引き続き“チェ★28歳の革命”レビューその2です。
7月カストロはラウル・チバス、フェリペ・パトスと協定を結び、政治犯の釈放や言論の自由、農地改革を謳った“シェラ宣言”を発表した。自らゲリラ戦士として自覚し、武装闘争に専念する決意を固めたゲバラは、都市勢力との協力に批判的だったが、カストロはより広い政治的な視野に立った。革命軍は次第にその勢力を増し、ゲバラは第2部隊の司令官に任命された。
ゲバラは苛烈に戦い続ける一方、農民への収奪を戒め、違反したものには厳罰を科した。それは同時にゲバラ自身を峻列な革命的人間へと鍛えあげる結果にもなった。個人でありながら“社会全体の幸福を実現するため、その戦いと責任を受け入れた個人”とならねばならなかった。
この年の夏から秋にかけて、革命軍はエル・オンブリトに学校や病院、発電設備まで備えた定住可能な拠点を設立、バティスタ軍のサンチェス・モスケラとの攻防戦を繰り返した。ゲバラは新兵の訓練を担当した。
58年4月9日、カストロも支持したゼネストが失敗、5月3日シェラ・マエストラ山中のロス・アルトス・デ・モンピエで行われた集会で、カストロが全革命勢力の総司令官兼政治的指導者として選出され、キューバ革命は武装闘争に集中していくことになる。
ゲバラと同志たち。
フィデル・カストロ(デミアン・ビチル)革命で、キューバを社会主義国家に変えた男。その知性と大地のように動かぬ信念で、今なおキューバの父として絶対的な存在感を持ち続ける。ゲバラは彼との出会いにより、医者から革命家に生まれ変わる。
(2008年2月、国家評議会議長退任した)
フィデル・カストロ ←キューバの父、カストロについて詳しく紹介。
ラウル・カストロ(ロドリゴ・サントロ )フィデル・カストロの弟。フィデルとともに活動を続け、チェ・ゲバラとフィデルが出会う歴史的な瞬間を作った。
2008年2月24日よりフィデルの後継者としてキューバ国家評議会議長に就任している人物。
カミロ・シエンフエゴス(サンティアゴ・カブレラ)
革命軍の太陽的存在。その明るく気さくな人柄ゆえ誰からも愛された人。革命後、彼の乗った飛行機が海上に墜落。悲業の死を遂げる。チェ・ゲバラは、自分の息子(長男)に「カミロ」の名をつけるほど、彼を敬愛していた。
12月11日、ゲバラは2度国連総会の演壇に立った。列強のみを利する平和共存の実情を批判し、アメリカに対して黒人や中南米の民衆に叛乱を宣した。中南米各国のキューバに対する批判に一つずつ反論を加え、とりわけ、ニカラグァ代表によるゲバラのスペイン語のアルゼンチン訛への指摘には皮肉をもって応えた。そこにはかって外国人故に指揮官を譲った医師の姿は微塵もなかった。
革命軍はバティスタ軍の反撃を粉砕すると、攻勢に転じた。目標はサンタクララ。ゲバラは攻撃軍の唯一の司令官たることを宣言!12月29日、遂に戦端を開いた。戦場を飛び回って指示を出し続けるゲバラに寄り添うのは、後にゲバラの妻となるアレイダ・マルチ(カタリーナ・サンディノ・モレノ )
ゲバラの妻となるアレイダ
59年1月1日、バティスタはハバナを捨てて逃亡、革命軍は勝利を手にした。
“革命のシンボル”とリサ・ハワードに言わせたゲバラの目は、既に中南米での戦いに向けられていた。
ハバナへと向かうチェ・ゲバラ、30歳。だが、奇跡の勝利の中でも、ゲリラ戦士しての誇りは失われることなく、ゲバラを律していた。
ジュリア・オーモンド (43才頃) ベニチオ・デル・トロ(41才頃)
解説
「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ監督とベニチオ・デル・トロが再びタッグを組み、伝説の革命家エルネスト・“チェ”・ゲバラの人物像とその半生に迫る伝記ドラマ2部作の前編。本作ではゲバラがフィデル・カストロと出会い、キューバ革命闘士として躍進するまでを描く。また、入念な役作りのもと、ゲバラを熱演したベニチオ・デル・トロは、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。(allcinemaより)
メディア | 映画 |
上映時間 | 132分 |
製作国 | アメリカ/フランス/スペイン |
公開情報 | 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ=日活) |
限りなくチェ・ゲバラに近づいたデル・トロ、本当のゲバラのような気がしました。しかし内容は重くて、観るのが辛い作品でした。 カストロ議長の存在はあまりにも有名ですが。ゲバラのような大きな片腕があったからこそ、この劇的な革命が成功したんですよね。ゲバラが真の革命者だということがこの作品を通じて痛いほど伝わりました。名誉や権力が欲しい人ではなく、貧困や苦しみから民衆を救いたかったのでしょうね。そして後半はそんなゲバラが、更に南米の平和のために、革命戦士として戦うことになります。う~ん後半はちょっと辛いな(涙)2時間12分でしたか。もっと長いなあと思いました。淡々と進むからでしょうか。
ベニチオ・デル・トロのインタビューは→こちらからどうぞ。
両目のハの字ぐあいが、絶妙です!
っていったいどこにくいつてるんだ。
壊し屋と、作り屋の二つがあいまって、新しい国ができるいいコラボになったのでしょうかね。
もちろん壊し屋はゲバラですが。
やっぱり壊し屋さんの方は、自分も壊れていく運命なのだろうか・・・などとも感じています。