梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

カンナの花と静岡おでん

2016-08-19 10:04:55 | 雑記
京浜東北線の大井町駅から少し品川に向かった右側の土手にはいつも花が咲いている、少し前までは紫陽花の花が咲いていたが今残っているのはカンナの花だ、
紫陽花の頃から咲いていたので随分花の時期が長い、流石に少々くたびれてきているがそれでも黄色と赤の鮮やかな花が咲いている、
カンナの花は故郷の農家にはどの家もと言って良いほど植わっていた、濃い赤と鮮やかな黄色が主で白もあった気がするがこちらで見かけるのは赤と黄色だけの様だ、
昭和30年代田舎の村生まれの自分にとって掛川の町は都会だった、中学生の頃はそれでも10km以上ある距離を自転車で出掛ける事が有った、今では立派な城が復元されているのだがその頃は城址公園で天守閣のあった山の上には平和観音像が立っていた、
公園には小さな動物園があって月の輪熊と鹿が数頭、孔雀が飼われていた、その脇を外堀代わりだった栄川が流れていたがこの河川敷にカンナが密生していた、手入れはしていた様だが別に植え込んだわけではなさそうだった、余談だがこの川の名称はこのあたりで川が南から北にはがれているので「逆川」と呼んでいたが城ができてから嘉文字にして「栄川」になったらしい。
公園の脇に小さな売店があり一年中おでんを売っていた、そこでラムネとおでんを食べるのが楽しみだったがそんなに高くはなかった気がする、
数年前に話題になった「静岡おでん」と言うやつで真っ黒な出汁と醤油の中に竹串に刺さったはんぺんと三角に切ったこんにゃくが入っている、はんぺんは東京で言う黒はんぺんで鰯の練物だ、つみれの平たいやつと言ったらいいか、形は半円形でまっすぐな部分は土手のように膨らんでいる、私にとってはこれが「はんぺん」で関東おでんの白いはんぺんは(はんぺんじゃない!)のである、これを小皿にとって粉の鰹節と青のりの粉をかけて食べる、何年か前に東京生まれの女房とその友人とわざわざ駅前にビジネスホテルを取って駅近くのおでん横丁に食べに行った、流石にいろんな種類があっておいしかったが子供の頃の味とは若干違う気がした、最も数十軒あるみせの一つに入っただけなので別の店では昔の儘の味なのかもしれないがよく言えば素朴なあの味では今の客は満足しないんだろうな、
過日日本平から久能山にわたるケーブルカー乗り場近くのお土産売り場にあった「静岡おでん」が私の子供の頃の味に近かったような気がする、縁台に座って小さな皿にのせたおでんに粉カツオと青のりをかけた奴を風に吹かれながら食べたのがあの頃の味だった、
大きな違いは飲み物がラムネから缶ビールに変わっていたことと季節は春だったので見える花もカンナではなく三分咲きの桜だった事だ、