梅雨入りが全体的に早まるのかしら、島岡美延です。
縄文時代の人々も雨の多い時期や暑さ、寒さの循環を知っていたはず。図書館の阿部芳郎編著『縄文時代を解き明かす 考古学の新たな挑戦』(岩波ジュニア文庫)は色々読んできた縄文関連本の中でも興味深いもの。
縄文土器の豆、穀物の「圧痕」、煮炊きした跡の「おこげ」から多くの情報が取り出せるようになってきた昨今。動物考古学や植物考古学など細分化された学問がより深く連携して多くの事実が判明。
私たちが「定住」できているのは、食料を容易に手に入れられるから。同じ場所に暮らすことがいかに困難だったか。貝や木の実など専門的に処理する集団が登場し、何百年も続く集落が現れてきたって本当にすごい! 土偶が多く出土する場所は集落が多く継続期間が長い遺跡。人々に必要だから作られたのが道具。
縄文時代を自由に想像するのは楽しい。だからこそ現在の発想、価値観ではなく、「縄文時代に生きていた人」をリアルに思い描きたい。