銅版画制作の日々

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ディファイアンス◇◆DEFIANCE

2009-02-28 | 映画:シネコン

ディファイアンスとは、「抵抗」という意味だそうです。

2月18日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。1000円でした!

俺たちは動物みたいに追われる。でも俺たちは動物じゃない。可能な限り“人間らしく”自由に生きるために、選ばれた存在なのだ。自由の日々を手に入れることが、俺たちの勝利。真の生を勝ち取るためにたとえ死ぬことがあっても、“人間らしく”死にたい。ーーートゥヴィア・ビエルスキ

ユダヤ人がユダヤ人を救う、知らざれる感動の実話ーーーー。

ナチスドイツによるユダヤ人へのホロコーストは皆さんご存知だと思います。もう75年以上のときが経っていますが、忌まわしい記憶はいつまでも人々の心の裏側にずっしりと重くのしかかっているわけです。同じ人間なのに、このような仕打ちを受けなければならなかったのか?

そのようなユダヤの人の中にこんな勇敢でたくましい人たちがいたとは知りませんでした。実際にあったお話を、エドワード・ズゥィック監督によって映画化。主演トゥヴィア・ビエルスキ役には先頃公開された「007:慰めの報酬」でボンドを演じたダニエル・クレイグ。う~ん何かボンドと重なるところもあるような?気がしますが・・・・・。

本来なら、ドイツ軍に囚われて死を余儀なくされるはずなのだが、トゥヴィアは違った。銃を持ち、戦いに立ち向かうことを選ぶ。

お話

1941年、ドイツ軍はべラルーシを占領。ナチス親衛隊と地元警察はユダヤ人○りを始めた。

1941年8月、両親を殺されたユダヤ人兄弟、トゥヴィア、ズシュ、アザエルは、まだ幼い末弟のアーロンを連れて、リピクザンスカの森に逃げ込んだ。これからどうしようかと話し合っていたところ、兄弟同様に森を逃げ惑っていたユダヤ人と次々と合流することに・・・・。移動人数は多くなっていき、食料や武器がない中、兄弟は困惑することに。トゥヴィアは食料、武器調達のため、父の親友コスチュクに会いに行く。父の冥福中、ユダヤ人○りをしている警官ベルニッチが訪ねてくる。コスチュクは急いでトゥヴィアを納屋に隠す。何とそこには、複数のユダヤ人が身を隠していた!何とか見つからず済む。コスチュクは彼らを一緒に連れて行って欲しいと頼む。このとき、ベルニッチがトゥヴィアの両親を殺したことも知る。その後、一人でベルニッチ家へ向かい、彼を息子とともに射殺。

1941年10月、ペレラズの森

同胞のユダヤ人が次々と合流、気がつくと数十人の大所帯となった共同体。少ない道具を使い、森の中で家を建て始めた。そこへまた銃を持った二人組がやって来る。彼らはホロディッシュから逃げてきたユダヤ人。ホロディッシュは、ズシュが妻と子どもを置いてきた町。そこでは、3000人のユダヤ人が殺され、50人が生き残ったという。しかしズシュの妻子は生存者の中にはいなかった。やがて彼らは「ビエルスキ・パルチザン(民衆による非正規軍)を名乗り、銃で武装し、農家から食料を奪い、ドイツ軍への攻撃を繰り返すようになる。ある日、ドイツ軍との銃撃戦で2人の犠牲者を出し、さらに弟のアザエルが行方不明に・・・・。

隠れ処の森の中で、仲間の喪失、空腹、不安を抱え、同胞の中でいざこざが起き始める。そんななかでトゥヴィアは皆にこう話す。

「生き残ることが復讐だ!追われても動物じゃない。俺たちは自分の意志で、ここで暮らすことを選んだ。自由のある日々は神様の賜物。生きようとして命を失うなら、それは人間らしい死に方だ」と。固い防御と食料の確保を行い、森で暮らす準備をしようと皆に提案した。

コスチュクの家へ食料の調達のため、再び訪れる。そこで行方不明となっていたアザエルと再会。ベラとハイアという2人のユダヤ人女性とともにかくまわれていた。再会に喜ぶトゥヴィア。だがコスチュクはユダヤ人を助けたことで、納屋の先に吊るされ殺されていた。

 
アザエル(ジェイミー・ベル)とハイア(ミア・ワシコウスカ

 
ズシュ(リーヴ・シュレイバー

議論したり、恋人を見つけたり、森での暮らしは平穏に過ぎていく。そんななか、ノバルドグから逃げてきた同胞から、トゥヴィアの妻が殺されたことを知らされる!その直後、農家の男が手引きして、森の中にドイツ軍を引き連れてきた。武器と食料だけもって逃げるトゥヴィアたち。銃撃戦が始まるが、どうにかその場を切り抜ける。

数日後、偵察に出たトゥヴィアとズシュは、森の中でソ連軍に取り囲まれる。指揮官に会いたいと申し出たトゥヴィア。指揮官のヴィクトル・パチェンコは兵を提供する条件で、提携することを許可する。

その頃、バラノヴィッチェから来た新たな仲間から、「もうすぐゲットーが取り壊され、脱走者は、全員殺されてしまうようだ。毎日ユダヤ人が殺されている」と聞く。トゥヴィアは、生存者を救い出そうと提案。ズシュは仲間が増えることによる危険性を考えず、理想論を語るトゥヴィアに腹を立て、殴り合いの喧嘩となる。「本当の戦いに参加する」と言い残し、数人の仲間を引き連れ、ソ連軍に参加することに・・・・・。

トゥヴィアとアザエルはゲットーにもぐりこみ、ユダヤ人救出に向かった。しかし彼らは殺されることを信じない。冬の森での生活の苛酷さや脱走した後犠牲になることを引き合いに出し、なかなか動こうとしなかった。しかし何度も説得したことで、次々と脱走を始めた。

森に、長い行列ができた。新しく加わった仲間たちの前で、トゥヴィアは宣言した。「今日から、失った暮らしを取り戻す。この国でユダヤ人が自由を持てるのはここだけだ」と。武器を直し、料理を作り、裁縫や銃の訓練など、人々はそれぞれ職を持った。そしてアザエルはハイアと結婚。同胞の祝福のなか、結婚式が開かれた。

1941年12月、ナリボッカの森

 
イザック(マーク・フォイアスタイン


ハレッツ(アラン・コーデュナー

寒くて厳しい冬。食べ物がなく、何日も食べられない日々が続く。寒さと飢えに同胞たちは耐え切れなくなり、リーダーのトゥヴィアの指導力を疑い始める。トゥヴィアはチフスの伝染を防ぐため、ペニシリンをもらいにソ連軍のキャンプへ向かう。そしてズシュと再会した。だが肝心のペニシリンは兵士たちのためのものだからと、提供してもらえない。仕方なくトゥヴィアはズシュと同胞たちと村の警察署を襲う。怪我までしてペニシリンを手に入れてくれた弟に、トゥヴィアは「戻って来い」と促す。

一方隠れ処である森では、食料調達班が暴動を起こした!トゥヴィアは、首謀者であるアルカディを射殺してケジメをつける。

1942年4月、ナリボッカの森

この頃、トゥヴィアはゲットーから逃げてきた元音大生のリルカ(アレクサ・ダヴァロス)と深い仲になっていた。どこかで観たことがあるなあ?と思ったら、彼女は「ミスト」で謎の怪物に襲われるスーパーのレジのお姉さんでした。

そんなある日、伝令に出された一人のドイツ兵を同胞が捕まえる。伝令書には、出エジプト祭日である2日後に攻撃開始と書かれていた。同胞たちは家族を殺された恨みからドイツ兵を○り殺す。その様子をトゥヴィアはただ見守る。

一方ソ連赤軍のキャンプでは敵の攻勢から逃れるため撤退が始まっていた。森に残された者たちに危険が迫ることを意味する撤退を拒むズシュだったが、ソ連軍は森を後にする。

出エジプト祭日の前日、空を旋回する飛行機を見上げ、トゥヴィアは不安にかられた。すぐに荷物をまとめ、脱出を呼びかけるが、その直後、爆弾がうちこまれ、同胞は逃げ惑うことに・・・・・。

アザエルは皆が逃げる時間を稼ごうと、数人の仲間と銃で敵の足止め役を買って出る。その間トゥヴィアは皆を誘導し、森の奥へと進んだ。だが目の前には大きな川が・・・・。ドイツ軍に囲まれている今、進む道は川しかない。老人や子供を抱えている現状と、アザエルたちがまだ合流していない事実にトゥヴィアは絶望する。

そのとき、アザエルが現れ、川に突き進み、前に進もうとトゥヴィアを促した。

「やれば、できる。神はモーセのために紅海を裂いた。僕らに奇跡はない!奇跡は自分たちで起す」

その言葉に、皆が立ち上がり、ロープやベルトで皆をつなぎ、川を渡る。ようやくわたりきった対岸ではドイツ軍が待ち受けていた。激しい銃撃戦が繰り広げられる中、劣勢になったとき、ズシュが現れる・・・・。トゥヴィアたち兄弟の、同胞たちの行く末は・・・・?

奇跡は本当に自分たちで起しましたよね!その後この4人兄弟は、ビエルスキ・パルチザンという共同体で戦後まで維持し続けたそうです。まさにドラマのようなお話です。タフな精神力がいりそうな感じです。私には出来そうもない。ダニエル、この役にピッタリですね。

解説

 「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック監督、「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグ主演で実在したユダヤ人兄弟の知られざる功績をクローズアップした感動の戦時ドラマ。第二次世界大戦下、東欧ベラルーシにもナチスの脅威が迫る中、逃げ惑う1200人もの同胞を救ったビエルスキ3兄弟の英雄的な抵抗活動を緊迫感溢れるタッチで描く。共演に「オーメン」のリーヴ・シュレイバーと「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル。
 1941年、ドイツ軍に侵攻され、ナチス親衛隊と地元警察によってユダヤ人○りが始まったベラルーシ。両親を殺されたトゥヴィア、ズシュ、アザエルのビエルスキ兄弟は森の中へ逃げ込み、生きる手立てを模索していた。すると彼らの周りにはやがて、逃げ惑っていた同胞のユダヤ人が次々に合流してくるのだった。またそんな中、トゥヴィアは両親を殺した犯人を突き止め、復讐を果たす。日に日にユダヤ人が集まり、食料や武器を調達しながら共同体を築いていくトゥヴィアたち。やがて、彼らは“ビエルスキ・パルチザン(民衆による非正規軍)”を名乗り、銃を手にドイツ軍への抵抗を始めるのだが…。
 
エドワード・ズウィック監督(右)といえば、「ブラッド・ダイヤモンド」。この作品も個人的に大好きな作品でした。
 
 
オフィシャル・サイト
http://www.defiancemovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://defiance-movie.jp/
 
ということで、長~いレビュー、終了です。
 
 
Comments (5)
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