電動轆轤は、右(時計方向)回転でも左回転でも、好みの方向で使う事が出来ます。
多くの場合、右又は左回転のみで、全ての轆轤作業を行います。
左右の回転方向が異なれば、手や指の使い方、手指の置く位置が違いますので、必ずしも、両方を
覚える必要も有りません。但し、轆轤には左右回転の機能が付いています。それを活用する方法も
ありますので、興味のある方は試して下さい。
尚、現在でも両方の回転を使い分けて、活用している方も多い様です。その利用方法は、主に底削り
の際と、轆轤挽き時の作品の捩れ(ねじれ)や撚れ(よれ)を直す際に利用しています。
その他にも、底を切る際や、練り込みの作品を作る時にも使われています。
1) 轆轤挽きは右回転、底削りは左回転。
わが国では、一般に刃物は手前に引いて切る傾向にあります。轆轤の削り作業もカンナを引いて
使います。実際には轆轤が回転していますので、引く必要はありません。
① 底削りを右回転で行うと、カンナの作業は目の前(手前側)で行う事になります。 カンナは
右手に持ち、左側に向け倒す様に削る事になります。この方法は、カンナの持ち方が、一般の
持ち方とはやや異なります。
② 轆轤を左回転にし、作品の右側面を右手で持ったカンナで削り作業を行うのは、理にかなった
やり方で、削り易いと感じる人もいます。(要は慣れの問題ですが・・・)
それ故、作陶の場合は右回転、削り作業は左回転で行う人も多いです。
2) 轆轤挽き時に作品に、撚れや捩れが生じる事は起こり易い失敗です。これを直す際、轆轤を
反対方向に回転させて直す方法があります。
① 右回転での轆轤作業では、粘土は右肩上がりに捩れ(ねじれ)ながら上に伸びていきます。
この場合も土の撚れや捩れが、表面から見えない状態ならば、なんら問題に成りません。
明らかに表面に撚れが発生している場合には、撚れを修正する必要があります。
(尚、素地の乾燥と共に、撚れは若干元に戻ります。)
② 撚れが発生する原因。
) 作品の肉厚が薄く成り過ぎた場合。口縁周辺の肉厚が薄くなっても、撚れが発生する事は
少ないです。主に作品の中間か、それよりやや上部に発生し易いです。即ち、上部がやや肉厚で
重量もある場合には、上部の重みで歪み易くなり、且つ、上部が回転方向に引っ張れる為、
撚れが派生します。
) 逆に肉厚が、周囲より厚く成り過ぎた場合にも、撚れは発生します。
良くある例は、鶴首の様に、粘土を細長くした場合です。細くする為に径を絞る事になりますが
土を絞ると肉厚に成ります。そのまま更に細くしようと、径を絞りますると、撚れが発生します
それ故、厚くなった部分を薄くしながら、細くする必要があります。当然背は高くなります。
内側に手や指が入らなくなったら、「柄こて」を使います。
) 粘土の水切れの際にも、土は撚れます。手や指が土の表面を滑らかに滑らない状態で
轆轤作業を続けると、土は回転方向に捩れ、撚れを発生します。
③ 撚れや捩れを解消する為に、轆轤の回転方向を変えて轆轤作業を行う。
) 轆轤の回転方向を変える場合、一度スイッチを切り、完全に轆轤を停止させてから、
逆転のスイッチを押し(又は倒し)ます。急にスイッチを切り替えても、直ぐに回転方が変わる
訳では有りません。
) 轆轤の回転方が変われば、左右の手の使い方は、逆になります。
例えば右回転であれば、器の外側が左手で、内側が右手に成りますが、これが逆になり外側が
右手、内側が左手に成ります。
) 撚れを直す際には、轆轤の回転をやや遅くします。
a) 撚れが発生した作品は、最上部(頭の部分)が「ゴマ摺り運動」をしている事が多いです。
回転を早くすると、遠心力で最上部が更に大きく「ゴマ摺り運動」を起こします。
b) 基本的には、左右の指を向かい合わせて、下から上に土を撫ぜ挙げる様にします。
力は入れ過ぎない事です。当然、指先などは十分泥で滑る様にして置く必要があります。
c) 一度では直す事が出来ませんので、数回くり返す事になります。
捩れが直ったら、肉厚が厚い場合には、轆轤の回転を元に戻し、轆轤作業を続行します。
肉厚が薄くなり過ぎて撚れた場合には、直しても肉が厚くなる訳ではありません。
肉を厚くするには、上部の肉厚の部分の土を下に降ろし、肉厚を厚くする事ですが、慣れない
方には、難しくなりますので、思い切て上部を切り取方が良い場合も多いです。
d) 撚れを直す際、轆轤を逆回転させずに、直す方法もあります。
肉厚が厚い場合には、一度径を広げる事で、直す事が出来る場合があります。
肉厚が薄い場合には、薄い部分の上下の土を薄い部分に移動させる方法です。下の土は上に
上の土は下に移動させます。下に移動させる作業は撚れを直す作業にもなります。
但し、少しの(狭い範囲の)撚れならば可能ですが、撚れが強い場合や、撚れの範囲が広い
場合は、難しい作業になります。
以下次回に続きます。
多くの場合、右又は左回転のみで、全ての轆轤作業を行います。
左右の回転方向が異なれば、手や指の使い方、手指の置く位置が違いますので、必ずしも、両方を
覚える必要も有りません。但し、轆轤には左右回転の機能が付いています。それを活用する方法も
ありますので、興味のある方は試して下さい。
尚、現在でも両方の回転を使い分けて、活用している方も多い様です。その利用方法は、主に底削り
の際と、轆轤挽き時の作品の捩れ(ねじれ)や撚れ(よれ)を直す際に利用しています。
その他にも、底を切る際や、練り込みの作品を作る時にも使われています。
1) 轆轤挽きは右回転、底削りは左回転。
わが国では、一般に刃物は手前に引いて切る傾向にあります。轆轤の削り作業もカンナを引いて
使います。実際には轆轤が回転していますので、引く必要はありません。
① 底削りを右回転で行うと、カンナの作業は目の前(手前側)で行う事になります。 カンナは
右手に持ち、左側に向け倒す様に削る事になります。この方法は、カンナの持ち方が、一般の
持ち方とはやや異なります。
② 轆轤を左回転にし、作品の右側面を右手で持ったカンナで削り作業を行うのは、理にかなった
やり方で、削り易いと感じる人もいます。(要は慣れの問題ですが・・・)
それ故、作陶の場合は右回転、削り作業は左回転で行う人も多いです。
2) 轆轤挽き時に作品に、撚れや捩れが生じる事は起こり易い失敗です。これを直す際、轆轤を
反対方向に回転させて直す方法があります。
① 右回転での轆轤作業では、粘土は右肩上がりに捩れ(ねじれ)ながら上に伸びていきます。
この場合も土の撚れや捩れが、表面から見えない状態ならば、なんら問題に成りません。
明らかに表面に撚れが発生している場合には、撚れを修正する必要があります。
(尚、素地の乾燥と共に、撚れは若干元に戻ります。)
② 撚れが発生する原因。
) 作品の肉厚が薄く成り過ぎた場合。口縁周辺の肉厚が薄くなっても、撚れが発生する事は
少ないです。主に作品の中間か、それよりやや上部に発生し易いです。即ち、上部がやや肉厚で
重量もある場合には、上部の重みで歪み易くなり、且つ、上部が回転方向に引っ張れる為、
撚れが派生します。
) 逆に肉厚が、周囲より厚く成り過ぎた場合にも、撚れは発生します。
良くある例は、鶴首の様に、粘土を細長くした場合です。細くする為に径を絞る事になりますが
土を絞ると肉厚に成ります。そのまま更に細くしようと、径を絞りますると、撚れが発生します
それ故、厚くなった部分を薄くしながら、細くする必要があります。当然背は高くなります。
内側に手や指が入らなくなったら、「柄こて」を使います。
) 粘土の水切れの際にも、土は撚れます。手や指が土の表面を滑らかに滑らない状態で
轆轤作業を続けると、土は回転方向に捩れ、撚れを発生します。
③ 撚れや捩れを解消する為に、轆轤の回転方向を変えて轆轤作業を行う。
) 轆轤の回転方向を変える場合、一度スイッチを切り、完全に轆轤を停止させてから、
逆転のスイッチを押し(又は倒し)ます。急にスイッチを切り替えても、直ぐに回転方が変わる
訳では有りません。
) 轆轤の回転方が変われば、左右の手の使い方は、逆になります。
例えば右回転であれば、器の外側が左手で、内側が右手に成りますが、これが逆になり外側が
右手、内側が左手に成ります。
) 撚れを直す際には、轆轤の回転をやや遅くします。
a) 撚れが発生した作品は、最上部(頭の部分)が「ゴマ摺り運動」をしている事が多いです。
回転を早くすると、遠心力で最上部が更に大きく「ゴマ摺り運動」を起こします。
b) 基本的には、左右の指を向かい合わせて、下から上に土を撫ぜ挙げる様にします。
力は入れ過ぎない事です。当然、指先などは十分泥で滑る様にして置く必要があります。
c) 一度では直す事が出来ませんので、数回くり返す事になります。
捩れが直ったら、肉厚が厚い場合には、轆轤の回転を元に戻し、轆轤作業を続行します。
肉厚が薄くなり過ぎて撚れた場合には、直しても肉が厚くなる訳ではありません。
肉を厚くするには、上部の肉厚の部分の土を下に降ろし、肉厚を厚くする事ですが、慣れない
方には、難しくなりますので、思い切て上部を切り取方が良い場合も多いです。
d) 撚れを直す際、轆轤を逆回転させずに、直す方法もあります。
肉厚が厚い場合には、一度径を広げる事で、直す事が出来る場合があります。
肉厚が薄い場合には、薄い部分の上下の土を薄い部分に移動させる方法です。下の土は上に
上の土は下に移動させます。下に移動させる作業は撚れを直す作業にもなります。
但し、少しの(狭い範囲の)撚れならば可能ですが、撚れが強い場合や、撚れの範囲が広い
場合は、難しい作業になります。
以下次回に続きます。
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