2月24日よりロードショーされる『ボビー』の試写会に、友人と行って来た。ボビーとはロバート・F・ケネディの愛称。1968年6月5日、彼はアメリカの希望とまで言われ、次期アメリカ大統領候補としてカルフォルニア州選挙を勝ち取ったその勝利の夜凶弾に倒れ、42歳という若さで亡くなった。キング牧師が暗○された2ケ月後の出来事だ。このお話はその事態が起きる16時間前、現場のLA、アンバサダーホテルには様々な人種、年齢、階層、境遇に属する22人の人間たちがいた。それぞれ交錯しながら、時間は流れていき、不安や苛立ちを抱える者や辛い現実に直面している者たちがいる。それでも人々は明日への“希望”に満ちていたアメリカや世界を変えてくれるかもしれない“ボビー”という一人のヒーローへ皆が希望を抱いた。そしてこの運命の夜、彼らの瞳に映ったものとは??
当時のボビーの映像が映画の中に提供され、演説の様子や彼の政策も聞くことが出来る。印象的なのは、ベトナム戦争への派兵の撤回を強く掲げていたこと長く続いたベトナム戦争を回避したいというボビーの言葉は、皆にとっての願いだったはず人種問題、貧困の撲滅、環境問題等の改善にとした、ボビーことロバート・F・ケネディ上院議員。22人の人たちもこの理想主義に希望を持ち、勝利の夜に集う。
監督はエミリオ・エステヴェス、彼はアメリカ史に残る最も悲劇的で、血塗られた夜を再検証するドラマとして製作。またボビーの信念を讃えるためにと映画史上かってないほどの豪華キャストやスタッフが集結している。それと故ボビーのために、ケネディ家の全面的な支援を得ている
22人の人間模様 元ドアマン(アンソニー・ホプキンス)と元ホテルマン(ハリー・ベラホンテ)の二人は、慣れ親しんだこのホテルの1階でチェスを楽しむ日々。現在のホテルの支配人(ウイリアム・H・メイシー)は有能だが、ホテルの美容師である妻(シャローン・ストーン)を苛立たせるばかり美しい電話交換手(へザー・グラハム)は出世のために、支配人といい仲に同僚(ジョイ・ブライアント)はそんな彼女の恥ずべき行為に侮辱レストランでは堅物のマネージャー(クリスチャン・スレーター)が従業員に手厳しくやっている副料理長(ローレンス・フィッシュバーン)は博論者見習いのメキシコ人コック二人(フレディ・ロドリゲスとジェイコブ・ヴァルガス)は仕事より野球の試合が気になる。コーヒーショップには大スターを夢見てオハイオからやってきたウェイトレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は慣れない手つきで、を注ぐ。一方カルフォルニアの予備選挙のパーティのため、全米から、たくさんの人々が集まったボビーの前で歌うシンガー(デミ・ムーア)はアルコールが離せない、そしてその夫(エミリオ・エステヴェス)は欲求不満気味ベトナム戦争行きを阻止するために、結婚することにした青年ウィリアム(イライジャ・ウッド)と花嫁(リンジー・ローハン)二度目の結婚・ハネムーンでホテルに滞在する若妻(ヘレン・ハント)とNY社交界の名士(マーティン・シーン)選挙を支える若い側近(ジョシュア・ジャクソンとニック・キャノン)チェコから取材に来た記者(スヴェトラーナ・メトキナ)は必死に側近達に売り込もうとする。はたまた部屋にこもり、L○○にはまる薬のディーラー(アシュトン・カッチャー)、そのディーラーから薬の経験をして幻覚症状を楽しむ新米選挙ボラ(ブライアン・ジェラーティとシア・ラブーフ) 以上紹介したそれぞれの22人の人たちに、それぞれのドラマが展開することに・・・・・。
監督・脚本を手がけたエミリオ・エステヴェスはケネディ家の支持者だった父マーティン・シーンの影響でボビーことロバート・F・ケネディの理想主義を崇拝カリスマ性や若くして逝ったボビーの存在がアメリカの輝かしい未来を奪ったとことの現実を22人の目を通して伝えたかった
考えればケネディ家の不幸はボビーだけでなく・・・・兄のJ・F・ケネディも大統領在任中、同じ運命を辿っている。これ以外にもケネディ家の人々の運命は奪われているのをご存知だろうか?それについてはこちらから
という事で豪華キャスト・スタッフが揃ったこの『ボビー』という映画には、参加した人たちの思いが込められているのだベトナム戦争での悲痛な思いがありながらも、またイラクやアフガンに派兵するアメリカの現在に、この映画は戦争や政治に対して、物申すという強い思いが込められていると感じた
追記:ロード・オブ・ザリングのイライジャ・ウッド、かなりイメージが変わったようなでも目のあの色はやはり、イライジャ・ウッドだった
シャロン・ストーン、デミ・ムーアもそれなりに年を重ねて、いい雰囲気大御所アンソニー・ホプキンスも頑張っているし、何と歌手のハリー・ベラホンテまで出演息子の映画に出演した、マーティン・シーンも最近は「ディパーデット」で刑事役に出演している。そして何と言ってもあのウィリアム・H・メイシー、独特な風貌で、印象深い。最近では「サンキュー・スモーキング」にも出ていたよね。
今から40年前のこの事件、私も薄っすら記憶に残っている。ただ詳細は、この映画を観て初めて知った。
ジョン・F・ケネディボビーの兄についての詳細
BOBBY『ボビー』公式サイト 2月24日より東宝系シネマにて上映です