三つ子の運命それぞれに

寒い一日で11月も終わり、島岡美延です。
新しい歌舞伎座が来年4月に開場したら、歌舞伎鑑賞を再開しようかと考えています。
歌舞伎を基にしつつ、歌舞伎を超える面白さ、『菅原伝授手習鑑　天神さまの来た道（12月2日まで）』を観てきました。
男性のみの劇団、花組芝居創立25周年記念公演は、彼らにしかできないスペクタクルな「通し狂言」！
平安時代、菅丞相（菅原道真）は、藤原時平の陰謀により、大宰府へ流罪となる。
歌舞伎『菅原伝授手習鑑』は、この史実に様々な物語を詰め込んでいますが、『車引』『賀の祝』『寺子屋』など、有名な場面を独立上演することが多いもの。
三つ子の兄弟、梅王丸、松王丸、桜丸は、菅丞相への義理と、各々の立場に挟まれ苦悩の日々。そして生きる道を異にしていく・・・、これを全部まとめて3時間のてんこ盛りでどうぞ！
受験シーズンに皆の願いを聞く天神様の原点とは？
脚本は歌舞伎を手がける石川耕士、演出はもちろん加納幸和。
驚きの音楽、美術。そして団結力。25周年、おめでとうございます！

結婚式に集う「問題の家族」

折り畳み傘があったほうがよさそう、島岡美延です。
さて、あなたの家族はどんな形？　
再婚同士の結婚も増えている時代、この人々に何を感じますか？
映画『アナザー・ハッピー・デイ　ふぞろいな家族たち（12月1日公開）』をご紹介します。
登場人物の人間関係は、そうとう複雑！
前夫（トーマス・ヘイデン・チャーチ）との間に生まれた息子の結婚式に出席するため、久々に実家に戻ったリン（エレン・バーキン）。
しかし、そこに待っていたのは、前夫とド派手な今の妻（デミ・ムーア）、なぜかリンに冷たく当たる母親、認知症の父親、噂好きで嫌味を言い放題の親戚たち。
リンは現在の夫との子供にも手を焼いていた。ドラッグ中毒の10代の長男（エズラ・ミラー）、自閉症の次男。
さらに前夫との間の娘は、自傷行為が多く、実兄の結婚式に出席できるかわからない・・・。
なぜ、この人が自分の家族なのか。家族ゆえに無視しきれないやっかいさ。
新たな絆、ひきずる絆。
「愛されたい人々」のアンサンブル、抱きしめたくなります。

自分のこととなると？

日中も12月下旬の寒さの予報、島岡美延です。手袋はすっかり必需品！
先日、75歳の女性が、3日連続で合計4000万円以上のオレオレ詐欺にあったという事件がありました。
ラジオのパーソナリティをしていると、番組でも「振り込め詐欺の手口」などご紹介します。
「いまどき、知らない人はいないだろう」と思うのですが、今回の事件もまさに、典型的。まず「風邪を引いて、声がおかしい」という電話を事前にかけています。
そして「不祥事」を起こした、お金があれば、今ならなんとかなると泣きつき、「代理の者」に現金を取りに行かせる・・・。
金融機関の人も「これは詐欺」と説得を試みたものの、それに対し「夫の入院費用だから」とウソの説明までして、女性は現金を引き出しました。
「人間、一度信じてしまうと冷静に考えることは難しい」ということでしょうか。
毎週、番組で伝える「犯罪件数速報」を見ると、空き巣から自転車の盗難まで、誰でも「被害者」になる可能性を感じます。
「自分だけは大丈夫」と思わないことが本当に大事！

生きてる限り、男と女

快晴でもかなり寒そう、島岡美延です。
先週、「いい夫婦の日」がありましたが、この人が描けば、一筋縄ではいきません。
映画『恋のロンドン狂騒曲（12月1日公開）』をご紹介します。
監督は『ミッドナイト・イン・パリ』で本年度アカデミー脚本賞に輝いたウディ・アレン。時空を超えた恋、から、リアルな夫婦モノ騒動へ。
自在に男と女の物語を紡ぎだす天才です。
ある夜、死の恐怖に襲われたアルフィ（アンソニー・ホプキンス）は、若返りの特訓に走り、妻を捨て、金髪のコールガールを恋人にする。
夫に去られたヘレナ（ジェマ・ジョーンズ）は、インチキ占い師が心の拠り所に。そこで愛妻を亡くした初老の紳士と出会う。
別れた二人の娘サリー（ナオミ・ワッツ）と一発屋作家ロイ（ジョシュ・ブローリン）も夫婦の危機。
サリーは既婚者の上司（アントニオ・バンデラス）に惹かれ、ロイは窓から見ていた若い女性をデートに誘ってみれば、マリッジブルーで揺れている。
怒涛のセリフの応酬、軽妙かつ残酷な恋の大騒動。その落ち着く先は！？

いつも「一番ポジション」から

雨の月曜日になりそう、島岡美延です。
最近、日曜夜はバレエ発表会リハーサルで、難しい踊りに挑戦の日々。
バレエ映画『ファースト・ポジション　夢に向かって踊れ！（12月1日公開）』をご紹介します。
プロダンサーを目指した経験を持つベス・カーグマン監督が、子供たちに寄り添った力作。
ローザンヌ国際バレエコンクールと並ぶ、ユース・アメリカ・グランプリ（YAGP）。
毎年、9～19歳の五千人を超す応募者がニューヨークの最終選考を目指し、映画は6人の日々を追います。
イタリア在住の軍人の息子、アラン11歳。
アメリカ在住、日英ハーフ、ミコ12歳。バレエ優先で自宅学習に。
ミコの弟ジュールズ10歳。近頃、レッスンに身が入らない。
容貌・スタイルに恵まれたレベッカ17歳。
アメリカ人の養女になったシオラレオネ出身のミケーラ14歳。
コロンビア出身、ジョアン16歳。時々母が恋しい。
本人、家族の「すべてはバレエのために！」の強い想い・・・。
彼らの数年後が、本当に楽しみです！

仏像に癒されて

新幹線の緊急停止を経験、島岡美延です。
東京や神奈川で震度4の地震があったのですね。約10分遅れですみました。
昨日は、朝早く、長谷寺へ。ひと気の少ない「登廊」のすがすがしさ。
本堂の十一面観世音菩薩は、身の丈10㍍余り。しばし動けないほどの感動・・・。
現在「足に触れられる」特別拝観も実施中。まだその時間ではなく、朝日が当たる紅葉を堪能して山を下りました。
室生寺へは、臨時運行のマイクロバスに乗ること45分。
奈良のお寺は、京都の街中のお寺と違って、巡るのは大変ですが、その分、たどり着いた嬉しさは格別です。
室生寺の特別拝観は、金堂の釈迦如来、その背後の板壁の曼荼羅図、さらに十一面観音菩薩・・・、いずれも平安初期の国宝。
そのお姿、本当に心を癒されます。
平安初頭の建立と言われる五重塔。平成10年の台風で損傷を蒙って、12年に修復されました。
さらに奥の院まで、登った急な石段は数百段。
何度訪れてもやはりいい。
舞い散る銀杏、もみじを見つつ、花の季節の再訪を想いました。

もっと奈良にいたい！

ほぼ傘を使わずにすみました、島岡美延です。
白い雲に浮かぶ吉野の山が、迎え入れてくれました。
金峯山寺の仁王門大修理勧進のため、ただ今、本堂蔵王堂の日本最大秘仏本尊、金剛蔵王大権現3体の特別開帳中。
これが、びっくりする迫力！ 青く彩色された憤怒の表情、逆立つ金の髪。
こうして吉野を守ってきてくれたのでしょう。
法事を終え、再び近鉄に乗り、宿泊予定の長谷寺へ。
ただ、駅名を見ていると、つい降りたくなります。
飛鳥もしばらく歩いてないし、橿原神宮の空気も懐かしい。
吉野にも泊まりたかった！
長谷寺温泉に着いて、日暮れまで時間があったので、少し散歩。
参道の名物、焼いた草餅を食べてから、ゆっくりお風呂に入りました。
明治時代から続く旅館は、夜も朝もお部屋食。
これから長谷寺、そして女人高野、室生寺の紅葉と仏像を巡ります。
一度も暮らしたことはないけれど、かつて本籍地は奈良県でした。
だからなのか、本当に奈良に来ると、ホッとします。
あー、もっとゆっくりしてみたい！

妹と、何年ぶり？

勤労感謝の日、大阪のホテルの朝、島岡美延です。
夕方の新幹線は満席、皆さん、連休を利用しての大移動でしょうか。今回の旅の目的は、父方の祖母の七回忌。
これから近鉄特急で奈良県吉野をめざします。世界遺産の金峯山寺、今ごろ紅葉も見頃かしら。
思えば、三回忌の時は家族そろって、歴史ある旅館に泊まり、またここに来たいです、と宿の女将と話したものでした。
その後、父は脳出血で倒れ、急な階段しかない宿に泊まるのが困難なだけでなく、遠い吉野への旅自体、断念せざるを得ませんでした。
というわけで、妹との旅が始まったのです。
二人だけの旅って、意外に多くなく、いつ以来だったかしら？
初の海外旅行、シンガポールに行った時は、チェックインした部屋にトラブルがあり、ドキドキしながら英語で電話。
まさか、妹が仕事で海外に何年も赴任するとは、想像も出来ませんでした。
一緒に沖縄に行った時は、どしゃぶり、あ、二人とも雨女だった！
どうやら雨の中での法事となりそう。
吉野の法事、優しい雨でありますように。

監督からの挑戦状？

「小雪」の朝、雨は上がったよう、島岡美延です。
先日のラジオ、関西在住の石橋義正監督が電話で出演してくれました。
映画『ミロクローゼ（24日公開）』をご紹介します。
チラシには、新感覚映画、世界中の映画祭で絶賛とありますが、「この面白さ、想像を超えていた！」というのが、私の正直な想い。
インタビューでは「見る側のアタマの柔らかさが試される映画ですね」と石橋監督に伝えました。
主演の山田孝之が、3つの役を演じるも、オムニバスではなく、不思議なつながりをもっています。
白いスーツ＆サングラス姿で人生相談に乗る男が、突然、踊りだす。
愛する女が連れ去られ、働かされている楼閣に乗り込む浪人が、突然、斬りまくる。
心にあいた穴を癒しに温泉に来た男が、突然・・・、あ、ここは内緒。
ポップでデコラティブ、刺激の多いこのセンスは、大阪で育まれた？
「ミロクローゼ＝太陽」という自分だけの愛の象徴に突き進む、あくまでもラブストーリー。
とにかく目の前の映像に「ついていって」下さい！

ずっと現役でいたい

昨日は小春日和、今日は冷たい北風、島岡美延です。
市役所前の銀杏並木が色づく中、川崎市の技能功労者等表彰式で司会を務めました。あさっては、勤労感謝の日ですね。
かわさきマイスターという「匠の技」を持つ方々へのインタビューもさせていただきました。
例えば、50年という月日で磨いた仕事への誇り。
もちろん、いつもいい時ばかりではなく、いかに工夫して、現役であり続け、後進を指導してきたか。
言葉、姿、しぐさ・・・、それは「生き方」そのものです。
現役で輝き続けたといえば、先日亡くなった女優・森光子さん。
『放浪記』ではないですが、とても素敵な舞台を母、祖母と一緒に見に行ったのは、もう十年以上前かしら。
森さんよりも年上の祖母は、来年、年女。久しぶりに札幌から来て欲しいです。
喪中のハガキが届く頃ですね。
91歳で亡くなった歌舞伎俳優・中村雀右衛門のお弟子さん、中村京蔵さんからいただきました。
80代で可愛い姫の役など、数多く拝見できたことを感謝の気持ちで思い出しています。