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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 149 手や指の使い方とは7

2015-06-15 22:14:33 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ④ 指はどの位置で使うのが効果的か。

  ) 力を有効に使うには。

  ) 轆轤の回転力を利用する。

    力は制作者自身が引き起こすのは当然ですが、轆轤の回転力を利用する事で、小さな力を

    大きな力に変える事ができます。

   a) 轆轤を使用する理由。

    轆轤(電動、蹴り、手回し)は、回転する事で円形の作品を作るのに適します。

    それ故、形が整った作品になります。更に手捻りの場合にも利用します。

    電動轆轤などを使う一番の利点は、短時間で形の整った作品を作る事が出来る事です。

    更に肉厚も比較的薄く、軽い物を作る事も可能です。気が付いていないかも知れませんが、

    轆轤の回転力は、上手に使う事で、制作者の力をサポートして、力を与えてくれています。

   b) 轆轤が発生する力とは。

    一般に轆轤(電動、蹴り、手回し)は回転する事で、遠心力を発生します。逆に轆轤は

    遠心力のみを発生する機械(道具)とも言えます。垂直方向の力はありません。

    遠心力(F)=質量(m)X半径(r)X角速度(ω=オメガ)の二乗で現わされます。

    即ち、角速度(回転速度)が二倍に成れば、四倍の遠心力が働く事になります。

    それ故、轆轤作業では、回転速度が重要になり、制作時の場面場面で微妙なコントロールが

    必要になります。

   c) 遠心力(平面、横方向の力)を外側から押さえる事により、垂直方向の力に変える事が

    できます。例えば、土殺しの際の延べ上げでは、遠心力に逆らい、土を両手で締め上げる

    事で、土は上に伸びます。制作者は自分で土を上に伸ばしたと感じるかも知れませんが、

    実際には、轆轤の回転力も大いに寄与しています。同様に、延べ下げの場合、上に伸びた

    土の頭を右手の親指の付け根(右回転の場合)で、前方横方向に押し倒す(遠心力を押さ

    える)事で、少ない力で、土を捩り(ねじり)ながら、下方に下げる事(延べ下げ)が

    できます。 轆轤に慣れていない方は、土の頭を真上から真下に押さえ込もうとしますが、

    これでは垂直方向の力は発生しませんので、大きな力が必要になります。

   d) 土を上に薄く伸ばす場合にも遠心力を上手に使うと、意外と楽に土が上に伸びます。

    (電動)轆轤作業で難しいのは、土を薄く上に伸ばす事と言われています。十分薄く伸ばす

     事が出来れば、「轆轤技術の7~8割はマスターした事になる」と言う人もいます。

     上に薄く伸ばすには、遠心力を利用する必要があります。即ちある程度のスピードのある

     回転がいります。轆轤に慣れていない方は、回転スピードが遅くなり勝ちです。即ち速く

     すると、振ら付き易くなると思うからです。しかし回転が遅いと逆に振れが発生する事が

     あります。

   e) 轆轤作業で土が上に伸びない原因には、上記の回転スピードの他に、外側からの押す力が

     不足している事が上げられます。土は筒状の内外から力を加え上に伸ばしますが、外側の

     手の力が弱いと、土は上に伸びません。筒の中央部分が凹む程度まで、力を強くしないと

     土は上に伸びてくれません。勿論、外側の手は基準ですので、肘などは太ももや脇腹に

     押し付け、しっかり固定する必要があります。

   f) 外側の手は時計の針の8時の位置で使うと、力を有効に使えます。

    10時、11時と成るに従い、力が入り難くなります。即ち、体が伸びた状態では、力が

    発揮できません。最悪でも9時の位置までです。逆に7時、6時の位置ですと、外側の手の

    手首は急激に曲がるか、手をひっくり返す必要が生じますので、力は入らず表面を撫でる

    程度の為、土は薄くは成りません。

2) コテ類を有効に使う。

以下次回に続きます。

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素朴な疑問 148 手や指の使い方とは6

2015-06-13 16:31:42 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

 ③ 指を使う時の注意。

 ④ 指はどの位置で使うのが効果的か。

   陶芸は力仕事と言う人もいます。小さな作品であれば、さほどの力は必要としませんが、

   大型の作品に成るに従い、強い力が必要に成ります。例えば、背の高い壷などを作る際には

   数kgの土を使います。その際土殺しや土を筒状に伸ばす作業には、非常に大きな力が必要に

   なります。但し、陶芸は必ずしも力だけで作品が出来る訳ではありません。少ない力でも

   有効に使う事で作品を作る事も可能になります。その為には、力を有効に使う事が求められ

   ます。

  ) 力を有効に使うには。

   a) 良い姿勢で作陶する事。

     当然ですが、作品に力を与え形や肉厚を変えるのは、手の指です。指は腕を通して胴体の

    一部の肩に繋がります。即ち、制作者の体がしっかりしていなければ、手の指もしっかり

    せず力も出ません。それ故、単に手先のみの問題ではなく、体即ち姿勢が大切になります。

    極端に前屈み(かがみ)になったり、轆轤作業時に極端に体を横向き過ぎたりすると力が

    分散し勝ちです。

   b) 極端に前屈みする原因は、作業する位置が遠い事です。即ち、座る位置や立ち位置を

     制作中の作品に近付ける事です。又、作業する位置が低い場合にも、前屈みの原因に

     成ります。その為、作業する高さを調整する必要があります。その他、手元が暗い場合や、

     近視や老眼の為にも前屈みになる場合があります。

   c) 陶芸では引く力よりも、押す力を多く使います。ほとんどの作業が押す力と言っても

     過言ではありません。土を上に伸ばすのも、壁の内外から押された土が、上部に逃げる

     現象ですし、紐作りの紐も左右(又は上下)より、押された土が横方向に逃げて細く

     なります。押す指の力は、腕の支点から短い程位置が安定し力も出ます。

     尚、支点とは、作業台の端などの一部や、適当な台や物であったり、轆轤作業では、

     轆轤の「ドベ受け」や制作者の横腹、足の膝(ひざ)などがあります。特別に用意する

     場合と、その近くにある物を利用する場合もあります。

   d) 体が伸びた状態では力が入りません。即ち、両脇が「スカスカ」に開いた状態では、

     力が出ません。両脇を締める事で手の指も安定し、振れを押さえる事が出来、力も入る

     事になります。

   e) 同じ力を有効に使うには、力を狭い範囲に集中させる事です。

     掌(てのひら)全体よりも、手の指全体、更には指先と範囲を狭くすると力が入ります。

     即ち、面より線、線より点と範囲が狭くなりるに従い力が入ります。但し、点で押すと

     一点のみが変化します。 轆轤の場合には、回転していますので、一点で押しても線状に

     力が伝わります。同様に線状に押した場合には、面状に力が伝わる事に成ります。

     それ故、轆轤作業では線状に押すと全体の形を変える事ができます。具体的には、轆轤の

     外側の手の中指、人差し指、薬指の三本の指を一体にし、高さを揃えます。

     当然、中指と薬指はわずかに湾曲する必要があります。こうする事で、土との摩擦を

     減らす事も出来ます。摩擦が大きいと撚れ(よれ)や変形の原因に成ります。

以下次回に続きます。
    
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素朴な疑問 147 手や指の使い方とは5

2015-06-11 21:33:13 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

 ③ 指を使う時の注意。

  ) 使う手の力の入れ方。(力の強弱)

  a) 肉の厚い処では力を入れ、肉が薄い部分では力を抜く(弱い力)のが基本です。

   但し作品を制作中では、刻々と厚みが変化します。特に轆轤で制作する時はこの現象が

   顕著に現れます。即ち制作が進むに従い、肉厚が薄くなるのが普通です。それ故、徐々に

   力を抜きながら制作する事が多いです。肉が厚くなり易い部分は底及びその周辺です。

   勿論ある程度の厚みがないと、上の土を支える事ができませんから、むやみに薄くする事も

   出来ません。どの程度薄くしても良いかは、経験からおのずと判る様に成りますが、初心者

   の方は、やや厚めにした方が無難です。後で削れば薄くする事が出来ます。

   逆に薄くなり勝ちな処は、口縁近辺です。即ち、初心者ほど底と口縁の肉厚差が大きくなる

   傾向があります。

  b) 土が硬い場合には力を強く、軟らかい土の場合には、弱い力で作業します。

   軟らかい土に強い力ですと、一度に変化(変形)してしまい、思うような形になりません。

   それ故、制作に取り掛かる前に、土の軟らかさ(硬さ)を確認しておきます。一般に土を

   練る(菊練)段階で判ります。但し、作品の形や大きさによって、硬い方が良い場合が

   あります。轆轤に限らず、肉厚を確認したり、土の軟らかさ等を指先で実感しながら制作

   すると良い作品に成ります。慣れない方は、形作りに囚われ、肉厚まで気が回らないかも

   知れません。特に轆轤作業では、水を使いますので、土は次第に軟らかくなります。

   軟らかくなると一見土が伸び易く感じますが、実際には伸ばしたそばから、土が下に落ちて

   しまいます。それ故、轆轤作業に時間を掛け過ぎるのは、出来るだけ避けたいです。

  c) 指や手で作品を押した場合、作品は歪みます。それ故、変形させずに肉を薄くする場合には

   押した方の反対側からも押し返す事により、力のバランスが保たれます。この内外の力の

   バランスの差により、作品の形が作られるとも言えます。

  d) 力の入れ方は常に同じではありません。状況に応じて変える必要があります。

   土を薄くする事は、比較的容易ですが、逆に土を厚くする事は難しくなります。それ故轆轤に

   慣れない方は一挙に薄くするのではなく、徐々に薄くする事です。一挙に薄くすると捩れ

   (ねじれ)や撚れ(よれ)、更に作品の振れが起こり易いです。

   この技術を習得した方が、轆轤作業に限らず、陶芸で好みの作品を作る事ができます。

  e) 電動轆轤では、回転する土(器など)の外側を担当する手が重要です。

   右回転(時計回転)の場合は左手になります。この手が形などの基準になります。

   回転の為常に遠心力が働き、作品は横へ横へと広がります。それを抑える為には、左手

   (外側の手)の位置をしっかり固定し、遠心力に負けない様にしなければ成りません。

   遠心力は回転速度の二乗に比例し、作品の径に比例しますので、手の力だけでなく、回転速度

   のコントロールも大切です。この外側の手が「ふら付く」と、土は言う事を聞いてくれず、

   形が定まりません。

 ④ 指はどの位置で使うのが効果的か?。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 146 手や指の使い方とは4

2015-06-10 22:05:31 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

 ③ 指を使う時の注意。

   基本的に、片手の指を使う時でも、単独で使う事は少ない様です。必ずその指を何らかの

   方法で サポートする必要があります。単独では「ブレ」て位置が固定出来ないからです。

   特に、轆轤作業は綺麗な形(対称形)にするには、指が所定の位置に有る事が重要です。

   更に状況に応じて、力に強弱をつける必要があります。

 ) 使う指を必要な位置に置くには、手が「ブレ」無い様にする為に、使う手の腕の肘を

    太ももや脇腹にくっつけて固定します。即ち、両腕と体で三角形にします。

    手捻りの場合は、さほど注意する必要はありませんが、轆轤作業では、三角形と言う一番

    安定した形にする事で、外部からの力に強さを発揮します。これを省くと、手の位置が

    固定されません。更に、他の手や指を使って、堅固に固定する場合が多いです。

    その方法には下記の様なやり方があります。

  a) 他の手全体で、使う手(指)の手首を掴む(押さえる)。

    単に押さえる(支える)だけでも、効果があります。

  b) 他の手(掌)で、使う手の甲を押さえる。

    但し、強く押さえる必要はありません。三角形を作るのが目的です。

  c) 他の手や指で、使う指の付け根を押さえる。

  d) 親指単体を使う場合には、親指が短く太い為に、必ずしも三角形にする必要はありません。

    当然、掴む(押さえる)位置が使う指の近辺であればある程、「ブレ」は小さくなります。

    但し、指を柔軟に使う場合には、使う指から遠い場所を掴むことになります。

 ) 左右の手が協力して作業する場合。

   協力する為には、両者を連結して使います。即ち、親指同士を組み合わせ、両手がバラバラの

   動きをしない様にします。親指同士の組み方は色々あります。単に親指のみを「X」形に組み

   合わせる方法と、更に、親指と人差し指の付け根とも組む方法があります。後者の方が位置が

   しっかり出ますが、指が自由に動かす範囲は狭くなります。  

  a) 一方が主役で片方が従の場合。

   手捻りの場合、無意識の内に作業する事が多いです。即ち利き手(主に右手が多い)が主役に

   なる事が多いです。一方轆轤作業では、形造りに入ると径を広げるのは右手(内側の手)が

   主役で、径を小さくするのは、左手(外側)の場合が多いです。主役の手で押されたら、

   従の手は押されて逃げなければ成りません。「がんばって」いると形になりません。

   尚、外側の手の肘はどんな時にも体から離さない様にします。背の高い作品ではどうしても

   肘が浮き易いですが、肘を中心とした円弧運動にすれば、離れる事はありません。

  b) 両方が主役の場合。

   手捻りでも轆轤作業でも、両方の手を均等に使う場面も多いです。

   例えば、轆轤の土殺しの延べ上げでは、両方の手を均等に使います。即ち両手の腕の肘は

   太もも又は脇腹に固定する必要があります。土を薄く延ばす際にも均等に使います。

   又手捻りの紐造りでも、左右対等の働き出なければ、綺麗な紐は出来ません。

 ) 使う手の力の入れ方(強弱)。

   肉の厚い処では力を入れ、肉が薄い部分では力を抜くのが基本です。又、土が硬い場合には

   力を強く、軟らかい土の場合には、弱い力で済みます。それ故、制作途中では、轆轤に限らず

   肉厚を確認したり、土の軟らかさ等も実感(確認)しながら制作する事に成ります。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 145 手や指の使い方とは3

2015-06-09 17:53:55 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

   陶芸に於いては、指の使い方は、当然人によって違いがあります。各自使い易い指で使い易い

   方法で作業するのが本筋ですので、今まで述べて来た事や、以下に述べる事はあくまでも

   参考程度としてお読み下さい。

  ) 指の腹を使う場合。

   使う指は主に、親指、人差し指、中指です。単独で使う場合も有りますが、同じ手又は別の手

   や2~3本の指が協力して作業を行う事もあります。具体的には、以下様な事柄です。

   a) 手捻りの場合(紐作り、玉作り等)、筒状の作品の壁の肉厚を薄くする為、親指に人差し

    指と中指の腹を向かい合わせ、摘む様にして肉厚を薄くします。一箇所のみを薄くするので

    はなく、全体が同じ厚みになる様に、徐々に行う事が大切です。

   b) 紐作りの場合、巻いた紐の繋ぎ目を消す為に、親指の腹や人差し指の腹を使い、紐土の

    表面を斜め方向に滑らす様に移動させて、繋ぎ目を無くします(消します)。

    肉の厚い方から、薄い方に移動させます。

   c) (電動)轆轤作業の場合、土を筒状に上に薄く伸ばす際にも、片手の親指と人差し指を、

    又片手の人差し指又は中指の腹と、他の手の人差し指や中指を向かい合わ、肉薄にし上に

    伸ばします。指の腹を使う事で土との接触面積を減らしますので、抵抗による土の捩れ

    現象が少なくなります。

   d) 轆轤で鶴首の様に細く長い形にするには、両手の親指と人差し指の腹を、等間隔にして

     四方から押さえ、徐々に細くして行きます。土の逃げ場が無い様にするのが上手に細く

     する「コツ」です。

   e) 同様に轆轤作業で口縁の肉厚を厚くしたり、高さを揃える場合には、人差し指の腹で縁を

    上から押さえますが、縁の内外も親指、中指の腹で押さえます。

   f) 轆轤上で皿の中央に渦巻き文様を入れる場合には、水で濡らした人差し指の腹を使います

    轆轤の回転速度と指の移動速度によって渦の巻き具合も変化します。作品の胴体に轆轤目を

    入れる場合にも、両手の指を向かい合わせ、指の腹を使いスピードを持って上に手を移動さ

    せます。

   g) 指描きの技法では、人差し指を使います。

    指描きは、化粧土を塗った表面を指で強弱を付けて、移動させて模様を描く方法です。

    素地が生の状態の時や、施釉時に釉を指で移動させて行う事なります。

    指の使い方による太さの差と、スピード感のある模様が見所となります。

   h) 小さくて軽い物を持つ場合、指の腹を使うのが一般的な方法です。

    轆轤作業の口縁をな「めし皮」で拭く行為や、「コテ」類を持つ場合も指の腹を使います。

    緩やかに掴むには、指の腹を使います。しっかり掴む場合には、掌全体を使うか、鉛筆持ち

    の様にします。

  ③ 指を使う時の注意。

   基本的に、片手の指を使うときでも、単独で使う事は少ないです。必ずその指をサポートする

   必要があります。単独では「ブレ」て位置が固定出来ない為で、結果的に作品が思い描いた

   形には成りません。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 144 手や指の使い方とは2

2015-06-05 21:55:26 | 素朴な疑問
1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

  ) 掌(手のひら)全体を使う場合。

  ) 拳(こぶし)を使う場合。

  ) 掌の親指の付け根付近を使う場合。

    手の中でもこの部分がある広さを持ちながら、一番力が入る処です。土に強く力を与える

    事ができます。親指を人差し指に付けると、開いて使うよりも、より強い力が出せます。

    電動轆轤での土殺しの際の延べ上げ、延べ下げの時に多く使います。特に延べ下げの場合

    高く伸びた土の頭部近くを抱え込み、左前方に押し倒す(轆轤は時計回転の時)事で、

    延べ下げがそれほど力を使わずに、難なく巧くできます。

  ) 掌の小指の付け根から手首付近を使う。 

    親指を除く4本の指をくっ付けて使います。やや掌を内側に曲げます。粘土の裾野付近に

    力を入れる場合は、この場所の指を使います。 又筒状の作品の径を更に細くする場合も、

    掌全体に筒を包み込む様にし、小指の付け根付近に力を入れ、径を細くします。

    尚、径が太い場合には、親指を他の指と離して押さえる範囲を広くします。

 ② どの指をどの様に使うか。

   陶芸では、指の爪は長くしておくと作業が出来ませんし、爪が引っ掛かりますので、ある程度

   短くしておく必要があります。尚、常に轆轤作業をしていると、爪が擦り切れ長くなりません。

  ) 指の使い方として、指の先端部分、指先の腹の部分、指の掌側全体、及び指の側面があり

   ます。主に指を伸ばして使う事が多いです。その他に、拳(こぶし)を作り、人差し指の

   第一関節を外側に押し出し、この関節を使う事があります。主に轆轤挽きの際、作品の外側に

   強い力を与える時に使います。又、指と指の間(人差し指と中指の間、親指と人差し指の間)

   を使う場合もあります。更に土を内外から摘み肉厚を薄くする場合も、親指と他の指を向かい

   合わせて使います。これらの使用方法の詳細に付いては後で述べますが、場面に応じて使い分

   ける事になります。陶芸を続ける為には、マスターして置くべき事柄となります。

  ) 指の使う場所によって、力の強さが変わります。即ち、土に接する面積が狭い程、力強さ

   が土に伝わります。陶芸がある程度力仕事ですので、力を有効に使う為には、状況に応じて

   どの指をどの様に使うかを考えなければ成りません。(即ち、力より技です。)

  ) 指の先端部を使う場合。

   a) 親指の先端部を使う場合。手捻りの玉造りや(電動)轆轤作業の最初の作業でもある、

    土の中央に穴を掘り込む時に使います。轆轤(手回し、電動など)を回しながら、親指を

    真下に向け指先に力を入れて堀り込みます。電動轆轤の場合は指を濡らしますが、手捻りの

    場合は水に濡らさない事です。片手の場合も有りますが、両手の親指同士をくっ付けて

    使うと、手もブレず綺麗な円が掘れます。

   b) 中指の先端部を使う。

    上記の様に親指を使って土の中心に穴を開ける方法では、親指の長さまでしか穴はほれません

    それ以上深く掘り込む場合は、中指を使います。中指を真下に向け、指先に力を加えて

    掘り込みます。但し、掘り込み過ぎて、底に穴を開けないでください。

  c) 人差し指、中指、薬指の指先を揃え、線状にして使う場合。

    電動轆轤では、内側と外側から押し合い、土を薄く伸ばす事に成ります。その際、外側の

    力を強くすると土は上に伸びます。力は指先が土の外壁に直角に向った時に強くなります。

    掌(てのひら)の様に面で押さえると、力が分散し強い力が出ません。

  ) 指の腹を使う場合。

以下次回に続きます。
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素朴な疑問 143 手や指の使い方とは1

2015-06-03 18:04:59 | 素朴な疑問
陶芸では手や指を使って、作品を作り上げます。陶芸に限らず工芸や美術品はほとんどが手作業と

言えます。電動轆轤を使ったとしても、手の作業が入らなければ作品には成りません。但し鋳込み

成形や機械轆轤などを使う事によって、手作業は大幅に少なくなります。

手は最良の道具とも言われています。特に研ぎ澄まされた手の触覚は、どんな精密な機械でも追い

付く事はできません。勿論高度の触覚を会得するには、数十年と経験を得る必要があるものが多い

です。陶芸に於いても、手や指は単に土(粘土)を触るだけでなく、「コテやカンナ」などの用具を

使う際や、作品に絵や文字を描く際、更には、釉を掛ける際にも重要な働きをします。

当然作業の種類によって、手の使い方も変化します。

今回のテーマは、手や指の使い方に付いてお話します。尚、過去の記事にもある程度の手や指の使い

方に付いて述べていますので、重複するかもしれません。ご了承下さい。

1) 手や指の使い方の種類。

 ① 手や指のどの部分を使うか。

  作業の種類によって、手や指の使う部分が異なります。両手で行う方法と片手で行う事がありま

  すが、基本は両手で行います。(又は、左右均等とは限らず、片手が主で他が従の場合も多い)

  ) 掌(手のひら)全体を使う場合。

    接触範囲が広いですので、土などが軟らかい場合には、強い力を入れる事は出来ません。

   a) 乾燥している作品や完成している作品を両手で持つ場合、底に手を当てる事が出来る形で

    あれば、必ず片手は底を持つ事です。素焼きまでの作品は、カップ等の取っ手部を持つ事は

    危険です。

   b) 電動轆轤や手回し轆轤上に粘土を据える場合、両手の掌で掴み、轆轤面に押し付ける様に

    据えます。

   c) 手捻りや電動轆轤作業で、作品が歪んだりした場合両手で抱える様にして補正します。

   d) 電動轆轤の場合、表面を水で濡らす際、両手で抱える様にして、下から上に手を移動

     させます。

   e) 板状の平らな板を作る場合、掌全体を下に向け、土を直接叩く場合があります。

    但しそれほど強く叩ける訳ではありませんので、少ない面積の時に行うのが普通です。

    広い面積の場合は、叩き板や伸し棒を使う事が多いです。

   f) 土の紐を作る場合、板の上で転がしながら丸い紐を作る方法があります。

    その際、両手の掌を下にして、粘土を転がしながら、手を左右に開き細く長くします。

    使う掌の範囲は、指部分のみ、掌のみ、指と掌部分の両方を使う方法があります。

    両方使う場合が前後の振幅が一番大きいです。効率が良いですが、微妙な太さや同じ太さの

    紐が作り難いです。指のみを前後した方が細い紐が作り易いです。

   g) 掌全体を使って作品の外側を押さえ、土延ばしや成形など轆轤作業をする方法も見掛け

     ますが、接触面積が増え摩擦抵抗も増えますので、作品に悪い影響を与える可能性があり

     ますので、なるべく接触面を少なくする方が良いでしょう。(この件は後で述べます)  

  ) 拳(こぶし)を使う場合。

    主に、土の塊を伸ばす場合や、土を叩き締める場合に使います。

   a) 拳を作り、親指を除く4本の指を下にして、上から叩く場合。

     力強く叩く場合にはこの方法をとります。例えば大皿を作る際、底に成る部分の土を拳で

     満遍なく叩き、土を締め底割れを防ぎます。但し、この方法では叩いた表面が凸凹します

     ので、次に述べる方法で、表面を滑らかにします。

   b) 親指を上に小指を下にした状態で土を叩く場合。

     この場合はさほど強く叩く事が出来ません。極小面積の土や、上記の拳の仕上げ作業と

     して行う事が多いです。

  ) 掌の親指の付け根付近を使う。

以下次回に続きます。

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素朴な疑問 142 作品の梱包時の注意点とは2?

2015-06-01 17:53:08 | 素朴な疑問
3) ダンボール箱に梱包する際の注意。

  ダンボールには、市販の化粧箱や普通のダンボール箱を使う場合、スーパー等に置いてある適当

  な大きさの箱を利用する場合があります。 

 ① 市販のダンボール箱は、ネットショップや梱包材料店、各種資材館、DIY、更には100円

   ショップ等でも手に入れる事ができます。又、梱包する為には、ガムテープや各種の緩衝材等

   が必要です。

  ) 市販の物には、無地のダンボール箱や、白色無地箱(白箱)などがあります。

    一個のバラ売りから数十個単位まで色々です。 大きさは規格品ですので、必ずしも満足の

    行く大きさがあるとは限りません。ご自分で作り直す必要がある場合も多いです。

  ) 必要な緩衝材には、一般に「プチプチシート」と呼ばれるエアークッションがあります。

    その他、新聞紙などの紙類(包装紙)でも十分対応できます。

  ) ガムテープ(クラフトテープ)も箱に蓋をする時や、箱を補強する時に使います。

    いずれも、ダンボールを売っている処や、100円ショップなどで入手できます。

    以前は、ダンボルー箱にビニール製の紐を掛けて持ち易くしていましたが、現在ではほとんど

    見掛ける事も少なくなりました。

 ② 各家庭にある適当なダンボール箱(中古品)や、スーパー等に置いてある箱を見つけ出し、

   利用する方法もあります。やや大きめの箱を、自分好みの大きさに作り変える事も、さほど

   難しくありません。カッターナイフでカットし、クラフト(ガム)テープ等で貼り付け組み立

   てます。ダンボールの紙厚は3、5、8mmと有りますが、一般には5mmが多いです。

 ③ 宅急便で送る際には、送る地域と大きさに拠って運賃も異なりますので、なるべくコンパクト

   にする必要があります。運賃は縦横高さの各寸法の合計で決まります。重さには関係しません

   尚、宅急便の会社として、「クロネコ大和」「佐川急便」「郵パック」などがあります。

 ④ 箱の大きさは、大き過ぎても、小さ過ぎても、巧く作品を詰める事はできません。

  ) エアークッションで包んだ作品は、紙で包むよりかなり大きくなります。

    作品の大きさ、形、数量によって箱の大きさが異なります。

  ) 量産品と異なり、一品物が多い作品では、形や大きさが常に一定している訳ではありま

    せん。それ故、常に、最適な箱が手元にあるとは限りません。箱を自分で作ったり、一部

    手直しをする必要になる事も多いです。

 ⑤ 箱詰め手順。

  ) 作品の重量で箱の底が抜けそうな時には、箱の内側の底をガムテープで補強します。

    底にエアークッションを敷き衝撃に強くします。

  ) 全ての作品をエアークッションや包装紙で包んだら、大きな作品から詰めていきます。

    小さな物から詰めると、大物が箱に入らない場合もあります。大物を、中物、小物の順で

    入れます。

  ) 大物が箱の中で「ガタガタ」しない様に、箱の壁と大物の間に小物を入れます。

  ) 全てを入れ蓋をして、箱を振って「ガタ」が有るかを確認します。「ガタ」がある場合

    には、隙間にクッション材を入れます。「ガタ」があると、内部の作品同士がぶつかり、

    破損する恐れがあります。 即ち、作品と四方の壁、作品と蓋との間に「ガタ」(隙間)が

    ない様にします。箱全体を揺する事で確認します。「ガタ」がない事が確認できたら、

    蓋を閉じ、ガムテープで蓋が開かない様に固定します。

4) 発送の手配。

 ① 宅急便で送りたい場合には、送り状に所定事項を書き込み添付し、更に指定の「ガラス、

  ビン、セトモノ」等の壊れ物のラベルを貼ります。以前は荷物を放り投げる様な行為もあった

  様ですが、近年は、丁寧に扱う様になりました。

  注: 送り状には、元払と着払いの色違いの伝票があります。配達指定日や配達時間なども

    指定する事もできます。

 ② 運送屋に取りに来て貰うか、コンビニ等の取り扱い店に持ち込むか、自ら営業所に持ち込む

   事になります。当然、直接持込の方が安いです。一個に付き100円程度の差があります。

  ) 宅配業者に取りに来て貰うには、ネット又は電話の方法があります。

     日時を指定して取りに来てもらいます。

  ) 近辺の他県(市)には、一般に翌日には届く場合が多いです。

以上で梱包の話を終わります。

    
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