福田の雑記帖

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新聞考2021(2) メディアの信頼性がネットで障害されている

2021年04月10日 04時27分13秒 | 時事問題 社会問題
 メディアの信頼性が下がり続けている。
 正確なニュースを報じ、民主主義社会のインフラとなるべき報道機関が信用されなくなっていることに、どう対応すべきか、これは重要な問題である。なんとなれば、情報を受け取る側が何を信じていいのか分からなくなるからである。これは恐ろしいことである。

 ここ数年、フェイクニュースに関しての話題が多い。フェイクニューとは、まるで本当のニュースのように装ったデマ情報。デタラメをニュースのように仕立てているから一見真偽の程がわからず、信じてしまう人は驚くほど多い。

 日本にいると実感できないが、昨年の米大統領選の終盤では、ニューヨークタイムズやワシントンポストなどの主要新聞やテレビよりも、フェイクニュースの方がより頻繁にフェイスブック上で拡散していた、とされる。従来のメディアが信頼を失っている証座である。

 日本でもマスメディアに対する信頼性は下がっている。新聞通信調査会が2008年から毎年実施する「メディアに関する全国世論調査」では、NHK、新聞、民放テレビ、ラジオの信頼度が、いずれも過去最低となった。

 また、総務省の「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全体ではテレビ62.7%、新聞68.6%と高い信頼度を保っているが、若い世代ほどその数字は下がり、テレビは30代で47.3%、新聞は20代で58.9%となる。ネットや雑誌はそれよりも圧倒的に低い。


 いまの10~20代は新聞を読まず、ネットのニュースしか読んでいない。だから、ネットの実態を知らないからマスメディアに対して不信感を持っているのだろう。

 なぜ、メディアは信頼性を失っているのか??
 視聴者が知りたいことを報じることが、業績を伸ばす近道。これがメディアの現実であり、危うさでもある。しかしながら、メディアは民衆が好まない嫌な内容であっても伝えなければいけないことは伝える、という姿勢を貫いてきたことが信用されてきたルーツであった。

 その信頼性が、ネットの登場で崩れて来ている。

 ネットは、
 ■ ネットには新聞やテレビで報じられていないことが出ている。
 ■ 新聞やテレビが報じない真実、という見出しで「新聞やテレビのマスメディアは隠している」という誤解が広がり、ネットの方が信頼できると感じる人が増えている。
 ■ 週刊誌や雑誌の影響力はそれを読んだ人にとどまる。しかし、ネットでは双方向だから個々人の不信感が増幅しシェアされる。
 ■ 自分で裏を取る確認作業もせずに、ネットに情報を流す。それを見て「ネットがいち早く伝えている」と捉える人がいる。
 ■ かつてはメディアの競争相手はメディア業界内だけであった。しかし、ネットではあらゆる組織や個人にまで広がった。
 ■ ネットは報道やメディアにとってマイナス作用しか持たない訳ではない。あらゆる個人が情報発信できるようになったことで、「情報の民主化」の面もある。他方、ネット情報の中に不正確なものやフェイクが大量に混じっている。

 ネットについては上記のような特徴を捉えておく必要がある。

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