『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『DRAGONBALL EVOLUTION』を観た]

2009-03-11 23:45:19 | 物語の感想
☆いやぁ、良かったね~^^

 最高だったよね。

 本編前の『トランスフォーマー2』の予告編!

 音楽もナレーションもなく、ただ、画面で圧倒させてくれた。

 ・・・で、肝心の『DRAGONBALL EVOLUTION』だけど、・・・酷かったね。

     ド酷かったね。

 俺は、残業を断ってまで、この映画を観に行ったんだよ。

 四十歳の男が、「ミド蘭さんは、今日は『ドラゴンボール』観に行くから残業しないそうです」と職場全体に知れ渡りつつも、愛想笑いして帰ったんだよ。

 前評判は悪かったけど、ハリウッドが作ったんだから、ある一定のレベルの作品に仕上がっていると確信していた。

 設定は違っても、原作の抑えているところは抑えているものと思っていた。

 ・・・私の「確信」が、いかに、いい加減だったことかはすぐに分かった。

 この映画、「設定」とか、「イメージが違う」とか以前の「映画文法」上、おかしかった。

 とにかく、間が悪かった。

 異常にテンポがおかしく、作り手が観ている者の心に引っかかって欲しいだろう箇所で、ことごとくはずしている。

 いちいち、具体例を挙げるのも面倒くさい。

 例えば、落とし穴の横穴を掘ると、次の場面ではいきなり、地下の火山国であったことに驚き、私は、「この映画、駄目だ・・・」と思った。

 そこでは、ピッコロの血から生まれたモンスターが襲ってくるのだが、名前をつけろよ! と思った。

 「シンバル」「タンバリン」と、原作と同じ名前をつけるだけで、私などは喜ぶのに・・・。

   ◇

 原作とは全く異なるが、それでも、序盤は面白かった。

 悟空の修行場面が描かれるのだが、斬新なシチュエーションで、とても興味を引き、その後の展開に期待を寄せることができた。

 そして、ハイスクールでの悟空の生活が描かれる。

 能力を隠さなくてはならなくて、不良どもにいいようにされると言う、よくあるワンパターンなのだが、別にそれでも構わない。

 憧れの女の子にうまく口を聞けないのも面白いものだ。

 しかし、ピッコロ大魔王が出現してから、異常に物語のリアリティが失われていく。

 元々、原作を省みると、現実とファンタジーの狭間にあるシュールな世界観なのだが、映画のそこまでの展開が、現実と変わらないアメリカンハイスクールの学生の生活なので、いきなりの緑色の怪人の出現にのけぞった。

 その後、ホイポイカプセルのバイクなんてのが出てきて、「ああ、この世界は普通の世界と違うのだな」と分かるのだが、実は、ホイポイカプセル以外のギミックは現われない^^;

 世界観の描き込みが欠如しているのだ。

 で、この映画版ピッコロは、世界を滅ぼす大魔王なのだが、その暴れっぷりが全く見られない。

 「気の爆弾」みたいのを都市に落として、爆発させているようなのだが、鑑賞レートの関係なのか、残虐・殺戮シーンが皆無なので、物語上、何がなんだか分からない。

 爆発にやられた廃墟なのか、はじめからそうなのか、本当に何がなにやら分からない。

   ◇

 ・・・おそらく、上映時間なのだろう。

 上映効率を考え、一時間半ちょいと言う上映時間に合わすために、かなりの部分をカットしているのだ。

 編集段階で、かなりの部分が切り捨てられ、肉付けの全くない、変な味わいの作品と化してしまっているのだ。

 だから、テンポも悪い。

 悟空の大猿化への心の葛藤など、全くシナリオが成り立ってない。

 ・・・いや、ピッコロとの最終決戦のつまらなさなど、編集の拙さでは済まない問題も多々あるのだが・・・。
 
 あんなに弱いのなら、ピッコロでなく、ピラフでいいじゃないか。

 そして、エンディングで、ピッコロの復活を匂わせれば、引きは最高だったはずだ。

 ピラフのほうが、映画的には物語的な躍動感があったはずだ。

 でも、この作品の続編は出来ないだろうし、観たくもない。

 ピッコロを出し、さて、作り手は「バトル」と言うものをどう考えているのか?

   ◇

 実は私、この作品が、こんなにもつまらないとは思わなくて、以下のようなエントリーの序文を用意して、観終えた後、つなげて感想を書こうと思っていた。

 『国民的なマンガ作品なので、『DRAGON BALL』ファンなどとは言い難いが、私は、そのジャンプコミックスを一巻から初版で持っているほどだ^^v
 ブルマなんて、四半世紀前の作品なのに、全く古さを感じさせないファッションセンスだ。
 あの目の形なんて、昨今の女の子のアイメイクと同じではないか!
 また、ルーズソックスが流行ってもいない時代に、アニメ版で、レッグウォーマーをオシャレに着こなしてもいた。
 私は、ブルマの、連載当初の足が好きで好きで^^;
 華奢だけど、バネの様な脚線美が、育ち盛りの少女みたいで最強です。・・・』

 ・・・でも、この書き出しは間違っていないと思う。

 ブルマ役の娘(エミー・ロッサム)は、この作品の中で数少ないポイント稼ぎだと思う。

 なかなか「いい女」系で可愛かったと思うのだ。

 また、亀仙人役のチョウ・ユンファだが、チョウ・ユンファであることが良かった^^

 でも、亀仙人としては、シナリオ上の描き込みが全く足りなかった。

 じいちゃん役の人や、「ジョジョ・第一部」のトンペティみたいのが出てくるが、そういった老人たちのリアリティで、かろうじて、最後まで観ることが出来た。

 その他は、なんかよく分からなかった・・・。

                        (2009/03/11)
コメント (6)
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[兵頭二十八軍師の講演会に行った(3)]

2009-03-10 22:25:50 | 保守の一考
☆またも共時性の結果なのであるが、本日の産経に『文芸春秋』の広告が載っていたのだが、その中の特集記事で、前回[兵頭二十八軍師の講演会に行った(2)]で記した<パリ不戦条約>についての言及があった。

 まあ、その特集の執筆者の一人が、別宮暖郎氏であったので、共時性などではなく、必然のことなんだけどね^^;

   別宮氏のブログ <第一次世界大戦> (クリック!)

   ◇

 では、兵頭講演の点描報告の続き。

 ・アメリカと言う国は、横暴だなどと言われているが、例えば、安政の日米修好通商条約などは、
  アメリカは「不平等条約」との誹りを受けたものだが、
  この条約によってアメリカも大きな「枷」をはめられることになった。
  アメリカは、この条約の失効後になってやっと次のステップ(経済を抑える)に進めたのだった。
  アメリカは、条約破りなどはせず、きわどいことをやっても、
  それに伴う説得・宣伝・広報を国際社会に向けて行う。

 ・(ミド蘭)ちなみに、日米修好通商条約における江戸幕府の、天然なのか計算なのかは不明だが、
  その絶妙のアメリカあしらいは、『風雲児たち・幕末編(みなもと太郎著)』に詳しい。

 ・また、パリ不戦条約は、今もって失効していない。
  そう、今もって、侵略戦争は国際社会で認めることなど出来ないのである。

 ・では、核武装が出来ない情勢ならば、今後、日本はどのような兵器で持って、世界に力を発揮するか?
  
     無人(ロボット)兵器、である。

  ロボットと聞いて、ガンダムみたいのを想像されては困る。
  人を戦場に赴かせない無人の軍隊。
  高度な戦略的能力を併せ持つ。
  それは、核に匹敵する脅威となり得るだろう。

 ・アメリカには、上記のようなもの開発すると言うことに対してのリスクマネーを出してくれる組織がある。
  …ペンタゴン(アメリカ国防総省 DOD)である。
  その一部門<DARPA(防衛高等研究計画局)>である。
  SF小説に出てくるような奇想天外な技術を、ハイテクとして、実用化を考える研究が行われている。
  <DARPA>は、フレキシブルな活動研究を出来るベンチャー企業を数多く募り、
  日夜、多くの発明をし、軍事技術をアメリカンライセンスで埋め尽くそうとしている。

 ・古典的なSF小説を読むと、今の技術で実現可能なアイディアの宝庫だ。
  <DARPA>は、野心的なベンチャー企業に豊潤な資金を与え、開発させている。
  日本ではこうはいかない。
  三菱重工などに頼んでは、小回りが聞かない。
  みんな! アニメばかり見てないで、古典SFを読め!

   ◇

 う~ん・・・^^;

 『ガンダム』の最新作『機動戦士ガンダム00』などでは、無人ロボ兵器などは、非人道兵器されているんだよなあ。

 まあ、それは、作り手の思い込みによるマイナス演出がされていたのだが・・・。

 富野ガンダムでは、「バグ」と言う、<暴れヨーヨー>みたいな無人兵器が、コロニー内部で殺戮しまくる。

 それは、残虐性の最たるイメージだった。

 かつての『新機動戦記ガンダムW』の人気キャラクター<トレーズ・クシュリナーダ>などは、戦いに独自の美学を持っていたので、無人のモビルスーツ<モビルドール>の戦線への導入に反対し、ロームフェラ財団の総帥の座を解任されている。なんのこっちゃ^^;

                 (続く 2009/03/10)
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[兵頭二十八軍師の講演会に行った(2)]

2009-03-09 23:21:25 | 保守の一考
☆すいません。

 私の仕事は、月曜日が忙しいのです。

 故に、小刻みの「講演会報告」エントリーですいません。

 昨日、「大空のサムライ」こと坂井三郎氏のことを書いたら、本日の産経新聞に、雑誌『Will』の増刊の広告が載っていて、坂井氏をフューチャーしていたので、その共時性に満足した。

 私には、よくあることだ。

 私は、別に坂井氏をくさすつもりはなく、最高の軍人だったのだと思っている。

 <三八式歩兵銃(有坂銃)>の認識は、「経験論」の坂井氏と「合理論」の別宮氏の違いだと思う。

 坂井氏は、比較するものなく、自分の感じ方で三八式歩兵銃に文句を言ったのだろう。

 ・・・兵頭軍師による<田母神論文>批判であるが、

 軍師は、話の途中で、田母神俊雄氏の人物的魅力については、「リーダーとしては立派な人物である」とは、ちゃんと語っていたので断っておく。

   ◇

 ・兵頭軍師は、しかし、<田母神論文>によって、日本国を守ることになる核武装は、10年は遠のいたと語っている。

 ・私(ミド蘭)個人は、<田母神論文>云々はおいといても、10年では済まないような気がしている。

 ・「10年」としたのは、私から見ると、兵頭軍師の言論上の「保険」のようにも思えた^^;

 ・…さて、軍師は、90年の後半から、その著書において核武装の必要性を論じてきた。
 しかし、日本社会においては、それはタブーにも近い主張であった。
  その頃は、中国などの核を自分たちの危険に当てはめる思考回路が日本人にはなかった。
  その目を覚まさせてくれたのが、北朝鮮の核問題であった。
  これにより、日本においても、核の脅威が身近に考えられるようになった。
  その帰結は、日本の核武装の可能性を示唆する。

 ・だが、今回の田母神論文によって、日本の核武装は難しくなった。

 ・<田母神論文>そのものや、<田母神論文>を巡っての騒動で、日本は、世界中に、そのエスタブリッシュの<没倫理性>をさらけ出してしまったからだ。

 ・国際社会(主にアメリカとの「同盟」関係において)での「信用」を失墜させてしまった。

 ・ここら辺の詳しい経緯は、以下のエントリー内容と同様だと思われるので参照あれ!
     [田母神論文がワヤにしたもの](2009/02/01)

 ・<田母神論文>自体も酷い内容で、
  前半においては、中国大陸における日本軍の行動は侵略ではないと主張し、
  後半においては、日本だけが侵略したのではないと、論旨を変える。
  そして、最後には、真珠湾は、ルーズベルトに仕組まれたなどと言っている。
  内容がブレまくりなのである。

 ・そもそも、日本は、天皇の名において、パリ不戦条約(不戦条約<「戦争抛棄ニ関スル条約」>は、第一次世界大戦後に締結された多国間条約で、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄し、紛争は平和的手段により解決することを規定した条約)を批准しているのである。
  (侵略の定義などはないのだが…)

 ・パールハーバーのケースにおいては、日本政府の言い分などは無きに等しい。
  国際社会においては、自分の為したことが何であれ、
  その正当性を主張する、説得・宣伝・広報が必要であるが、日本政府には、そんなものはない。

 ・ただ、日本が、あらかじめ奇襲するつもりが満々だった事実は流布されている。

 ・<田母神論文>の「日本は侵略国家であったのか」は、国際社会においては「ヤブヘビ」以外の何ものでもない。
  何故か? リーダーの「約束破り」を吹聴して回っている内容だからだ。

 ・田母神俊雄氏は、次期統幕議長と言われていた人物である。
  統幕議長とは、一昔前なら、参謀総長のことである。
  そんな人物が「約束破り」を是認しているのである。
  世界は唖然とした事だろう。
  道義・倫理に反する行為であるからだ。

 ・<田母神論文>の内容こそは、その内容の稚拙をさっ引いても、核武装論者が最も隠したかった内容なのだ。

   ◇

 私が、小林よしのりの『台湾論』を、その内容に感動しながらも、「台湾の為には危険な内容だ」と思ったのと近い理由だろう。

 その危惧は、現在の台湾の状況(中国からの干渉の増大)で正解だったことが分かる。

                    (続く 2009/03/09)
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[兵頭二十八軍師の講演会に行った(1)]

2009-03-08 21:54:43 | 保守の一考
☆何度か宣伝していたが、昨日、軍学者・兵頭二十八の講演会に行った。

     http://www15.ocn.ne.jp/~gungaku/hyoudou-poster.pdf

 内容の詳細をなるべく記憶してきたが、とりあえず、その触りを箇条書きで報告する。

 私の聞き違いで間違いがあるかも知れないが、責任は私っちゅうことで^^;

 ・会場の神奈川県民センターのホールはほぼ満員。400人近くはいたか。

 ・会場では、兵頭氏が懇意にしている出版社・並木書房の兵頭サイン本が売られていた。
  新刊『予言 日支宗教戦争』も、発売に二日先駆けて販売!
  私は、後述する理由で買わなかった。

 ・司会、テレビのリポーターの木村よしこさん。

 ・先ずは、主催の軍学堂さんの社長さん(?)、望月昭義さんの挨拶。
  兵頭本と出合い、目の覚める思いがしたとのこと。
  今回、参加者が遠方の日本各地から来ていますが、その価値はあるとのこと。
  私は、講演後、この軍学堂さんで、貴重なノモンハン本を買うべく、兵頭新刊の購入を我慢したのだ^^;

 ・続いて、兵頭氏と共著を出す間柄の別宮暖郎氏の挨拶。
  「空のエース」と呼ばれた坂井三郎氏や、ドウガネ(?)氏らには評判の悪かった
  <三八式歩兵銃(有坂銃)>が、どう考えても素晴らしい銃であったという事。
  「アラビアのロレンス」時代にも活躍した名銃だ。
  坂井氏の、有名な「ひねり飛び」なんてのは、戦闘に一切関係ない。
  そういった人物が、「三八は重い」などと言うが、
  同時代のものに比べ、その弾丸ともに、口径の小ささもあって携行し易かった。
  ・・・と言う内容を、ややブツブツと不満気に語った^^;
  私、この方の本、大好きで、数冊持っている。

 ・ちなみに、最近、NHK放送センター(東京都渋谷区)と札幌、長野、福岡の各放送局あてに
  実弾とみられる金属片と「赤報隊」を名乗る郵便物が郵送された事件があったが、
  その実弾は、<三八式歩兵銃>のものであった・・・。

 ・そして、兵頭軍師が登壇した。
  私は、この方をテレビなどを含めても見たことなく、今回はじめて、姿を見たのだが、
  この人ほど、私の思っていたイメージと遜色ない人はいないな^^

  面白いことを言うわけではないが、なんか面白い人なのだ^^

  先ずは、田母神論文の問題点について語り始めた。


   

  ・・・話は「パリ不戦条約」から始まった・・・。

                         (2009/03/08)
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[映画『超劇場版 ケロロ軍曹4』を観た]

2009-03-08 18:48:30 | 物語の感想
☆前作の『超劇場版 ケロロ軍曹3/ケロロVSケロロ 天空大決戦であります』がメチャ面白かったので、

 とても期待して観に行った『超劇場版ケロロ軍曹4/撃侵 ドラゴンウォリアーズであります!』だったが、少なくとも私にはガッカリな出来であった。

 面白くなかった。

 何なんだろう? この劣化は・・・。

 いや、子供には十分な出来だとは思うので、親御さんはどうぞ連れて行って欲しい^^

 『ポケモン』レベルには面白いからさ^^;

   ◇

 ・・・てな訳で、では、私にとって、何で面白くなかったのか考えてみたい。

 それは、登場人物の記号化にある。

 全ての役が、テレビで構築されたイメージを焼きまわしただけなのだ。

 そこには映画ならではの意気込みはない。

 いや、パワー・ダウンしている。

 例えば、アンゴル・モアちゃんは口癖に「てゆーか」があり、その後に、話の脈絡に沿った四字熟語「○○○○!」が発せられる。

 見ている者は、その的確な四字熟語に納得させられ、ニヤリとさせられる。

 だが、今回は、その四字熟語が、全く合っていないのである。

 つまり、作り手は、面白く絶妙の四字熟語を考える労苦を惜しんで、四字熟語さえ出しておけば、モアちゃんの個性は発揮させられると安易にも思っているらしい。

 そのような作り手の表層の上滑り(記号化)が全編を覆っていた。

 夏美はわめき、冬樹はおっとり、

 夏美はわめきつつも強く、そしてたまに弱く、ひたいに冷や汗を垂らすトコなんてとても魅力的で、

 冬樹はオットリとしつつも、ケロロとの友情を守ることには強いから生き生きしているのに、

 その活躍はほとんどなく、サブローや忍者娘の小雪も、映画ならではの一面を見せることはない、どころか、テレビ以下の扱い(ところで、マンガの623・ムツミは何で、テレビや映画ではサブローなの?)。

 ケロロ小隊の面々も同様。

 これは、掛け合いが面白いメンバーたちを、地球上にバラバラにさせたことに起因するし、メンバーを「ドラゴンウォリアー」に変身させてしまった後半は、集合したとて、意思の疎通もままならず、ホント、「ケロロ軍曹」の魅力は胡散霧消し、『ポケモン』のディアルガやパルキアの活躍を見せられているようだった。

 「タママ・インパクト」なんて、ドラゴンになったタママがやっても面白くもなんともない。

 小さな幼児のようなタママが、ブチキレて、口を「ゴパッ!」と開いて発するから面白いのだ。

 ・・・私は、二度、ウトウトしてしまった。

   ◇

 同じサンライズ社製作のアニメとして、「ガンダム」ネタが出てくるが、今回もUFO変形風モビルスーツ<アッシマー>や<ギャン><ザクレロ>などが出てくる。

 ただ、それらが前作のように物語に有機的に絡んでいるとは言い難い。

 特に<ザクレロ>など、物語上なんの加工もなく、そのまま出していて、私は『ケロロ軍曹』の物語のオリジナリティを揺るがすものだと思うのだ。

 前作の「ガンダム」パロがギリギリだと思って欲しい。

 そんな中で、ケロロだけは、一人個性を発揮していた。

 ギャグもケロロ経由のものだけは面白かったし、でも、登場人物が記号化されて集合させられているだけなので、その中で一人生き生きとがんばっているケロロのギャグも大爆笑とはいかない。

 前作で泣かされたから、今回もその傾向を…、とは言わないが、今回、ドラゴンを用いて地球を壊滅の危機に追い込んでしまう少女シオンに、ケロロが友情の大切さを説く箇所は少し良かった。

 いい加減なケロロだから、たまに拙い正論を語ると、妙に心にグッときてしまう。

 でも、正直、私は、『ヤッターマン』を後日に回してまで『ケロロ4』を観たことには凄まじく後悔させられた。

 文字通り「子供騙し」の作品になってしまっていた。

                         (2009/03/08)
コメント (3)
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[映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』を観た]

2009-03-07 23:58:56 | 物語の感想
☆今、映画に限らず、書かなくてはならないことが多過ぎるので、足早に記させて頂く。

 短く記すわけだが、いや、この作品は面白いよ、私は大好きだ。

 シリーズ前作の『チーム・バチスタの栄光』(クリック!)も、私はとても面白かったのだが、ネット映評では評判が悪かったのが不思議でしょうがなかった。

 原作を読んだ人には、何か足りない要素があったのだろう。

 私にとっては、シリーズ2作目なのに、なんとも、もう見続けてきた長大なシリーズの如く、田口(竹内結子)や白鳥(阿部寛)が出てくると、「待ってました!」気分で心に馴染む。

 この二人の個性については、語ることの重複を避けるために書かない。上の前作感想のリンクを読んで頂きたい。

 前作と同じ大学病院が舞台となっているので、この作品はシチュエーション・コメディとしても楽しめよう。

 いや、シチュエーション・ミステリーと言うべきか^^;

 でも、物語の前半は、ホント、田口と白鳥の個性が面白くて物語を引っ張ってくれる。

 そこへ絡んでくるのが第三の奇矯な性格の者・速水緊急医療センター長(堺雅人)だった。

 諦観を秘めた薄笑いと、口にくわえられたチュッパ・チャプス。

 この男が、「ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)」の異名を持つ。

 この「ジェネラル」が、医療メーカーとの癒着を告発され、物語が進んでいく。

 もともと、堺雅人は、かような、心のうちに何かを含んだような演技を得意としてきたが、今回は集大成の如く、いやらしくも格好いい。

 一緒に観た姪っ子(腐女子)は、キャーキャー言って喜んでいた^^;

   ◇

 肝心のミステリーも、フーダニットあり、二重三重のドンデン返しありと、スケールこそ小さいが、丹念に畳み掛けてくれて面白かった。

 白鳥の推理も、無茶苦茶そうでいて、適切なんだよなあ。

 しかし、そのミステリーのスケールの小ささは、その後のスケールの大きな事件で補われる。

 その事件にて、速水の目指した緊急医療体制の充実が必要であることが病院首脳陣に理解される。

 ただ、やや、ここで私はご都合主義を感じてしまった。

 そして、速水に敵対的だった病院内赤字削減・経済的治療優先主義の事務局長の家族が、その災害に巻き込まれて、事務局長が経費がかかり過ぎるからと頓挫させていたドクター緊急ヘリの必要性を痛感させられるのも、二重に都合がよく感じた。

 作品中、一度の偶然は偶然とみなすが、それが二度重なるとあまりにも作為的に感じさせられる。

   ◇

 このクライマックスは、ミステリーのクライマックスにくるべき「謎解き」とは違うのだが、そこまでの解決が鮮やかだったので、逸脱には感じられず、

 そこに、「ジェネラル・ルージュ」の名前の由来や、

 田口による、辞表を提出した速水の引き止めエピソードなどが描かれ、

 ミステリー的なひねりがちゃんとある。

 また、速水の、副センター長(山本太郎)との確執の結果や、速水を信じてつき従っていた看護婦長(羽田美智子)との恋の成就も爽やかな後味を残す。

 速水を疎ましく思っていた沼田教授(高嶋政伸)が、異常ではあるが、殺人までには身を染めないと言う立ち位置の男を演じている。

 前作からの引き続きの出演者が、ちょい役の脇役で出演したりもするし、沼田みたいな男も、次のシリーズに普通に顔を出すのかも知れない。

 その変の妙なリアリティも面白い。

 ただ、今回の殺人者、前回の犯人と同じく、人を殺すことに罪悪感のない性格の者だったので、二作続けての同じ傾向であることに不満を感じた。

                         (2009/03/07)
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[『チェンジリング』と、北鮮による拉致事件]

2009-03-03 22:13:23 | 保守の一考
☆私は、産経新聞を購読しており、その一面のコラム<産経抄>をいつも楽しみに読んでいる。

 まあ、名物記者の石井英夫氏が<産経抄>担当をやめてから、あまり熱心なファンではなくなったが。

   ◇

 私は、書こうか書くまいか迷っていたのだが、映画『チェンジリング』を観て、その傑作映画の感想で、こう書いてみた。

 《・・・悲惨な話であるが、私は、誤解を恐れずに言えば、この作品を横田めぐみちゃんの御両親に見てもらいたい。
  この作品の最後で示されるものは、作品全てを引っくり返すような「生きる希望」だと思うのだ。・・・》

 いや、実話の映画化とは言え、今現在、娘を連れ去られて苦悩している横田夫妻に、この作品を見てみろ、などと言うのは言語道断なのかも知れないと思いつつも、

 当事者でないのでそう考えてしまっているのか、あるいは、同様の状況に陥った映画の主人公クリスティンとの艱難の共有は、一時的にも「癒し」の効果があるのではないか、と思えたのだ。

 それが正しいのかは分からない。

 私も、悩みつつ、上記の如く書いてみていた。

 ・・・すると、3/2の<産経抄>で、こんな風に記されていた。

 《週末に、クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」を見てきた。小欄で取り上げてほしい、との読者からのはがきに背中を押された。1920年代末のロサンゼルスが舞台だ。電話の交換の仕事をしている主人公クリスティンが帰宅すると、9歳の一人息子が消えていた。
 ▼数カ月後、息子が発見されたとの知らせを受けるが、目の前に現れた子供は別人だった。失態を認めたくない警察は、捜査の続行を訴える彼女の口を封じるために、強制的に精神病院に送り込む。息子を取り戻す母親の戦いは、ここから始まる。
 ▼くだんの読者は、北朝鮮工作員による拉致事件と重ね合わせて、「誘拐という犯罪が、どれほど卑劣で、被害者および家族の生活を破壊するかが描かれています」と、書いていた。そして、拉致事件の解決を妨害してきた一部の政治家たちに、映画の感想を聞いてみたい、とも。同感だ。
 ▼映画のほとんどのエピソードは実話だという。公式サイトで、事件を伝える当時のロサンゼルス・タイムズの記事を読むことができる。今は苦境にある米国の新聞も、映画のなかでは元気いっぱいだ。
 ▼大勢の記者やカメラマンが、クリスティンや警察の本部長を取り囲み、メモを取りフラッシュをたいていた。しかし、彼女を支え、事件の謎に迫ったのは新聞ではなかった。日本の新聞も、拉致事件については大きな顔をしていられない。
 ▼昭和55年1月に、小紙の阿部雅美記者(現産経デジタル社長)が、拉致事件を初めて報じた記事は、他紙から完全に無視された。事件が大きく取り上げられるようになったのは、それから20年以上もたってからだ。きのう書いたばかりだが、映画を見ていても、「新聞力」が気にかかる。(2009/03/02)》

 ・・・うん、やはり、この作品を見て、横田めぐみちゃんの悲劇を連想する人は少なくないのだな。

   ◇

 ・・・と、悦に浸っていたら、他ならぬ映画主演のアンジェリーナ・ジョリーが、すでに、拉致被害者にエールを送っていた・・・。

   <アンジェリーナ・ジョリー、「北朝鮮の拉致被害者家族に会いたい」(2009/01/31)>

 《・・・来日してから同作のテーマに絡め、心を痛めたことがある。「日本に来て、北朝鮮による拉致被害者の存在を知った」という。アンジーは01年から国連難民高等弁務官事務所の親善大使を務め、自ら3人の子を養子に引き取るなど、主に親のいない子供を支援する慈善活動家としても知られる。それだけに国家による誘拐行為には何とかしたいと思った様子。実際に「被害者家族の方にもお会いして、もっと知りたい」と強い関心を示していた。・・・》

 <産経抄>では、新聞が力を持っていた時代について書いていた。

 そして、ここでは、大スターが、力強い言葉を語ってくれている。

 しかし、問題が国際政治に発展している今、北鮮に対して力を発揮できるのは、麻生首相だけなんだよね・・・。

 頼んますよ。

 やることを・・・、やるべきことをやったら、国民はついて来る。

                          (2009/03/03)
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[ああ、これがブーメラン現象か!(小沢民主)]

2009-03-03 19:12:49 | 保守の一考
     民主・小沢代表の公設第一秘書を逮捕…東京地検(読売新聞) - goo ニュース

☆本日は仕事が早く終わり、帰宅の車中、ラジオにて、<東京地検特捜部によって小沢代表の第一秘書逮捕>の報を聞き、私は、呟いた。

   「ふう・・・・・・、これで一安心だ^^」

 だって、このままでは、易々と民主党政権が生まれそうだったからなあ^^;

 まだまだ予断は許さないが、民主党には激震が走ったことだろう。

 危ういところだったぜ^^;

 民主党のやばさは、こちらのエントリーを読めば垣間見れると思う。

     [悪い方向への<実現可能性>]

 でも、この民主党には、よく「ブーメラン現象」と言うものが語られることが多かった。

 それは、野党民主党による与党自民党の過誤への攻撃は、必ず、それに倍して民主党に戻ってくるというものだ。

 まあ、今回は、いかにも、時期を見計らっての公開捜査なのだが、

 そもそもが、自民党を石持て追われた者、そして、社会党の左派によって形成された党である、

 大らかなる自民党とは異なった「陰」は、幾らでもあったに違いないのである。

 ・・・さて、麻生首相!

 少し余裕が出来ただろうから、政治に邁進してくれ!!

 ・・・しかし、小沢の資金管理団体は「陸山会」と言うのか・・・。

 田中角栄の「越山会」からネーミングをパクったのかね。

 私は、小沢は嫌いじゃないが、「自民党の一部で力を持っている政治家」としての制限が必要だ。

   ◇

 ちなみに、私は、昨年の末、東京地検の取調べを受けました。

 とあるキチガイカルト組織(新しい歴史教科書をつくる会)が、私と安倍元首相の繋がり(陰謀)を妄想して、訴えたのであった。

 検事さんは、苦笑いしながら、私に事情聴取した。

 結果は、「不起訴」である。

 ・・・当たり前である^^;

 そのことについては、その内、語ることになるでしょう^^v

                         (2009/03/03)
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[映画『オーストラリア』を観た]

2009-03-01 15:53:33 | 物語の感想
☆3時間近い上映時間なので、もし内容が文芸大作っぽかったら、かったるいなあなどと思っていたのだが、ライトでご都合主義的な、粗も多いが、とても楽しめる娯楽大作なのでホッと安心した。

 だからと言って、『紀元前一万年』ほどの凄まじい逸脱はないよ^^;

 オーストラリアに牧場の経営に渡ったまま帰国しない夫を訪ねて、ちょいと過酷な成り行きでオーストラリアの大牧場を管理することになった英国貴婦人の冒険と恋愛と家族の物語だ。

 主人公のサラを、ニコール・キッドマンが「ツンツン」と気位高く演じている。

 対するヒーロー、牛追いのドローヴァーを、男が見ても格好いいヒュー・ジャックマンが演じている。

 私は、『X-Men』でのヒュー・ジャックマンが大好きで、真似してもみあげをワイルドに伸ばしたものである^^

 物語は、お嬢様育ちのサラが、オーストラリアの原野で起こすカルチャーショックの様で飽きさせず、牧場での事件でサラは未亡人に、そして、牛の大群を彼方のダーウィンの町に連れて行くという道行きにテンポ良く進む。

 それらの旅路は、オーストラリアの雄大な自然に彩られ、こちらの興味を引く。

 その牛の大群の大移動を邪魔する奴らがいるのだが、森に火を放ち、牛を崖へと追い立てようとする。

 サラやドローヴァー、アボリジニと白人のハーフ・ナラらは、暴走する大群の前に回り込もうと、グランドキャニオンみたいな崖の際を馬で走る。

 ここで、私は映画のアクションシーンで久々にドキドキさせられた^^

 理屈以上の身体的な「揺れ動き」を体感させられて、私は、この映画、結構いいかも、と思った。

 そして、惹かれあうサラとドローヴァー・・・、そのキスシーンにも、私はドキドキした。

 「ツンツン」していたサラが、物語を通して、段々とあたたかいイメージに変わっていて魅力的だったし、

 オーストラリアの荒野の中で、何もなく、でも、二人で見つめあいキスするのが最高に楽しいと言う雰囲気が伝わってきたからだ。

 このキスシーンは、変わった形の樹木の木陰で行われるのだが、この木、作中で何度となく出てくる。

 大陸を旅するときの野営ポイントなんだろうけど、物語のピリオドとしても機能している。

   ◇

 実は私、かつて、ニュージーランドに一年、ワーキングホリデーに行っていたのだが、その間、そこでフィジーでの旅行を楽しんだ。

 その時、オーストラリアに、同じくワーキングホリデーに来ていた女の子と知り合い、

 オーストラリアにまで訪ねたことがあった。

 その子とは、手をつなぐ程度の関係で終わったが、サラとドローヴァーの恋を見ていたら、その時のドキドキを思い出した。

 オーストラリアに渡る時、機内で、「ワルチング・マチルダ」のメロディが流れていて、それが、オーストラリアに行くドキドキと合わさって記憶されている。

 この作品でも、「ワルチング・マチルダ」のメロディが流れていたよね^^

   ◇

 そして、この作品では、それほど押し付けがましくなく、アボちゃん(アボリジニの愛称)と白人の混血児の問題に切り込んでいるが、その境遇を『オーバー・ザ・レインボウ』と絡めている。

 作中上映として、ジュディー・ガーランドの『オズの魔法使』も上映されていた(『オズの魔法使』を『オズの魔法使い』と記さないのが通^^v)。

 『オズの魔法使』にも、私は、思い出がある。

 昔、荻窪にあった名画座で、この作品や『カサブランカ』を観て、多感な時期だったので色々考えさせられたものなのだ^^;

 『オーストラリア』作中、ツンケンしていたサラが、この歌を歌わされる。

 その気取った歌い方は、聞いているこちらはつまらないが、サラの性格をよく表わしていて、とてもリアルでよかったと思う。

   ◇

 問題点は多々ある。

 ライバルのカーニーの牧場との牛の売り込み競争があったが、貨物船をゴールに見立てた競争は、面白くはあったが、物語を盛り上げるための強引な設定ではあった。

 また、物語の1エピソードごとに、登場人物を死なせ過ぎ。

 理に適わない登場人物の死は、物語を引き締める効果など全くない。

 生きていたほうが、絆の深まりが感じられたはずだ。

 日本軍の描き方にまで文句を言うつもりはないが、「伝道の島」にまで日本軍人を徘徊させて、ドォーヴァーが物語の最初から活躍していたアボリジニ青年を犠牲にして脱出すると言うサスペンス展開にまでする必要はなかろう。

 何よりも問題は、牛追いでオーストラリアの奥地にいたはずのドローヴァーが、日本軍の空襲を受けたダーウィンに、翌日には駆けつけていることだ。

 これまでしつこく描いていたオーストラリア大陸走破の物語をないがしろにするお手軽さであった。

 私はどうも、距離感を無視した物語にイライラする性格なのである。

 空襲で燃えるダーウィンの町へ、いつの間にやらたどり着き、高みから心配そうに眺めるドローヴァーたちの姿に、「早いな、おい!」と、私はコケた^^;

                         (2009/03/01)
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