大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

山東魯能は本当に「強い」のか?-昨年との比較を試みる

2010-02-28 22:17:01 | ACL/A3
寿人前線で孤立「悔しい」/アジアCL(日刊スポーツ) - goo ニュース

韓国・水原でのアウェーゲームが終わってから気になっていたので、同日行われていた広島と山東の試合を携帯でチェックしてみた。まあ、こっちと違ってあちらは多分勝ってるやろうなあ・・・と思いながら見ると、まさか負けているとはね。押し気味にに進めていながらもセットプレーでのワンチャンスをものにされるというのはサッカーではよくある話ではあるんだけども、こういう負け方って寿人が言うように本当に悔しいよなあ。

で、一応広島山東の試合も録画しておいたんで、帰国してからじっくり見てみようと思った。一応去年山東とは当たっているんで今年どう変わっていたかを見てみようと思っていたからなんだけども。

ただ、録画を見る前に違和感を感じたのが、当日参戦もしくはテレビ観戦された広島サポさんらが、山東がフツーに強いという感想を漏らしていたことだった。というのも、去年ウチらが対戦した時に、この相手はフツーに弱いと感じたわけなんですね。その時と比べて選手が入れ替わっているのと、「中国のボスマン」こと、かつての司令塔周海賓(チョウ・ハイビン)が戻って来ているというのはあるにしても戦力的に大きく上積されたわけではない。むしろ、周が戻ってきたとはいえ、去年まで在籍していたSHのジブコヴィッチが抜けたのは痛いくらいじゃないかと思っていたくらいだった。

だからといって、広島サポさんらの山東が強いという感想を否定する気はなく、むしろ去年弱いと思った相手が強いと言わしめるには何か変わったところがあるに違いないと興味が湧いてきたわけです。そこで、去年と今年の山東が日本で行ったACLアウェーゲームを見比べてみようと思い立った。すると、そこには以下のような違いが見つかった:

2009年 vsG大阪(万博)

・基本は4-4のブロック守備で低い位置で跳ね返す(丁度三浦トッシーみたいな守備戦術)
・ガンバは高い位置からプレスをかけて、セカンドボールを拾い波状攻撃
・戦力的にはその当時怪我人がいた(広島戦で決勝ゴールの韓鵬は欠場)
・米国での練習試合並びにパンパシでは連戦連敗で自信喪失だった(あの大分にポゼッションされていた状態)
・ガンバの得点は、レアンドロの強引なシュート、コロコロPKに、佐々木の右45度からのきれいなミドルという、引いた相手からの理想的な点の取り方だった

2010年 vs広島(ビッグアーチ)

・まず、中盤の守備が改善。4-2-3-1をベースにしていたが、中盤の高い位置からよく追っていた。
・ボールを奪ったら丁寧につないで攻めていた
・攻撃では後ろから上がるという形でのリスクはそれほど冒してはいない(だから引き分け狙いではあったかも)ものの、時折ボランチの位置から上がって来ていた
・とはいえリードするまで決してベタ引き一辺倒ではない
・むしろ広島の方も中盤でのプレスがなく、まるで山東が前に出てくるのを待つかのように引いて待ち構えていたかのように見えた。
・チームの仕上がりは広島より1週間始動が早い分良かった。また、事前に日本のクラブと練習試合を行い、五分の成績を残すことで、選手たちに「恐日症」が取り除かれていた。

という違いがあった。そうした違いを植えつけたのは誰かというと、ブランコ・イヴァンコヴィッチ監督ということになるんだと思う。関係ないけど、監督によってこんなに変わるんであれば、どこかの国の代表監督だって・・・

イヴァンコヴィッチ監督は、山東からオファーを受けた後に母国クロアチアのメディアに対し、「三位以内に入ればボーナスも出る。もし三位以内にならないようならば、直ぐに私を解雇してくれ、とフロントには伝えたよ」と語ったらしい(長束恭行氏のブログより)。これは相当な自信に裏打ちされているものなんだろうけども、中国メディアの報道によると、彼はチーム全体に献身的な守備をすることを解き、キャンプからそうした戦術練習を行ってきたという。確かに短期間でチームをここまで仕上げられる監督って大抵守備を立て直すのがうまかったりするんですがね(シティの監督に就任してからのマンチーニが、中盤の守備を改善してからチームが多少持ち直したように)。

山東戦での広島を見ていると、この試合で前から行かないというのは単にコンディションが上がっていないからバテるのを避けて省エネで行くつもりだったのか、それとも相手が引いてきたから前に出させておいてから寿人へロングフィードを出そうと意図したのかははっきりしないが、多分後者であるような気がする。実際、後半に一度寿人に対してラインの裏を狙う縦パスが通りかけた場面があった(結果は相手DFに対応されてしまったが)ところがその根拠となるんだけども。皮肉なことにそれによって彼が前線でサポートがないまま孤立してしまうことになるんだけどもね・・・

ただ、筆者がそう感じたのも、あくまでも日ごろからガンバの試合を見ていて、ガンバにおけるラインコントロールとか前からのプレスなんかを基準にして比較しているからであるかもしれない。山東戦での守り方が普段の広島の守り方だというのなら本当に申し訳ございません。ただ、去年リーグで対戦した時や時折見ていた広島の試合等と比べると、相手のポゼッション時にこんなに中盤が下がるという印象はなかったし、直接対決の時にはもう少しこう、中盤でも追いかけていたような記憶があっただけに、この試合見て初めてあれ、と思ったわけです。

まあ、改めて判ったんだけども、やっぱりウチって強いのかなw まあ、サッカーって強い弱いだけでなくスタイルの相性というのがあるわけで、Jリーグだと各チームによってやり方は違えど攻撃時には割とラインを押し上げて、中盤をコンパクトに保ってくる傾向にはある。その中で裏にスペースが出来てそれをつくことが出来てもACLだとそうしたスペースが中々出来にくい。だから、広島の諸君、ビッグアーチでの試合で後半ガンバが見せたほぼハーフコートマッチというべき展開こそがACLを制覇し、山東相手に3点奪った底力なわけですよ。ただ、ガンバ相手なら広島だって本来の持ち味を発揮しやすくなるというのが皮肉なところですなあ・・・自分たちがガンバと2戦2分けだったからACLでも同じようにやれる、とまでは行かないのがサッカーというものなんだろうけども。

ただ、逆に言えば、相手が前に出てくるアウェーの方が広島のサッカーって出来るのかもしれないな、と思ったりもするわけです。まあ、その意味では次のポハンとの試合が本当に正念場ではあるし、ここで勝てれば広島のグループって一気に混戦模様になってくるかな。ただポハンは2連敗だと前回王者でも敗退する可能性が出てくるわけですが。

超級杯 大阪鋼巴 1-1 鹿島鹿角 (被點殺 3-5)

2010-02-28 08:24:30 | ガンバ大阪
怪我人続出、そしてACLを互いにこなしているとはいえ、水原でのアウエーゲームから東京へ移動というハンデを抱えて臨んだ中において引き分けに持ち込んだことには意義があった。PKではヤットが外してしまったので、カップは鹿島に譲ってしまったけども、サッカー公式記録においては、PK戦にもつれ込んだ場合、試合自体は引き分け扱いということになる(実はこれ意外と報道においては忘れ去られていることで、その意味では日本は豪州に対してまだドイツでのリベンジは出来ていないということを忘れてはならない、と話がそれてしまった)。

水曜の水原戦でラインが深めであったことから、鹿島に対してはむしろその方が裏に抜け出すスペースを消すことが出来ていいんじゃないかと試合前に考えていたんだけども、なかなかどうしてこの試合で和道がしっかりとラインを押し上げることが出来ている。ただ、皮肉なことにだからこそ、前半菅沼が興梠に裏を取られて危ない場面があったし、ゲーム終盤においては鹿島が対角線上のロングボールで高いラインの裏をつこうとしていた場面があってそこで押し込まれていたのはあったけども、全般的にはラインを押し上げてオフサイドが取れただけではなく、それによって、前での押上げられて後半はゲームの主導権を握ることができたわけです。開幕戦は和道と菅沼のコンビで行くかもしれない。

あえて課題を上げるとすれば、和道の場合、大学生との練習試合で抜かれていたと言われているようにスピード系への対処なんだけども、これはシジなんかもそうだったわけですからw え、シジは大学生には抜かれなかったって?。そして、菅沼の場合は、智やソータなんかが持っている長短のフィードの使い分けを自分のモノにしていけるか。攻撃にアクセントをつけるとしたらそうした低い位置から楔の縦パスを入れられるかが鍵を握るわけで、普通なら十分合格点をつけられるコンビでもガンバでは求められるレベルというのがものすごく高い。けれどもより一段上を目指して頑張って欲しいですね。

全体的には去年の試合に比べるとサッカーにはなっていたんだけども、あとはそこからどのくらい積み上げられるか。ルーカスは2列目の選手としても好調をキープし、ヤットは後半からポジショニングを調整し、緩急つけてパスを出してリズムを作っていたけども、本来ならその彼らが天皇杯決勝で見せたように更にそこからフィニッシュに絡んでこれるようになればチームとしては完成してくると思うのだけども・・・今は人が居ない状態で(だから個の試合投入したのは宇佐美のみ、あとは佐々木を準備していたくらい)あるからこそ、ショーキにはやっぱりチャンスで決めて欲しかったなあ・・・いや、彼はよくやっているし左サイドのスペースを使うことのできる、日本人には珍しいタイプだと思うけど、ガンバでこの先ポジションをつかむんなら、結果が欲しいところですがね。

個人的には彼は使い続けていれば、才能が開花するかもしれないとは思う。ただ、そういう育成方針で行くなら、今決定機を決めきれていないというのにも目をつむらないといけないのだろうとは思う。この間のビジャのような決定力を彼に求めるのは酷だというのは解っていても、あれを決めていれば、という場面は水曜も土曜もあったわけです。そこで、目先結果が欲しいからというので今後復調したPJやらぜカルロスに替えるのか、それとも長い目で見てショーキを使い続けようとするかが、今後のガンバを左右する分かれ目にはなるのだけども・・・個人的には彼もあと一歩だと思うんですがね。

使い続けるべきかどうかで悩むのが・・・そう、安田クンです。確かに今ミチらしさというのは出ていないし、この試合ではクロスをまともに上げられなかったけど、対人の守備では縦は切っているし、彼が攻め上がることによって、トイメンの内田の上がりを押させているという側面は見逃せない(もっとも、内田があえてミチを上げさせることで、裏のスペースクリエイトをしていたのもあるんだけども)ミチにあって下平にないものというのが正にそうしたオーバーラップの効用ってやつだとは思うんだけども・・・だからカントクは途中からミチのところが狙われていて、ポジショニングでオタトタしていても、使い続けることで直していこうという風には感じられるんですがね・・・まあ、今のミチを見ているとカントクがプジョ道に拘るのも分からないではないけども。

一方の鹿島については、ガンバとは丁度正対するシステムでありながら、長短のパスをおりまぜて広く展開する、ガンバとは対照をなすスタイル。フェリペってあんまり強い印象はないけども、攻守のバランスを上手く保つ選手で、ブラジルっぽくない、というのがミソであるような気もする。途中出場の、あちらの遠藤のチャンスメイクには肝を冷やす場面はあって、今季バージョンアップした藤ヶ谷でなかったらやられていたんだけども、藤ヶ谷もセーブがもっと目立たないようになればコーチングもしっかりした安定感のあるGKになれると思うんだけどもね。FWにしても興梠の飛び出しというのは、ラインをコンパクトに保っているスタイルの中ではやはり脅威ではある。これが一発勝負のトーナメントなら、去年の天皇杯で見せたようなリアリズムもアリではあるけど、リーグ戦でそれをやるとその後スタイルを崩してしまうというのが悩ましいところです。次対戦するのはGWか・・・バスはかなり混みそうですね。

この日の審判はW杯にも選出された世界のニシムラさんです。前半のPKというのを基準にするならば、その後のファウルを取る基準、カードを出す基準とうのにはバラつきがあったし、そこら辺がなんか両チームともフラストレーションはがたまっていた(カントクも織部も途中からカリカリきていたし)。水原戦でのオージーの方がまだ基準が定まっていたとは思うんだけどもね・・・それでも、世界のニシムラさんは丸木のダイブとかには引っかからなかったというのは当たり前か。

この試合はJリーグ各チームのホームスタジアム名物が売っていたけども行列だったのでそれには手を出せず。FC東京名物の勝つサンドは今度第三者として味スタ行く時に買いますわ。試合が終わったら、大江戸線で大門まで出て、魚がし日本一の寿司屋で蛍イカの沖漬けだの、特製鯖寿司だのを堪能して帰阪。その帰る途中で、大宮の塚本選手の難病のことを知りました。こうやって生命の危機に晒されている人がいる中で、サッカーを楽しめるという現実は一見当たり前のことのように見えて、実は神様が起こした奇跡の連続によって成り立っているもんだな、と改めて思ったりもした。チームの垣根を超えて、一人の人間として、塚本選手の一日の早い回復を願わずにはいられません。