大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

天皇杯覇者のACL出場資格を巡る個人的見解

2007-12-15 08:01:55 | ACL/A3
浦和がCWCでミランと闘ったことにより、改めてACLが世界の強豪との対戦する為の登竜門ということを再認識させられたのだけども、そのACLに出るための国内予選ともいうべき天皇杯とACL出場権について書いておきたい。

従来は、天皇杯で優勝をしても、時期の兼ね合いから1年待たざるを得なかったが、2009年からは、2008年度(2009年元日決勝)の優勝チームがACLに出場できるように改定されたよって、今回の天皇杯優勝チームにはACLの出場権がない。

実はこの件についてだが、こうした改定が「本来あるべき形」に戻ったと見る向きが多いけども、筆者はそうした見解には懐疑的である。というのも、それがACLで勝たせる為になっているかという点で考えれば新たな問題が出るように思えるからである。

まず、1年遅れでACLに出場する旧来の条件が「いびつな形」であるという声が多いけども、こういう条件を設定している国は他にもあるということを言っておこう。例えば豪州なんてAリーグが2月にプレーオフが終了してやっと年間総合覇者が決まる関係で、その年のリーグ優勝と準優勝チームがACLに出るのは登録上間に合わないため、1年待って出場している。まあ、これなんかは私に言わせればW杯予選でラクしたいが為にアジアへ転籍した代償だとは思うんだけどもね。何しろシーズン全日程が終了した後に前年度の覇者というたけで、更に貴重なオフを潰してでもACLに参戦しなければならないのだけども、豪州のサッカー関係者もこれを判っていてアジアに転籍したんじゃないだろうか。

つまり、物事にはいい面・悪い面があって、ある方向に変えようとすると当然別の方面での問題が起きてくる。それを認識した上で現状と比べて、弊害があるかもしれないけども変えた方がよいと認識した上で変えるのが改革というものである、ということであるが、豪州はW杯予選に出ることを何よりも優先したのである。

豪州の例というのは特殊かもしれないが、国によって、シーズンの時期が異なる(アジアの場合対外春秋制であるが)為に出場資格を持ったチームがACLに出る為に1年間待つということは他にもある、ということを理解して貰いたいわけです。今回インドネシアのチームが出場を取り消されたが、再来年インドネシアのチームが出るとなったら、年明けに決まる年間優勝チームが1年待つ、ということもあり得るかもしれない(あくまでも来年度のシーズンが終わる時期が今年度のそれと変わらない、という場合であるが)。

また、天皇杯の覇者が1年待つ、という旧来の条件はACLの準備期間が必要だという協会の考えに基づいていたと思うし、その考えは現実的であったと思う。各クラブとも来季の予算を組んで既に11月中旬以降に、チームの編成や選手との契約更改交渉に臨んでいる。そのような中で、天皇杯の結果次第でACLの出場権が転がり込んで来たとなると、1月1日以降からACLに向けてのA契約選手枠を慌てて拡大したり、各チームとも来季の陣容が決まりかけている中で補強に走らなければならない。協会は、その辺りで出場が決まったクラブに対する準備不足を勘案していたからこそ1年間の猶予を与えたのではないか。確かに1年待ったからといって必ずしも勝てるという保証はないものの、十分準備が出来ていれば浦和のように結果を残すことが出来たのだから、旧来の制度は勝つための制度としては悪くはなかったと考える(後は与えられた準備期間をクラブが生かせるかどうかだが)。

こうした天皇杯優勝チームを巡るACL出場資格チームに関する論議を見ていると、どこか五輪マラソンの選考方法の論争を彷彿させるのではないか?例えば、どこかの大会で1発勝負で決めるのが一番スッキリするやり方だと考えている人がいるけども、それが本番で勝てる確立の高い選手を選ぶベストな方法であるかは別問題だという観点が欠落しているように私には思えて仕方がない。

それは天皇杯王者のACL出場の条件についての議論にも言えることだ。その年度の優勝チームが翌年のACLに出場するということが「本来正しい姿」だと考える人たちは、その「正しいあり方」に拘るあまり、天皇杯優勝でACLに急遽出場することになったクラブには泥縄的対応を強いるかもしれない、ということについて考えが及んでいないのではないだろうか?そう考えている人たちにとっては(その人たちが考える)「正しい方法」に拘ることにしか頭にないからではなかろうか?

それでも、もう決まってしまった以上、後には引き返せない。2009年には、前述した出場チームによる準備の問題どの程度のものなのかはやって見なければ判らないが、立ち止まって考えてばかりいても仕方が無い。一度やって見てどんなものになるかを見極めて徐々に改善していくしかないんだろうと思う。ちなみに、2009年元日の天皇杯の結果でACL出場を手にするクラブというのは、

1.天皇杯優勝チーム
2.リーグと天皇杯優勝チームが同じ場合には、リーグ2位のチーム

ということになる。リーグ2位で終了したチームはたとえ天皇杯で敗退しても元日の結果次第で棚から牡丹餅もあり得るから一応準備はしておく必要があるかもしれない。