『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『20世紀少年<最終章> ぼくらの旗』を観た]

2009-08-31 08:44:45 | 物語の感想
☆・・・(注意・このエントリー、まだ書き途中です^^;
        でも、続きを書くことがすぐには出来ないので、中途半端で投稿しておく!)

   ◇

 昨日曜は休日出勤だったのだが、それでも日曜を楽しもうと、退勤後に、レイトショーで『20世紀少年<最終章>』を観た。

 一旦、帰宅後、テレビを見ると、「自民党大敗」の報・・・。

 私は、「現実逃避」の意味もあり、映画館へ。

 でも、<ワーナーマイカル日の出>のある<イオンモール>の中の1000円床屋で頭を丸めることも忘れない。

 民主党政権の誕生は、今後の日本にとって、首都に核攻撃を受けたが如き超長期的ダメージである。

 そして、映画館では、民主党政権下の日本がデフォルメして描かれていた・・・。

   ◇

 (過去ログ)

     [映画『20世紀少年』を観た](クリック!)

     [映画『20世紀少年<第2章> 最後の希望 』を観た](クリック!)

   ◇

 3時間近い長尺だが、私は前作で「つまらなさ」の極地を感じていたので、今回はハードルを低くして見ていたこともあり、非常に楽しんだ^^

 もちろん、『20世紀少年』シリーズと言う映画は、分かる人にしか分からない、…つまり、日本人にのみ(しかも原作のファンの)理解が許されるカルト作品だとは確実に思っている。

 また、原作者の浦沢直樹作品特有の「思わせぶり」展開は、かつてのD・リンチの『ツインピークス』などの諸作品と同列のものとの認識を持ってもいた。

 一作目・二作目もそれなりに物語的な収束を見せようとしていたが、その収斂の仕方が、どうしてもあさっての方を向いている印象だった。

 作品の生成自体に癖があるのに、それに更に「一癖」も「二癖」も上乗せする作り手の姿勢が理解できなかった。

 だが、そんな「特殊事情」を知った上で見ると、出演陣は豪華だし、カンナや響子の凛々しさや可愛さをそれ単体で楽しめるし、制作費もそれなりに掛かっているので、安易なちゃちさはなく、「カルト」を「カルト」として楽しませて貰った。

 それに、「エンディングのエンディング」で明らかにされる過去の真相では、それまで、役者の熱演にもかかわらず希薄だった情感が、三部作を通してずっと、私たちの興味が「ともだち」に向けられていたが故に、非常に高められるのだった。

 ・・・その少年の「美少年」具合も良かったのだと思う^^;

   ◇

 それから、この作品で、福田麻由子を初めて可愛いと思えました^^v

                             (感想未完 2009/08/31)
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[近況報告・15「うなぎ文と<極太サイズ>」]

2009-08-28 23:51:51 | 新・まあまあ楽しい話

☆仕事が忙しい。

 今、帰宅して、明日は五時起きだ^^;

 短信でスマソ!

 とりあえず、私の職場のカップジュースの自動販売機のディスプレイの「極太サイズ」で笑ってくれ!^^;


   ◇

 大野晋の『日本語の文法を考える』に書かれていたんだっけなあ。

 眠たいので、ソースを明確にするのが面倒くさいので、そのまま記す。

 例えば、食堂に行き、「君は何を頼む?」と聞かれ、「俺、うなぎ!」と答える。

 すると、「お前はうなぎなのかッ!?」と言う誤解を受け流し、

「お前はうな丼が食べたいのだな」と、相手に認識させ得るのが、日本語の文法を逸脱せし特色だ、と書かれていたと思う。

 それを「うなぎ文」と、その本では特筆していたと思う。

   ◇

 ・・・で、上記の写真の話・・・。

「お前、カップジュースの大きさ、どれがいい?」と聞かれたとする。

「俺、極太サイズ!!」

 と、答えたとする。

 すると、ほとんどの相手は、

     「お前のチンポは<極太サイズ>なのかいッ!?」

 と、ツッコミを入れることだろう^^;

                                      (2009/08/28)

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[【速報!】 扶桑社歴史教科書・西日本発の公立における新規採択]

2009-08-27 21:30:53 | 保守の一考
☆今朝は、朝5時、車の中で、松浦光修先生の講演CD『維新の源流 楠木正成と日本人のこころ』を拝聴しながら、通勤した。

 以前から所有していたが、聞く機会がなかったのだ。

 昨日、ふと、「ああ、通勤時の車で聞こう」と思い立ったのだ。

 素晴らしい内容で、帰宅時に聞いていた講演後半では、ホロリときた。

 その内容については、近日、報告したい。

 ・・・そして、これは、シンクロニシティ(共時性)であった。

   ◇

 松浦先生は「神道学」の博士でもあり、また、『いいかげんにしろ日教組―われ「亡国教育」と、かく闘えり (PHP研究所、平成15年(2003年)) 』と言う、タイトルで内容も分かる著書でも名を馳せている。

 扶桑社(育鵬社)の歴史教科書を擁する日本教育再生機構の「懐刀」の一人でもある。

   ◇

 講演CDの余韻に浸りながら、帰宅する。

 ネットサーフィンしていると、かような記事が!!

   ◇

   《愛媛・今治で扶桑社教科書 県教委も継続採択 (2009.8.27 18:23)》

 < 愛媛県今治市教委と上島町教委は27日、公立中学校で来春から2年間使用する歴史と公民の教科書として、新たに扶桑社の教科書を採択した。西日本の市町村立中で扶桑社版が採択されたのは初めて。
 また、同県教委もこの日、県立中高一貫校3校と特別支援学校3校の歴史教科書として扶桑社版を引き続き採択。井関和彦委員長は「(扶桑社版は)物語的で読みやすく、国を愛する心を育て、新学習指導要領に合致する」と評価した。>

   ◇

 ああ、やっぱそうであったか!

 私は、先日のエントリー(クリック!)で、かように記している。

 《・・・(青葉台ブログの内容を受けて)ところで、27日(について)の意味深な一言はなんなのだろう?
       瀬戸内海で何か一悶着あるのだろうか?
       ・・・もしかして、あちらでの扶桑社教科書の採択が予想されていたりして!
                                そしたら、お祭りだ!!^^   》

 そしたら、その予想は当たっていた。

 ・・・しかし、私は不満だ。

 第一に、私は、この瀬戸内の採択を「岡山」だと大予想していた。

 もし、岡山だったら、私は今、岡山紀行を連載しているし、「共時性の神」光臨! だったのに!!^^;

 それから、第二として、愛媛県は、和歌山県と並んで日教組の組織率が「ゼロ」の県なのである。

 真っ当な思考での教科書採択ならば、もうちょい早い時期に採用されていてもおかしくない筈だ。

   ◇

 ともあれ、今期の教科書採択戦は、

 継続の漏れはなく、その拡張として多くの新規採択も為され、そして、本日、完全なる新規採用を得ることが出来た。

 私は、まことに嬉しい^^

 しかし、同時に、私は「イケイケ」でもある^^;

 さあ、更なる新規採択、行っちゃいましょうよ!!!

   『YOU、採択しちゃいなよ^^;』

                                     (2009/08/27)
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[【速報】藤岡信勝・西尾幹二、二日連続<全面敗訴>]

2009-08-26 23:26:40 | 保守の一考
☆・・・上の写真は、藤岡信勝が八木秀次氏に送りつけた呪怨FAXである。

 最後の「ふざけるな!」の手書きに、保守界は震撼するのだった・・・。

   ◇

 昨日のエントリー[【速報】藤岡信勝・西尾幹二<全面敗訴>]の裏付け報道です。

   《新しい歴史教科書 出版差し止め訴訟 つくる会側が敗訴 (8月26日7時56分配信 産経新聞)》
 <「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝会長らが、扶桑社の「新しい歴史教科書」について平成22年度以降の出版差し止めを求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。阿部正幸裁判長は藤岡会長らの訴えを退けた。
 同会は21年度で出版契約を打ち切ると同社に通知。藤岡会長らが約7割の著作権を持つとして、藤岡会長らの執筆部分を削除しない限り出版を認めないと主張していた。阿部裁判長は執筆部分について藤岡会長らの著作権を認めたが、「出版契約の解約が合意されたことを認める証拠はない」と指摘した。扶桑社は「妥当な判決」としている。>

   ◇

 で、昨日に引き続いて、本日も、藤岡信勝原告による、八木秀次被告への「名誉毀損」訴訟控訴審ですが、当然ながら、藤岡全面敗訴でした^^;

   平成20年(ネ)5818号 東京高裁820法廷

     主文
      1 原告らの請求をいずれも棄却する。
      2 訴訟費用は原告らの負担とする。

 ・・・この裁判は、八木先生も、きっと、思い出すだにバカバカしく、語るに面倒臭いだろうから、私もこれ以上は書かない。

   ◇

 昨日のエントリーに、トラックバックが「少年日本史」ブログより入り、大阪の私立中での扶桑社歴史教科書の採択が決まったことを知った。

 何はともあれ、めでたい!

 でも、私は、私立では、もっともっと採用されてもおかしくないと考えている。

   《大阪・浪速中が扶桑社版歴史教科書を採択(2009.8.25 18:28 産経)》

 ・・・では、明日は早いので寝ます^^

                                     (2009/08/26)
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[映画『宇宙(そら)へ。』を観た]

2009-08-26 00:34:22 | 物語の感想
☆この作品、公開初日と二日目は500円と言う特別料金で鑑賞できたそうで、故に、私は通常料金を払うのが癪なので、せめてレイトショーで観た。

 <ワーナーマイカル・村山>には、お客さんが、私を含めて3人しかいなかった^^;

 映画『アース』のBBCスタッフが放つ次なるテーマ「宇宙」のドキュメントらしいが、

 『ミーアキャット』も、「『アース』のBBCスタッフが放つ次なるテーマ」がふれこみだったと思う^^;

 で、NASAの50周年を記念して作られたらしいが、何故、イギリスの国営放送が、なのであろう。

 まあ、いいや^^

   ◇

 非常に面白かった。

 最終的には、映像の特殊なものは全て、NASAの秘蔵映像なので、BBCのお手柄ではないのだが(演出はあろうが)、その映像の数々が素晴らしかった。

 原題の『ロケットメン』が示すとおり、宇宙へ発射されるロケットの数々が出てくる。

 発射のカウントダウンは、子供の頃の定番ドキドキポイントであるし、

 また、ロケットが噴射されてからのノズルに見える、電気がビリビリと波打つような衝撃波は見応えがある。

 そして、不謹慎だが、発射失敗の大爆発は大スペクタクル映像で目を瞠らされる。

 宇宙からの、地球の俯瞰を含めた映像も、どうあってもCG映像などでは感じられない、「ドキュメント」としての深みのある色彩に満ちていた。

 また、NASA管制官の映像も、物語的な派手さはないが、現実であるが故のリアルな臨場感に満ちていた。

 妙に手作り感覚に溢れた宇宙飛行士の訓練風景も面白かった。

 惜しむらくは、NASAに的を絞った作品であるが故に、ソ連との宇宙開発競争の追いつ追われつが全く伝わってこないのは痛かった。

 ナレーションでだけでも良かったので、それに触れてくれていたら、多角的に興味が増しただろうに。

   ◇

 おそらく、昨今の日本のアニメ作家たちは、この、アメリカの60年代の宇宙開発の姿をメディアで見てきて、強く印象付けられた事だろう。

 宇宙世紀を描いた「ガンダム」富野はもとより、

 「未来少年コナン」での超磁力兵器使用における宇宙からの視点を描いた宮崎駿もそうだし、

 『エヴァ』での使徒ラミエルを、発射前夜のサーチライトで照らされたアポロ11号の俯瞰映像と同じ構図で描いた庵野もそうだ。

 ダイナミックな時代には、ダイナミックな作家が生まれるのだろう。

   ◇

 作中、ケネディ大統領による宇宙開発の意気込みの宣言がシンボリックに語られるが、

 私は、チャレンジャー号が空中爆発した時の、その後のレーガン大統領の真摯な言葉が記憶に残った。

 チャレンジャー号には、日系人の宇宙飛行士も登場していたんだよね。

                                     (2009/08/26)
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[【速報】藤岡信勝・西尾幹二<全面敗訴>]

2009-08-25 16:17:46 | 保守の一考
☆まあ、分かりきった判決だ・・・。

 ちなみに、上の写真は「おまけ」で、日本近現代史を紐解いている歴史学の大家・伊藤隆先生の、藤岡信勝非難の「つくる会」辞表の写しである。

 伊藤隆先生からも見放された「つくる会」と言う認識を、皆に持って頂きたいと・・・。

 そして、今日と、おそらく明日も、二日続く判決で、「つくる会」は法律からも見放されよう・・・^^;

   ◇

 ・・・藤岡信勝、西尾幹二氏らが扶桑社に教科書発行差し止めを求めた訴訟で、東京地裁は本日、藤岡・西尾側全面敗訴の判決を言い渡しました。


 平成20年(ワ)第16289号 書籍出版等差止請求事件

   主文
     1 原告らの請求をいずれも棄却する。
     2 訴訟費用は原告らの負担とする。

   ◇

 西尾幹二は、何故か保守派に寄生しているが、その思考回路は完全なる「左翼」であり、

 藤岡信勝は、公安資料によると、つい最近まで、「日本共産党員暦」が抹消されていないことが、その「経歴」として残っている。

 藤岡をはじめ、扶桑社から三行半を出された「新しい歴史教科書をつくる会」は、そこで幅を利かせている人物のほとんどが、元共産主義者の経歴を持っている。

 「極左」では生活できなかったから、保守サイドに鞍替えしたが、そこでも皆に愛想をつかされた訳だ。

 こうして、意味のない裁判を四方八方に起こし、会の延命を図っているのさえも、まさに左翼のやり方だ。

 ・・・保守派が、統一教会の顧問弁護士を雇ってまで裁判をするかよ・・・^^;

                         ・・・合掌。

                                      (2009/08/25)
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[今週前半のトピックス(保守系)]

2009-08-24 03:29:15 | 保守の一考
☆プロジェクトJさんの《「つくる会」と絶縁した産経新聞を支持しますゎ》ブログによると、今週前半には、「保守の皮を被る左翼」の<化けの皮>がはがれる予定だそうだ。

  《24日(月) 「日本の教育が危ない!」緊急国民集会←クリック(大盛況でしょう)
   25日(火) 藤岡信勝、西尾幹二氏らが扶桑社を訴えた訴訟の判決(原告敗訴でしょう)
   26日(水) 藤岡信勝氏が八木秀次氏を訴えた訴訟の控訴審判決(原告敗訴でしょう)
   27日(木) 瀬戸内海は快晴か                               ・・・》

   ◇

 24日の集会は、日本教育再生機構が主催のものだ。

 私は、仕事が忙しくて、残念ながらいけません。

 25・26日の判決は、「つくる会」側の、日本教育再生機構サイドへの「言いがかり」訴訟である。

 「つくる会」の弁護士は、とあるカルト宗教の顧問弁護士の福本修也だ。

 こいつが、私のブログやホームページをことごとく消し去った。

 この裁判結果によって、それらのブログやホームページ復活の根拠になるだろう。

 私は、犯罪の糾弾を行い、事実の提供を行なっていただけだからだ。

 ところで、27日の意味深な一言はなんなのだろう?

 瀬戸内海で何か一悶着あるのだろうか?

 ・・・もしかして、あちらでの扶桑社教科書の採択が予想されていたりして!

 そしたら、お祭りだ!!^^

   ◇

 ところで、日本教育再生機構と連携する日本安全保障倫理啓発機構が兵頭軍師の講演を開催するので、こちらも、チェックしておいて下さい!

 ◇◆◇◆平成21年8月29日【東京】兵頭二十八氏講演会開催◆◇◆◇

 兵頭二十八氏講演会 「日本安全保障倫理啓発機構設立に向けて」

 【日時】平成21年8月29日(土)開会14:30・16:30終了予定(受付開始14:00)
 【場所】文京シビックホール2階 小ホール
     http://www.b-academy.jp/b-civichall/access/access.html
            (東京都文京区春日1-16-21 電話03-5803-1100)
 (東京メトロ丸ノ内線 後楽園駅下車4bまたは5番出口より徒歩3分)
 (東京メトロ南北線 後楽園駅下車5番出口より徒歩3分)
 (都営地下鉄三田線 春日駅・大江戸線 春日駅(文京シビックセンター前)下車
                 文京シビックセンター連絡通路より徒歩3分)
 (JR中央・総武線 水道橋駅下車徒歩10分)
 【定員】先着300名(要事前申込)
 【参加費】2000円
 【主催】日本安全保障倫理啓発機構 設立準備室 
         TEL 03-3557-1650  FAX 03-3557-1651
         Eメール inquiry@jseeo.com

   詳細は、こちらへ
   日本安全保障倫理啓発機構 設立準備室 http://www.jseeo.com/

   ◇

 では、本日は仕事が遅番なので、もうちょい寝ます^^

                                     (2009/08/24)
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[映画『96時間』を観た^^v]

2009-08-23 01:13:56 | 物語の感想
☆ 「最高ですかー!」

  「最高でーす!」

 いやはや、面白かった^^

   ◇

 私、今朝は5時起きで仕事に出かけ、汗を流し、帰宅し、<ワーナーマイカル・日の出>の午後9時50分からのレイトショーを見たのですが、

 当初は、やや眠く、でも、先日見た『トランスポーター3』と同じくリュック・ベッソン印なので、すぐに夢中になれるだろうと挑んだわけだが、

 予想を遥かに上回り、もう、ずっとドキドキしっぱなしだった。

 主人公のブライアン(リーアム・ニーソン)は、過去に「工作員(ダークマン)」だった過去があるが、今は離婚し、妻に引き取られた娘の成長を想う日々、

 その誕生日にプレゼントを持っていくも、金持ちと結婚した元妻の再婚相手のプレゼントの前にあっては及ばない、と言った、うだつの上がらない日々。

 17歳となった娘が、友人とフランス旅行に行くと聞いても、心配で心配でしょうがない、それは病的なほどだ。

 この、「お父さんは心配性(岡田あーみん)」的な展開が思ったより長く、随分と丁寧な語り口だな、ベッソン印でも『トランスポーター3』とはちょいと違うのだな感じた。

 状況設定を丹念に語ってくれたので、その後の展開に深みが加わるのである。

   ◇

 その娘・キムと友人が、パリについて早々、アパートメントに着いた直後、人身売買組織に誘拐される。

 吹き抜けの対面が見通せるフロアーで、先ずは友人が拉致される。

 それを見ていたキム、次は自分の番だと思う。

 ちょうど到着報告の電話をしていた父親から助言を受けつつ、寝室のベッドの下に隠れる。

 キムは、これでやり過ごせると思う。

 しかし、ブライアンは言うのだ。

 この時点で、ブライアンの表情は、キリリと、かつての、戦いと情報の嵐の中で戦っていた男の顔に変貌している。

「電話をそのまま床に置くんだ。・・・お前は捕まるだろう。捕まるまでに、10秒ほどは、相手を見るチャンスがある。恐いかもしれないが、出来るだけ相手の情報をこっちに伝えるんだ!」

 もう、この、有事に際しての超客観的で冷徹なセリフに、私は身体中にビシバシと緊張が走り、眠気なんて吹っ飛び、それから最後まで夢中になった。

   ◇

 そして限られた情報から、昔の仲間の音声解析テクニックや、元妻の金持ち旦那の自家用ジェット、工作員時代の情報推理能力を駆使し、人身売買組織を追い詰めていく。

 もちろん、ブライアンの体術は、無敵に強い。

 妙に動きが合理的で、見ている私に「いかにも工作員としての訓練を受けたのだな」と納得させてくれる。

 これが、セガールみたいな、強くて当たり前の巨体だったら、こちらの興味も半減してしまうのだろうが、やや線の細い「シンドラー」なリーアム・ニーソンが、娘のためにとガンガン飛ばしてくれるので、

  「最高ですかー!」

  「最高でーす!」

 なのである。

 もちろん、瞳を閉じ、考えを巡らせ、瞬時に行動を決めるインテリジェンスも兼ね備えているのだから、たまらない。

   ◇

 とにかく、ブライアンは、殺す、殺しまくる。

 娘をかどわかすような犯罪集団などは、躊躇なく殺しまくる。

 それでいいのである。

 犯罪に加担している奴は、その何も知らない奥さんの腕さえも銃で貫通させる。

  「最高ですかー!」

  「最高でーす!」

   ◇

 しかし、最初の電話で、ブライアンの「俺には特殊能力がある。必ず、お前を追い詰める」の言葉に対し、「グッドラック」と言い放った、いかにも最後の敵みたいなアルバニア人身売買組織の人物は、中盤で抹殺される。

 でも、娘は発見できない。

 すぐに、次なる因縁の敵が現われる。

 ブライアンの戦いは、娘を助け出すまで続く。

 その…、次、その次、更に次、また次…、と続く展開は、少年ジャンプのバトルマンガのような小気味良さだ。

 そこに、ストレスは起きない。

 非常にテンポが良く、それぞれの敵が、属性的にもアクション的にもバラエティ豊かであるからだ。

   ◇

 いやはや、ドキドキ感を堪能させてもらいました^^

 でも、これじゃあ、娘っ子は、誰もパリに行きたくなくなっちゃうぞ^^;

 途中で、シャブ漬けにされた娘たちの置屋みたいな場所が出てくるが、パリにはあんなんがあるのでしょうか?

 世も末ですゾ^^;

 日本も、民主党の進める「移民」政策を行なったら、中国や半島からの流入思考回路で、もっと「えげつない」状況が起こるでしょう。

   ◇

 クライマックス。

 アラブの富豪に処女権を競り落とされたキムが、セーヌ川を流れる豪華クルーザーの中で抱かれそうになる直前に、ブライアンはキムの眼前に到着する。

 しかし、エロ狸のような富豪がキムに銃口を向けていた。

 そして、ブライアンに「交渉しよう…」と言い掛ける・・・。

 が、その瞬間をついて、ブライアンは、その脳天に発砲!

 くされ外道にゃ、問答無用!!!

  「最高ですかー!」

  「最高でーす!」

                                    (2009/08/23)
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[『中国からの圧力』(再掲2005)]

2009-08-20 20:29:00 | 保守の一考
☆今回再掲する文章は、私が、西尾幹二の「バカ弟子」を名乗っていた頃に、西尾ブログの依頼で書いた文章である。

 ・・・その後、私は、西尾幹二や藤岡信勝の「人格反映体」である「新しい歴史教科書をつくる会」と完全なる決別を果たす。

 他の評論家やブロガーとは異なり、私の戦いは、常に、「その人格から紡がれる行いの卑劣を糾弾する」と言うものである。

 その「洞察」こそが、私を言論界無二の存在にさせている。

 しっかりした情報さえ得れば、私は、卑劣な人物に対しては「無敵」である。

 その後、「つくる会」は、私を、<偽計による業務妨害罪>で、八木秀次先生や宮崎正治氏(元つくる会事務局長)、渡辺浩記者(産経新聞)らとともに、東京地方検察庁に刑事告訴した。

 なんと、安倍元首相の肝いりで、私らが「つくる会」潰しに動いたのだそうだ^^;

 私は、その報を聞いた時、当時の彼女のアパートで大喜びした^^

 何たる光栄か!

 その夜は、酒も女体も美味かった^^v

 ・・・まあ、当然、その後、そんな妄想起訴は「不起訴」となった^^;

 では、かつての再掲です^^

   ◇

   『中国からの圧力』(2005/07/01)

中村与志也(蘭注:私の本名^^;)

 『男、三十代、東京在住・・・。お嫁さん募集中・・・。
 田中真紀子のように、よく通る、ある意味「うるさい」文章表現能力を持つ・・・^^;
 だが、その思想は、田中真紀子の「浅はかなアカ主義」と全く反対のベクトルである!
 現在の、保守的に攻しつつも、共産主義の亜種・左翼に侵され続ける日本の現状に歯軋りし続けている。
 そのおかげで、奥歯がボロボロだ。
 一人になっても、戦い続ける所存だ。
 自サイトでは、プライベートなことも書いてるのだが、書けば書くほど、謎が深まる「ミステリーボーイ」である。
 それは、饒舌でありつつも、けして言わないことがあるからだろう・・・。
 それは、「非合法」な問題などではなく、「愛」と言う<業>の問題か・・・。』

   中国からの圧力

『俺を好きにならなかったら殺す』という、究極の社会通念破壊発言で名をはせた、少女監禁魔・露天商手伝いの鄭隆之・・・。

 凄まじきは、暴力をもってして、好意を持った相手の心を支配しようとする精神性だ。・・・この男、在日だそうだ。

 が、その犯罪の性質に、在日朝鮮人としての民族的特質を見るよりも、私は、同じく特定アジアの、昨今の中国人民の、政府主導による反日活動を重ねて見てしまう。

 中国が日本に突きつけているものは何か?

 狂人国家の北朝鮮はさておき、韓国は曲がりなりにも、それが事実認定において間違っていようとも、信念に沿った日本への強硬な態度を示しているようだ。

 だが、中国は違った。

 鷹揚な大国と思われた中国が、崖っぷちの、なりふり構わぬ、内実スポンジ的国家と言うことが、日本の大衆レベルでも分かってきた。

 その「反日」には、日本と衝突に値する具体的事例などは、もはやない。

 靖国参拝問題も、歴史認識問題も、領土問題も、東シナ海ガス田開発問題も、そして、常任理事国入り問題さえも、私には関係ないと思えるのだ。

 いや、ある意味、その全てをひっくるめて、中国は、「日本の精神を屈服させる」ために、一連の「反日」行動に出ているのだと考えられる。

 そう、上記の在日犯罪者が、女の子にとって最も大切な恋愛感情を暴力で支配しようとしたように、だ。

 日本の精神を服従させた時、日本の全てが手に入るって寸法だ。

 中国は、韓国の扱い方などは慣れていよう。「<属国>としての兄貴格」を与えればいいのだから・・・。それで、韓国は満足するだろう。・・・その程度の国体だ。

 しかし、大陸の歴代王朝は、その半島の先の島国・日本の扱いに通算二千年以上も悩まされてきている。

 「日本への<洗脳>は、何故、完遂できないのだろうか・・・」 中国の首脳は思い続けてきたことだろう。

 中国共産党自体も、ここにきて、我が儘にも堪忍袋の緒が切れ始めたのだ。具体的事例一つ一つづつ解決していくのに疲れたのだろう、十把一絡げの解決法としての「暴動」を扇動したのだな。

 あまりにも無法で、国際常識を蔑ろにした中国の対日外交だ。無理を通せば道理が引っ込むと言ったゴリ押しのダメ押しだ。←こうして、言葉にしてしまうことで、文字に表現出来ない、馬鹿げた中国共産党政府の、あまりにもの稚拙さ・杜撰さを伝えられなくて口惜しい。

 ・・・しかし、別に世界各国が何と言おうと関係ないのだろう。中国13億人・・・、それこそが「世界」になってしまうような大きな人口なのだから・・・。

 中国は、実質は他国を属国、建前上は東アジア共同体の宗主国を目指すのだろうが、日本の左翼どもが参考にしているEU共同体は、その共通憲法の制定に際し、さっそく御フランスが国民投票にて否決したぞ! ほころび始めたぞ、案の定^^;

                                   (2005/07/01)

   ◇

 ところで、以前、フランスのシンクタンクが、数世紀先に、「日本は中国に吸収されて存在しない」との見解を発表したとの話を聞いたことがある。

 次の選挙での民主党政権の誕生を思うと、私は、「中華人民共和国日本省」に一足飛びで近づいている恐怖を感じる。

 いや、中国共産党は、「日本省」なんてネーミングは許さないだろうが・・・^^;

                                    (2009/08/20)
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[【オールスターのお願い】 自民党に政権維持を! 【総力戦の集会告知】]

2009-08-19 22:19:35 | 保守の一考
☆ここのところ、色んなメディアで、次の衆議院選挙の結果の予想をやっている。

 ・・・自民党にとっては、惨憺たる予測結果が出ている。

 私は、不誠実な者どもに対しては「ネット界のクラッシャー」を自認している。

 今まで、多くの戦いを経てきて、最終的には勝利している。

 しかし、相手が国政レベルになると、私一人ではどうにもならない。

 そして、多くの方の力をもってしても、次の選挙は、日本国にとって危うい。

 私には、「起死回生の一発」が思いつかない・・・。

 政治などに興味がない、選挙などには率先しては行かない妹夫婦がいる。

 私は、「次の選挙だけは自民党に・・・」とお願いしてみた。

 保守派は、とりあえず、肉親や親類に、そう薦めて見たほうがいい。

 母親は共産党に入れるだろう。

 それでいい!

 だが、民主党だけはヤバイ!

   ◇

 日本教育再生機構も各種団体と連携し、選挙前に、日本国を憂い、やれるだけのことはやるようだ。

   #   #   #   #   #   #   #

   ◇◆◇◆「日本の教育が危ない!」緊急国民集会◆◇◆◇
      ―あなたは日教組教育を選びますか?―

 8月24日(月)午後6時30分より緊急開催決定!

 主催:「日本の教育が危ない!」緊急国民集会実行委員会
                  (実行委員長:小田村四郎)

 新しい教育基本法に反対し、国旗・国歌を否定し、ジェンダーフリー教育を
推進し、「子どもの権利条例」を奨励し、マルクス=レーニン主義を未だに掲
げ続けているイデオロギー集団の日教組。しかし、今回の総選挙の結果次第で
は、日教組のこうした偏向教育が現実の教育政策となってしまいます!?

 それにもかかわらず、テレビ・マスコミをはじめ総選挙の争点として教育問
題や日教組問題を殆ど取り上げようとしません。

 今こそ良識ある国民の声を結集して、日教組教育反対・偏向教育の阻止をマ
スコミ・世論に向けて広くアピールする必要があると考えます。 

 皆様の多数のご参加とご協力を何とぞ宜しくお願い申し上げます。

   【登壇者】
 渡部昇一氏(上智大学名誉教授)
 石井昌浩氏(元国立市教育長)
 伊藤哲夫氏(日本政策研究センター代表)
 小川義男氏(狭山ヶ丘高校校長)
 小田村四郎氏(元拓殖大学総長)
 小林正氏(元参議院議員)
 高橋史朗氏(明星大学教授)
 松浦光修氏(皇學館大学教授)
 水島総氏(日本文化チャンネル桜代表)
 八木秀次氏(高崎経済大学教授)
 渡辺綾子氏(元全国高等学校PTA連合会会長) ほか

 日時:8月24日(月)  午後6時30分開会(6時開場)

 会場:アルカデイア市ヶ谷 富士の間
     http://www.arcadia-jp.org/access.htm
     東京都千代田区九段北4-2-25
 ※地下鉄有楽町線・南北線・都営新宿線「市ヶ谷」駅A1-1出口から徒歩2分
     JR中央・総武線「市ヶ谷」駅から徒歩2分
 □参加無料(先着500名)
 □主催:「日本の教育が危ない!」緊急国民集会実行委員会(委員長:小田村四郎)
 □お問い合わせ 電話: 03-3831-7638 
     (事前の申し込みは行っておりません。お早めにお越し下さい。)

 ------------------------------------------------------------------

   #   #   #   #   #   #   #

 正直、上記の集会の登壇者のメンバーは「保守派オールスター」キャストである。

 信じられないような面子である。

 総力戦、なのである。

 楽観的な私でも、次の選挙には諦観がよぎる。

 しかし、男たるもの、最期の最後まで戦わなくてはならん!!

 以下も、その一環だ!!!

   ◇

 《九州地区大会2009in福岡
  「徳育のスゝメ 教育再生タウンミーティング」がいよいよ開催(8月29日)!》

 社団法人日本青年会議所 九州地区協議会主催

 「九州地区大会2009in福岡」 橋下知事・八木理事長が登壇!

  【行事名】
 九州地区大会2009in福岡
 徳育のスゝメ 教育再生タウンミーティング
   〜心豊かな未来を創る能動者たちへ Episode1〜
  【登壇者】
 橋下徹・大阪府知事
 八木秀次・一般財団法人日本教育再生機構理事長
  【日時】
 8月29日(土)午前10時〜12時半
  【会場】
 福岡国際会議場メインホール(3000名)
  【参加費】
 無料(事前予約必要)
  【内容】
   講演1 徳育の教科書つくり 八木秀次理事長
   講演2 こどもが笑顔になる徳育を目指して 橋下徹知事
   タウンミーティング 徳育の教科書つくりと教育再生 八木秀次氏・橋下徹氏
   地元代表発表者 福岡市教育委員会理事 菊池裕次氏
             (株)寺子屋モデル代表世話役社長 山口秀範氏 など
  【主催】大阪教育維新を市町村からはじめる会
      (社)日本青年会議所九州地区協議会
      (社)福岡青年会議所 
  【共催】一般財団法人日本教育再生機構
      道徳教育をすすめる有識者の会
      (財)モラロジー研究所
      九州経済同友会
      福岡商工会議所
  【後援】福岡教育連盟
      福岡県教育委員会
      福岡県PTA協議会
      (株)寺子屋モデル

 お申込み及び詳細は http://www.fukuoka-jc.or.jp/kyuchiku/

   #   #   #   #   #   #   #

 こちらは、今をときめく、橋下知事を招聘している。

   ◇

 私はこれでも、青臭い「正義」を信奉している男だ。

 民主党が政権を取ったら、「したり顔の異常が蔓延る世の中」になってしまう・・・。

                                   (2009/08/19)
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[映画『ホッタラケの島:遥と魔法の鏡』を観た]

2009-08-18 23:47:36 | 物語の感想
☆試写会が当たった方から誘われて行ってきました。

 このようなCGバリバリの日本製アニメは初めてなので、ちょいと、その出来に心配しながら、会場となる、新宿の安田生命ホールへ。

 主人公ハルカは、私好みの「トキメキ短髪元気美少女、負けず嫌いの少年系」っぽくて、その点で楽しみ^^

 でも、日本製のCG美少女って、このタイプ多いよね(例:「伊達杏子 DK-96」)。

 また、そのハルカを、綾瀬はるかが声をあてているのも、私を惹きつけるってものだ^^

 さて!

   ◇

 最初に、「フジテレビ開局50周年記念作品」という、月桂の葉をモチーフにしたようなロゴが出てきたので、

 私は思わず「アマルフィ…」と呟いたら、回りにいた人たちが思わず爆笑してしまった^^;

 もちろん、つい言ってしまったギャグだが、いい意味でも、悪い意味でも、この作品の手触りは『アマルフィ』的な、テレビドラマ的な大味具合だった。

 ゲームが好きな方ならば、『ファイナルファンタジーⅦ』的な、グランドデザインに欠けた作品と言えば、分かってもらえよう。

   ◇

 物語は、幼い頃に母親を失った女子高生ハルカが、母の形見の手鏡を求めて、失くし物を捜してくれると言う稲荷神社にお参りに行くとこからはじまる。

 その神社には、家でほったらかしになったものを持ち去る狐たちの「ホッタラケ伝説」なんてものがあり、ハルカは、ひょんなことから、そのホッタラケ狐の世界に迷い込んでしまう。

 見るまえに感じた「ジブリ作品」っぽさは全くなく、各キャラクターたちも、それが魅力的か否かは別にして、オリジナリティはあると思った。

 異世界描写も、『千と千尋の神隠し』で描かれた世界のマネなどではなく、

 モノレールみたいな列車や、食料としての茹でたトカゲとかのギミックは、ハルカの相棒となる狐(だよね?)のテオのうまそうな食べ方などなど、なかなかの出来だった。

 色彩に溢れたホッタラケの世界観も悪くない。

 ・・・のだが、しかし、この世界は人間界でほったらかしになった物で作られている・・・、なのに、その具体的な描写が少ないように感じた。

 壁が使用済みテレフォンカードだったり、田舎でよく見る「ハイアース」のホーロー看板風が見えたり、お風呂のヒヨコ玩具、「鳥取砂丘」と記されたペナントがあったりと、挙げていけば、幾らでも遊びの部分があるのだが、それでもホッタラケ世界の構築には絶対数が足りていないと思った。

 ただの「色とりどりの世界」と化してしまっているのだ。

 また、先程、「ハイアース風」と書いたが、全ての実在製品の登録商標が「モドキ」であるのも辛かった。

 ゲーム『ピクミン』などでは、ピクミンがお宝としている人間界のガラクタの中には、実在の、例えばメーカー品の缶詰などを用いたりしていた。

 それをゲーム画面上で使用するにあたって、任天堂は、思ったよりも高い使用料を払ったりしたそうだ。

 「フジテレビ開局50周年記念作品」ならば、スポンサーとの好意的な絡みで、健全な使用が可能だったと思うのだが・・・。

 細かいことを書いているように思われるかも知れないが、作品テーマが、「モッタイナイ」、じゃなくて^^; 「ホッタラケ」であるのだから、見ている者とほったらかされた物のリアルな繋がりは必須だと思うし、

 また、そのような作り手の遊び心が、作品への愛になって完成度を高めると思うのだ。

 正直、この作品の作り手は、例えば、なかなかよく描かれた背景美術の一枚絵の数々に満足し、

 また、テーマ性への整合性にアップアップで、全体的な気配りに欠けていると思った。

   ◇

 主人公ハルカは可愛いが、まだまだ、旧来のCG作品のような記号的な女性像を脱出していない。

 まあ、私などは、あまり大きくない胸や、チェック柄の制服スカートという記号だけで萌えてしまうおバカさんなので良いけんども^^;

 ただ、このハルカは、たまに赤ちゃん人形の「ぽぽちゃん」(クリック!)みたいな不気味な顔になりつつも、それでも主役故に、多くのCG表現上のアクションが用意されている。

 が、この作品の「泣かせ」のポイントである、ハルカの両親のCG表現の貧困さは、作品を語る上での致命的な手抜きだと思う。

 そもそも、ここにおいての、「ホッタラカシになった物」から「ホッタラカシになった人間関係」へのテーマ的な移行は、明らかに経なければいけない描写を欠落させている。

 とりあえず、抑えで泣かせとけ、が見え見えだ。

 いや、俺はいい観客なんで泣きましたよ。

 でも、それは、作劇が優れているかどうかとは別問題だ。

   ◇

 例えば、村のチンピラ三人衆がいるが、こいつらは、ハルカの相棒となるテオを苛める。

 でも、最終的にはハルカを助けようとするテオに手助けするという、映画『ドラえもん』のジャイアンやスネ夫みたいなキャラなのに、その、終盤で「いい人に変じる」と言うキャラの伏線が全くない。

 しかも、最終的な敵キャラである「男爵」の手下が、三人衆そっくりなので、混乱すること甚だしい。

 更に、序盤で、三人衆は、テオが、この世界ではタブーとなる、人間であるハルカと行動していると知って、追い回し、町をメカで破壊しまくるのだが、

 たかだかチンピラに破壊されて黙っている、この町の秩序はどうなってるんだろうと、世界観への疑問が起こってしまう。

   ◇

 「男爵」との最終決戦は、製作の<Production I.G>が頑張ってかなりアクション性の強いシーンになっているが、いかんせん、町も、敵の飛行船も「色とりどり」で区別されていないので、その位置関係が全く見えず、戦いの構図がさっぱり見えない・・・。

 「モッタイナイ」限りだ。

 とりあえず作品を完成させるために、観客の欲求が「ホッタラカシ」だ^^;

   ◇

 ・・・『エヴァ:破』の箱根、『サマーウォーズ』の長野県上田市、この『ホッタラケの島』の入間市と見てきて、昨今の日本アニメは、今回の『ホッタラケの島』の、本編以上の、神社のお稲荷様へのこだわりなど、日本の風土への回帰が感じられる。

 これはいいことか?

 いや、作り手は危機感を感じているのだろう。

 民主党が政権を取ったら、これらの「美徳」は完全に失われるからだ。

                                     (2009/08/18)
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[【歴史教科書】「つくる会」元東京支部長が追放された理由【八木氏の天皇論】]

2009-08-18 03:17:37 | 保守の一考
☆一昨日、雑誌『SAPIO(「8/19・26」号)』を購入、連載の『ゴーマニズム宣言』を読んで、なんか色んなことに合点がいった。

 「つくる会」の元東京支部長で、それまでの扶桑社版の中学歴史教科書の内容をを八割がたまでコピーし、残りの二割を、あまりにもの左翼的な自虐史観に改悪した自由社教科書編集室長として松本謙一(ハゲ松)がいて、

 だが、その印刷段階で、いきなり、その地位を会長の藤岡信勝に剥奪され、「つくる会」自体から放逐された理由の一端が分かったような気がした・・・。

 最近、大著『天皇論』を上辞した小林よしのり氏の『ゴーマニズム宣言』の欄外にこう書かれていた。

 《『天皇論』のシンポをやりたいと「教科書改善委員会(蘭注:日本教育再生機構サイド)」からも「つくる会」からも引き合いがある。両者から組織の言い分を聞かされても、わしはどっちが正しいのかは判定できない、どっちかの組織に加担することはない! ただ『天皇論』に関しては、高森明勅氏の顔を立てる!》

 高森明勅氏は、天皇の女系容認論で一部の保守派にバッシングを受けることはあるが、なかなか魅力的な人物で、

 私は、お世話になっている頑固一徹な保守派の掲示板に乗り込んで、「高森先生ほどの人物であらば、(そんな藪から棒に批判されるには値せず)もっと慎重なもの言いをしていると思いますよ」と言ったことさえある。

 その高森明勅氏だが、「つくる会」に属している。

 つまり、常に「論壇のドル箱スター」の小林よしのり氏は、「つくる会」主催の「天皇論」シンポジウムに登壇するのだろう。

 しかし、小林よしのり氏は、高森明勅氏の顔を立てるつもりなのだろうが、結局は、藤岡信勝に踏みにじられると思う・・・。

 とは言え、「つくる会」側は、小林よしのり氏を迎えるにあたって、その態勢は整えるだろう。

 その一環として、「松本謙一の追放」があった。

 先のエントリー(クリック!)でも書いたが、松本謙一は、8年前に、小林よしのりの「つくる会」脱退に至る直接的加害者であった。

   

 藤岡信勝は、共産主義的思考回路の体現者である。

 目先のことにあっては、長年、自分のために手を汚してくれた功労者であっても、躊躇なく「粛清」するのである。

 こちらも、是非、読んで下さい! クリック!

     <自由社教科書編集室長からの告発メール> (ブログ『藤岡信勝研究』)

   ◇

 さて、小林よしのり氏は今回の『ゴーマニズム宣言』において、控え目であるが、日本教育再生機構の八木秀次理事長の天皇観を批判しているので、ちょいと弁護する。

 先ず、八木秀次氏の、「男系天皇or女系容認」に関する主張についてだが、先ず、八木氏の主張の根幹には「女系云々よりも、もっと考えを巡らすべきことがあるんじゃないか」があると思う。

 似たようなタイトルの論説を書いてもいた。

 私も、女系容認を早々と語る人に対しては、

「つきあいはじめたばっかでラブラブな状態なのに、別れの可能性を第一に語りだす恋人」のような頓珍漢を感じた。

 天皇の男系が途切れるようなことあらば、女系が引き継ぐのもまた「天命」と言えるのは当たり前だ。

 小林よしのり氏は、大原康男氏を評し、『男系「優先」ならばわかる』と言っている。

 八木氏と同じではないか?

 また、田中卓氏が、男系女系論争に頓着がないのも、「優先順位」と「可能性」を考えた時の当然の振る舞いだろう。

 天皇の男系が途切れるようなことあらば、女系が引き継ぐのもまた「天命」と言えるのは当たり前で、語るべくもないからだ。

 そして、八木氏の、天皇の系統を語る上での「XY染色体」の話に対しての、小林よしのり氏の批判(生物学的過ぎて「不敬」とのこと)だが、

 いみじくも、今回の『ゴーマニズム宣言』の最後のコマで、小林氏はこう語っている。

   《・・・左翼やサヨクをこそ、国民として覚醒させなければならない!》

 ・・・正に、それなんですよ。

 その為に、八木氏は、「XY染色体」の話までも、持ち出さなくてはならなかったんですよ。

 八木氏は、とにかく、保守思惟を、名実ともに、日本人の思考様式の中央に位置させるために生きているんだと思います。

 色んなアプローチを模索している。

 保守ってのは、多くのリーダーが、「昔からそうなっているんだから、そうなんだ。つべこべ言うな!」と理不尽なもの言いをする一面があり、それを受ける保守も、それで納得してしまう。

 しかし、相手が左翼の場合には、それなりの方法論が必要なのだと思う。

 小林氏がマンガと言う手法を用いるように、だ。

                                     (2009/08/18)
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[私の1991年のメモ日記・12「夏のバイト(2)」]

2009-08-17 02:06:22 | 1991年の日記
☆私は今、急速に痩せていて、この一ヶ月ばかりで4~5キロほど体重が減っている。

 80㌔台の前半の体重だったので、今は70㌔台後半になっている。

 体を動かすのが楽しくてしょうがない^^

 しかし、19年前の私も、ダイエットしていたようだ^^;

 なお、写真は、文中に出てくる飼い猫のミュウです。

 つい、二年ほど前まで生きていました^^

 それから、私はこの頃、中野のアパートに一人で住んでいて、たまに実家の秋川に帰ってました。

   ◇

 ☆1991年8月15日(木)・・・裸で68.6kg

 疲れていたので、昨日の午後4時から寝て、でも、バイト(金八)が休みであるにもかかわらず、いつもの時間に起きてしまう。体が起きる時間を覚えてしまっているんだな。しばらく、「ファイナルファンタジーⅣ」を続ける。何となく単調になりつつも、中ボスとの戦いは燃える、四天王にどんどん打ち勝つも、最後の「火のルビカンテ」が強く、勝てないのでとりあえずやめる。つぼ八のバイト、初めて午後5時から翌3時まで通しで働く。終わってから、皆で白木屋で飲む。長時間働いたので、とにかくビールがうまい。帰宅すると、朝の4時半、いつも起きる時間に眠りにつく、この不思議!

          
           <火のルビカンテ>

 ☆1991年8月16日(金)

 どうにも寝つかれず、寝てもちょっとしか眠れず、9時にはファミコンに挑む。しかし、面白い^^ 朝から何も食べていないので、午後3時に、午後5時からのツボ八バイトには早かったが、「中華丼でも食おう」と、秋川に帰る準備も済まし、アパートを出た。共同便所で小便をして、何気なくケツに手をやると財布がない。アパートは自動ロックでしまっていて、部屋の中に置いてきた財布に鍵は入っている。金がないのに、部屋に戻れない。大家さんも留守のようだ。針金で開けようとしても開きっこない。外に出ると、すごーくいい天気。僕は腹を空かして、本屋で午後5時まで立ち読み、そして、午後10時までバイト。店長に金を借りて、秋川に帰る。腹減った。

 ☆1991年8月17日(土)

 スーパーファミコンをやっていると、大沼からTel。エスティマに乗ってやってくる。しばらく、ビールを飲み、話をする。と言っても、なんか夢のなくなった大沼に、僕と熱っぽく語るパワーはなく、金はあるようで、全く似合わないブランド物の服を勘違いにも着て、それについて語るだけ。ラーメンを食いに昭島。そして、五日市方面にちょっとしたドライブ。でも、盛り上がりはない。両親と『ミザリー』『パシフィック・ハイツ』と言う、どちらもサイコ人間・限定状況のビデオを見る。やはり、それなりに面白い。アニーとヘイズを対決させたいものだ。僕は『ミザリー』の完成度よりも、『パシフィック…』のドキドキ感に、映画としての面白さの軍配を上げたい。前者は特別な状況だが、後者は誰にでも起こり得る状況だから、怖い。

 ☆1991年8月18日(日)

 しかし、「ファイナルファンタジーⅣ」、凄いボリュームのゲームだ。最後の大ボスと戦うようなバトルが目白押しだ。やめられない。そろそろ、合計のプレイ時間が20時間になろうとしている。飽きさせないように工夫されている目まぐるしいシナリオ。どうやら、最終局面は、月の奥に潜む巨悪ゼムスへと向かう。秋川はのんびりしている。川には家族連れが泳ぎに来ている。セミの鳴き声が時に大きくなる。すると、ミュウ(飼い猫)が目をクワッと大きく開く。短い休日も終わり、中野に戻る。今日もいっぱい食ってしまったので、体重がまたも70㌔台に戻ってしまう。『キネ旬』では、「ターミネーター2」特集や、「ツイン・ピークス」特集がされていた。でも、D・リンチは、伏線の回収などは考えていないと思うぞ。

   ◇

 ミュウについてですが、庭に繁殖した竹を駆逐するために庭をユンボで掘り返すに辺り、一旦、そのお墓を掘り返しましたが(二ヶ月ほど前)、昨日、また、改めて庭に手厚く埋葬しました。

 天国で親父と遊んでいるのではないかと・・・^^

                                    (2009/08/17)
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[映画『トランスポーター3:アンリミテッド』を観た]

2009-08-16 23:55:25 | 物語の感想
☆今、「日曜洋画劇場」で二週連続で一作目と二作目を放送しているが、私はこのシリーズを観たことない^^;

 でも、予告編が面白そうだし、主演のジェイソン・ステイサムの『デス・レース』(クリック!)は結構私のご贔屓だし、出てくるヒロインの容姿が斬新で、「こんな女もありなんか!?」と思わせられたので、現在公開中の第三作目を皆で観に行った。

   ◇

 面白かった。

 主人公フランクは無敵に強くって頼りになる。

 4,5人の敵ならば、一瞬で倒すし、10人ほどでも、何とか素手でいける。

 敵に囲まれると、先ずは、苦みばしった表情で、周囲の状況を観察するのがリアル。

 そんな描写が、アクションに血を通わせてくれて、

 私は見ていて、手に汗握って、「ウオッ!」とか声をあげて楽しんだ^^;

 副題が「アンリミテッド」となっているが、(シリーズには詳しくないのだが)今回は、悪の一味に「車から20メートル離れると爆発するブレスレットを装着される」と言う「リミテッド」な物語となっている。

 でも、その、作劇上の縛りがメチャ面白い。

 自由詩と違って、短歌や俳句は字数の縛りがあり、故に、そこに技巧が光るもので、この『トランスポーター3』も、主人公が車とともに行動しなくてはならない状況の中で、本来は必要のないアクションが生まれ、そこに緊迫感がこびりつく。

 車を持ち去られ、ブダペストの街中を自転車で追い回す主人公の姿に、私は興奮しまくった。

 考えている余裕はないだろうに、何とも、次の行動の決断をフランクが瞬時に出しているような気に体感させられた^^

   ◇

 細かいカットバックを多用し、作り手としては作品をスタイリッシュに見せたいのだろうが、それは物語を繁雑にしているだけなのが作品の欠点か。

 だが、映像自体はとても鮮明で、物語中の、アウディとベンツの並列カーチェイスと言うオーソドックスなシーンにもスピード感がみなぎっていた。

 スタイリッシュとは、せわしないカットバックなどではなく、スピード感の中での、車体の艶みたいなもので充分に表現され得ると私は思うのだ。

   ◇

 注目のヒロインだが、私にとっては「あり」である^^

 リュック・ベッソンは、主役やヒロインに、たまに微妙な美意識を発揮する時がある。

 『アンジェラ』の主役の男なんか、この微妙さにおいて、私は「×」としたものだ^^;

 あるいは、『WASABI』の広末もその一環だったかも…(私は好きだが^^)。

 やや、短期間の間に毀誉褒貶するヒロインであり、顔に猛烈にソバカスがあったが、後半の化粧落ちしたドロドロの顔も含めて、私はいいのではないかと思えた。

 食事のシーンがほとんどないのだが、このヒロインが美味そうな料理のメニューを語り続けるのが良かった。

 ただ、物語途中に、フランクとのラブシーンがあるが、このヒロインが悪いのではなく、脚本の問題なのだが、それこそ、もっとスタイリッシュに出来たような気もする。

 二十年ほど前の私ならば、「この会話の駆け引きが洒落た大人の恋愛なのだな」と押し切られたものだが、今では、次第に、その「ダサさ」が見えてくるようになった。

 まあ、フランス人の感性は、「ダサカッコいい」にあるのは充分承知であるが・・・。

   ◇

 基本的には、超面白かったです^^v

                                    (2009/08/16)
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[映画『縞模様のパジャマの少年』を観た]

2009-08-15 22:22:19 | 物語の感想
☆この作品については、新宿ジョイシネマの閉館の時(クリック!)、館内でチラシを見て、「『ライフ・イズ・ビューティフル』みたいな作品かな? 近くでやったら見よう」程度の認識であった。

 しかし、多くの映評ブロガーの感想を読むと、「強烈な結末」とある。

「ならば」と重い腰を上げて、新宿の<角川シネマ新宿>に赴いた(ここも昔は、「新宿ビレッジ」だったと思う)。

 だから、私は、この物語の結末を知ってて見たのだ。

 本来の、この作品の見方とは異なるのだろうが、だからこそ、私には、この作品の脚本の「巧みさ」が見て取れた。

 ・・・私は、この作品を『禁じられた遊び』の現代版だと思ったし、『パンズ・ラビリンス』と対になる物語とも思った。

   ◇

 物語は、ナチス政権下のベルリンで、友人たちと戦争遊戯に明け暮れる8歳の少年ブルーノの日常から始まる。

 軍の幹部である父親の勤務先異動に伴い、ブルーノの家族は、田舎の豪邸に引っ越す。

 しかし、親の仕事が機密らしく、ブルーノと母、姉グレーテルは外出もままならず、やや退屈な生活を送る。

 ブルーノは、窓から遠方を眺める。

 ・・・と、彼方の農場で多くの人が働いている。

 自分と同じくらいの歳の子もいるようだ。

 ブルーノは遊びに行きたいと思う。

 しかし、おかしいのである。

 みんな、「パジャマ」を着ているのである。

   ◇

 結論から言うと、そこは「ユダヤ人の強制収用所」で、ブルーノの父親は、そこの所長として、多くの罪なきユダヤ人をガス室に送る責任者だったのだ。

 だが、そんなことを知らないブルーノは、「探検家」を目指すような、持ち前の好奇心で、収容所の金網に向かい、ユダヤ人の少年シュムールと知り合う。

   ◇

 で、結論を知っている私であったが、それでも、淡々と話が進んで、最後に悲劇的な結末に至るのだろうと思っていたら、結論を知っているからかも知れないが、最初からガンガン話がハイテンションで進んでいく様に驚いた。

 先ず、ベルリンでの、ブルーノ家族の壮行会があるのだが、そこでのブルーノの父親への、その母親の言葉があった。

 この言葉の意味が「どちら(良いのか、悪いのか)」に取ればいいのか、私には分からなかったのだが、それは後半になって分かる。

 父親も、家族の前では、至って良き父親で、この父親を見ている私たちは「どちら」に取ればいいのか悩み、それもまた、物語の中盤で分かる(私は『ミュージックボックス』を思い出した)。

   ◇

 ブルーノの視点では、母親の挙動さえも、その、不思議なドイツの片田舎の、隔離された豪邸の中では最初は判別つかない。

 母親自身、最初は収容所で行なわれている蛮行を知らず、後から知って、精神に変調をきたす。

 ただ、当初は、息子の外界への散歩(最終的に収容所を目の当たりにする)を許可しない認識はある。

 故に、それによって、ブルーノの、収容所の金網越しでのシュムールとの逢瀬が、周囲の目を盗んで行なわれているという「物語的な許可」を受けることになり、ご都合主義を回避するのだ。

 また、そこでは、常に、「いつバレルか」と言うサスペンス及び、収容所での惨劇を歴史上認知している私たちに、その方向性での恐怖が常に貼りつく事になる。

   ◇

 人形好きの大人しいグレーテルは、厳しい家庭教師や、憧れの父親の部下の影響もあり、国のために尽くす婦女子へと勇ましく変化していく。

 その学問上の「合理」は、次第に、どうしようもない「経験」を経て、二律背反の中で自己崩壊をしていく。

   ◇

 自分にけして危害は加えないのだが、家の雑用をしている「パジャマ姿の男」には強烈に怒り狂う父親の部下がいる。

 この男、ナチス政権を嫌う父親を持ち、その反作用で、殊更にユダヤ人に厳しくあたる。

 それは、具体的に物語では語られないが、そうなのだろうと思わせる材料を、この作品の脚本は提示してくれている。

 父親が反ナチスと言う事実は、翻って、ブルーノの父親が、ナチスを恐れる母親を持つ「不敬」とリンクし、物語に深みを加える。

   ◇

 家の雑用をしていた「パジャマ姿の男」は、以前は医者であった。

 医者といえば、尊敬に値される仕事をするものである。

 それが、ただ、ひたすらに、ドイツ軍人にゴミ屑のように扱われるのである。

 私は、この「元医者のユダヤ人」の存在が、一番心苦しかった。

 最近、私の職場の現場に、なかなかの経歴の持ち主がバイトとして入ってくるのだが、それが、現場のバカな野郎たちにボロクソ言われるのである。

 それを思い出して、辛かった。

 私は、もしかして、自分が左翼的(純粋な意味での)だなあと思うのが、そんな状況に怒りを感じてしまうからである。

 こんな「システム」は滅びてしまえと思ってしまうのだ。

   ◇

 そして、そんな家族模様を、ただ心配深げに見つめるメイドがいる。

 全ての登場人物が、主観的にも、物語上での客観においても、猜疑心国家としてのファシズム政権下を如実に体現していた。

 その中で、ブルーノだけは純真で、「禁じられた遊び」に突き進むのである。

   ◇

 これは、探検家の遭難の物語であった。

 ブルーノは、探検家であった。

 その志半ばで遭難してしまったのだ。

 そして、ブルーノの人生については申し訳ないが、その父親の蛮行に罰を与えるとしたら、その愛息の死しかあり得なかったであろう。

                                   (2009/08/15)
コメント (7)
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