その頃は行き付けの喫茶店と言うのが何軒かあり、常連と飲み始めると言う事も結構あった、今のスタンド喫茶とは違いほとんどがボックス席でビールやウィスキー、ジンベースのロングカクテルなんかも置いている店が多かった、
「CO」と言う店はあるディーラーの中に合って基本は車を見に来るお客の為の様だったが一般客も入れる、
マスターは30を少し回った中々の美男子で一度は歌手を目指していたらしい、少し年上の奥さんとアルバイトで切り回していた、
その付近には多くの町工場と、どう言う訳か車のディーラーが4軒もあるが食堂と言うのがあまりない、小さな中華料理店、日本蕎麦の店、鰻屋と定食屋が各々一軒づつ、
この定食屋は味噌汁、ご飯、カウンターの上にあるケースから魚だの炒め物だの奴や漬物を勝手に取る形式の店だが近くにタクシー会社が2軒もあるので朝から酒を飲んでいる運転手が居る店だった、しかしこの辺りで洋食系はこの喫茶店だけだった、
と言っても定番のピラフ・スパゲッティ・生姜焼き・ハンバーグのセットだけだが若い客はこの店に集まる事になる、
余談だがこの店にハンバーグを教えたのは六本木のキッチンカロリーで修業したコックで絶品だった、
彼はその後独立して池上にレストランを出したのでここも我々のたまり場になっていたのだが数か月前に池上の本門寺参道でおなじ名前の店を見つけて寄ってみたら彼の店だった、今はどう言う訳か釜飯屋になっていた、40年ぶりである、「見るかげねえな」とお互いに言い合って来たがあの頃の連中が来たら一度行ってみようかと思っている。
閑話休題
この喫茶店は通常21時が閉店だがここからが我々の時間だ、大抵11時ころまで、休日前は日が替わるまで飲んでいる、ポーカーだのブラックジャックだのを興じたりして飲んでいるのだが飲み時間になると来る連中も結構多く職業も幅広い、
反社会的連中も何人か来ていた、その中の一人にその後私の最良の友人になった「ミヤちゃん」が居る、
彼は五反田のファラオと言うキャバレーの黒服だったがどう見てもやくざ者に見えるのだが全くの気質で宮城の坊主の倅(と言っても口減らしに幼少期に養子になったらしい)
店はある組の組長の持ち物だったが彼は組長に可愛がられていて「お前は気質を通せ」とついに杯はもらえなかったそうだ、
もう一組若い兄弟が居たがこれは看板を持っていたのか知らなかったが彼らともよく飲んだ、「正義の味方」と言うのが彼の決まり文句である時私が「社長の正義は字が違うでしょ?」と言ったのがえらく気に入ったらしい、
そしてその正反対の人種、なんで居ついたのか覚えていないが月に何度か来る眼付きの悪い背広姿中年男性、マスターに紹介されたら警視庁1課の人らしい、
兎に角目付きが怖い、酔って来ると更に怖い、が怖いのは目付きだけで人は良いようだ、
同席して結構くだらない話をして深夜まで飲んでいた、
ある日12時を廻ってから帰ると言う事になったが当然公共機関は終わっている、
マスターが「車で送ってやってくれないか」と言うが自分も結構きこしめている、乗せてゆくのは警察官と言うより刑事だ、しかし本人は「大丈夫、Iさんはどう見ても酔っていない、」とその気になっている、聞いたら家は横浜の青葉区、中山の駅近くらしい、
「万が一検問が有っても俺が居るから大丈夫」と言うので納得して送って行ったのだがおろしてから気が付いた、この状態で検問に掛かったら通行手形はもういないのだ、
幸い何事もなく帰宅したが今考えると大変な事だよな
名前も覚えていないしまあ亡くなっているだろうしまあ、全て時効々、
「CO」と言う店はあるディーラーの中に合って基本は車を見に来るお客の為の様だったが一般客も入れる、
マスターは30を少し回った中々の美男子で一度は歌手を目指していたらしい、少し年上の奥さんとアルバイトで切り回していた、
その付近には多くの町工場と、どう言う訳か車のディーラーが4軒もあるが食堂と言うのがあまりない、小さな中華料理店、日本蕎麦の店、鰻屋と定食屋が各々一軒づつ、
この定食屋は味噌汁、ご飯、カウンターの上にあるケースから魚だの炒め物だの奴や漬物を勝手に取る形式の店だが近くにタクシー会社が2軒もあるので朝から酒を飲んでいる運転手が居る店だった、しかしこの辺りで洋食系はこの喫茶店だけだった、
と言っても定番のピラフ・スパゲッティ・生姜焼き・ハンバーグのセットだけだが若い客はこの店に集まる事になる、
余談だがこの店にハンバーグを教えたのは六本木のキッチンカロリーで修業したコックで絶品だった、
彼はその後独立して池上にレストランを出したのでここも我々のたまり場になっていたのだが数か月前に池上の本門寺参道でおなじ名前の店を見つけて寄ってみたら彼の店だった、今はどう言う訳か釜飯屋になっていた、40年ぶりである、「見るかげねえな」とお互いに言い合って来たがあの頃の連中が来たら一度行ってみようかと思っている。
閑話休題
この喫茶店は通常21時が閉店だがここからが我々の時間だ、大抵11時ころまで、休日前は日が替わるまで飲んでいる、ポーカーだのブラックジャックだのを興じたりして飲んでいるのだが飲み時間になると来る連中も結構多く職業も幅広い、
反社会的連中も何人か来ていた、その中の一人にその後私の最良の友人になった「ミヤちゃん」が居る、
彼は五反田のファラオと言うキャバレーの黒服だったがどう見てもやくざ者に見えるのだが全くの気質で宮城の坊主の倅(と言っても口減らしに幼少期に養子になったらしい)
店はある組の組長の持ち物だったが彼は組長に可愛がられていて「お前は気質を通せ」とついに杯はもらえなかったそうだ、
もう一組若い兄弟が居たがこれは看板を持っていたのか知らなかったが彼らともよく飲んだ、「正義の味方」と言うのが彼の決まり文句である時私が「社長の正義は字が違うでしょ?」と言ったのがえらく気に入ったらしい、
そしてその正反対の人種、なんで居ついたのか覚えていないが月に何度か来る眼付きの悪い背広姿中年男性、マスターに紹介されたら警視庁1課の人らしい、
兎に角目付きが怖い、酔って来ると更に怖い、が怖いのは目付きだけで人は良いようだ、
同席して結構くだらない話をして深夜まで飲んでいた、
ある日12時を廻ってから帰ると言う事になったが当然公共機関は終わっている、
マスターが「車で送ってやってくれないか」と言うが自分も結構きこしめている、乗せてゆくのは警察官と言うより刑事だ、しかし本人は「大丈夫、Iさんはどう見ても酔っていない、」とその気になっている、聞いたら家は横浜の青葉区、中山の駅近くらしい、
「万が一検問が有っても俺が居るから大丈夫」と言うので納得して送って行ったのだがおろしてから気が付いた、この状態で検問に掛かったら通行手形はもういないのだ、
幸い何事もなく帰宅したが今考えると大変な事だよな
名前も覚えていないしまあ亡くなっているだろうしまあ、全て時効々、