冷え込んで大阪では初雪、島岡美延です。
この「白雪姫」、かなり斬新！
モノクロのサイレント映画『ブランカニエベス（12月7日公開）』をご紹介します。
スペイン語で「白雪姫」の意味。
天才闘牛士の娘、カルメン。彼女が生まれると同時に母親は亡くなり、大怪我を負った父親は、看護師と再婚。
財産目当ての意地悪な継母に虐げられて、幼少期を過ごしたカルメン。
父も部屋に幽閉されてしまう。
ある日、継母の策略で命を奪われかけたカルメンは、“こびと闘牛士団”の小人たちに救われ、「白雪姫」という名で彼らと見世物巡業の旅に出る。
そんな中、女性闘牛士としての才能を開花させたカルメンは、行く先々で圧倒的な人気を得るようになり、その評判は、あの継母の耳にも届こうとしていた・・・。
無声映画なのでセリフは字幕のみ。それも最小限。
ただ、これは何かに似ている・・・。
しぐさ（マイム）で感情を伝え、音楽も大いに物語を表現する、そう、まるでバレエのよう！
美しく不思議な世界に引き込まれます。

男優たちの優しくて残酷な愛

事実は映画より奇なり、島岡美延です。
60年前に「取り違えられた人生」って・・・！
何十年も前に起きたことを忘れずにいる、その想いは物語の源になります。
スタジオライフ『LILIES』をシアターサンモールで観てきました（12月8日まで、トリプルキャスト）。
男優だけの劇団は、いつも「愛」について考えさせる舞台で多くのファン（特に女性）を熱狂させています。
今回のテーマは、カソリック社会における十代の同性愛！
1952年、カナダ郊外の刑務所。囚人たちの告解を聞くために訪れたビロドー老司教は、突然、看守や囚人たちに監禁される。
彼の目の前では、囚人シモンによる手の込んだ芝居が始められた。
そこには、40年前、シモンと一人の若者の愛に嫉妬したビロドーの姿が・・・。
4年ぶり4回目の再演で、今回は入団間もない若手（みずみずしい美しさ！）がメインキャストに名を連ねています。
来年、結成30年を迎える劇団が、確実に成長している証。
独特の美意識を追究し続けるオンリーワンの輝きです。

首から下が動かない詩人の願い

冷え込んだ朝、島岡美延です。
この主人公は、自分の手を温めたりできない・・・。
詩人でジャーナリストだった男性の実話、映画『セッションズ（12月6日公開）』をご紹介します。
1988年アメリカ。
6歳の時のポリオが原因で、首から下が動かないマーク・オブライエンは、呼吸障害のためカプセル型呼吸器の中で「水平の人生」を送っている。
楽しみは、派遣ヘルパーがストレッチャーベッドで移動させる1日数時間の散歩。
教会に通い、神父に悩みを打ち明ける。
若く美しいヘルパーに「結婚したい」と告白したら、彼女が去ってしまった、など。
ある日、マークに障害者の性についての原稿依頼が入る。
取材で知った「セックス・セラピスト」の存在。
そのシェリルと出会い、マークは38歳で、裸の女性とベッドに入る。
彼のユーモアある人生に「愛」が加わった・・・！
CGや特殊メイクなしにマークを演じたジョン・ホークス。
理知的で美しいシェリルはヘレン・ハント。
俳優生命をかけた「セッション」をぜひ！

どうなる、福岡決戦

昨夜の雨、風、怖いくらいでしたね、島岡美延です。
台風一過のように今日はまた快晴。
天気がくるくる変化するように、一流選手であっても、その時、その時でコンディションは変わるはず。
最も大切な試合にピークを合わせられるのは誰？
さて、フィギュアスケートGPシリーズが終わり、来月、福岡で開催される「選ばれた6人」によるファイナルがいよいよ楽しみになってきました。
女子は、ロシアの10代が4人も！　日本からは浅田選手のみなのがちょっと寂しい。
ただ、五輪前に、浅田VSリプニツカヤ（15歳）の直接対決が実現。
シーズン中にも成長してきそうな10代の勢いは、かつての浅田選手のよう。
男子は、歴代1位のスコアを更新したパトリック・チャンに、日本勢3人が挑みます。
2大会で優勝した町田選手、NHK杯優勝の高橋選手、チャンに続く2位が2回の羽生選手。シーズン開幕前にこの顔ぶれは、正直、想定されていなかった？
全選手が、自己ベスト更新となるような試合を期待してしまいます！

ドイツからトルコへ、一族の旅

午後からの強い雨、風にご注意を、島岡美延です。
自分の祖父、祖母が、どんな苦労をして、今を生きているか、知っていますか？
映画『おじいちゃんの里帰り（30日公開）』をご紹介します。
トルコからドイツに移住し、がむしゃらに働いて50年。イルマズ家の主フセインは今や大家族のおじいちゃん。
ドイツで育った息子や娘たち。
父がトルコ人、母がドイツ人の6歳の孫チェンクは「自分はどこの国の人？」と学校や家で、アイデンティティーに悩み始めた。
そんなある日、フセインは突然「故郷トルコの村に皆で行こう」と言い出したから大変。
家族の誰もが大反対。でもあまりの熱意に、ついに一族は、おじいちゃんの運転するおんぼろバスで3000㌔の遥か彼方へ旅に出る。
昔から仲が悪かった長男・次男、英国人の恋人に悩む大学生の孫娘、みんな一緒にバスの中。
半世紀ぶりの里帰りに、フセインが強くこだわった本当の理由・・・。
家族の歴史って、実はよく知らないかも、と思ったら「一族」で旅をしてみませんか？

身近にある「危ない！」

今日も過ごしやい日曜日、島岡美延です。
先日、「ヒヤッ」とした出来事。
スピードを出した自転車2台が、商店街で衝突しそうでした。
歩いていて、正面から来る人と同じ方向に避けようとして、ぶつかりそうになることがありますよね。
それが私の目の前で起きて、一瞬ふらついた自転車が、倒れてきてもおかしくなかった！
車はスピードが出せない狭い道。
自転車の人は「歩行者や自転車をかわせる」という妙な自信がある？
しばし足がすくみました。
また、夜の歩道で、無灯火の自転車が私の横すれすれを走り抜けていき、後ろには子ども・・・、危ないっ！
危ないといえば、母にかかってきた電話。
「○○子おばちゃん、久しぶり」といきなり、母の名前で呼びかけてきたというのです。
「誰なの？」と聞けば「俺だよ、△△だよ」とよく聞き取れないような返事。
「どちら様ですか？」と言ったら、電話は切れたとか。
実際、甥はいます（電話はかけてきそうにないけど）。
「ウチに息子や孫はいない」と、油断できません！　

元スパイの実力を見よ！

土曜日の勤労感謝の日、島岡美延です。
仕事好きな連中が、とにかく暴れまくる映画『RED(レッド）リターンズ（30日公開）』をご紹介します。
CIAが恐れた伝説の元スパイ、RED。Retired(引退した）Extremely（超）Dangerous（危険人物）。
引退した彼らを引き戻したのは、失敗に終わったはずの32年前のミッションだった。
卓越した情報収集能力と年甲斐もない戦闘能力で過去を掘り起こすうち、なぜか列強各国の諜報機関を敵に回し、殺し屋たちに狙われるハメに。
封印されたミッションに隠された恐るべき真実と“世界の危機”とは!?
元CIAでREDの中心人物に、ブルース・ウィリス。RED随一の武器スペシャリスト、ジョン・マルコヴィッチ。
英国諜報機関MI6の元女スパイのスナイパー、ヘレン・ミレン。
冷戦時代の天才物理学者、アンソニー・ホプキンス。世界一の殺し屋、イ・ビョンホン。
ロシアの美しすぎるスパイ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ。
どんでん返しの連続、ご堪能あれ！

この家族、秘密だらけ

快晴の「いい夫婦の日」、島岡美延です。
この映画に出てくるカップルたちは、少々問題あり・・・！
映画『グリフィン家のウエディングノート（29日公開）』をご紹介します。
結婚式の間だけ、「完璧な家族」を演じることにした人々の物語。
次男の結婚式に集まったグリフィン一家。
彫刻家で破天荒なパパ、ドン（ロバート・デ・ニーロ）の影響で、何でもオープンな家族。でも関係はかなり複雑。
10年前に離婚したママ、エリー（ダイアン・キートン）。
その後、一家の母親がわりをしてきたドンの恋人ビービー（スーザン・サランドン）。
医者の長男は童貞。不妊で夫とモメている長女。
幼いころコロンビアから養子に来た次男の実の母親も急遽、結婚式に出ることに。
信心深い彼女に離婚家庭だなんて言えないと、ドンとエリーは夫婦のふりをする。
花嫁（アマンダ・セイフライド）の超保守的な両親は、この結婚に反対。
仕切る神父（ロビン・ウィリアムズ）は、元アル中。
超豪華キャストによる、こんがらがった家族の行方は！？

これぞ、カンフー映画

今日もよく晴れそう、島岡美延です。
バレエダンサー、アクションスター・・・、その身体能力は驚くばかり。
カンフーは時に、ダンスのような美しさ。
映画『ネイキッド・ソルジャー　亜州大捜査線（23日公開）』をご紹介します。
往年のドラゴン・ブームを思わせるカンフー妙技から、80～90年代風大型娯楽活劇、21世紀の進化型アクションまで、もう、てんこ盛り！
かつて麻薬組織を摘発したインターポール辣腕捜査官ロン（サモ・ハン）は、家族を殺され、唯一生き残った娘は組織に誘拐されるという過去を持つ。
国際的犯罪集団の新たな陰謀を阻止しようと、アジア各地に情報網を張るインターポール。
美しくも冷酷な暗殺者集団VS麻薬シンジケート、その抗争に捜査官たちも巻き込まれていく。
そんな中、ある事件現場から、ロンが探し続けていた「娘」のDNAが発見される。
幼かった娘は、洗脳され、鍛えられた暗殺者として自分の前に現れようとしているのか・・・！？
周到な武術トレーニングを積んだ美女たち、スゴすぎ。