『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『ライラの冒険』を観た]

2008-02-24 22:06:49 | 物語の感想
☆私の、最も好きな美少女として、映画『バロン』に出ていたサラ・ポリーがいる。

チンクシャで、子供ゆえに、華奢な体なのだが、瞳がなんとも高貴だったのである。

そのサラ・ポリーも、今じゃ、普通の美人女優さんに成長してしまった。

初めて『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の予告編を見たとき、私は、主演の女の子に、サラ・ポリーの面影を見て嬉しかった。

でも、映画としては、あまり期待していなかった。

どうあっても、ファンタジー映画としては、『ロード・オブ・ザ・リング』のレベルに達することは難しいように思え、また、私は、前年、同じような原作持ちである『エラゴン』と言う作品を観て、ちょっと長大な原作を持つ物語の映画化に幻滅していたのだ。

・・・ファンタジー映画と言うのは、大体において世界観は似通っている。

細部にこそ、その作品のオリジナリティが宿る。

しかし、『エラゴン』においては、原作の長い物語を映画の上映時間に押し込むために、細部のオリジナリティ溢れる部分を切り詰めて切り詰めてしまい、なんだかよくあるファンタジー物になってしまっていたのだ。

だから、私は、この『ライラの冒険』も、他愛ない作品になってしまうのだろうと思った。

しかし、ふんだんに特殊効果やCGも使っているので、見て損はないだろうと、いつものMOVIX昭島に、姪と連れ立って行った。

・・・『ライラの冒険』の世界の人間と不可分の「ダイモン」と呼ばれる守護精霊の存在、また、脇役に「白クマ戦士」がいるとのことで、そのイメージが斬新だなとは思っていた。

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良い作品だった^^

何よりも、ライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)が美しかった。

お転婆だし、嘘をつくし、嫌な表情もするのだが、なんとも上品な顔をしているのだ。

この主人公は、作品の評判によると「嘘つきで生意気」と聞いていた。

私はそれで良いと思うのだが、どうも、作品上では、その「嘘」が、作中の敵に対して発揮されるので、私には「機転」にしか思えなかった。

ファンタジー作品でありながら、ライラたちは、特に魔法を使えるわけではない。

故に、そのライラの「嘘(機転)」は、敵との対決場面での強力な魔法を感じさせてくれる。

後に、その旅に加わることになる水の民・ジプシャン族の船に乗り込んだとき、ライラは、彼女を珍しがって見つめる乗員たちに「なに、ジロジロ見てるのよ!」と言う。

また、最後の決戦の場のとき、ライラは、子供たちの集団から数歩前に出て、敵の集団に対し、「ぺっ!」と唾を吐く。

そこら辺がいかにも生意気で、でも、そこだけがライラの生意気を感じさせてくれる箇所で、全編を「生意気」で通してくれていたら、その美しさはもっと引き立ったと思うのだ。

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この作品には、配給側も公開映画館も力を入れていたので、私は、何度も予告編を見せられていた。

しかし、予告編であったのに、本編ではないシーンがいっぱいあった。

「私は北に行く!」とライラが叫ぶシーン。

白クマ戦士のイオネクが、群れを率いて雪原を疾走するシーン。

ライラが気球から落ちてしまうシーン・・・、etc…。

おそらく、大幅にカットされたのであろう。

そのうち、『黄金の羅針盤・完全版』が出来るのであろうか。

そういった売り方はちょっとムカつく。

もしくは、三部作なので、二部や三部の映像が予告編に混在していたのかも知れない。

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作中で、ライラは色んな衣装に身を包む。

私は、最初の小汚い赤いエプロンドレス風のライラがお気に入り。

また、雪国で着ていた紫色のタイツも良かったね^^

しかし、コールター夫人に引き取られたシークエンスで、一瞬だけ画面に映ったチェックのワンピース姿もかなり気になった。

あの服装などは、『完全版』でしか見れないのでしょうか?

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『パンズ・ラビリンス』でも思ったのだが、女の子が主人公の冒険ファンタジーってのは、主人公が苦難に直面する様が、良いのである。

この作品でも、何度もライラは苦しむ。

例えば、その「ダイモン」の痛みは、直接本人の痛みとなる。

言うことを聞かないライラは、コールター夫人(二コール・キッドマンがいい演技^^)のダイモン猿によって、自身のダイモンを締め上げられる。

白い肌に苦痛を浮べ苦しむライラ・・・。

いつもは生意気で負けん気の強いライラ・・・。

だが、「私の言うことを聞きなさい!」と強制するコールター夫人に対し、

「・・・は、はい、わかり、ました・・・」と答えざるを得ないのだ。

・・・その筋の者には、ゾクゾクするシチュエーションと言えよう^^;

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三部作の序盤なので、それ程派手な展開が待っているわけではないが、原作の持つオリジナリティを損なっていない作劇だったのではないでしょうか?(←原作を読んでないので、自信はないが^^;)

『ロード・オブ・ザ・リング』のダイナミックさとはちょっと違った、格調高さというものを、私は『ライラの冒険』に感じた。

それは、歴史あるイギリスを序盤の舞台にしたからだろうか?

それとも、この世界の秘密<ダスト>や<異世界の存在>に、これまでの物語にない「神秘」が感じられるからだろうか?

その「神秘」は、いまは解明などする必要はなく、その「謎」に、我々は心ときめかせれば良いのだと思う。

美しいライラは、全編出ずっぱりで、私たちの心を捉えてくれる^^

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鎧クマ族のイオネクは力強く、その王位奪還のエピソードは、『ロッキー』的な興奮を、見る者に与えてくれよう。

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第一部最後の戦いは、雪の平原で行なわれる。

ここが少々、インパクトに欠けるかな?

「平原」と言う単調な舞台が寂しい。

それこそ『ロード・オブ・ザ・リング』で、あれだけの舞台での決戦を見せられたからなあ。

でも、まあ、宿場町を待ち伏せポイントとして敵を迎え撃った『十三人の刺客(工藤栄一監督)』に対しての、屋外大乱闘の『十一人の侍(工藤栄一監督)』と思えば、他作品と比べること自体がおかしいかも知れんな。

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二作目、三作目が楽しみだ^^

おそらく、私は、すぐに原作本を読破してしまうだろう。

ライラを、コールター夫人がしたみたいに抱きしめたいものだなあ^^

                       (2008/02/24)
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[映画『チーム・バチスタの栄光』を観た]

2008-02-17 22:08:50 | 物語の感想
☆ここのところ、ロードショーで観に行く作品に当たりがない。

無難に楽しめそうなので、『チーム・バチスタの栄光』を観に行った。

MOVIX昭島のポイントが3人分貯まっていたので、家族も連れて行く。

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いやあ、面白かった^^

余は満足じゃ!

確かに、今回の医療ミステリー作品の探偵役である厚生労働省の役人・白鳥(阿部寛)は、奇矯な性格の男であったが、作品は、『L : change the WorLd』のように、その奇天烈さにおんぶに抱っこしているようなことはなく、ちゃんとミステリー物としての面白さにおいて一本筋が通っていた(それ以上に、主人公の女医・竹内結子も負けずに魅力的だった)。

映画においては、この「一本筋が通っている」」と言うことは、それはもう重要なことだと、昨日、『モンゴリアンおじさん・・・』じゃなかった、『マンコゴリアム・・・』じゃなかった、『マゴリアムおじさんと不思議なおもちゃ屋』と言う寂しい作品を観てから、特に大事だと思うようになっている私であった。

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大学病院の、高名な心臓病治療チームの手術中に、連続して起こってしまった術中死を巡る原因究明の物語だ。

その真相究明を託されたのは、心療内科の女医である田口(竹内結子)。

この人、演技がうまい。

日頃、テレビなどで、育ちの悪そうな役をやっているのに、何ともおっとりした性格の内科医を、らしく、演じている。

女医といっても「畑違い」の田口が、心臓手術の現場を素人調査していくギャップが面白い。

素人ゆえに、素直に現場を見て行く。

その視点が、入り組んだ話だろうに、観客である私などにも問題点(どこが術中死におけるポイント)がどこなのかを理解させてくれる。

とは言え、原作本ではどうなのかは分からないが、この作品においては、観客による推理の余地はない。

だが、<チーム・バチスタ>の個性的な7人のメンバーの誰が犯人なのかを考える楽しさはふんだんにあった。

  吉川晃司 (頼りになる誠実なリーダー)
  池内博之 (ワイルドでありつつもの知的作業者)
  玉山鉄二 (血気盛んな若者)
  井川遥  (場慣れしていない手術サポーター)
  佐野史郎 (真面目な職人肌)
  田口浩正 (オタク風のオペレーター)
  田中直樹 (今風の性格希薄な麻酔専門医)

いずれも、力のこもった演技をかましてくれていた。

また、竹内結子が調査の過程で使用するノートが、私愛用の<Rollbahn>のものであったのがメチャ嬉しかった(http://kok-design.jp//pic-labo/llimg/rollbahnSL1.jpg)。

上記の写真は、田口がノートに書き込むチームメンバー7人の動物のイメージである^^

     #     #     #     #

田口が、調査に進展を見せることが出来ず、物語の展開が停滞し始めた時、現われるのが探偵役の白鳥である。

こいつが面白かった。

恵まれた体格・外見・地位でありながら、考えることが実に俗で、田口や七人のメンバーの心の中に土足でグサグサと入ってくる。

しかも、その「グサグサ」が、果たして、当たっているのかどうかは定かではないのである。

しかし、楽しい。

チームの上司の教授に、「あなたは、チームのリーダー・桐生の招聘に消極的だったのに、桐生チームが活躍しだしたら、急に世話役めいた顔をしだしたそうですね^^;」などとズケズケ言う。

教授は憤慨し、「誰がそんな噂をしていたんだ!」と怒鳴る。

すると、白鳥は、「田口君です」と言うのである。

濡れ衣を着せられ、田口は呆気に取られる。

また、都合が悪くなるとすぐに泣く井川遙演じる手術の補佐役にも、彼女が顔を両手で覆い泣き始めた時、白鳥は、その両手をむんずと掴み、引っぺがし言うのである。

「涙なんか、出てないじゃないですか」^^;

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田口の心療内科の患者との絡み合いなんかも面白い。

また、田口には、ソフトボールのチームに所属しているという健康的な趣味もあり、作品世界を閉鎖的にしていない。

ある患者は、ロック歌手になる夢があり、手術前に、中庭でその歌声を披露する。

そんな開放的なシーンもコミカルに表現されているが、その患者が、やはり術中死をすると、田口は、病院の廊下に倒れ、涙するのである。

笑えるシーンとシリアスなシーンに違和感はなく、作り手の、そのバランス感覚の良さに感心した。

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私の推理では、唯一、心臓の切除箇所が「悪性の箇所であるか」を判別できる池内博之演じる鳴海が犯人かと思っていた。

しかし、違った。

「真犯人」は意外な人物であったが、その演技がさもありなんで、納得も出来た。

私は、この作品ぐらいの満足感が得られれば、映画と言うものに失望しないで済む^^v

                            (2008/02/17)
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[映画『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』を観た]

2008-02-17 01:23:52 | 物語の感想
☆こうして、毎週、封切の映画作品を観に行く生活を始めると、まあ、週に一作品を観るのが妥当なのであるが、幾つかの封切作のうち、スカを掴まされることも多い。

先週なども、『L』と『チームバチスタの栄光』の二者択一において、『L』と言うスカを掴まされた。

しかし、私の愛用映画館<MOVIX昭島>では、今、1コインセレクション(http://www.movix.jp/schedule/SMTT000000026_pcinfoI89.html)と題し、ちょい過去の作品を500円で観ることが出来、『L』で寂しい思いをした翌日にウエンツ瑛士主演の『ゲゲゲの鬼太郎』を観て、一緒に行った4人でゲラゲラ笑って楽しんだ。

田中麗奈のネコ娘が、もう、ここ数年で一番インパクトのあるビジュアルであった^^

で、さて、昨夜は、封切作の二強『エリザべス ゴールデンエイジ』と、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』という二択で、後者を選び、結果、スカを選ばされる結果になった^^;

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これは、おそらく、『チャーリーとチョコレート工場』の毒気を抜き、画面上をギミックで満たし、より多くの観客動員を狙った作品と思われた。

キャストも、ダスティン・ホフマンと、ナタリー・ポートマンと言う2大スターを使っている。

・・・何から語ればいいのか?

先ず、かような、「大人こども」的な作品を作るときは、毒気を抜いたら、大人に取っては退屈である。

しかし、何らかのテーマ性・・・、

  1・主人公マホーニーの、かつてのピアノの神童であったが故の、大人になった現在の苦悩。

  2・長く生き過ぎた魔法使い・マゴリアムおじさんの人生の引き際。

  3・友だちの出来ない少年エリックの寂しさ。

  4・現実的な考え方しか出来ない会計士ヘンリーの無知。

などと、登場人物の成長を描いていくのは、子供の観客には退屈だろう。

大人と子供の観客に媚びて、どちらからも見放されるような作品なのだ。

「4」のヘンリーの情緒的成長は、やや描写不足だが、良かったと思う。

しかし、「3」の少年の寂しさには、答えが用意されていない。

「2」は、圧倒的に説明不足なのだが、ダスティン・ホフマンの演技で見ることが出来た。

「1」においては、マゴリアムおじさんの魔法のオモチャ屋に順応しているにもかかわらず、ちゃんと日常の生活もしているマホーニーに、何とも言えない違和感が起こってくるのだ。

     #     #     #     #

ナタリー・ポートマン・・・、まだまだ若いのに、老いた印象が拭えない。

『SW : シスの復讐』では、子供産んでたからなあ^^;

『レオン』の頃の超美少女時代が懐かしい。

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なんちゅうか、私には、この物語の「拠って立つ位置」と言うものが分からないのである。

例えば、先の『スウィーニー・トッド』においては、時代を中世のイギリスにしたことによって、多少の物語上の不備も、観客に想像で補完させる行為を促している。

しかし、『マゴリアムおじさん』においては、舞台は現在であり、大通りのど真ん中に店舗は存在し、おもちゃ屋の中では、マゴリアムおじさんの魔法が包み隠さずに披露されているのである。

そして、子供たちが楽しく遊んでいるのである。

物語上での現実と魔法の世界の境界はどこにあるのか?

私、…だけに限らないだろう、多くの観客は、何とも居心地の悪い雰囲気を感じさせられ続け、物語が進んでいくと、去り行くマゴリアムおじさんを引き止めようとするマホーニーに対し、何ら感情移入が出来なくて、「ああ、これは私の物語ではない」と眠気さえ起きてくるのだ。

私が連れて行った女の子は、途中から健やかに寝ていた^^;

     #     #     #     #

美術は、色彩豊かで美しかった。

でも、私は、美しい映画と言えよう、黒澤の『夢』でも、ディズニーの『ファンタジア』でも寝た^^;

今回は寝なかったが、寝てしまった娘の気持も分かる。

このような映画を、木村カエラのPOPなイメージソングで、いかにも「若い女の子必見の自分発見ムービー!!」的に宣伝するのは悲しいものだ・・・。

     #     #     #     #

ラストの3秒。

「そして、マホーニーの物語がはじまった」ってトコが良かったので、私は救われた^^v

                         (2008/02/17)
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[映画『L : change the WorLd 』を観た]

2008-02-10 01:47:19 | 物語の感想
☆大雪の中、映画『L : change the WorLd』を、いつものMOVIX昭島に、姪っ子と観に行った。

車で行ったのだが、カウンターにて、「雪で車が動けなくなっちゃって、駐車場から出られなくなっちゃったらどうしよう?」と聞いたら、その受けつけ嬢は、私が、そう聞くにかこつけてナンパしていると思ったようだ^^;

明るい感じの娘で、「君、O型だと皆に言われるけど、実はA型なんだよね^^」と言うと、きっと打ち解けられるだろうタイプだった^^;

     #     #     #     #

名探偵・エルの活躍した映画『デスノート』二部作は、私は、マンガ『デスノート』で熱狂したくちなので、なかなか楽しめた。

しかし、今回の作品は頂けなかった。

とても悲しい出来であった^^;

思えば、先行の二部作も出来がいいとは言えなかったが、マンガの物語自体が、実に面白かったので、その展開を枠内で踏襲した映画作品も面白かった。

しかし、探偵・エル単体の、このスピンオフ作品は、物語が破綻しまくりだった。

そもそも、『デスノート』では「名探偵」だったエルが、この作品では全く推理などせず、また、天才的な直観力を示すこともないのだ。

ただただ、奇矯なあんちゃん、なのである。

ひたすらに「スイーツw」を好み、背を丸め、椅子の上にさえもウンコ座りするエルであった。

手応えとしては、傑作『羊たちの沈黙』の勢いで見た続編『ハンニバル』がクソつまらなかったみたいな感じだ。

しかし、唯一面白かったのが、その、松山ケンイチ演ずるところの「奇矯なあんちゃん」としてのエルなのである。

もはや、1キャラクター映画と化したこの作品は、私などは、そのエルの立ち居振る舞いのみを楽しみ、笑った。

アームチェアデティクティブ(引き篭もり探偵)のエルが、事件を解決するために、事件の鍵を握る子供たちと自転車でツーリングするのだが、エルが不健康な顔で自転車をこぐ、それだけで私は吹いた^^

     #     #     #     #

物語だが、まあまあ凝った話にはしている。

タイの寒村を絶滅に追いやった<殺人病原体ウィルス>を巡った、悪の環境団体とエルの対決の物語である。

筋だけを、今、思い返すと、頑張って作ろうとしていたんだなあ、とはわかる。

しかし、演出の表現が悪いので、作り手が、観る者に、驚いたり、共感したり、悲しんだり、なるほどと思ったりして欲しい箇所が、全て、観ているこちらに伝わってこないのだ。

何よりも、今度の事件の中心に<病原体ウィルス>を置いたのは、エルと言う探偵にそぐわないような気がした。

もうちょい突飛な事件ツールであることこそが、エルの物語には必要だったと思う。

「ウィルス」「抗ウィルス」、罹った/罹らないと言う行ったりきたりが、やや『デスノート』っぽくはあった。

また、悪玉のスケールの問題なのだが、『デスノート』のキラもヨツバグループも、やっていることはせせこましいのだが、<デスノート>と言うものの背後を考えると、やたらとスケールは大きく感じさせられた。

しかし、今回の作品での、<病原体ウィルス>を悪用しようとする集団たるや、バックボーンが全く感じられず、ちまちましていて寂しかった^^;

その主要メンバー五人を、ちょいとヨツバのメンバー風にしたかったのは分かるんだがね^^;

メンバーのメインを演じた工藤夕貴は可愛かった。

私が若い頃は、このすっきりした魅力がわからなかった。

演技も力を入れていたのだが、工藤夕貴の役どころの「矛盾に苦しむ姿」もまた、物語構成が悪いので、全く伝わってこない。

また、過激派グループの中に、ナイフで人をブスブス刺して殺しまくる若い女(佐藤めぐみ)がいるのだが、こいつがキレまくっていてやばかった。

そのキレ具合が、明らかに物語上、浮きまくっていた。

この過激派<ブルーシップ>のメンバーなのだが、そもそも、ただの小者の集団にしか見えない^^;

そして、最後、<病原体ウィルス>をアメリカに売り払おうと考えての機中で、計画が失敗し、メンバーは全員、ウィルスに犯される。

メンバーは、もはや、何を目的として行動するのか(しているのか)、本人達も(観ている私たちも)分からないのだが、飛行機を離陸させようとする。

そこにエルが乗り込んでくるのだが、一つしか完成していなかった<抗ウィルス>が、いつの間にやらいっぱい出来ていて、病気に侵されていた乗客が助かる^^;

一件落着し、飛行機を降りると、物語中盤から参加して、全く活躍しなかったFBI捜査官が、「あなたの指揮で動けてよかった」と感動している^^;

なんのこっちゃ^^;

     #     #     #     #

ヒロインの福田麻由子・・・、少女好きの私だが、好みではない。

でも、赤いノースリーブのワンピースを着たときの二の腕の華奢さがか弱くて良かった^^

このヒロインと、<殺人ウィルス>によるタイの寒村壊滅、その生き残りの少年がいる。

エルと二人の子供との触れ合いが、見ているこちらに「擬似家族」をつくるに至るエル、と言う感慨を抱かせようとの映画の作り手の思惑なのだろうが、それもまた、こちらには伝わらず、破綻していた。

また、物語の最後で、エルは、タイの生き残り少年を「二ア」と名付けた。

「二ア」は、マンガ『デスノート・第二部』のエルの後継者である。

マンガの「二ア」はいかにも白人の子供であった。

そのイメージを、強引にタイの少年に名付けるのは堪忍して欲しかった^^;

                          (2008/02/10)
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[映画『KIDS』を観た]

2008-02-02 17:58:07 | 物語の感想
☆サービスポイントが180ポイントを超えたので、久し振りに安いレイトショーではなくて、公開日の第一回目上映のMOVIX昭島に『KIDS』を観に行きました。

いつもの娘っ子と行ったのですが、二人で観ても、まだもう一回タダで観れるんだよね~^^

明日にでも、違う作品を一人で観に行こうかなあ^^

しかも、ポイントで観る時には、ポップコーンも貰えるんだよね^^

     #     #     #     #

『KIDS』は、綺麗にまとまり過ぎている感もあるが佳作と言えた。

極力、物語上の分かりにくい点を排した散文的な造りであった。

「散文的」とは、「説明文」のように思われて、悪い意味に取れてしまうかもしれないが、私はほめ言葉で使っている。

変に文学的な装飾を施して、訳分からない作品になるよりは、散文的に物語を追わせてくれたほうがよっぽど楽しい鑑賞が出来る。

小津安二郎の作品なんて、全てそうだ。

     #     #     #     #

主演は3人。

他人の傷を自分に移し変える超能力を持つ主人公アサトを、一昨年、『ラブコン』という傑作で、私の心を鷲摑みにした小池徹平が演じている。

街の一匹狼で、アサトと親交を深めていく不良タケオを、玉木宏が演じている。

イジメにあった経験があり、やや引っ込み思案の娘シホを、美しすぎる栗山千明が演じている。

港町のアメリカンダイナーと言う、一つ間違えれば陳腐な舞台で、これまた一つ間違えれば臭くなる演技を、3人は名演技で頑張って持ち堪え、作品にリアリズムを生んでくれていた。

     #     #     #     #

まあ、私は男なので、小池君みたいな、可愛い優しい奴がいたら、イジメたくなってしまうのだろうが、そういう作品中の人物としては良かった。

今は、こんな男が可愛くてモテるのだろう。

玉木宏は、いそうでいない、あくまでもぶっきら棒な、それでいて優しい不良を迷いなく演じていた。

とても、格好いい。

栗山千明は美しく、ただ、私は、ちょっと痩せすぎだろうと心の中でケチをつけつつ見ていた。

作中のシホは、過去のイジメで、唇に目立つ傷を残していた。

それもあって、常にマスクをしていた。

だが、タケオが「直すな!」と止めているのに、優しいアサトはその傷を取り去ってしまい、若いシホは、アサトとタケオの元から、にぎやかな都会へと出て行ってしまう。

その、シホが港町を出て行ってしまう心理描写は、言葉ではあらわされない。

シホが海を見つめる、その目の演技で、町を捨てる決心に至るだろうことが見ているこちらに伝わるのだ。

なかなかうまい演出、と思った。

     #     #     #     #

アサトにもタケオにも、それぞれの過去の事情がある。

アサトは、刑務所に入っている母親に面会する。

十数年ぶりかの再開だ。

アサトは期待に胸を膨らませる。

その頃、都会に出たシホは、とある店先で、アサトとの思い出の人形と同じ物に視線を合わせる。

シホの心に、アサトやタケオへの想いがよぎる。

見ている私らは、ここで、アサトが母親と明るい再会を果たし、そして、シホが港町に帰ってくることを期待する。

しかし、それは無残に打ち砕かれる。

母親は、アサトを「化け物」扱いし、シホは、しばしの逡巡のあとに都会の中に戻るのだ。

     #     #     #     #

そこから、傷心のアサトが家路につくときに、物語のクライマックスとなる。

大きな交通事故が発生し、アサトは、全ての被害者の怪我を自分に移し変えていくのだった。

タケオは、事故の発生を聞き、予感がして現場に走る。

そこには、ズタボロの、オスカー・ワイルド著『幸福の王子』の如き、瀕死のアサトがいた・・・。

      #     #     #     #

原作者は、最近の人気作家・乙一だそうだ。

私は、その作品は『ジョジョの奇妙な冒険』のノベライズ『ザ・ブック』しか読んだことがない。

なかなか面白かった。

乙一は、『ジョジョ』の作者・荒木飛呂彦からの影響を常々語っている。

この、クライマックスのハイウェイでの大事故も、『ジョジョ 第三部』のエンディングを彷彿とさせた。

そもそも、アサトの超能力も、『ジョジョ』のスタンド(超能力)っぽい^^

     #     #     #     #

『KIDS』は、日常に一つの超能力が紛れ込んで、物語が展開していく。

『デスノート』も、日常に一つの不思議な道具が紛れ込んで、話が進んでいった。

超能力も、不思議な道具も、例えば『ドラえもん』などなら、毎回、使い捨てられていくものである。

最近の物語潮流では、現実の社会(世界)の中、こんな超能力があったら、世界はこのように対応(変化)していくのだろうと言う<リアル・シミュレーション>的な使い回しをされるのが流行のようだ^^

                       (2008/02/02)
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