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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 158 粘土と粘土の接着法3?

2015-06-28 20:31:50 | 素朴な疑問
1) 接着する物同士の乾燥具合によって、接着方法も異なります。(前回の続きです。)

 ① 土同士が十分軟らかい場合。

 ② 削れる程度に乾燥している場合。

 ③ 白くなる程度に乾燥している場合。

  ) 陶器の場合、乾燥して白くなった土に、後から土を付け加える事はしません。(磁器では

   行う様です)理由は、後から接着が効かない為です。例えば、「ドベ」を使ったとしても、

   一見成功した様に見えても、素焼き後であっても、少しの衝撃で離れてしまいます。

   又接着面の強度が弱く、例え無事に本焼きまで辿りついても、剥がれる事が多いです。

  ) 素焼き前に「割れやひび」が入った場合、「ドベ」等で補修しても、上手く行かない

   事が多いです。完全に「割れ」て、別体(バラバラ)になった場合の方が処置し易いです。

   単なる「ひび」であった場合、その隙間に「ドベ」を入れる事は難しく、隙間に入った様に

   見えても実はその表面の割れ目に入り、中まで浸透していません。一般には、「割れやひび」

   の入った作品は、焼成せず元の粘土に戻すのが正解です。

  ) どうしても諦め切れない人には、陶芸用の接着材があります。しかし、必ずしも上手く

   とは限りません。特に、本体からぶら下がる様な形状のものは、本焼きで剥がれ落ちる危険性

   が大です。接着する前に、取れた部品を元に組み立てた時に、安定して自立していれば、

   接着も有望です。この段階で不安定の場合は、失敗する確率が大きいです。

 ④ 背の高い作品を作る場合、上部になる物を、途中から継ぎ足す方法があります。

   紐作りの場合は、普通に行われている方法ですが、轆轤作業でも行う事が可能です。

   轆轤作業では、以下の方法があります。

  ) 円筒形に挽いた二つを上下に積み上げる方法。

    一方の円筒には底があり、他は底のない筒にします。当然接合面の径は同じにしておきます

    下になる円筒は、上に載せる円筒の重みに耐える程度に、乾燥していなければ成りません。

    接合面は生乾きの状態で、乾燥度合いによって、そのまま載せる(上部が軽い場合)、

    水を引いてから載せる、更には「ドベ」を付けてから載せるの、三通りの方法があります。

   a) 高さが20cm程度の筒を轆轤で二個挽く事が出来れば、これを縦方向に繋げば、40cm

    の筒になります。但し、土の内径は片手が入る程の大きさが必要です。上に筒を載せてから

    繋ぎ目の内外から濡れた布切れ等を使い、周囲の土を上下させて滑らかに繋ぎ合わせます。

    筒の内径が細い場合には、「柄コテ」を使います。「柄コテ」に布切れを巻き付け、

    水切れが無い様にします。

   b) 背が高くなると、振れ易くなりますので、完全に振れが無くしてから、形作りに入り

    ます。一般には、胴体部分を広げる事が多いです。

  ) 作品の下部と上部を別々に形作り、下部が生乾きの段階で上部を繋ぐ方法。

    大よそですが予め、上下の形が確認できますので、全体のイメージが解かり易いです。

    但し、接合面が肉薄で、径が大きくなり易くなりますので、上記)の方法より慎重に

    作業する必要があります。下部を乾燥させる際、接合面が乾かない様に、濡れた布切れで

    覆い乾燥を防ぎます。

  上記の様に上下の作品を繋ぎ合わせれば、轆轤作業に精通していなくても、軽くて大きな

  作品を作る事ができます。  

2) 異なる性質の土を接着する場合。

以下次回に続きます。

 
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