銅版画制作の日々

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ものすごくうるさくてありえないほど近い(2011)EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE

2012-02-21 | 映画:シネコン

 あの日父を失くした少年の、喪失と再生のものがたり

評価:=70点

主役を演じたトーマス・ホーン君は正真正銘の天才少年らしく。アメリカで有名なクイズ番組でチャンピオンに選ばれたことから今回のような主役抜擢となったようです。現在14歳ですが、飛び級で高校1年生だというのだから、これまた凄い話!

 勘の良さでここまで凄い演技が出来るんでしょうね。これには驚き桃の木でした。

劇中でもオスカーは自分を「アスペルガ―~」と言うくだりがありましたが、まさにこれはその通りではないでしょうか?年の割には饒舌で、大人顔負けの言葉使い。しかし色々な場面や環境には適応しにくいようで、変に融通がきかない。いつも不安を抱えている。その彼を支えていてくれたのが9.11で亡くなってしまった父。それだけに損失感は大きい。引きずるのは当たり前。年月が経ってもその死を受け入れられないのは当然のことでしょう。

父はオスカーの唯一の理解者でした。おそらく父も彼が障害があると悟っていたような?それゆえに無くてはならない存在、彼にとっては絶対の存在と言えるのでしょうね。

死んでしまった父の遺体さえ見つからない。これはもちろんのこと。お棺も空っぽで、、、、。オスカーは空っぽのお棺を埋葬することさえ無意味だという。もちろんその通り。


トムハンクス演じる父。出番は少ないですが、彼を一番理解する善き父を絶妙に演じてました。

 
母リンダにはサンドラ・ブロック いつになく演技は抑えめですが、なかなかの名演技


消失の日々が続いていたそんなある日父の遺品から1本の鍵を見つける。その鍵が入っていた封筒に“ブラック”の文字が!

ひょっとしてこれは亡き父のメッセージかもしれないと思い込む。いやそうだと確信する。それ思いこみみたいな気がするんですけどね(笑)

鍵穴とブラックさん巡りの旅がここから始まることに、、、。この2つがキーポイントだけど、これだけで見つかるのかしら?


このあたりがとても純粋で単純すぎるとも言える。やっぱりこの辺は等身大の年頃の彼かな。

きっと父は僕に何かを託してくれているという無垢な少年の切ない思いかもしれない。

そしてこんな旅のパートナーまでが、、、、。


その人は祖母の家の賃借人(マックス・フォン・シドー)

この老人とのブラックさん探しがまた何とも哀愁をそそる。実は彼は言葉が話せないハンディを持っており、メモでやり取りをする。


マックス・フォン・シド―はこの作品でオスカーにノミネート。

オスカーが歩いて探すというと、自分は老いているから歩けないとメモで答える。オスカーはそんな老人に苛立ちあたり散らしたりするも、、、、、。結局は老人の意見に負ける。

9.11のトラウマがあるオスカーが毒ガスマスクを着用して地下鉄に乗るシーンも何とも滑稽な感じがしたが(笑)でも本人は本当に危ないと思い込んでいるところが何とも健気なきもする。

こうしてブラックさん探しの旅は続くわけだが、、、、。この旅も急展開で意外な方向に、、、。実は最初に出会ったアビー・ブラックという女性が鍵と関連していたことが分かる。まさにどんでん返しという結末。

結末の展開はそれで良しとして、結局はそこまでのプロセスが大事だったのだと思います。鍵を巡る冒険で出会った人々との交流。

快くオスカーを受け入れる人、はたまた拒否して門前払いをする人、そして賃借人の老人との関わり、母との愛の再確認等・・・・。

これらがオスカ―の心の再生へと繋げたのでしょうね。

 解説(allcinemaより)

「僕の大事なコレクション」の原作『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』でデビューした注目の作家ジョナサン・サフラン・フォアが9.11後の喪失と再生をテーマに描いた傑作小説を、「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」のスティーヴン・ダルドリー監督が映画化。9.11のテロで父親を失った少年が、父の遺品である一本の鍵に合う鍵穴を探そうとニューヨーク中を旅する中で、様々な出会いを重ねながら少しずつ父の死を受け止め、悲しみを乗り越えていく姿を感動的に綴る。主人公の少年役には本作がデビューとなる新人トーマス・ホーン、共演にトム・ハンクス、サンドラ・ブロック、マックス・フォン・シドー。

メディア 映画
上映時間 129分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2012/02/18
ジャンル ドラマ
映倫 G

 

 

 

 

Comments (5)
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