☆今、映画に限らず、書かなくてはならないことが多過ぎるので、足早に記させて頂く。
短く記すわけだが、いや、この作品は面白いよ、私は大好きだ。
シリーズ前作の『チーム・バチスタの栄光』(クリック!)も、私はとても面白かったのだが、ネット映評では評判が悪かったのが不思議でしょうがなかった。
原作を読んだ人には、何か足りない要素があったのだろう。
私にとっては、シリーズ2作目なのに、なんとも、もう見続けてきた長大なシリーズの如く、田口(竹内結子)や白鳥(阿部寛)が出てくると、「待ってました!」気分で心に馴染む。
この二人の個性については、語ることの重複を避けるために書かない。上の前作感想のリンクを読んで頂きたい。
前作と同じ大学病院が舞台となっているので、この作品はシチュエーション・コメディとしても楽しめよう。
いや、シチュエーション・ミステリーと言うべきか^^;
でも、物語の前半は、ホント、田口と白鳥の個性が面白くて物語を引っ張ってくれる。
そこへ絡んでくるのが第三の奇矯な性格の者・速水緊急医療センター長(堺雅人)だった。
諦観を秘めた薄笑いと、口にくわえられたチュッパ・チャプス。
この男が、「ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)」の異名を持つ。
この「ジェネラル」が、医療メーカーとの癒着を告発され、物語が進んでいく。
もともと、堺雅人は、かような、心のうちに何かを含んだような演技を得意としてきたが、今回は集大成の如く、いやらしくも格好いい。
一緒に観た姪っ子(腐女子)は、キャーキャー言って喜んでいた^^;
◇
肝心のミステリーも、フーダニットあり、二重三重のドンデン返しありと、スケールこそ小さいが、丹念に畳み掛けてくれて面白かった。
白鳥の推理も、無茶苦茶そうでいて、適切なんだよなあ。
しかし、そのミステリーのスケールの小ささは、その後のスケールの大きな事件で補われる。
その事件にて、速水の目指した緊急医療体制の充実が必要であることが病院首脳陣に理解される。
ただ、やや、ここで私はご都合主義を感じてしまった。
そして、速水に敵対的だった病院内赤字削減・経済的治療優先主義の事務局長の家族が、その災害に巻き込まれて、事務局長が経費がかかり過ぎるからと頓挫させていたドクター緊急ヘリの必要性を痛感させられるのも、二重に都合がよく感じた。
作品中、一度の偶然は偶然とみなすが、それが二度重なるとあまりにも作為的に感じさせられる。
◇
このクライマックスは、ミステリーのクライマックスにくるべき「謎解き」とは違うのだが、そこまでの解決が鮮やかだったので、逸脱には感じられず、
そこに、「ジェネラル・ルージュ」の名前の由来や、
田口による、辞表を提出した速水の引き止めエピソードなどが描かれ、
ミステリー的なひねりがちゃんとある。
また、速水の、副センター長(山本太郎)との確執の結果や、速水を信じてつき従っていた看護婦長(羽田美智子)との恋の成就も爽やかな後味を残す。
速水を疎ましく思っていた沼田教授(高嶋政伸)が、異常ではあるが、殺人までには身を染めないと言う立ち位置の男を演じている。
前作からの引き続きの出演者が、ちょい役の脇役で出演したりもするし、沼田みたいな男も、次のシリーズに普通に顔を出すのかも知れない。
その変の妙なリアリティも面白い。
ただ、今回の殺人者、前回の犯人と同じく、人を殺すことに罪悪感のない性格の者だったので、二作続けての同じ傾向であることに不満を感じた。
(2009/03/07)
短く記すわけだが、いや、この作品は面白いよ、私は大好きだ。
シリーズ前作の『チーム・バチスタの栄光』(クリック!)も、私はとても面白かったのだが、ネット映評では評判が悪かったのが不思議でしょうがなかった。
原作を読んだ人には、何か足りない要素があったのだろう。
私にとっては、シリーズ2作目なのに、なんとも、もう見続けてきた長大なシリーズの如く、田口(竹内結子)や白鳥(阿部寛)が出てくると、「待ってました!」気分で心に馴染む。
この二人の個性については、語ることの重複を避けるために書かない。上の前作感想のリンクを読んで頂きたい。
前作と同じ大学病院が舞台となっているので、この作品はシチュエーション・コメディとしても楽しめよう。
いや、シチュエーション・ミステリーと言うべきか^^;
でも、物語の前半は、ホント、田口と白鳥の個性が面白くて物語を引っ張ってくれる。
そこへ絡んでくるのが第三の奇矯な性格の者・速水緊急医療センター長(堺雅人)だった。
諦観を秘めた薄笑いと、口にくわえられたチュッパ・チャプス。
この男が、「ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)」の異名を持つ。
この「ジェネラル」が、医療メーカーとの癒着を告発され、物語が進んでいく。
もともと、堺雅人は、かような、心のうちに何かを含んだような演技を得意としてきたが、今回は集大成の如く、いやらしくも格好いい。
一緒に観た姪っ子(腐女子)は、キャーキャー言って喜んでいた^^;
◇
肝心のミステリーも、フーダニットあり、二重三重のドンデン返しありと、スケールこそ小さいが、丹念に畳み掛けてくれて面白かった。
白鳥の推理も、無茶苦茶そうでいて、適切なんだよなあ。
しかし、そのミステリーのスケールの小ささは、その後のスケールの大きな事件で補われる。
その事件にて、速水の目指した緊急医療体制の充実が必要であることが病院首脳陣に理解される。
ただ、やや、ここで私はご都合主義を感じてしまった。
そして、速水に敵対的だった病院内赤字削減・経済的治療優先主義の事務局長の家族が、その災害に巻き込まれて、事務局長が経費がかかり過ぎるからと頓挫させていたドクター緊急ヘリの必要性を痛感させられるのも、二重に都合がよく感じた。
作品中、一度の偶然は偶然とみなすが、それが二度重なるとあまりにも作為的に感じさせられる。
◇
このクライマックスは、ミステリーのクライマックスにくるべき「謎解き」とは違うのだが、そこまでの解決が鮮やかだったので、逸脱には感じられず、
そこに、「ジェネラル・ルージュ」の名前の由来や、
田口による、辞表を提出した速水の引き止めエピソードなどが描かれ、
ミステリー的なひねりがちゃんとある。
また、速水の、副センター長(山本太郎)との確執の結果や、速水を信じてつき従っていた看護婦長(羽田美智子)との恋の成就も爽やかな後味を残す。
速水を疎ましく思っていた沼田教授(高嶋政伸)が、異常ではあるが、殺人までには身を染めないと言う立ち位置の男を演じている。
前作からの引き続きの出演者が、ちょい役の脇役で出演したりもするし、沼田みたいな男も、次のシリーズに普通に顔を出すのかも知れない。
その変の妙なリアリティも面白い。
ただ、今回の殺人者、前回の犯人と同じく、人を殺すことに罪悪感のない性格の者だったので、二作続けての同じ傾向であることに不満を感じた。
(2009/03/07)