寿人前線で孤立「悔しい」/アジアCL(日刊スポーツ) - goo ニュース
韓国・水原でのアウェーゲームが終わってから気になっていたので、同日行われていた広島と山東の試合を携帯でチェックしてみた。まあ、こっちと違ってあちらは多分勝ってるやろうなあ・・・と思いながら見ると、まさか負けているとはね。押し気味にに進めていながらもセットプレーでのワンチャンスをものにされるというのはサッカーではよくある話ではあるんだけども、こういう負け方って寿人が言うように本当に悔しいよなあ。
で、一応広島山東の試合も録画しておいたんで、帰国してからじっくり見てみようと思った。一応去年山東とは当たっているんで今年どう変わっていたかを見てみようと思っていたからなんだけども。
ただ、録画を見る前に違和感を感じたのが、当日参戦もしくはテレビ観戦された広島サポさんらが、山東がフツーに強いという感想を漏らしていたことだった。というのも、去年ウチらが対戦した時に、この相手はフツーに弱いと感じたわけなんですね。その時と比べて選手が入れ替わっているのと、「中国のボスマン」こと、かつての司令塔周海賓(チョウ・ハイビン)が戻って来ているというのはあるにしても戦力的に大きく上積されたわけではない。むしろ、周が戻ってきたとはいえ、去年まで在籍していたSHのジブコヴィッチが抜けたのは痛いくらいじゃないかと思っていたくらいだった。
だからといって、広島サポさんらの山東が強いという感想を否定する気はなく、むしろ去年弱いと思った相手が強いと言わしめるには何か変わったところがあるに違いないと興味が湧いてきたわけです。そこで、去年と今年の山東が日本で行ったACLアウェーゲームを見比べてみようと思い立った。すると、そこには以下のような違いが見つかった:
2009年 vsG大阪(万博)
・基本は4-4のブロック守備で低い位置で跳ね返す(丁度三浦トッシーみたいな守備戦術)
・ガンバは高い位置からプレスをかけて、セカンドボールを拾い波状攻撃
・戦力的にはその当時怪我人がいた(広島戦で決勝ゴールの韓鵬は欠場)
・米国での練習試合並びにパンパシでは連戦連敗で自信喪失だった(あの大分にポゼッションされていた状態)
・ガンバの得点は、レアンドロの強引なシュート、コロコロPKに、佐々木の右45度からのきれいなミドルという、引いた相手からの理想的な点の取り方だった
2010年 vs広島(ビッグアーチ)
・まず、中盤の守備が改善。4-2-3-1をベースにしていたが、中盤の高い位置からよく追っていた。
・ボールを奪ったら丁寧につないで攻めていた
・攻撃では後ろから上がるという形でのリスクはそれほど冒してはいない(だから引き分け狙いではあったかも)ものの、時折ボランチの位置から上がって来ていた
・とはいえリードするまで決してベタ引き一辺倒ではない
・むしろ広島の方も中盤でのプレスがなく、まるで山東が前に出てくるのを待つかのように引いて待ち構えていたかのように見えた。
・チームの仕上がりは広島より1週間始動が早い分良かった。また、事前に日本のクラブと練習試合を行い、五分の成績を残すことで、選手たちに「恐日症」が取り除かれていた。
という違いがあった。そうした違いを植えつけたのは誰かというと、ブランコ・イヴァンコヴィッチ監督ということになるんだと思う。関係ないけど、監督によってこんなに変わるんであれば、どこかの国の代表監督だって・・・
イヴァンコヴィッチ監督は、山東からオファーを受けた後に母国クロアチアのメディアに対し、「三位以内に入ればボーナスも出る。もし三位以内にならないようならば、直ぐに私を解雇してくれ、とフロントには伝えたよ」と語ったらしい(長束恭行氏のブログより)。これは相当な自信に裏打ちされているものなんだろうけども、中国メディアの報道によると、彼はチーム全体に献身的な守備をすることを解き、キャンプからそうした戦術練習を行ってきたという。確かに短期間でチームをここまで仕上げられる監督って大抵守備を立て直すのがうまかったりするんですがね(シティの監督に就任してからのマンチーニが、中盤の守備を改善してからチームが多少持ち直したように)。
山東戦での広島を見ていると、この試合で前から行かないというのは単にコンディションが上がっていないからバテるのを避けて省エネで行くつもりだったのか、それとも相手が引いてきたから前に出させておいてから寿人へロングフィードを出そうと意図したのかははっきりしないが、多分後者であるような気がする。実際、後半に一度寿人に対してラインの裏を狙う縦パスが通りかけた場面があった(結果は相手DFに対応されてしまったが)ところがその根拠となるんだけども。皮肉なことにそれによって彼が前線でサポートがないまま孤立してしまうことになるんだけどもね・・・
ただ、筆者がそう感じたのも、あくまでも日ごろからガンバの試合を見ていて、ガンバにおけるラインコントロールとか前からのプレスなんかを基準にして比較しているからであるかもしれない。山東戦での守り方が普段の広島の守り方だというのなら本当に申し訳ございません。ただ、去年リーグで対戦した時や時折見ていた広島の試合等と比べると、相手のポゼッション時にこんなに中盤が下がるという印象はなかったし、直接対決の時にはもう少しこう、中盤でも追いかけていたような記憶があっただけに、この試合見て初めてあれ、と思ったわけです。
まあ、改めて判ったんだけども、やっぱりウチって強いのかなw まあ、サッカーって強い弱いだけでなくスタイルの相性というのがあるわけで、Jリーグだと各チームによってやり方は違えど攻撃時には割とラインを押し上げて、中盤をコンパクトに保ってくる傾向にはある。その中で裏にスペースが出来てそれをつくことが出来てもACLだとそうしたスペースが中々出来にくい。だから、広島の諸君、ビッグアーチでの試合で後半ガンバが見せたほぼハーフコートマッチというべき展開こそがACLを制覇し、山東相手に3点奪った底力なわけですよ。ただ、ガンバ相手なら広島だって本来の持ち味を発揮しやすくなるというのが皮肉なところですなあ・・・自分たちがガンバと2戦2分けだったからACLでも同じようにやれる、とまでは行かないのがサッカーというものなんだろうけども。
ただ、逆に言えば、相手が前に出てくるアウェーの方が広島のサッカーって出来るのかもしれないな、と思ったりもするわけです。まあ、その意味では次のポハンとの試合が本当に正念場ではあるし、ここで勝てれば広島のグループって一気に混戦模様になってくるかな。ただポハンは2連敗だと前回王者でも敗退する可能性が出てくるわけですが。
韓国・水原でのアウェーゲームが終わってから気になっていたので、同日行われていた広島と山東の試合を携帯でチェックしてみた。まあ、こっちと違ってあちらは多分勝ってるやろうなあ・・・と思いながら見ると、まさか負けているとはね。押し気味にに進めていながらもセットプレーでのワンチャンスをものにされるというのはサッカーではよくある話ではあるんだけども、こういう負け方って寿人が言うように本当に悔しいよなあ。
で、一応広島山東の試合も録画しておいたんで、帰国してからじっくり見てみようと思った。一応去年山東とは当たっているんで今年どう変わっていたかを見てみようと思っていたからなんだけども。
ただ、録画を見る前に違和感を感じたのが、当日参戦もしくはテレビ観戦された広島サポさんらが、山東がフツーに強いという感想を漏らしていたことだった。というのも、去年ウチらが対戦した時に、この相手はフツーに弱いと感じたわけなんですね。その時と比べて選手が入れ替わっているのと、「中国のボスマン」こと、かつての司令塔周海賓(チョウ・ハイビン)が戻って来ているというのはあるにしても戦力的に大きく上積されたわけではない。むしろ、周が戻ってきたとはいえ、去年まで在籍していたSHのジブコヴィッチが抜けたのは痛いくらいじゃないかと思っていたくらいだった。
だからといって、広島サポさんらの山東が強いという感想を否定する気はなく、むしろ去年弱いと思った相手が強いと言わしめるには何か変わったところがあるに違いないと興味が湧いてきたわけです。そこで、去年と今年の山東が日本で行ったACLアウェーゲームを見比べてみようと思い立った。すると、そこには以下のような違いが見つかった:
2009年 vsG大阪(万博)
・基本は4-4のブロック守備で低い位置で跳ね返す(丁度三浦トッシーみたいな守備戦術)
・ガンバは高い位置からプレスをかけて、セカンドボールを拾い波状攻撃
・戦力的にはその当時怪我人がいた(広島戦で決勝ゴールの韓鵬は欠場)
・米国での練習試合並びにパンパシでは連戦連敗で自信喪失だった(あの大分にポゼッションされていた状態)
・ガンバの得点は、レアンドロの強引なシュート、コロコロPKに、佐々木の右45度からのきれいなミドルという、引いた相手からの理想的な点の取り方だった
2010年 vs広島(ビッグアーチ)
・まず、中盤の守備が改善。4-2-3-1をベースにしていたが、中盤の高い位置からよく追っていた。
・ボールを奪ったら丁寧につないで攻めていた
・攻撃では後ろから上がるという形でのリスクはそれほど冒してはいない(だから引き分け狙いではあったかも)ものの、時折ボランチの位置から上がって来ていた
・とはいえリードするまで決してベタ引き一辺倒ではない
・むしろ広島の方も中盤でのプレスがなく、まるで山東が前に出てくるのを待つかのように引いて待ち構えていたかのように見えた。
・チームの仕上がりは広島より1週間始動が早い分良かった。また、事前に日本のクラブと練習試合を行い、五分の成績を残すことで、選手たちに「恐日症」が取り除かれていた。
という違いがあった。そうした違いを植えつけたのは誰かというと、ブランコ・イヴァンコヴィッチ監督ということになるんだと思う。関係ないけど、監督によってこんなに変わるんであれば、どこかの国の代表監督だって・・・
イヴァンコヴィッチ監督は、山東からオファーを受けた後に母国クロアチアのメディアに対し、「三位以内に入ればボーナスも出る。もし三位以内にならないようならば、直ぐに私を解雇してくれ、とフロントには伝えたよ」と語ったらしい(長束恭行氏のブログより)。これは相当な自信に裏打ちされているものなんだろうけども、中国メディアの報道によると、彼はチーム全体に献身的な守備をすることを解き、キャンプからそうした戦術練習を行ってきたという。確かに短期間でチームをここまで仕上げられる監督って大抵守備を立て直すのがうまかったりするんですがね(シティの監督に就任してからのマンチーニが、中盤の守備を改善してからチームが多少持ち直したように)。
山東戦での広島を見ていると、この試合で前から行かないというのは単にコンディションが上がっていないからバテるのを避けて省エネで行くつもりだったのか、それとも相手が引いてきたから前に出させておいてから寿人へロングフィードを出そうと意図したのかははっきりしないが、多分後者であるような気がする。実際、後半に一度寿人に対してラインの裏を狙う縦パスが通りかけた場面があった(結果は相手DFに対応されてしまったが)ところがその根拠となるんだけども。皮肉なことにそれによって彼が前線でサポートがないまま孤立してしまうことになるんだけどもね・・・
ただ、筆者がそう感じたのも、あくまでも日ごろからガンバの試合を見ていて、ガンバにおけるラインコントロールとか前からのプレスなんかを基準にして比較しているからであるかもしれない。山東戦での守り方が普段の広島の守り方だというのなら本当に申し訳ございません。ただ、去年リーグで対戦した時や時折見ていた広島の試合等と比べると、相手のポゼッション時にこんなに中盤が下がるという印象はなかったし、直接対決の時にはもう少しこう、中盤でも追いかけていたような記憶があっただけに、この試合見て初めてあれ、と思ったわけです。
まあ、改めて判ったんだけども、やっぱりウチって強いのかなw まあ、サッカーって強い弱いだけでなくスタイルの相性というのがあるわけで、Jリーグだと各チームによってやり方は違えど攻撃時には割とラインを押し上げて、中盤をコンパクトに保ってくる傾向にはある。その中で裏にスペースが出来てそれをつくことが出来てもACLだとそうしたスペースが中々出来にくい。だから、広島の諸君、ビッグアーチでの試合で後半ガンバが見せたほぼハーフコートマッチというべき展開こそがACLを制覇し、山東相手に3点奪った底力なわけですよ。ただ、ガンバ相手なら広島だって本来の持ち味を発揮しやすくなるというのが皮肉なところですなあ・・・自分たちがガンバと2戦2分けだったからACLでも同じようにやれる、とまでは行かないのがサッカーというものなんだろうけども。
ただ、逆に言えば、相手が前に出てくるアウェーの方が広島のサッカーって出来るのかもしれないな、と思ったりもするわけです。まあ、その意味では次のポハンとの試合が本当に正念場ではあるし、ここで勝てれば広島のグループって一気に混戦模様になってくるかな。ただポハンは2連敗だと前回王者でも敗退する可能性が出てくるわけですが。